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   辺野古新基地阻止!安倍打倒!

      全人民的政治闘争に総力で決起しよう

          
        


 昨年八月八日に急逝した翁長雄志前知事の遺志を継ぐ沖縄「県」政(職務代理者・謝花喜一郎副知事)が、「辺野古埋立て承認」を撤回した八月三一日から一年余りが経過した。この一年だけでも沖縄人民を先頭とする辺野古新基地建設阻止闘争は熾烈な階級攻防を繰り返し、安倍打倒への大きな全人民的政治闘争としての地平をつくり上げてきた。
 埋め立て承認撤回にあたり沖縄「県」は、国が留意事項に基づく事前協議を行わずに工事を開始、行政指導にも従わないこと、軟弱地盤、活断層、高さ制限の問題が判明したこと、さらには、「緊急時の民間施設の使用改善」(普天間基地並みの滑走路を有した那覇空港を想定)、つまり、辺野古新基地が完成しても他の条件が満たされないと普天間基地は維持するという米帝の要求する普天間基地返還条件問題(逆に言えば、「辺野古唯一」に固執する安倍政権の大嘘)が浮上したこと、そしてサンゴやジュゴンなどの環境保全上の問題があることを根拠とした。
 至当な判断だ。これらの問題や課題の暴露もすべて現地闘争を軸とした闘いの地平が切り拓いてきたものだ。そして、この一年余りの闘いも、辺野古新基地建設阻止闘争の大きな局面を切り拓く「埋め立て承認撤回」の実効性を争う攻防戦として展開されてきた。
 何よりも、昨年九月三〇日の知事選では、故翁長知事の後継候補として辺野古新基地阻止を前面に掲げたオール沖縄派の玉城デニー氏が過去最多の得票を獲得して当選した、沖縄人民は、辺野古争点隠しを意図した自公候補を打倒し、安倍政権に怒りの鉄槌を下したのだ。
 しかし安倍の「回答」は、一〇月三〇日国土交通相・石井(公明党)による沖縄防衛局が求めた「撤回の効力一時停止」決定であり、工事再開の強行であった。さらに、一二月には辺野古側海域『埋め立て区域②―1』への土砂投入も強行したのだ。
 こうした局面で、今年二月二四日には「辺野古の埋め立ての賛否を問う県民投票」が実施され、投票総数の七割を超える「反対」を獲得した。「辺野古を問う」一点に絞られた「県民投票」実施にあたっても、自・公・維新と安倍政権突撃隊の「チーム沖縄」首長らを総動員し、「県民投票」つぶしを企てたが、投票権すら奪おうとする暴挙に自己決定権の存亡をかけた沖縄人民の決起で粉砕してきた。
 沖縄人民は、「沖縄には沖縄の民主主義があるかもしれないが、日本には日本の民主主義がある」と防衛相・岩屋に言わしめた日帝―安倍への煮えたぎる怒りで、玉城デニー氏の知事選転出に伴う四月二一日衆院三区補選(名護市を含む)で安倍・菅直結の自公・維新候補を打倒し、また七月二一日参院選沖縄選挙区でも同様の成果を勝ち取り、辺野古新基地反対の民意を確立した。とりわけ今回の参院選での野党共闘の共通政策として「辺野古新基地阻止」が掲げられたことも、沖縄の闘いの地平を全国へと押し上げた成果である。
 一方で日帝―安倍は、国交相・石井をして四月五日には昨年一〇月の「撤回の効力一時停止」決定につづき、「私人」沖縄防衛局の行政不服審査法悪用による申し立てに応じて撤回の効力を取り消した。さらには、総務省の「第三者機関」という「国地方係争処理委員会」も六月一七日、「県」の審査請求を却下、埋め立て承認撤回を取り消した国交相の茶番劇を追認した。
 加えて、辺野古崎から大浦湾側へ伸びる「K8護岸」を利用して、六月一一日土砂陸揚げを強行した。陸揚げ箇所は「K9」護岸と合わせて二カ所目となった。「護岸」を土砂陸揚げの桟橋として使用するというとんでもない目的外使用、違法工事も意に介さない。
 その「K8護岸」使用を前提に、沖縄防衛局は四月二五日、昨年九月末の台風の影響で破損した岸壁補修による塩川港(本部港塩川地区)から土砂搬出作業を再開した。塩川港の代替施設として民間の琉球セメント工場安和桟橋を使用して土砂搬出作業を行っていたが、二か所を併行して使用し、「工事加速」を演出するものとなった。
 現在、「県」は五月末時点までの全体の埋め立て進捗について約2・8%と試算している。沖縄防衛局が昨年一二月に土砂投入を開始した『埋め立て区域②―1』は、七月末時点で約七割、今年三月に着手した『区域②』は一割以下にとどまる。しかし、辺野古側の埋め立てに必要な土量三一九万m3(りゅうべい)というのは、最終完成高(基準高+約8m)まで土を入れた場合の土量である。現在は基準高+4mまで土を入れるいわば一期工事であり、埋め立てに必要な全土量は二〇六二万m3であるから、現在の進捗率は1・1%、現実的には約0・7%とするのが正確だとする現場からの指摘も重要だ。
 このように、沖縄防衛局の概略工程表では、辺野古側の埋め立ては六か月で終了するとされていたが大幅に遅れていることも判明した。これも辺野古ゲート前、海上行動、そして安和桟橋や塩川港で連日闘い抜いている沖縄人民・現地闘争の押し上げてきた地平である。
 しかも、本来先行するはずだった大浦湾側の埋め立て工事は軟弱地盤によりメドが立っていない。「マヨネーズ並み」の軟弱地盤の中でも、滑走路建設付近に位置し水深が一番深く、「辺野古断層」と「楚久断層」の延長線上にある「C1」護岸(未着手)水域は深刻だ。単なる「改良工事」で済ませられないことは自明だ。
 日帝―安倍は、「軟弱地盤対策」として大浦湾の海底に、約七万七千本もの砂杭(すなぐい)を打ち込むとしている。大浦湾側のほぼ全域となる膨大な範囲だ。しかも防衛相・岩屋は、最大九〇メートルある深度にもかかわらず「必ずしも固く安定した土層に達する深度まで施工しなくても、安定性は確保できる」と居直る始末だ。
 玉城デニー「県」政は、政府を相手取って、埋め立て承認を撤回した国交省の関与を違法とした「関与取り消し訴訟」を七月一七日に、軟弱地盤などが新たに発覚したことで埋め立て承認を撤回したことを政府が撤回したことは違法だとする「抗告訴訟」を八月七日に、それぞれ提訴した。
 最高裁判例を踏襲し地方自治体は行政上のことについては争えないとして裁判所が審理をせず却下する可能性があり、これまでも司法は事実審理を避けてきた。安倍政権はそれを見越して、「県」に判決への屈服を迫り、設計変更を承認させようとしているのだ。そのために安倍政権は、改良工事についての「有識者会議」を設置し、九月上旬にも初会合を行うことを発表した。政府の意のままとなる「専門家」が環境配慮などのお墨付きを与えることで、司法に「県」の主張を退ける口実を与え、世論に対してもごまかそうとしているのだ。沖縄防衛局は来年にも設計変更を「県」知事に申請しようとしており、決定的な闘いとなる。
 さらに安倍政権(内閣府)は、二〇二〇年度沖縄関連予算概算要求を三一九〇億円とすることを決めた。三年連続の同額要求で、「県」の要望を大きく下回る額だ。中でも使途の自由度の高い「一括交付金」は過去最も少ない額となる一方、「県」を通さず市町村などに直接交付する特定事業推進費は倍近い伸びをみせるなど、予算面での国の支配を強め、財政面からの締め付けと分断攻撃を全面化している。まさに辺野古新基地建設に対する「踏み絵」と化しているのだ。五兆三二二三億円、過去最大となった軍事費概算要求で「いずも」空母化やF35B戦闘機、イージス・アショアなどの軍拡予算と対比すれば日帝―安倍の犯罪性はますます重大だ。
 何度も言う。戦争突撃内閣としての犯罪性を明確にした安倍政権をこれ以上延命させてはならない。「辺野古」問題は「沖縄」問題ではなく、戦後史を画する戦争法―日帝の侵略反革命戦争攻撃粉砕の闘いである。沖縄人民の自己解放闘争は日本労働者人民の解放闘争―日本革命の中身を突き付けている。あらゆる地域、戦線で、自らの課題と結び付け、辺野古現地闘争(辺野古、安和、塩川、海上)への圧倒的な決起を軸に、沖縄―「本土」を貫く辺野古決戦を大胆に組織しよう。島ぐるみで決起する「オール沖縄」の革命的前進を全人民的政治闘争の大爆発、大勝利で安倍打倒へ進撃しよう。


 

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