共産主義者同盟(統一委員会)






■政治主張

■各地の闘争

■海外情報

■声明・論評

■主要論文

■綱領・規約

■ENGLISH

■リンク

 

□ホームへ

    10・22 東京

  
三里塚請求異議裁判控訴審

   高裁包囲デモ・最終弁論を闘う

 
 一〇月二二日、東京高裁において市東孝雄さんの請求異議裁判・控訴審の最終弁論が行なわれた。この日は最終弁論であり、われわれは三里塚芝山連合空港反対同盟と共に弁論前の東京高裁包囲デモを闘い抜き、傍聴闘争を闘った。
 正午前、日比谷公園霞門に結集し、反対同盟と支援の労働者・人民は打ち合わせを行った。反対同盟事務局の萩原富夫さんが「コロナ感染拡大によって、航空需要が激減し、成田空港はいらなくなった」と市東さんの農地を強制執行する根拠がなくなったことを明らかにし、市東さんの農地を守り抜こうと呼びかけた。
 打ち合わせ後、東京高裁周辺の霞が関を一周する包囲デモを闘い抜いた。そして、市東孝雄さんを先頭に、反対同盟が要望書の提出を行った。
 午後二時から開始された口頭弁論では、弁護団が控訴審の内容をまとめた三百ページを超える準備書面の要旨を述べ、市東さん本人が意見陳述を行なった。また農業経済学者の石原健二さんと憲法学者の内藤光博さんが補佐人として意見陳述した。傍聴席がコロナ感染拡大を理由に三分の一程度に制限されたが、弁護団と反対同盟、全国の支援者は最後まで戦闘的に闘い抜いた。
 裁判は市東さんの意見陳述から開始された。
 市東さんは、「自分がなぜ訴えられているのか。空港がやってくる前には地主とは問題なくやっていました。空港会社は私に農業をやめろ、営農をやめろということを言っている。しかし、小作でも生きる権利があります」「親父(市東東市さん)に内緒で農地を売り買いするのは違法ではないのですか? これは正しいやり方ですか? これはけっして自分だけの問題ではありません」「いま成田空港はガラガラです。コロナ感染状況で一番変わらなくてはならないのは空港会社です」「親父には、空港に反対するものは正直でなければならないと言われました。自分は精魂こめて安全でおいしい野菜を作りたいだけです」と、空港会社と国家権力に対する断固とした糾弾と自身の確信を堂々と陳述した。
 そして最後に、「私はデタラメな空港に負けるわけにはいかない! 土は生きている! 土を殺すな! 俺の仕事と誇りを奪うな! どんなことがあっても私は天神峰で農業を続ける!」と決意を明らかにした。
 続いて石原さんが農業経済学の観点から市東さんの農業の公共性を陳述した。そのうえで空港建設のために農地を収奪することの反公共性を述べた。内藤さんは市東さんの農地を奪うことは憲法学の観点から許されないと批判した。
 次に弁護団八名が最終準備書面の要旨を説明した。最終書面は原判決(地裁判決)を批判し、現在のコロナ感染状況の中で農地の空港用地への転用の必要性がまったくないことを証明した。そして「強制執行は権利濫用であり認められない」と結論した。
 原判決では、情況が変わることで空港用地への転用の必要性も見直すべきという内容がある。最終書面は、世界的コロナ感染状況のなかで航空需要が大幅に落ち込む現状がまさに情況の変化であり、すでに「地裁判決は死文」であるとしたのである。
 こうした弁護団の主張に対し、空港会社代理人(弁護団)は何も反論を表明することはなかった。
 最後に菅野裁判長は、判決を一二月一七日とすることが述べられた。
 「なんで判決日までの期間がそんなに短いんだ! 結論ありきなんじゃないのか!」傍聴席から怒号が飛ぶ。裁判長は慌てて閉廷を宣し逃げるように去っていった。
 拙速裁判を許すな! 請求異議裁判・高裁判決に結集し、市東さんの農地を防衛しよう!



 


Copyright (C) 2006, Japan Communist League, All Rights Reserved.