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   飛行時間制限短縮―睡眠破壊弾劾!

   第3滑走路建設―空港拡張絶対阻止

    12・14三里塚現地闘争&団結いも煮会へ

                   
   


 ●(1)深夜発着強行を弾劾する

 成田空港会社は一〇月二七日、機能強化の第一弾として飛行制限時間の短縮を強行した。
 空港会社は、東京オリンピック・パラリンピックを口実にして発着時間を深夜の時間帯に拡張することを主張し続けてきた。空港会社と国・県・周辺市町の四者協議会において、周辺市町の反対を押し切って、飛行時間制限の短縮を決定してきた。しかも、その開始時期を、さらに前倒しして一九年冬ダイヤから実施としたのだ。
 具体的には、二三時から翌朝六時までは飛行を認めないという原則を破り、飛行制限時間を〇時から六時に短縮した。深夜二三時台の発着ダイヤが設定された。同時に、これまでの二二時以降の便数制限もなくしてしまったのだ。現時点での二三時以降の便は週三〇便となっているが、空港会社はその経営戦略として便数拡大を目指している。
 空港会社社長・田村明比古は各ダイヤ実施直前の記者会見で「お客様にとっても、空港会社にとってもプラスになる」「お客様に、より幅広い選択肢を提供できる」と語り、経営の観点からの発言に終始した。睡眠時間が極限的に短縮され健康被害が必至となった周辺住民のことは、何も考えてはいないのだ。
 田村社長は就任直後の記者会見で、「これからの航空需要の伸びの大きな部分はLCCが占めていく」として「LCCが使いやすい。LCCの利用客にとって使いやすい空港にしていく必要がある」と強調していた。LCC(格安航空会社)は所有する航空機の数を少なくし、一機あたりの使用回数を増やすことで格安料金を実現している。早朝から深夜、二四時間、航空機をフル回転させることが、LCCの収益増大の要となっている。逆に、その条件がなければ、LCCは拠点空港として選択しなくなる。田村はこの要請に応える空港にすることで、さらにLCCを呼び込んでいこうと目論んでいるのだ。
 空港会社と利権をあさる首長どもが主導して四者協議会でこの決定が強行されてきたが、直接被害を受ける周辺住民は決して納得していない。成田市、芝山町、横芝光町など周辺市町の住民からは、睡眠時間の破壊、騒音激化に対する不安、怒りの声がわきあがっている。この極限的な生活破壊を絶対に許してはならない。

 ●(2)第3滑走路建設を許すな

 成田空港会社は一一月七日には、空港機能強化の全体計画を「空港施設の変更」として、国土交通省に許可申請した。その内容は①空港用地そのものを現在の一一九八haから二二九七haに拡張する、②B滑走路を北に一〇〇〇m延伸し三五〇〇mにする、③第3滑走路(三五〇〇m)を新設する、④誘導路(全長七四七一m)を新設する、⑤完成予定は二〇二九年三月三一日、というものであり、総事業費は約五千億円としている。
 田村社長は「機能強化は不可欠」「実現するよう努力していく」と語って、第3滑走路建設攻撃に着手することを宣言した。
 「第3滑走路建設、B滑走路北延伸に伴う拡張」というものだが、空港そのものの規模を現在の二倍にするものだ。成田空港をもう一つ建設しようとする攻撃である。空港会社は東京五輪の航空需要増大予想を口実にして、空港機能強化の攻撃を一挙に開始しようとしている。
 国交省の「変更の許可」を受けた上で、空港会社が用地取得交渉に入ろうとしている。空港会社は、第3滑走路を軸にしたこの「拡張工事」のために民有地七四三haを新たに取得するとしている。田村社長は、その96%に関して地権者から用地買収の「同意書」を取っていることをもって「実現可能性」を強調した。
 芝山町では、空港会社が勝手に滑走路予定地と決めた地域に対して、町長相川が町民を脅して「同意書」を集めまくってきた。しかし、これは正式の契約書などでは決してない。相川や「第3滑走路実現有志を目指す有志の会」が地域的な圧力をもって進めてきた攻撃だ。
 空港会社と航空会社の経営拡大、収益拡大だけが主張され、これに癒着して利権を獲得しようとする輩が、この「空港機能強化」を強引に進めようとしている。カネをばらまき、工事強行を見せ付けて、拡張予定地の住民を叩き出そうというのだ。成田空港建設五三年の暴虐を再び繰り返す攻撃だ。
 周辺住民の不安、そして憤怒はますます広がっている。三里塚闘争の真価が今こそ問われるときである。市東さんの農地を守る闘いの意味が、直に周辺住民に伝わるときである。騒音拡大をやめろ、第3滑走路をつくるな、の声を集め、拡大し、対抗する力としていかなくてはならない。農地死守―実力闘争の現地闘争をさらに強化していこう。

 ●(3)12・14現地闘争&団結いも煮会へ

 市東さんの請求異議裁判控訴審が九月二四日始まった。市東さんと弁護団は、千葉地裁高瀬判決の不当性、反動性を法廷で徹底的に批判し、天神峰の農地を耕作する正義を陳述した。反対同盟と三里塚勢力は新たな決意で、霞ヶ関―東京高裁での裁判闘争を開始した。
 一〇月二七日からの飛行制限時間の短縮攻撃、そして、空港会社が一一月七日許可申請した第3滑走路計画。空港会社はこれまで「謝罪」し「強制的手段はとらない」と繰り返してきたが、全く嘘だった。今また同じ手法で空港を二倍に「拡張」する攻撃に着手しようとしている。この攻撃と対決し、絶対に阻止していこうではないか。
 この新たな情勢の中で、反対同盟は一二月一四日に「現地闘争&団結いも煮会」を開催することを呼びかけている。ここに結集し、反対同盟とともに農地を守り、第3滑走路計画を粉砕していくてめに、団結を固めていこう。




 

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