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   深まる米中対立と東アジア情勢

   軍事戦略の歴史的転換に向かう日帝

                     国際部


 

 米帝の歴史的な没落のすう勢と資本主義化を進めてきた中国の世界的大国としての台頭を背景に、米中間の対立はますます深まっている。とりわけ今夏以降、米帝―トランプ政権は一一月米大統領選をひとつの要因として、中国に対する強硬姿勢を一段と強めている。それは、東アジア・東南アジア諸国をはじめアジア太平洋地域の政治・軍事情勢にも大きな影響を与えている。
 そのなかで、新たに発足した日帝―菅政権は、安倍政権の路線を引き継いで、安保・防衛政策においては、日米の同盟関係と軍事的一体化をさらにおし進めつつ、いよいよ日本独自の「敵基地攻撃能力」の保持に踏み出していこうとしている。
 こうしたなかでわれわれは、排外主義と対決し、プロレタリア国際主義にもとづくアジア民衆との連帯をさらにおし進めつつ、日米安保―軍事同盟体制と日帝の侵略戦争体制の本格的構築に向けた動きと対決する全人民的政治闘争をさらに強力におし進めていかなくてはならない。

 ●1章 対中対決を強める米帝―トランプ政権

 いわゆる「貿易戦争」の発動などこの数年にわたって中国への対決姿勢を強めてきた米帝―トランプ政権は、この七月にテキサス州ヒューストンにある中国総領事館を「スパイと知的財産の窃盗の拠点」と呼んで閉鎖するなど、その強硬な態度を一段と強めている。これに関連して、ポンペオ米国務長官は七月二三日、カリフォルニア州にあるニクソン大統領図書館で対中政策に関する演説を行った。
 この演説の中でポンペオは、「中国にやみくもに関与していく従来の方法を継続してはならない」として、一九七二年の米中国交正常化以来の米国の対中国「関与政策」からの根本的転換を宣言した。また、「中国」や「中国政府」ではなく「中国共産党」を問題とし、「中国共産党政権がマルクス・レーニン主義政権であることを忘れてはならない」、「習近平総書記は破綻した全体主義思想の真の信奉者だ」などとして、その対立がイデオロギーの違いによるものだと描き出そうとしている。
 さらに、「自由世界は独裁体制に勝利しなければならない」、「自由世界が変わらなければ、共産中国が私たちを変える」などとして、「中国に立ち向かうには、欧州、アフリカ、南米、とりわけ、インド・太平洋地域の民主主義国による大変な努力が必要だ」、「新たな民主主義同盟を組織すべき時なのかもしれない」と述べている。中国政府は当然にも「強烈な憤り」を表明し、米国側に抗議した。
 この演説は確かに米中対立の新しい局面を象徴するものである。
 実際、このかんトランプ政権は、さまざまな分野において中国への非難と対決を強めてきた。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大をめぐっては、トランプはそれを「中国ウイルス」と呼び、科学的な根拠がないまま中国がその発生地だとして非難を続けてきた。また、次世代通信規格5Gの世界市場をめぐる覇権争いを背景にしたファーウェイ(華為技術)への経済制裁に続いて、中国発の動画アプリ「TikTok」(ティックトック)や通信アプリ「微信」(ウィーチャット)を中国への情報漏洩の可能性を理由に米国内での使用制限に踏み出してきた。さらに、ヒューストンの中国総領事館の閉鎖に加えて、「香港自治法」の制定や、厚生長官や国務次官など米国の閣僚・高官の相次ぐ台湾訪問、新疆綿を使ったアパレル製品の禁輸措置など、中国側の反発を呼ぶを行動をとってきた。
 軍事的側面においても、「中国の南中国海での威圧的な振る舞いを抑止する」として、この七月に二度に渡って二つの空母打撃群による南中国海での軍事演習が実施されている。中国のあるシンクタンクによれば、七月に南中国海に派遣された米軍機は五月からほぼ倍増している。台湾海峡への米軍機の展開も増加している。また、いわゆる「航行の自由」作戦も年々増加しており、エスパー米国務長官も、昨年の実施回数が過去一〇年で最多であり、「今年もこのペースを維持していく」と明らかにしている。
 このようにして、トランプ政権は貿易・政治・外交・軍事など、さまざまな分野において中国への強硬姿勢を強めている。とりわけ貿易分野におけるそれは、米国の産業にも打撃を与えるものであり、米帝が主導して進めてきた新自由主義グローバリゼーションに逆行するものでもある。中国もまた、米国に対する対抗措置を繰り出している。
 このかんの米中対立、米国による中国への強硬措置は、世界市場をめぐる覇権争い、世界支配をめぐる争闘の現れである。それは、米帝の歴史的没落のすう勢と資本主義化を進める中国の世界的な大国としての台頭のなかで、自らの世界覇権を何とかして維持するための米帝による絶望的なあがきである。それはまた、米帝が自らを中心にした統一的な世界市場、資本主義世界体制を編成し続ける力を減退させてきたことの結果でもある。それは当然にも、「自由世界と独裁体制」の対立とか、「民主主義と全体主義」の対立といったものではなく、自らの必死の巻き返し政策に、イデオロギー的粉飾をほどこしているにすぎないのである。
 トランプは、「自分のように中国に立ち向かった者はこれまでいなかった」とか、「バイデンが勝てば中国がこの国を所有するようになる」などといった発言を繰り返している。そこには確かに一一月に米大統領選挙を控え、中国に対する排外主義的なレトリックによって自らの失政を覆い隠し、選挙キャンペーンを有利に導こうとする思惑があることは間違いない。
 しかし、上述のような歴史的背景ゆえに、大統領選で民主党候補のバイデンが勝利したとしても、その現れ方の違いはあれ、中国を「脅威」として、それを政治的・経済的・軍事的に包囲し、封じ込めようとする米帝の戦略に本質的には大きな変化は訪れないだろう。実際にも、「アジア重視」の名の下に、「リバランス(再均衡)戦略」によって、中国を軍事的に包囲するための海軍兵力のアジアシフトをおし進めてきたのは民主党オバマ政権であった。
 現在の米中対立がストレートに両国間の大規模な軍事衝突を導くわけではないだろう。「貿易戦争」をめぐっても、今年一月の「第一段階の合意」は維持されている。しかし、このかんの動向、とりわけ東アジア・東南アジアにおける米軍展開の増強や、「新たな民主主義同盟」などの形で中国包囲網にアジア太平洋諸国を編成していこうとする動きは、この地域における政治的軍事的な緊張を米帝の側から高め、また各地における政治流動を引き起こしていかざるをえない。
 こうした中でわれわれは、帝国主義のアジア支配の打倒という観点から、各地の労働者人民との国際連帯をさらに発展させ、現在のコロナ禍の制約を乗り越えて、反帝国主義国際共同闘争のさらなる前進を切り拓いていかなくてはならない。

 ●2章 朝鮮半島情勢と日本人民の課題

 米中対立の深まりは、朝鮮半島情勢にも影を落としている。
 二〇一八年四月の歴史的な南北首脳会談の開催と「板門店宣言」、その後一九年にかけて行われてきた一連の南北米の首脳会談も一九年六月の板門店での米朝首脳会談を最後に今日まで途絶え、朝鮮半島の平和をめぐる動きは現在、膠着状態に陥っている。
 こうしたなかで、朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)は、今年五月に米国に対抗するものとして「核抑止力の強化」を決定し、今年六月には「板門店宣言」を受けて開城(ケソン)に設置された南北共同連絡事務所を爆破した。
 南北共同連絡事務所の爆破は、直接的には韓国の民間団体が軍事境界線付近から金正恩(キムジョンウン)体制を批判するビラを共和国に向けて散布する動きを韓国―文在寅(ムンジェイン)政権が放置してきたことが理由にあげられている。確かにそれは軍事境界線付近での敵対行為の中止を明記した「板門店宣言」への違反だと言えるが、より根本的には国連安保理による共和国に対する経済制裁の解除・緩和がいまだなされていないことなど、共和国に対する敵視政策が実質的に継続していることがあり、このような現実こそが問題にされなければならない。
 こうしたなかで朝鮮半島は、「休戦状態」が継続したままで一九五〇年の朝鮮戦争開戦から七〇周年、休戦協定の締結から六七周年を迎えることになった。
 われわれが繰り返し指摘してきたように、朝鮮戦争の休戦協定を平和協定に転換することは、朝鮮半島における安定した平和体制を構築するための基礎となる。そしてそれは、共和国に対する政策の即時解除を前提に、休戦協定に公然と違反して駐留を続けてきた駐韓米軍の撤退、米国とその同盟国による核戦争体制の放棄、米朝・日朝国交正常化を伴わなければならない。そうすることを通して、朝鮮半島全体の非核化の展望も切り拓いていくことができるのである。
 しかし、それとは逆に、この八月一八日には約二週間の日程で米韓合同軍事演習が実施された。コロナ禍の影響でその規模は縮小されたが、内容的には斬首作戦を含む共和国への侵略―先制攻撃計画である「作戦計画五〇一五」にもとづいたものだと言われている。米軍はまた、演習開始の前日一七日に、B1B戦略爆撃機四機とB2ステルス爆撃機二機の計六機を韓国の南部海域と日本付近の上空に展開させている。また、同時期にハワイ沖で実施された米国主導の環太平洋合同軍事演習(リムパック)には自衛隊や韓国軍も参加しており、それもまた朝鮮半島の緊張を高める一要因になっている。
 われわれはこのような動きを弾劾し、朝鮮人民、アジア人民とともに、朝鮮半島の平和構築に向けた闘いをあらためて進めていかなくてはならない。そのときに日本帝国主義が継続する朝鮮敵視政策と排外主義煽動、そして侵略戦争体制構築に向けた動きと断固対決していくことが不可欠である。
 周知のように、安倍前政権はまさに東アジアにおける反動の牙城として、二〇一八年から一九年にかけての朝鮮半島情勢の進展のなかでも、一貫してこれに制動をかける役割を果たし、共和国に対する敵視政策を続けてきた。その反動的政治は、日本国内における高校無償化・幼保無償化制度からの朝鮮学校の除外という許しがたい差別政策としても現れてきた。それに加えて、安倍は韓国―文在寅政権への敵意をむき出しにし、一八年一〇月の徴用工問題に関する韓国大法院の判決を受けて、韓国への制裁外交にさえ踏み出した。安倍は一貫して植民地支配とアジア侵略戦争に対する日本帝国主義の加害責任を居直り、韓国や共和国への敵視政策を進め、排外主義的反発を煽り立てることで、改憲を頂点とした侵略戦争体制づくりを進めようとしてきた。
 新たに発足した菅政権が「安倍政治の継承」を掲げるなかで、われわれはこのような排外主義政治の継続を許さず、断固として闘い抜いていかねなくてはらない。そしてまた、侵略戦争と植民地支配に対する日本政府による謝罪と賠償を実現し、いまや「敵基地攻撃能力」の保持に向かおうとする自国帝国主義との対決をおし進めていかなくてはならない。
 二〇一八年四月の南北首脳会談が実現された一つの要因は、朴槿恵(パククネ)政権を打倒した韓国労働者によるろうそく革命の実現であった。われわれはいま、未完のろうそく革命の完遂をめざして闘いを続ける南北在外の朝鮮人民と連帯し、排外主義と対決し、何としても日本階級闘争の前進を勝ち取っていかなくてはならない。

 ●3章 安保・防衛戦略の根本的な転換を狙う日帝

 今年は一九六〇年の日米安保条約改定から六〇年、二〇一五年の「戦争法」=新安保法制の制定から五年にあたる。
 とりけ戦争法の制定以降、日米の軍事一体化はいっそう加速してきた。この法制にもとづいて新たに自衛隊の任務に加えられた米軍の艦船や戦闘機を守る「米軍防護」は、二〇一七年には二回だったものが、一八年には一六回、昨年一九年には一四回と、大きく増加している。昨年からは、災害やテロを想定した「在外邦人保護事案」でのいわゆる「駆け付け警護」に関する多国間の共同軍事訓練も実施されてきた。
 安倍前政権の下で進められてきたオスプレイやF15ステルス戦闘機など米国製兵器の大量購入を通して、装備や部隊運用の面での一体化も進められてきた。さらは、執拗な辺野古新基地建設に加えて、福岡・築城基地や宮崎・新田原基地の日米両軍の出撃拠点化など、基地の共同使用が進められようとしている。
 同時に、現在も行われている自衛隊の中東派兵や各種の合同軍事演習の参加など、自衛隊の海外展開が強められてきている。それに加えて、対中国包囲網の一環として、石垣島、宮古島、沖縄島、奄美大島など琉球弧での自衛隊の増強、とりわけ陸上自衛隊のミサイル基地と関連部隊の配備・増強策動がおし進められてきた。
 こうしたなかで、日本帝国主義はいよいよ日帝独自の「敵基地攻撃能力」の保有に向けて本格的に突き進んでいこうとしている。それは戦後の日本の安保・防衛戦略の根本的な転換を狙うものである。
 安倍前政権は本年六月、秋田県の自衛隊新屋演習場と山口県の自衛隊むつみ演習場に配備を計画していた米国製の二基のイージス・アショア(レーダーとミサイルからなる陸上配備型のミサイル迎撃システム)の配備を正式に断念した。公式にはミサイル発射時のブースターの制御をめぐる問題(ブースターを確実に演習場内に落下させることができない)が理由とされている。しかし、イージスアショアに搭載予定のレーダーには射撃管制能力がなかった(ミサイルと連動しない)という暴露もある。いずれにせよそれは安倍による米国製兵器の「爆買い」路線の破綻であり、なによりも地元住民を先頭とした粘り強い闘いの勝利だ。
 しかし安倍前政権と自民党の国防族は、イージス・アショアの配備断念の直後から、ただちに日本による独自の「敵基地攻撃能力」の保持に向けて動き出した。
 周知のように、第二次世界大戦での敗北以降、日本の安保・防衛政策の建前は「専守防衛」とされてきた。そしてまた、「敵基地攻撃能力」の保持と日本国憲法の関係については、一九五六年の鳩山一郎内閣の答弁が歴代の政府見解として踏襲されてきた。すなわち、日本が攻撃された場合に、「座して自滅を待つべしというのが憲法の趣旨とは考えられない」。「他に手段がない」場合に限って、ミサイル基地を攻撃するのは「法理的には自衛の範囲」である、というものである。
 その後、周辺事態法の強硬制定に向かう過程の一九九九年に、当時の野呂田芳成防衛長官が「我が国に現実に被害が発生していない時点であっても、侵略国が武力攻撃に着手していれば、相手国の戦闘機や艦船を攻撃することは法理的に可能だ」という国会答弁を行っている。
 つまり、日本も「個別的自衛権」は有するという憲法解釈を前提にしたうえで、憲法は敵基地攻撃能力の保持を禁じておらず、日本に現実に被害が発生していない時点であっても攻撃を行うことができるが、「専守防衛」との関係で、それは政策として採用しない、というのが歴代の政府見解であった。
 米帝によるアフガニスタン侵略戦争やイラク侵略戦争が米国による「個別的自衛権」の発動を名目に行われてきたことを考えれば、「個別的自衛権」なる概念がどのようにも解釈できるものであることは明らかだ。そしてまた、自衛隊の存在そのものが憲法違反であり、上述のような政府見解はわれわれにとっては到底認められないものである。しかしながら、日本の支配階級がこれまで現実に「敵基地攻撃能力」を保持してこなかったことは事実であった。
 自民党の国防部会はこれまで何度も「敵基地攻撃能力」の保持を時の政府に対して提言してきた。しかし、歴代政府は世論の反発を避けるために、具体的にはそれを採用してこなかった。自衛隊の装備体系もまた、現在までは「敵基地攻撃」に対応していない。現在の「敵基地攻撃能力」の保持をめぐる議論はこの点を根本から転換していこうとするものである。
 八月四日に出された自民党の「ミサイル防衛部会」の提言は、「敵基地攻撃」という用語を避け、「相手領域内でもミサイル等を阻止する能力」という表現で、「敵基地攻撃能力」の保持をあらためて提言した。八月下旬に退任を表明した安倍もまた、九月一一日に、「迎撃能力を向上させるだけで国民の命を守り抜くことができるのか」、「ミサイル攻撃の可能性を低下させることが必要ではないか」という内容の談話を発表している。安倍政治の継承を掲げて新たに発足した菅政権もこの道を進み、一二月に予定されている防衛大綱や「国家安全保障戦略」の改定、それに見合った装備の整備としての中期防衛力整備計画の改定の中に、どのような表現であれ「敵基地攻撃能力」保持の内容を組み入れようとしている。
 自民党の「ミサイル防衛部会」の提言は、「攻撃的兵器を保有しないなど、自衛のために必要最小限度のものに限る」などと言うまやかしの言葉を使っているが、「敵基地攻撃能力」の保持とは事実上、日本が独自に先制攻撃を行うことができる軍事的な能力・態勢の構築を意味している。そうでなければ、軍事戦略上は意味のないものだからだ。
 「敵基地攻撃能力」の保持は、この侵略戦争出動態勢の本格的な構築に向けた自衛隊の一連の装備・能力の体系を必要とし、それゆえ日本の軍事予算をますます押し上げていくものとなる。またそれは、日米安保―軍事同盟関係の新たな再編と強化をもらたらすものとなる。「敵基地攻撃」の態勢はそれとして独立したものとしては機能せず、米軍の「統合防空ミサイル防衛」(IAMA)体制などとの連動のうちにあるからだ。そして、そうであるがゆえに、この日本帝国主義の「敵基地攻撃能力」の保持に向けた動きは、かつての日本の植民地支配や占領、侵略戦争の辛酸をなめたアジア諸国、その民衆からの批判と怒りを呼び起こしつつ、東アジアにおける政治的軍事的緊張を増大させていくであろう。
 われわれはアジア民衆と連帯し、本格的な侵略戦争体制の構築に向かう自国帝国主義の「敵基地攻撃能力」の保持に向けた動きを粉砕し、日米安保体制を打破する闘いをおし進めていかねばならない。

 ●4章 国際連帯闘争のさらなる発展を

 米中対立の中で米帝―トランプ政権が対中国包囲網の構築によって東アジアの政治的軍事的緊張を深め、新たに発足した菅政権が日米安保―軍事同盟体制を強化しつつ、「敵基地攻撃能力」の保持に向けた動きを強めるなかで、われわれはアジア民衆との国際連帯を強め、日米安保体制と日本の侵略戦争体制構築を粉砕する闘いを広げ発展させてかねばならない。
 日本帝国主義足下の労働者人民として、われわれが何よりも問題にしなければならないのは、「敵基地攻撃能力」の保持という安保・防衛戦略の歴史的転換を通した自国帝国主義による侵略戦争体制の本格的構築を阻止することであり、それを支える日米軍事同盟を粉砕する闘いをさらに前進させていくことである。それを通して、アジアからの米軍の総撤収と帝国主義のアジア支配からの解放の展望を確かなものにしていかなくてはならない。
 現在の世界的なコロナ禍の中で、国際的な民衆運動の直接の現場での交流の困難性など、反帝国主義国際共同闘争の組織化にとっての一定の制約はある。しかし、様々な創意工夫をもってそれを乗り越え、アジアの労働者人民との国際連帯を発展させていかなくてはならない。排外主義と徹底的に対決し、プロレタリア国際主義に立脚した反戦・反基地、反帝国主義闘争を前進させていくことはその基礎だ。
 新たに発足した菅政権と対決し、それを打倒する全人民的政治闘争をおし進めていこう。アジアにおける階級闘争の新たな局面を労働者人民の側から切り拓いていくために、共に全力で闘い抜こう。


 

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