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   「自衛隊明記」改憲阻止!

      安倍政権を打倒しよう

                     

                


 四―五月、「天皇退位・即位」が強行され、ブルジョア・マスコミを総動員して「祝賀」が強制された。一九年「天皇代替わり」―二〇年東京オリンピック・パラリンピックを改憲の好機と狙ってきた首相―安倍晋三は五月三日、極右集団―日本会議の改憲集会へのビデオメッセージと右翼新聞―産経紙上で、「自衛隊明記」改憲への意志を鮮明にした。
 経済格差を拡大し労働者人民の貧困化を強めてきたアベノミクスが破綻しつつある。森友・加計疑獄の真実は隠蔽され続けたままだ。憤怒をもって、安倍政権の本性が改憲―戦争国家化であることを見抜き、あらためて安倍政権打倒を闘い抜こうではないか。

 ●1章 安倍晋三の改憲への意志

 首相安倍晋三は五月三日、政権の支持基盤である極右改憲派―日本会議が主催する集会にビデオメッセージを送り、改憲強行の意志を明らかにした。安倍は「憲法にしっかり『自衛隊』と明記し、違憲論争に終止符を打つ」と語った。現行憲法九条に新たに自衛隊条項を加える改憲案を国会に提示することについて「先頭に立って責任を果たしていく決意だ」と表明した。さらに、二〇年改憲強行について「今もその気持ちに変わりはない」と明言した。
 安倍は五月一日、産経新聞の単独インタビューに応じた。産経新聞は、この改憲を軸にした首相単独インタビューを三日の一面に掲載している。
 インタビュー冒頭で安倍は、四月二五日に衆院・憲法審査会が開催されたことを「歓迎したい」と述べた。安倍政権は、七月参院選に向け、憲法審査会を強行して、改憲への道筋をつけようとしているのだ。
 同インタビューで安倍は、「野党の中にも憲法改正に賛成される方もいます」「一人でも多くの方々に賛成していただけるよう努力をしていきたい」と述べた。公明、維新、希望ばかりでなく、国民民主党も含め、政権参加の利権をちらつかせて野党共闘を分断し、改憲勢力を拡大する企図をにじませている。
 改憲強行方針は、安倍晋三自らの意思表明であると同時に、参院選に向けて自らの支持基盤―極右勢力・日本会議に対する政治アピールである。
 安倍は、自由な政治アピールとして改憲発言をくり返しているのだが、これ自体が憲法違反である。天皇、国務大臣、国会議員、公務員は「憲法を尊重し擁護する義務」がある(日本国憲法第九九条)。安倍自民党の改憲案は、憲法九条に自衛隊条項を加えるとしているが、これは現行憲法九条と矛盾し、九条を覆すことになる。首相が首相としてこのような改憲案を主張する現状こそ、「立憲主義」の危機である。

 ●2章 事実を改竄する安倍の常套手段

 安倍は産経インタビューにおいて、「平成二九年の衆院選で自民党は自衛隊明記を真正面から公約に掲げ、国民の審判を仰ぎました」としている。これは事実の歪曲である。
 二〇一七年、森友・加計疑獄事件で追い詰められた安倍晋三は、野党の臨時国会開催要求を拒否し続けたあげく、九月二八日の臨時国会冒頭で、所信表明すら行わずに奇襲解散したのだ。小池新党「希望の党」立ち上げが、野党にさらなる混乱を引き起こし、この混乱に乗じた安倍自民党が、衆院選を現状維持で乗り切ったという顛末だった。
 自衛隊明記改憲を「真正面から公約に掲げ」たなどというのは、不都合な事実を改竄する安倍の常套的詭弁だ。安倍自身はこの奇襲解散を「国難突破」解散と叫んでいた。トランプ政権をけしかけて朝鮮半島情勢を戦争の危機へと高め上げ、「国難」を偽装した。
 真実は、アベノミクスの矛盾によって格差が拡大し貧困化が劇的に進行する中で、安倍政権批判が急激に高まっていた。同時に、官邸に権力を集中してきた安倍首相自身が森友事件、加計事件に関わっていることが鮮明になっていた。「国難」どころか、安倍自身が難局に追い詰められていた土壇場の、国会追及回避の解散だった。
 奇襲解散と野党の混乱に乗じて衆院選で現状維持を確保した安倍は、再び改憲方針を掲げたのだ。
 さらに産経インタビューでは、昨年の自民党総裁選に言及して「昨年の党総裁選でも私はこれ(憲法に自衛隊明記)を掲げて勝った」「わが党の中にも改憲に反対する人がいたが、その余地はなくなった」と語っている。これも事実の改竄だ。昨年の自民党総裁選は安倍の「圧勝」では決してなかった。官邸独裁に対する批判、森友・加計疑獄事件に対する不信の中で、一定の票が対立候補―石破に流れた。

 ●3章 「自衛隊明記」は九条の破壊だ

 「いまや国民も、多くの政党も自衛隊を合憲と認めています。国民のために命を賭して任務を遂行する自衛隊の存在を明文化し、違憲論争に終止符を打つのは政治の役割であり、私たち世代の責任です」と、産経インタビューで安倍は強弁している。
 安倍は「自民党改憲案四項目」などと言い、①憲法九条に自衛隊条項を加える、②緊急事態条項の新設、③参議院の合区の解消、④教育の充実、だとしてきた。しかし、このインタビューでは、「自衛隊明記」改憲のみに終始して自己の主張をくり返している。ここに安倍の本性がある。安倍の「自衛隊明記」改憲は、九条破壊を企図したものだ。自衛隊を国軍化し、公然と侵略反革命戦争に参戦する道に踏み出す攻撃だ。
 「天皇代替わり祝賀」強制の喧騒の中で、改憲への意志を鮮明にした安倍を許してはならない。「天皇代替わり祝賀」強制粉砕! 天皇・トランプ会談粉砕! G20大阪サミット粉砕! を断固闘いぬき、この攻防の中で、改憲を阻止し安倍政権を打倒していこう。
                         (香川 空)


 

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