共産主義者同盟(統一委員会)






■政治主張

■各地の闘争

■海外情報

■声明・論評

■主要論文

■綱領・規約

■ENGLISH

■リンク

 

□ホームへ

   高浜・美浜の老朽原発の再稼働阻止

      9・6大集会inおおさかの成功を!

                    関西地方委員会



 四〇年超えの老朽原発の再稼働を阻止することは、全原発の廃炉をめざす反原発闘争の前進にとって、決定的に重要な闘いである。その現在の最も煮つまった全国的攻防の焦点は、安倍政権と関西電力がこの秋にも強行しようともくろむ高浜原発一、二号機および美浜原発三号機の再稼働を阻止することにある。
 これに関して現在、一万人規模の結集をめざして「老朽原発うごかすな!9・6大集会inおおさか」の成功に向けた準備が精力的に進められている。ともにその成功を勝ち取り、老朽原発再稼働阻止―全原発の廃炉に向けた闘いの前進を切り拓こう。

 ●1章 老朽原発の再稼働を許すな

 周知のように、安倍政権は、二〇一四年に策定した「第四次エネルギー基本計画」において、原発反対の広範な世論に逆行し、原発を「重要なベースロード電源」とした。そして、二〇三〇年度の原発の電源構成比率を20~22%とする数値目標を掲げた。この数値は二〇一八年の「第五次エネルギー基本計画」にも引き継がれた。
 この数値を実現するためには約三〇基の原発を稼働させることが必要だとされている。しかし、3・11福島原発事故の現実とそれ以降の反原発の民意の高まりを背景に、安全対策が以前よりも強く求められるようになり、電力資本はコストがかさむ老朽原発の廃炉を次々と決定せざるを得ないところに追い込まれてきた。その結果、福島事故以前には全国に五四基あった商用原発は、今では三四基になっている。そのほとんどすべてを稼働させなければ「20~22%」の数値目標は達成されないことになる。
 しかし現実には、現時点で稼働中の原発は関西電力の高浜原発四号機と大井原発四号機、九州電力の玄海原発三、四号機のわずかに四基だけだ。それはまた、全原発が停止した期間を含むこの一〇年近くの経験が示すように、原発がなくても人々の生活は十分に成り立つことをも示している。
 あくまで原発を推進する安倍政権は、一方では原発の新設・増設をもくろみ、他方では「例外中の例外」であったはずの四〇年超えの老朽原発の再稼働策動を推進・助長してきた。そして今、老朽原発再稼働についての最初のターゲットとされているのが、福井県・若狭湾にある関西電力の高浜原発一、二号機、そして美浜原発三号機だ。それぞれ今年で運転開始から四五年、四四年、四三年となる。
 福島原発事故の現実を知っているわれわれにとっては、原発のもつ危険性と重大事故が起こった場合の悲惨さはあらためて言うまでもない。それだけでなく、これまでにも大小の事故が全国の原発で無数に起こってきた。二次冷却水の配管の破裂が元で作業員五人が死亡した二〇〇四年の美浜原発三号機での事故はその一部である。また、二〇一一年以降に原発再稼働を進めたすべての電力会社が何らかのトラブルを起こしている。長期にわたって停止してきた四〇年超えの老朽原発においては、重大事故を起こすリスクがさらに高まることは容易に想像がつくことである。
 しかし原子力規制委員会は、拙速な審議によって、高浜原発一、二号機について二〇一六年六月に、美浜原発三号機については同年一一月に、運転期間の二〇年間延長(六〇年)を認可した。それを受けて関西電力はこのかんこれらの四〇年超え老朽原発の再稼働に向けて奔走してきた。
 関西電力は当初は二〇一九年中の再稼働を追求してきたが、安全対策工事の遅延などにより、それは今年に持ち越された。しかし関電は現在の時点で、高浜一号機と美浜三号については今年九月、高浜原発二号機については来年四月に工事を完了し、それをもって全国初となる四〇年超え老朽原発の再稼働へと向かおうとしている。正確な時期については明言されていないが、早ければこの一〇月にも再稼働がもくろまれている。いよいよ重大な局面が訪れようとしているのだ。

 ●2章 9・6大集会inおおさかに結集しよう!

 老朽原発の再稼働を阻止することは、闘う労働者・民衆にとっては、全原発の停止・廃炉に向けた道筋を具体的にこじ開けていく決定的に重要な課題である。
 「例外」としての四〇年超えの老朽原発の再稼働を阻止し、同時に今後の原発の新設を許さなければ、少なくとも若狭の原発群については二〇三三年に運転停止となる。そして全国的には、二〇〇九年に運転を開始した北海道電力・泊原発三号機を含めたすべての原発が、二〇四九年には運転を停止することになる。もちろん労働者人民の闘いの前進いかんによって、その速度を早めることはできるし、われわれはそれを追求して、全原発の廃炉を願う広範な人々とともに闘っていく。
 逆に言えば、地元住民を先頭にして四〇年近くにわたって闘われてきている山口県・上関原発新設阻止闘争の勝利の実現と並んで、安倍政権と電力独占資本の側から具体的に仕掛けられている四〇年超え老朽原発(高浜原発一、二号機、美浜原発三号機、そして茨城県の東海第二原発)の再稼働策動を現実に阻止すること、それを実際のものにしうる労働者人民の闘いの力量の形成なくしては、すべての原発の廃炉という展望は具体的なものにはなっていかない。そのような意味合いにおいて、老朽原発再稼働阻止闘争を全人民的政治闘争としてさらに大きく押し上げていくことは、全原発の停止・廃炉に向けた現局面における決定的に重要な闘いなのである。
 いま関西では、若狭の原発を考える会をはじめこのかん原発再稼働阻止闘争に取り組んできた諸団体によって、「老朽原発うごかすな! 9・6大集会inおおさか」の成功に向けた努力が進められている。当初五月に予定されていたこの集会は、一方でのコロナ禍と他方での関西電力による老朽原発の再稼働予定時期の延期発表のなかで、あらためてこの九月に開催されることになった。実行委員会は、この延期された期間を闘いのさらなる拡大へと結びつけるべく、隔週でのニュース発行や宣伝カー情宣をはじめ、精力的な活動を展開してきた。
 実行委員会は関西電力に老朽原発の再稼働の断念を迫るため、一万人規模の結集の実現を呼びかけており、実際に関西においてはこれまでにない共闘関係の広がりを実現しつつある。全関西、そして全国から結集し、ぜひともこの9・6大集会の成功をともに勝ち取っていこう。
 昨年秋に明らかになった関西電力による原発マネーの不正還流問題は、原発が構造的な腐敗の上に成り立っていることをあらためて暴露した。この問題は今日でも何も解決していない。今年三月末に公表された第三者委員会の報告も、原発をめぐる利権構造に踏み込まない表層的なものである。それどころか関西電力は、福島原発事故以後も一貫して原発再稼働を主張してきた元経団連会長の榊原定征を会長に就けることによって、原発推進の姿勢をあらためてむき出しにした。
 老朽原発の再稼働を急ぐ関西電力は、それゆえの労働安全無視の突貫工事によって相次いで人身事故を引き起こしている。昨年九月には、特定重大事故対処施設の建設用のトンネル内での一酸化中毒の発生によって九人の労働者が救急搬送された。今年三月には掘削中の作業用トンネルの安全監視にあたっていた労働者がトラックにはねられ死亡した。四月にも工事に携わっていた労働者が脚立から転落して骨盤を折る重傷を負っている。高浜原発三、四号機に関連しても、蒸気発生器の伝熱管の減肉・損傷などいくつものトラブルが起こっている。
 また、現在のコロナ禍の中で、作業に従事する労働者の感染リスクや何らかの事故が起こった場合の問題をリアルに検討しないままでの原発の稼働や再稼働に向けた工事の継続という重大な問題が存在する。
 このような状況の中で、9・6大集会の持つ位置は実に大きい。その成功を勝ち取り、老朽原発再稼働阻止―全原発廃炉の展望を共に切り拓こう。



 

当サイト掲載の文章・写真等の無断転載禁止
Copyright (C) 2006, Japan Communist League, All Rights Reserved.