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   被爆75年―8・6広島青空式典に集まれ

  米ロの核軍拡競争糾弾!
  日米帝の戦争策動と核安保体制を許さない!
  世界中から核兵器と原発を廃絶しよう!

                侵略反革命と闘う被爆二世の会



 新型コロナウイルスが世界各地で猛威を振るう中、八月六日広島、八月九日長崎は被爆から七五年という大きな節目を迎えようとしている。
 厚生労働省のまとめによれば本年三月末時点で、被爆者健康手帳保持者は一三万六六八二人となり、初めて一四万人を割り込んだ。平均年齢も、八三・三一歳となり原爆被爆の体験を被爆者自身が伝えることが、本当に難しくなっている。また、被爆二世は、三〇万人とも五〇万人とも言われているが、日本政府は一度も調査をしたことが無く、はっきりとはわかっていない。
 一方で、核兵器保有国は核拡散防止条約(NPT)が発効した一九七〇年の米国、ロシア(当時ソ連)、中国、英国、フランスの五カ国にインド、パキスタン、イスラエル、朝鮮民主主義人民共和国が加わり、九カ国となっている。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によれば、本年一月末時点で世界の核弾頭総数は一万三四〇〇となり、昨年同時期より四六五発減った。しかしこれは核弾頭全体の約九割を占める米ロの老朽化した兵器を廃棄したからに過ぎない。むしろ、核保有大国は核近代化を継続しており、二〇一九年の米国の小型核兵器の開発による一方的な中距離核戦力(INF)全廃条約の破棄とその失効に続き、来年二月には米ロの核戦力を制限してきた新戦略兵器削減条約(新START)が期限切れを迎えようとしている。新たな核軍拡競争と核戦争の危機が増している。私たちは、これを断じて許してはならない。
 私たちは、被爆者と共に生きてきた被爆二世・三世や反戦・反核・被爆者解放を闘う仲間が声を上げて、日本政府に被爆者の声に従い核兵器禁止条約を批准するよう、強く求める。そして、再び日本帝国主義が侵略戦争を起こさぬように、アジア民衆と連帯して自衛隊の海外派兵を許さず、アジアから全ての米軍基地を撤去するよう行動する。核兵器の廃絶と核実験の全面禁止と原発の再稼働と新規建設を許さず、全ての原発の廃炉を求める。
米ロ核軍拡競争糾弾!
日米帝の核安保許さない
世界中から核兵器と原発を廃絶しよう

 ●1章 被爆75年目の8・6広島現地行動の意義

 八月六日、広島では、その時々の情勢に対して、「侵略戦争反対!」「核兵器を使うな!」の声を上げてきた。とりわけ一九五〇年の朝鮮戦争下での闘いは、峠三吉の「原爆詩集」の中の「一九五〇年八月六日」という詩に紹介されている。一九五〇年八月六日は、GHQ(連合国軍総司令部)の支配のなかで、全ての集会や音楽会までもが禁止され、平和式典も取り止めとなった。その年の六月から始まった朝鮮戦争は、米軍によって核兵器が使用されるのではないかという危機的状況にあった。
 そもそも被爆者は、GHQのプレスコードによって、被爆直後から原爆被害を公にすることができなかった。原爆によってその日のうちに亡くなっていった家族。たとえ命をとりとめても、放射線の急性症状による下痢、脱毛、吐き気、高熱、体に紫斑ができた。火傷やケロイドにより、汗腺が塞がれ、熱が体にこもる。全身がだるくて働くことができず、差別された。元気だった被爆者が突然、白血病やガンで亡くなる。こうした事実がGHQのプレスコードによって、公にすることができなかったのだ。
 そのような状況の中で、被爆者である峠三吉や平和を求める多くの仲間が、非合法下でデパートの上から「朝鮮戦争反対! 核兵器を使用するな! 原爆被害を繰り返すな!」というビラを撒いたのだ。そのビラを思いを同じくする多くの広島市民が警官の制止を振り切って、取っていった。
 本年、広島市はコロナウイルス渦の中で迎える八月六日の平和式典の規模を縮小し、内容を変えようとしている。四月九日の記者会見で松井一実市長は「例えば式典というものが原爆の犠牲者・死没者、その方々の慰霊をするためのものであるという性格と同時に、世界に向けて平和をアピールするということも目指すものである。あるいは、平和教育といったこともやれるという、ある意味で複数の要素を持ち合わせた式典だと思うのですけれども、そういった中でこの事態の中では、例えば、今回は慰霊ということに目的を絞るということで式典をやりたいと思います」と語り、被爆者の願いである反戦と核廃絶の意志を曖昧にしようとしている。中東や朝鮮半島を含む東アジアで米軍は現在も核兵器による戦争重圧をかけ続けていることを忘れてはならない。また、米軍と一体となって世界中に自衛隊を展開させようする安倍政権を許さない。
 私たちは、新型コロナウイルス対策を取りつつ、八月六日、広島の原爆ドーム前に結集して、被爆者・被爆二世(三世)の思いを体現する青空式典を成功させようではないか!

 ●2章 被爆二世集団訴訟に勝利しよう

 二〇一七年二月、全国被爆二世団体連絡協議会は、「これ以上座して死を待つわけにはいかない。日本政府に被爆二世を第五の被爆者として被爆者援護法を適用させよう」と広島と長崎において被爆二世集団訴訟に立ち上がった。現在、原告は広島で二八名、長崎で二六名となっている。国の立法不作為を問い、今までの国の被爆者に対する援護立法が如何に原爆被害を過小評価することに汲々としてきたかを訴えてきた。
 とりわけ一九七八年三月に孫振斗(ソン・ジンドウ)裁判の最高裁判決が原爆医療法には国家補償的配慮があることを認めたことにより、日本政府は被爆者援護立法の再定義の必要に迫られた。日本政府は、当時の有識者を集めて原爆被爆者対策基本問題懇談会を組織し、被爆者の原爆被害の実態に迫ることなく、在外被爆者を四〇二号通達で援護の外に置いた。韓国の被爆者をはじめとする在外被爆者は、一つ一つの権利を裁判闘争の勝利によって勝ち取ってきた。
 この闘いに学び、被爆二世も裁判闘争で被爆二世の被爆者援護法の適用を勝ち取っていく。現在、裁判は大きな山場を迎えており、コロナウイルス渦の影響で裁判が進行協議となっている。原告の団結を強めながら、一人一人の被爆二世の健康不安と健康被害の実態を具体的に知らせることで、裁判官に訴えよう。被爆者差別を恐れず、被爆二世の現実を社会に訴えることで、必ず勝利しよう。

 ●3章 私たちに課せられた課題

 原爆被害にあったのは、日本人だけではない。日帝の植民地支配と強制連行により、多くの朝鮮人が日本に渡ることを余儀なくされて家族で広島や長崎に住んでいたり、徴用や兵隊として広島や長崎に連れて来られて、被爆したのだ。
 はじめて韓国の被爆二世に会った時、「私たちは、あなた方日本の被爆二世と同じではない。私たちは日本帝国主義の植民地支配の被害者で、あなた方は加害者だ。そのことを抜きにして、共に闘うことはできない」と言われた。韓国の被爆二世との交流を通じて、アジア侵略の加害者としての自覚と日本帝国主義及び天皇の戦争責任をつかみとることができた。徴用工をはじめとするアジアの戦争被害者への日本政府の謝罪と補償を勝ち取ろう!
 また被爆者の多くが、被爆体験を話したくても話せなくなっている。被爆者の生き様を間近に見て育ち、被爆二世自らの問題として親の被爆体験と被爆二世としての生き様を話すことができるのが、被爆二世だ。多くの被爆二世が被爆体験の継承者として立ち上がっている。核兵器の廃絶を実現するためにも、被爆二世としての証言者として立ち上がろう!ともに、反戦・反核・被爆者解放に向けて八月六日広島現地行動に立ち上がろう!




 

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