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   米空軍オスプレイの横田配備を許すな!

  
                  

  本年八月二二日、防衛省と外務省は一〇月一日に米空軍オスプレイCV22を横田に正式配備すると発表した。
 われわれは正式配備前日の九月三〇日、「オスプレイは沖縄にも横田にもいらない実行委員会」とともに正式配備反対の横田デモを闘った。今後とも、地域住民とともにオスプレイ配備弾劾・撤去の闘いを推進していく決意である。
 横田にオスプレイが配備されることによって、米軍(自衛隊)基地としての横田の位置づけは変化した。オスプレイの横田配備は米軍再編の問題であり、日米安保の根幹をなす課題としてある。それはまた「本土の沖縄化」という状況の創出に他ならない。
 われわれは、「アジアからの米軍総撤収」を掲げてアジア人民連帯を闘うアジア共同行動(AWC)の仲間とともに、オスプレイ配備反対の闘いを闘いぬく。沖縄―岩国―京丹後―座間・厚木そして横田を貫いた大衆運動の前進によって、日米軍事一体化を阻止していこう。地域住民の闘いと結合し、国際主義を掲げた反戦・反基地運動の高揚をかちとろう!

 ●1章 危険性を増す米軍横田基地

 米政府は二〇一五年に「二〇二一年までにオスプレイの横田配備を完了する」と発表していた。そして二年後の二〇一七年に配備計画を三年遅らせると修正。それが突然、本年四月に「二〇一八年夏に正式配備する」としてきた。これが本年一〇月一日の正式配備にいたる経過である。オスプレイの横田配備計画は二転三転しており、その度に米軍に都合のいい形で周辺自治体―住民の意向とは無関係にプレス発表されてきた。
 そもそも、オスプレイは二〇一四年ごろから岩国を経由しながら横田に離発着し、東富士や三沢に飛んでいっている。横田の使用回数としては年に五〇回程度であった。しかし、二〇一七年には目視で一四六回オスプレイが離発着しているのが確認されている。そして本年においては、すでに八月段階で実に二六一回(CVのみ一九九回)が横田に飛来しているのだ(「横田基地被害をなくす会」調べ)。オスプレイは配備計画が発表された二〇一五年ごろから、すでに横田を拠点に展開してきているといっても過言ではない。そして、その使用頻度が「今夏横田配備」決定以降飛躍的に伸びているのだ。
 今後、オスプレイの横田使用頻度がより一層増大することは間違いない。それはまた、その分だけ危険性が増すということを意味する。
 いまさら言うまでもなく、オスプレイは極めて危険な軍用機である。ヘリ機能と固定翼を併せ持つ飛行機など、SFの世界ならまだしも、現実世界では構造上無理があって当然なのである。その根本的な無理を、コンピューター制御でなんとか飛ばそうとする飛行物体がオスプレイなのだ。二〇一三年の米軍のクラスA級重大事故率がオスプレイは2・61と海兵隊平均を上回っている。そして二〇一七年には3・27と米軍の事故率のトップに躍り出ている。
 しかも横田に配備されるオスプレイはその任務の特殊性から、夜間での低空飛行訓練が主軸に展開される。危険な飛行物体が、より危険な方法で首都圏上空を飛ぼうというのだ。
 オスプレイの墜落事故は横田基地の真上でおきるわけではない。墜落事故はオスプレイが横田を飛び立った直後に起きる。すなわち、周辺の三多摩地域はもちろんのこと、首都圏全体、いや「本土」全体がオスプレイ墜落の危険性にさらされることになる。
 また横田基地では二〇一二年から、毎年パラシュート降下訓練が強行されている。この降下訓練とは夜間、暗視ゴーグルをつけた米兵が上空から横田基地を目指して降りてくるという訓練であり、きわめて危険性の高い訓練なのだ。実際、二〇一八年四月には、パラシュートの一部が基地周辺の羽村市の中学校校庭に落下するという事故が発生している。また、横田基地の被害を考える会の報告によれば、二〇一三年八月に基地に隣接するIHI工場敷地に米兵が降下している。しかし防衛省は「記録がない」の一点で認めていない。この訓練は沖縄でも行われており、伊江島で基地外へ人員が降下した事件が起きている。
 まさに、「伊江島でMV22が米海兵隊の降下訓練を行うのと同じように、横田基地でCV22が米空軍の兵士を乗せて降下訓練を行い、いずれ低空飛行訓練もはじまるだろう。CV22の配備は横田基地が息を吹き返すだけではない。『本土の沖縄化』が始まるのである」(『世界』10月号ルポ「軍事列島・横田―軍事拠点化する米軍基地」 半田滋)、という状況が作り出されんとしているのだ。

 ●2章 米軍再編と闘おう

 われわれは、横田へのオスプレイ配備が「危険な軍用機の配備」以上に、米軍再編と密接に関連しているものとしてとらえ闘っていく。
 空軍オスプレイCV22は数年間で計一〇機と要員約四五〇人が横田に配備されるという。この正式配備と同時にCV22は「同基地に新設される『米空軍特殊作戦群飛行隊』の所属となる」(八月二三日東京新聞)。横田に配備されるオスプレイは米空軍の特殊作戦部隊の輸送機として使用されるのだ。
 この特殊作戦部隊とは何か。情報収集や世論工作、暗殺や拉致までも含めた任務をこなす部隊である。一説によれば、中東でオサマ・ビン・ラディンの殺害を担ったのがこの特殊作戦部隊と言われている。そして横田にオスプレイ配備計画が発表された時期は、日米と朝鮮民主主義人民共和国との関係が極度に悪化していた時期であり、共和国の首脳暗殺を示唆する「斬首作戦」なるものの存在が囁かれていた時期なのだ。
 現在の世界情勢からいってオスプレイの任務が「斬首作戦」と連動しているとは考えにくいが、CV22配備と同時に空軍特殊作戦部隊が横田に配属されることは間違いない。二〇一五年に米軍が発表した設備工事計画には、二〇一八年秋ごろに特殊作戦群司令部移駐用に横田を整備するとなっている。現在は嘉手納にある特殊作戦群司令部が横田に移駐しようとしていることが明らかになっている。
 そして横田基地は米軍再編の動きと連動して、府中にあった空自・航空総隊司令部が移駐した基地である。つまり米軍と自衛隊が共同使用する「日米軍事一体化」された基地なのである。ここに米空軍特殊部隊が配置されるのであるから、自衛隊の展開にも影響がでることは当然である。習志野にある自衛隊特殊部隊と米空軍特殊作戦部隊との合同演習の可能性も現実味を帯びた話として浮上してきている。
 われわれは、日米軍事一体化と米軍再編の要として、オスプレイ横田基地配備を弾劾していかなければならない。沖縄―岩国―京丹後―座間・厚木と連携した闘いとして横田闘争を闘おう!


 

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