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   2018東京都総合防災訓練に反対しよう

  「防災」口実の戦争動員―治安管理粉砕

    
              


 二〇一八年九月二日、中央区・港区で東京都総合防災訓練が行われようとしている。われわれは二〇〇〇年の「ビッグレスキュー」以降、自衛隊と米軍が関与する総合防災訓練に反対してきた。かかる地平をもって本年も断固とした反対行動を闘う。
 自衛隊が参加し、米軍が連動する「防災訓練」などというものは「防災」を口実にした地域住民の戦争動員―治安管理に他ならない。また九月一日前後に行われる「防災訓練」そのものが関東大震災時における朝鮮人大虐殺の歴史を清算し、もって労働者階級人民を排外主義に組織する攻撃に他ならない。
 二〇一八年「東京都・中央区・港区総合防災訓練」を許すな。「米軍・自衛隊参加の東京都総合防災訓練に反対する実行委員会2018」の仲間とともに抗議行動に立ち上がろう!

 ●1章 自衛隊参加を許すな!

 最近の総合防災訓練の特徴の一つとして、自衛隊の関与の仕方が会場内での宣伝と募集―すなわち広報活動を積極的に展開するという方向にシフトしてきている点が挙げられる。自衛隊はかつての「ビッグレスキュー」のような軍事色を前面に出した部隊展開から転換してきている。訓練会場では主に災害救助を主要テーマとするパネル展示や自衛隊車両の展示などが行われ、自衛隊員がレクチャー役を務める。本年においては大阪北部震災や西日本豪雨での自衛隊活動を前面に押し出してくると思われる。
 こうした広報活動は自衛隊への入隊勧誘とセットである。「災害救助」活動を宣伝することで青年層に自衛隊をアピールする求人活動である。
 この間の各種自然災害の発生によって自衛隊の「活躍」なるものが喧伝されてはいるが、われわれは自衛隊の本質として災害救助は二次的な活動であることを忘れてはならない。自衛隊は世界有数の軍事力を保有する軍事組織であり、国家権力の暴力装置であることは間違いない。軍事力―すなわち暴力を組織的に行使することを目的とする組織は通常「軍隊」と呼ばれる組織である。軍隊の本質的目的とは「決闘の原理」をもって「敵殲滅」の大原則を実現することにある。
 故に、災害救助で自衛隊ができることには限界がある。「敵殲滅」を主目的にする組織が人名救助を行うことは本質的に無理が生じる。自衛隊装備はあくまでも「敵」に対する暴力の行使が主目的なものだから災害救助には向かないのだ。災害救助なるものは従来の消防を中心とする組織もしくは地域住民の相互支援が要であることは明白だ。
 災害救助―自衛隊という図式は明らかに政策的に作られたものでしかない。そして東京都総合防災訓練はこのキャンペーンの一環に他ならない。われわれは自衛隊の本質を暴露し、総合防災訓練の中身を大衆行動によって暴露・批判していかなければならない。

 ●2章 地域・子供の動員弾劾

 訓練の特徴の第二点目として、地域―児童・生徒・学生の積極的動員が挙げられる。
 今回の防災訓練においては「平成三〇年度東京都・中央区・港区総合防災訓練への参加協力について(依頼)」という文書が、東京都教育委員会教育長名で各都立学校長宛に出されている。別添されている総務局長文書には「本訓練の趣旨に踏まえ、合同実施自治体に所在する都立高等学校の生徒及び職員の訓練参加について、特段の配慮・ご協力を」と書かれている。要するに、本年も教育委員会主導で地域の児童・生徒・学生の動員が目論まれていることに他ならない。
 ここ数年、教育現場と自衛隊との接近が社会問題として浮上している。自衛隊のカレンダーが学校内で掲示されたり、職場体験の場所として地元の自衛隊が選択されたりしている。また、高校生を動員した自衛隊官舎での宿泊防災訓練が強行されたことも記憶に新しい。防災訓練への児童・生徒・学生の動員は基本的にこの動きの延長線上にある。
 それは「防災」をキーワードにした児童・生徒・学生の軍隊的組織化であり、基本的な発想は軍事教練そのものである。一方で、高校もしくは大学で防災ボランティアなるものが組織されている。高校は生徒会レベルで、大学は各種防災サークルとして積極的に組織されているのだ。こうした「ボランティア」が中軸となって総合防災訓練の地域動員が貫徹されようとしている。児童・生徒・学生の総合防災訓練動員に反対していこう。

 ●3章 差別・排外主義を打ち砕け

 そして総合防災訓練と闘うときに決して忘れてはならない観点が、差別・排外主義攻撃との闘いである。
 そもそも一九二三年九月一日の関東大震災時直後から発生した朝鮮人大虐殺の歴史的事実を無視し、防災だけを前面に押し出した訓練で地域住民を組織すること自体が、歴史の清算であり排外主義攻撃に他ならない。その意味において、昨年、小池都知事が虐殺された朝鮮人追悼式典に追悼文を送ることを拒否した問題と総合防災訓練は一体の問題である。
 われわれは関東大震災時の虐殺行為を担ったのが地元警察官と地域「自警団」であったことを決して忘れてはならない。地域住民の治安管理型動員というのは、一歩間違えば「自警団」的な組織づくりの動きへと急変することを意味する。自然災害によって不安定になっている地域住民の心情からすれば、容易に排外主義的デマに飛びつく可能性が高い。実際、熊本地震や大阪北部地震では発生直後から種々の流言飛語が飛び交かい混乱を招いた。であるからこそ、朝鮮人大虐殺の歴史をきちっと継承し、これを反省的にとらえ返すことこそが現代の防災訓練にとって必要なのである。にもかかわらず、大虐殺の歴史を「デマ」と言いなす自民党都議古賀、そして古賀に乗じて追悼文送付を拒否する小池都知事の所業は防災訓練の観点からも到底許されるものではないのだ。
 南北首脳会談や朝米首脳会談による東アジアの変動に影響されて、いわゆる「ミサイル防衛訓練」は中止になった。しかしながら、この「ミサイル防衛訓練」は、明確に朝鮮民主主義人民共和国に対する敵視政策を基調とした排外主義政策そのものであったことをあらためて確認しなければならない。われわれは、現在行われている防災ないしは防衛訓練が、本質的に差別・排外主義をはらむものだと批判していかなければならない。
 九月一日の朝鮮人大虐殺追悼式と一体の闘いとして東京都総合防災訓練に反対しよう。「米軍・自衛隊が参加する総合防災訓練に反対する実行委員会2018」の仲間とともに、九月二日の中央区・港区での防災訓練監視・抗議行動を闘いぬていこうではないか!



 

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