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    9・2 三里塚・請求異議裁判控訴審

    「天神峰の地で農業を続けていく」市東さんが力強く証言



 

 九月二日、東京高裁において市東さんの農地をめぐる請求異議裁判・控訴審の弁論が再開された。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団そして支援が一体となって裁判闘争が闘われた。
 一〇時三〇分に開廷。弁護団より準備書面の要点が述べられた。弁護団はコロナ感染状況のなかで利用者が99%減少した空港の状況を明らかにした。そのうえで、「市東さんの農地を取り上げ、空港施設に転用する目的が消滅した」「強制執行は権利濫用である。原判決を取り消さなければならない」と主張した。
 次いで、経済学者の鎌倉孝夫さんが証言を行った。鎌倉さんはコロナ感染拡大で生じた不況を「人間関係そのものを破壊する重大な危機」であることを明らかにし、新自由主義批判を展開した。そして空港の「公共性」の欺瞞を明らかにしていった。
 午後の法廷では、三里塚物産を営む平野氏が証言台に立った。氏は空港反対運動に関わってきた経緯を説明。そして九〇年代に行われたシンポジウム・円卓会議で、「用地取得のために、今後あらゆる意味で強制的手段を用いない」ことが確認された事実を明らかにした。そして、空港会社が市東さんの農地に関して円卓会議で確認された中身を反故にしていることを、「議論をゆがめるもの」と批判した。
 平野氏に続いて、市東さんの本人尋問が行われた。滑走路が閉鎖されていた状況を問われ、市東さんは「騒音が消え、鳥のさえずりも聞こえました。これが本来の姿だと感じました」と述べた。そして「南台と天神峰の農地を取り上げられたら、農家として成り立ちません。私は新鮮で安全な無農薬野菜を消費者に届けたいです。離作補償をうけとるより、自分の体を動かして働いて消費者に喜ばれる方が大事です。体の続く限り、この天神峰の地で農業を続けていきます」と力強く決意を語った。
 次いで補佐人として農学者の石原健二さんが陳述した。市東さんの農業実践を「日本の農業にとって重要」とその意義を明らかにし、「強制執行は市東さんの人格を否定する権利濫用だ」と批判した。
 証人陳述の後、次回期日を一〇月二二日として、この日の裁判は閉廷。
 弁護士会館で報告集会が行われた。集会の中で反対同盟の萩原富夫さんが「追い詰められているのは空港会社だ。われわれは今、本当に勝利できる状況を切り拓いている。がんばろう!」と発言し、今回の裁判闘争の意義を確認していった。
 一切の話し合い拒否、農地死守―実力闘争を掲げる反対同盟とともに、市東さんの農地を守る闘いを闘い抜こう!



 

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