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   新自由主義と排外主義、弾圧に抗し、
  原則的労働運動の再建を勝ち取れ!

   2019岩国行動に集まろう

            
中央労働運動指導委員会
          
        

 

 労働戦線で奮闘する同志・友人に対し、二〇一九年岩国労働者反戦交流集会への参加を呼びかける。同集会実行委員会は労働組合の反戦闘争の再建をかけて二〇〇七年に開始されたものである。各地・各戦線の闘いの成果をこの反戦交流集会に持ち寄り、闘いの陣形を強固にしよう。
 ブルジョアジーの利益のための軍事強化、排外主義はプロレタリアートに犠牲を強いるだけのものであり、我々の利益とは相いれない。労働運動こそがこうしたブルジョアジーの攻撃に対決する先頭に立とう。各地でブルジョア政策の犠牲とされている市民と、とりわけ東アジアの軍事恫喝の軸となっている岩国現地で「基地との共存」に抗して闘う市民と結合し、岩国の闘いを全国の労働運動の課題として押し上げよう。

 ●1章 資本主義の限界とさらなる新自由主義の強化

 一九七一年のドル・金兌換停止(ニクソンショック)でドルを基軸通貨とする戦後の通貨体制(ブレトン・ウッズ体制)は崩壊した。七三年第四次中東戦争の結果、第一次石油危機に至り、その打撃をうけ七四―七五年恐慌に突入する。加えて、七五年のベトナム民族解放革命戦争の勝利=米帝の敗退によって米帝の一極的世界支配体制は瓦解した。経済、政治、軍事全般にわたる米帝の力は減退し、帝国主義間の争闘が激化した。その対立を調整しつつ、七五年以降、帝国主義諸国を軸にしたG5―G7サミットによって、その利害を調整し貫徹する支配体制に移行した。
 帝国主義各国では利潤の低下に対するブルジョアジーの対策が政策として実践され始める。経済成長の足かせとして、福祉・医療などの社会政策が指弾され、「小さな政府」が喧伝された。その実態はプロレタリアートに対する搾取の強化(それは労働分配率の直接の低下だけではなく、あらゆるサービスの市場化という形ですすめられた)をもってブルジョアジーの低下した利潤の穴埋めをすることであった。また、こうした政策への抵抗を抑え込むため、ブルジョアジー側につく闘わない労働運動を育成し、一方で原則を堅持する労働運動を様々な形でつぶしていった。一九七三年のチリ・クーデター後にとられた経済政策を嚆矢とし、イギリスのサッチャー、アメリカのレーガン、日本の中曽根などが進めたこれらの政策を新自由主義と呼ぶ。〝共産圏〟の崩壊をはさみ、今日まで三〇年以上にわたってこの政策は資本主義世界の基調として猛威を振るってきた。
 二〇〇八年のリーマンショック、二〇一〇年の欧州ソブリン危機以降、資本主義の限界、資本主義の終わりという論調が、マルクス主義者ではない経済学者の間にすら上るようになった。しかし、社会変革を実行しない限り、すなわち資本の私有を廃止しない限り、資本の運動は低下した利潤の穴埋めをプロレタリアートの犠牲に求めるしかない。したがって新自由主義政策はさらに強化される形で継続している。この三〇年続けられてきた貧富の格差の極端な拡大には歯止めがかからない。自己責任論をもってプロレタリアートに犠牲を強いる一方で、銀行などの大資本はプロレタリアートから集められた国家財政で救済され、世界的な大企業はロクに納税もしない。新自由主義そのものが矛盾に突き当たっている。資本主義体制を守るための政治同盟はもはやG7ではもたずG20に拡充された。

 ●2章 階級対立の激化と排外主義の横行

 だが、これほどの犠牲が多数者たるプロレタリアートに集中すれば、いかに闘わない労働組合として階級の裏切り者を育成していようと、人々はその生存をかけて決起せざるを得ない。二〇一一年の「ウォール街を占拠せよ」運動をはじめ世界各地で巨大な自然発生的な闘いが盛り上がった。一部の国ではこうした力を背景に反緊縮の政治勢力が政権をとるに至った。しかし、現在の資本主義体制の枠内にとどまる限り、こうした政治は失敗に終わらざるを得ないし、現に反緊縮の公約は国内外の圧力でつぶされて、それらの諸国では更なる階級対立の激化を結果している。多くの人々が今の世界をもうたくさんだと感じている。だが、その感情がどのように組織されるのかということはそのあとの結果をめぐって大きな違いとなる。
 人々の不満は究極的には資本主義の廃絶に向かわざるを得ないが、当然、ブルジョアジーがこれを座して待つことはない。ここにデマゴギーの入り込む余地が生まれる。人々の敵意は資本主義自体から、移民や難民、被差別者、旧植民地出身者、異教徒、女性、性的少数者などマイノリティにそらされ、声高に敵意を煽動するものが勢力を伸ばす。こうして世界は階級対立の激化を反映して、社会変革を求める左派と、差別排外主義の右派に分裂し、これまで政治を主導してきた中間派は次々と没落している。

 ●3章 二〇一九年 世界と日本の情勢

 こうして二〇一九年、世界は対立と不寛容の中にある。各国では排外主義が吹き荒れている。アメリカは対中国の経済戦争を発動し、ロシア相手にはINF(中距離核戦力)全廃条約を破棄した。小型の「使える」核兵器を開発している。イランとは一時は核合意に至ったものの、これもトランプ政権が一方的に破棄。ホルムズ海峡では謀略臭いタンカー襲撃(帝国主義はいつも謀略を働く、柳条湖を見よ! トンキン湾を見よ! イラクの化学兵器疑惑を見よ!)が相次ぎ、これを口実として対イランの戦争挑発が行われている。トランプは有志連合を呼びかけ、サウジアラビア(ドローンで油田襲撃というのもいかにも謀略臭い)へは米軍の増派を行った。
 日本でも日々情勢は悪化している。安倍の経済政策は最初から新自由主義とデマゴギーの二本立てだった。最初の三本の矢はブルジョアジーのためには大胆に金融緩和と財政出動(インフレ誘導と公共事業)をして、プロレタリアートには規制緩和の名のもとに攻撃(福祉解体、労働法制改悪)を加えた。曰く「企業が世界で一番活躍しやすい国」。褒められるのは正直なことくらいか。
 次の新三本の矢ではデマゴギーを連発し、介護離職ゼロだの、希望出生率1・8だの、スローガンだけ見るとまるで福祉に配慮したように見せて、これらの政策のためにはロクに予算を付けず、本音はGDP六〇〇兆円。つまり福祉政策はブルジョアジーの利益にのみ奉仕するというわけだ。
 さて、これらの政策は実現したのか? 物価はエネルギーや食料品などプロレタリアートに打撃のあるものばかり上がり、福祉の切り捨て基調は何ら変わらず。介護離職がなくなったという話も、出生率が上がったという話もトンと聞かない。国会答弁は嘘と詭弁の連発で、まともに見ればその破綻はもう何年も前から明らかだ。ここまでマスコミの翼賛報道姿勢(政策結果の検証って、どこでしてるんでしょうね?)と人々のあきらめ感(他よりましという意識はよくアンケートに答えられている。比較対象は緊縮財政路線の旧民主党政権)に付け込んで生き延びてきた。
 しかし、二〇一七年の森友・加計疑惑、二〇一八年の公文書改ざん問題で支持率を低下させ、年明けには毎日勤労統計が偽装されていたというスキャンダルも発覚した。これは労働者の雇用状態が改善しているという安倍の主張の根拠であったため、二〇一九年の第一四半期には45%前後まで低下していた(参考、二〇一三年には七割近い支持)。

 ●4章 安倍政権による排外主義煽動 韓国敵視

 徴用工裁判の韓国大法院判決をきっかけに政府を先頭とした排外主義煽動が始まった。安倍政権は一九六五年の日韓条約を根拠に韓国は国際条約を守らない国だとキャンペーンを張っている。しかし、日韓条約では植民地支配の補償は行われず、あくまでも経済援助であるといってきたのは日本政府である。そして被害を受けた個人の請求権が消えていないこともまた、日本政府は認めている。韓国大法院はこの日本側の公式見解も織り込んだうえで判決を書いており、安倍政権の主張は無茶苦茶である。そもそも日本が植民地支配の責任を一貫して取ってこなかったことこそが問題なのだ。
 安倍政権は半導体製造に使うフッ素化合物輸出を許可制に変更(七月四日発表、八月二八日発動)して韓国への事実上の経済制裁をおこなった。当初、安倍は徴用工問題とは関係ないと言っていたが、「韓国が国際的な約束を守らない」からという理由に当てはまるのは安倍の主張によれば日韓条約だけであり、最初から報復だったのは明らかだ。韓国側も対抗措置を取り、九月一八日より輸出管理優遇制度での日本の位置を格下げした。また、八月二二日には日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了を通告し、日韓の対立は泥沼化の様相を呈している。
 報道機関は今回の日韓対立を徹底的に煽っている。排外主義に疑問を呈する報道はないか、目立たないほどごく少なくされ、しかも植民地支配の歴史を踏まえないなどその質も大きく後退したものだ。マスコミ全体が安倍政権に忖度し、自ら報道に統制をかけているようにも見える。韓国民衆の抗議は安倍晋三に向けられているが、それを映した映像は「反日デモ」として報道される。対韓国排外主義キャンペーンが開始されて以降、残念ながら内閣支持率は若干回復し50%前後となっている。

 ●5章 労働運動の現状と反撃の模索

 一方でこうした安倍政治と闘うわれわれ労働運動の側はどうであろうか。労働組合の組織率は二〇一八年で17%。中小企業での組織率に至ればわずか1%である。闘いを必要とする労働者ほど労働組合の力が届いていない。
 新自由主義の三〇年は若い労働者に自己責任論を植え付け、団結する力を奪った。日々の労働相談で出会う労働者は荒れ切った職場に傷つき、職場に仲間をつくることはおろか、職場復帰すら望めない人も多い。組合の新規加入は人口減少を上回るペースで減り、多くの組合組織で高齢化が深刻である。組合組織の後退は運動の後退にもつながる。日々の労働相談と争議の処理に追われて、階級的な要求としての政策運動や反戦・平和の闘いがどうしても後回しになる現状もあるだろう。
 個別の争議をやり切ることは労働組合としての前提であるが、こうした個別の労働者が置かれている状況の背景には冒頭から述べている新自由主義政策を進めてきたブルジョアジー総体からの階級的な攻撃がある。ここへの反撃をプロレタリアート総体として組織できなければ、そのまま敗北するだけである。また、労働組合の反転攻勢も、この反撃の中でしか組織しえない。新自由主義の攻撃に対する希望はプロレタリアートの自覚と団結しかなく、プロレタリアートの自覚と団結を生み出すような闘いが労働組合に人々を引き付ける。
 こうした自覚のもと、各地で労働組合が奮闘している。いくつか紹介する。東北では被ばく労働を強いられる労働者の闘いが、個別争議の質を超えて社会的な訴えとなっている。東京では沖縄とつながりながら、米軍横田基地との闘いを労働者反戦闘争として闘っている。京都では市民運動と結合しながら、朝鮮半島に平和を! 街宣が取り組まれている。全国的にも外国人技能実習生問題をめぐる闘い、最低賃金一五〇〇円を目指す闘い、利用者とも結合しながら介護政策運動と介護労働者の待遇改善を目指す闘いなど、いずれの闘いも決して人材や資金が豊富とは言えない労働組合が進めているものだ。
 また、こちらは小規模な労働組合の話ではないが、全日本港湾労働組合は港湾産別運動を原則的に推進し、反戦平和の闘いにおいても沖縄地本を軸に存在感を示している。今年では産別最低賃金を守るための港湾ゼネストの闘いや、米軍使用を阻止した沖縄本部港の闘いが特筆できるだろう。まさに「職場を戦争に使わせない」である。
 全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(以下関生支部)は大企業であるセメント会社と大手ゼネコンに挟まれて過当競争に追い込まれ、産業全体が崩壊しかけていた生コン産業を協同組合組織化で再建し、社会に提供するコンクリートの品質と労働者の労働条件を共に守るという産業政策運動を進めてきた。また、階級全体の課題をかけて反戦・反基地運動も物心両面から進めてきた。今、こうした活動の先鋭性が嫌われ、ブルジョアジーの意を受けた弾圧にさらされているわけだが、これについては後述する。
 そして、こうした闘いを進める労働組合の結集軸の一つとして岩国・労働者反戦交流集会もまた組織されてきた。

 ●6章 米軍再編進行の歴史と岩国・労働者反戦交流集会

 岩国・労働者反戦交流集会の歴史は二〇〇六年にさかのぼる。岩国基地は騒音被害に苦しむ市民の悲願として滑走路の沖合移設事業を行った。そのために市内の愛宕山は半分に削られ、周辺住民は長期間のダイナマイトやダンプカーの振動に耐えた。ところが沖合移設が完成しかかった段階で政府は厚木の米艦載機部隊の岩国移転計画を発表。愛宕山も当初の説明であったニュータウン開発を反故にし、米軍住宅にするという。結局基地は拡大しただけで、軍事機能は強化され、それまでは存在しなかった港湾機能(後述のMV22オスプレイ陸揚げに使用される)まで付加された。
 当然、岩国市民は反発した。二〇〇六年岩国市民は岩国基地への米艦載機移転に対して住民投票をもって反対の意思を示した。しかし、政府は本来艦載機移転とは関係ない、もともとあった基地交付金の支給を打ち切ってまで岩国市に圧力をかけて、艦載機移転を押し付けた。
 住民投票直後の二〇〇六年、アジア共同行動日本連絡会議による最初の岩国行動が取り組まれた。この闘いに参加した全国各地の労働組合活動家はこの時、愛宕山周辺住民と交流し、その思いを共有した。この闘いから、岩国を一地方の問題ではなく、全国の課題に押し上げよう、労働組合の反戦闘争の再建をかけて労働者が先頭に立って組織しようと決意を交わし、翌二〇〇七年より岩国労働者反戦交流集会が開始された。以来今年で一二年目を迎える。
 この一二年間は日米軍事再編が進行した時期である。今や在日米軍と自衛隊はそれぞれ同じ基地内(座間:米陸軍/陸自、横須賀:米海軍/海自、横田:米空軍/空自)に司令部を置いている。海でも陸でも自衛隊による米軍の警護が訓練され、軍事強化が着々と進む。その中で岩国は核として機能してきた。沖縄の負担軽減として普天間のKC130空中給油機が移転してきた。米海兵隊のMV22オスプレイは岩国に陸揚げされ、岩国から普天間に飛んで行った。現在も日本列島全体でオスプレイの訓練のハブ基地として機能し、頻繁に岩国基地にやってくる。F35Bステルス戦闘機はアメリカ本土外で初めて岩国基地に配備された。昨年にはついに艦載機部隊が移駐し、海上自衛隊も併せ、配備される軍用機は一三〇機以上、極東最大級の基地となっている。
 艦載機移転後、訓練の騒音が激増した。横須賀の米空母が出港するたび、艦載機は爆音をとどろかせてCQ訓練(空母に離着艦するための基礎訓練で、地上の飛行場――ここでは岩国――を使う)が行われる。深夜も休日もお構いなしだ。恐るべきことに、さらにうるさいFCLP訓練(わずか三〇〇メートルの空母に安全に着艦できるように陸上の基地を空母に見立てて行う訓練)やこれを夜間に行うNLP訓練も硫黄島が悪天候の場合には岩国で行われる。今の段階でも騒音被害報告は昨年比倍増しているのに、これらの訓練が行われたらどうなるのか。
 被害は広島県東部や山口県東南部にも広がり、世界遺産宮島や広島平和公園上空まで騒音を響かせる。艦載機が空母とともに沖に出たら、今度は合間を縫うように海兵隊機と自衛隊機が飛び回ることになる。鎮守の森を切り開いてつくられた米軍住宅アタゴヒルズは一戸七〇〇〇万円もかけて入居率は二割にも満たない。米軍人軍属とその家族の人口は一万人(合併前の岩国市の人口は約一〇万人)を超え、地位協定と思いやり予算に守られて岩国市中に軍人・軍属の居住が拡がり、事故のリスクは格段に高まっている。
 岩国基地は朝鮮半島に向けられた軍事恫喝のかなめだ。二〇一七年、朝鮮民主主義人民共和国と日米韓の緊張が極限まで高まっていた時、朝鮮半島周辺で激しく行われた軍事訓練という名の恫喝で岩国基地の米軍機は何度となく出撃した。岩国から平壌まで七九二キロメートル。F35Bなら三〇分以内で到達できる。
 青森県車力と京都府経ヶ岬の米軍Xバンドレーダー。秋田と萩・阿武に配備が狙われている自衛隊イージスアショア。辺野古新基地建設と閉鎖する気のない普天間。奄美大島・沖縄島・宮古島・石垣島(与那国島の監視部隊含む)の自衛隊ミサイル部隊。最近の報道ではこうした日本列島と琉球弧のミサイル基地に中距離ミサイル(核弾頭搭載可)の配備まで狙われている。佐世保の陸上自衛隊水陸機動団。海上自衛隊の護衛艦、いずもとかがの空母化。F35やCV22オスプレイの大量購入。THAADをはじめとする韓国の米軍基地。こうしたものの地理的中心に岩国は位置する。こうして日米安保の重要拠点岩国は労働者反戦闘争の重要拠点ともなっているのだ。

 ●7章 関生支部弾圧をはねかえそう

 戦争準備は労組弾圧から始まる。昨年から続く関生支部弾圧は一年半になろうとしている。一〇月一六日現在で五人が勾留を続けられ、委員長は一年以上勾留されている。公判中の容疑者をいつまでも保釈しないのは人質司法で悪名高い日本と言えど異常だ。
 権力の弾圧目的は関生支部の解体にある。憲法二八条は労働組合をつくる権利、団交をすること、団体行動を行うことを保障している。ところが、今回の弾圧ではこれを無視してストライキやビラ配りなど労働組合の行動を違法行為としている。法令順守を求めるコンプライアンス啓蒙活動を「業務妨害」と決めつける。一つの事件を無理やり別の事件にして同じ人間を保釈後、再逮捕する。現場にいなかった労組執行部を共謀者にする共謀罪の先取り弾圧。これらの容疑が有罪になるのであれば、今かろうじて残っている日本のまともな労働運動は息の根を止められてしまう。何としても容疑者全員の無罪を勝ち取らなければならない。
 捜査過程では容疑と関係なく本人や家族に組合脱退を迫るなど、もはや犯罪捜査の体をなしていない。容疑などどうでもよいことを捜査当局自らが明らかにしているのだ。まるで戦前の特高警察/思想検事である。こんな弾圧が許されたら労働組合の活動はもちろん、反基地の監視行動、抗議行動、反原発運動、反差別運動など、ありとあらゆる市民運動にも波及する。辺野古ゲート前や高江の工事車両の摘発は、文字通りコンプライアンス啓蒙活動であるし、ビラ撒きや話しかけなど、どんな運動でもあたり前に行っていることだ。そもそも他人に対する働きかけの無い運動などはありえない。権力に都合の悪いものはなんであろうと逮捕して、判決も出ていないのに一年以上自由を奪うことなど到底認められない暴挙だ。
 この大弾圧を跳ね返さずに闘いの未来はない。ナショナルセンターの枠を超えた闘う労働組合の結集はもちろん、反戦平和・反基地・反原発・反差別・人権などあらゆる市民運動とも繋がっていかなければならない。岩国労働者反戦交流集会と同日であるが、一一月一六日、声をあげよう! 弾圧ゆるすな! 11・16全国集会が大阪市西梅田公園で開催される。岩国の集会でも特別決議が計画されている。一体のものとして闘おう。

 ●8章 28条の破壊、進む憲法破壊

 安倍晋三は七月の参議院選挙で「改憲派三分の二議席以上」を確保できなかったが、改憲の野望捨ててはいない。だが、憲法の破壊はすでに始まっている。既に述べた労組弾圧に見られる憲法二八条の破壊はもちろん、日本国憲法の危機は以下のように進行している。
 表現の自由(第二一条)への攻撃では「表現の不自由展・その後」がわずか三日で中止(一〇月八日再開)に追い込まれた事件が顕著だ。これは右翼排外主義者の跳梁跋扈を放置するということもあるが、予算の執行に係る(あいちトリエンナーレは愛知県と名古屋市の予算で開催)河村たかし名古屋市長など公人の攻撃等、憲法上表現の自由を守る義務があるものが率先して攻撃したことが深刻である。極めつけはこの「混乱」を理由とした日本国政府の補助金支給停止だろう。一方で表現の自由を攻撃する右翼の表現だけが守られるという事態がより深刻である。
 両性の平等(第二四条)は深刻な経済格差や責任ある部署の女性比率が相変わらず低いという形でいまだ実現していない。
 生存権(第二五条)を保障する生活保護はじめ社会福祉制度はいつでも攻撃の対象で、本来権利を行使しているのは市民のはずなのに、社会福祉制度を利用している人間がなぜかサービス料を取られる。その上そうでない市民より蔑視されるか、行政によってそのように仕向けられている。
 憲法尊重擁護義務(第九九条)は「公的行為」と称して「国体」の護持にいそしむ天皇とその一族や、首相でありながら憲法改悪を画策する安倍晋三など全く守られていない。
 あらゆる人権、憲法を守る規定がこれを無視した形で踏みにじられている。こうした先に明文改憲がある。
 改憲派が執念を燃やす九条改憲。これは大資本の経済権益を自らの軍事力で守り獲得したいという欲望を反映したものだ。既に戦争ができる体制作りは進んでいる。

 ●9章 反戦闘争、原則的労働運動の発展を

 ここまで客観的にも主体の状況も厳しい情勢を報告してきた。しかし、客観的な情勢が厳しいことは決して悪いことばかりではない。冒頭に書いたとおり、世界はますます階級分解と階級対立が先鋭化している。日本ではまだ、中途半端なリベラル派が幅を利かせている一方で右翼ばかりが伸長している情勢だが、右派が実際の経済的現実(プロレタリアートの貧困化とブルジョアジーへ極端な資本集積)に依拠できず、差別排外主義のデマゴギーをもってしか組織できない以上、プロレタリアートの組織化に根拠を持つのはわれわれの側である。そして現在は少数派であるとはいえ、われわれは階級利益に基づいた闘争組織化を確実に進めている。
 自信をもとう。われわれは消えかけの火ではなく、熾火(おきび)であり種火だ。
 岩国・労働者反戦交流集会実の呼びかけに応え、岩国に結集し相互の経験を交流させよう。労働者反戦闘争とまっとうな労働運動の火は必ず燃え上がる。反転攻勢を共に!


 

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