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    11・2728 山口

  
岩国米軍基地に反対し

   2020岩国行動闘われる

 
 ■11・28

 岩国基地・愛宕山地区のフィールドワーク

 2020岩国行動最初の企画として、米海兵隊岩国基地と愛宕山地区のフィールドワークを行った。約三〇名が参加した。
 最初に基地滑走路が見える地点に移動。基地監視活動を連日取り組んでおられる戸村良人さんと合流。戸村さんから、岩国基地監視行動の取り組みの報告と、最近の米軍機の動きについて説明を受けた。感謝祭の時期に重なっており、米軍機の飛行は少なめとのこと。
 空母艦載機の帰還に伴い、岩国基地では午前中が海軍、午後は海兵隊の訓練が行われている。一一月六日、空母艦載機部隊約五〇機が帰還したが、八機、九機の編隊で帰還した。帰還後は新型コロナ感染対策で二週間の待期期間に入るものと予想されたが、帰還から四日後の一〇日には訓練を再開している。
 また、八月二八日には二機のFA18スーパーホーネットが岩国基地でFCLP(陸上空母離発着訓練)行っていたこと等が説明された(艦載機帰還時の編隊飛行の様子については「おはよう愛宕山」No.622、八月のFCLPについては同No.618に記事が載っているので、「岩国・反戦労働者交流集会」のブログより参照下さい)。
 続いて、愛宕山地区にある、愛宕スポーツコンプレックスに移動し、「絆スタジアム」を案内した。愛宕スポーツコンプレックスは、国が建設し、米軍に提供した施設である。米軍と岩国市とで共同使用されており、米軍と岩国市が管理している。岩国市と米軍との間に協定書が結ばれているが、全文は米軍が拒否しているという理由で公表されていないことを説明した。
 また、岩国基地の沖合拡張から米軍住宅建設に至る経過を簡単に説明した。土砂を運ぶ際には愛宕山から海岸まで巨大なベルトコンベヤーが設置されたことを説明すると、参加者より驚きの声が上がった。
 最後に米軍住宅地アタゴヒルズの正面ゲート前を車にて通過しフィールドワークは終了した。
 フィールドワーク担当者としては、交付金をアメにして、艦載機移駐に伴う基地機能の強化というムチを振るう、日米軍事同盟に抗する岩国住民の闘いの一端を感じ取っていただければと思う。


 全国全国反基地交流会

 韓国・沖縄・阿武・岩国から報告・論議


 全国反基地交流会が、一一月二八日午後五時から、三時間にわたって行われた。
 はじめに、今年一〇月二二日に闘われたソソン里のTHAADミサイル配備阻止の闘いの動画が上映された。
 続いてインターネットを使ってキムヨンジェさんが報告した。「韓国のTHAADミサイル配備システムは、アメリカの指揮管制システム(C2BMC)にハード・ソフト両面で組み込まれようとしています。結論的に言えば、韓国のTHAADミサイルは韓国を防衛するものではなく、アメリカ本土と米軍基地の防衛を目的にしたものです」。「ポチョンとういう地域で米軍のアパッチヘリの射撃訓練が行われようとしましたが、住民の反対で阻止しました。国防省は、米軍は反対運動の長期化でソソン里のようになること憂慮して射撃訓練を延期したと発表したようです」。「THAADの配備反対闘争をずっと続けてきたことが、他の地域の駐韓米軍の軍事演習を阻止するということに繋がってきた、といえます」と、報告をしめくくった。
 岩国からは、「愛宕山を守る会」の岡村さんと、「住民投票を力にする会」の松田さんの報告を受けた。
 岡村さんは岩国におけるコロナ感染状況と岩国基地の関係について報告した。「岩国基地内のコロナ感染問題の根本には日米地位協定があります。日本は在日米軍に対してなんら手段を講じ得ない。昨日の段階で四四名の感染者が岩国基地内で出ています。山口県民は三五〇名の感染者数ですから、山口レベルでも一割以上を出している」。「F18の部隊の総入れ替えを行っています。このことは日本政府にも報告されていません。日本の対米外交は米の御用聞きでしかありません」。「私たちはこうした状況を打破すべく、岩国基地の存在を俎上にあげるような政治勢力をつくることが問われています」と報告した。
 次いで松田さんは「少し基地問題を別の角度から述べます」と前置きして、岩国基地に関連する女性と人権について報告した。岩国基地周辺では買売春が横行していた。そして激しい差別があった。「基地という存在は戦争を目的とします。市民はそういう状況と背中合わせで生活していきます。人を殺すために戦地に赴くということが、いかに誤ったことなのか」という内容をもって基地の存在を批判した。
 休憩を挟み、「イージスふあんクラブ」の安藤さんが、イージス・アショア配備阻止を闘った地元住民の闘いを報告した。
 「二〇一七年に配備の話が起きた時、地元の人は『今はなかなか声を出しにくいかもしれませんが、(配備が)おかしい、とだけは思ってください』と演説して回りました」。「山口県議会でイージス・アショアの配備が『国の専権事項』であり、地元自治体は口を出さないということに対して、阿武町長は『首長は地域住民の安全を守るという大義がある』と言い切ったんです。町長はその立場を崩さなかった」。「振り返ると、これが一番大切なことで、国の専権事項といいながら事実上国の政策を進めていきます」。「地域の自治―自分たちのことは自分たちで決める、ということが大事なんだと思います。やはり、わたしたちは地域の村づくりに逆行するようなイージス・アショアを拒否したんだと思います」と、闘いの地平を総括的に報告していった。
 最後に、沖縄から金治明(キムチミョン)さんが報告を行った。カヌー隊の闘いの映像を全体で確認し、治明さんが具体的な闘いの報告をした。「辺野古の闘いは勝ってはいないかもしれないが、負けてもいないと思います。カヌー隊のモットーは『非暴力、不服従、説得』です。海人の連中ともよく話します。『あんたたちは帰るけど、自分たちはここで生活していくんだ』と言われます。地域と連帯していく闘いをしなくちゃいけません」と、地域に根差した闘いにこだわり、その重要性を提起した。
 質疑・会場討論では、京丹後におけるXバンドレーダー基地反対闘争、東京の横田基地や千葉県木更津のオスプレイ配備反対闘争の模様が報告された。


 労働者反戦交流集会

 闘う労働運動の前進を勝ち取ろう


 一一月二八日、午後五時から岩国市民文化会館で労働者反戦交流集会が約四〇名の参加で開催された。司会・進行は北九州ユニオンの仲間が担った。開会挨拶を大阪全港湾の垣沼さんが行った。
 垣沼さんは、「岩国でも米軍基地を中心にコロナが広がっており、今回の集会が開けるか心配していたが、開催できた。日米安保体制の下で岩国基地の強化がさらに図られている。アメリカを守るための日本の要塞化が押し進められている。安倍を継承する菅政権を打倒しましょう」と挨拶した。
 次に、集会事務局から基調が提案された。「コロナ禍で休業、倒産、解雇が相次いでいる。雇用類似型の働き方の拡大、大企業に都合の良い政策の実現、労働者人民への管理強化が進んでいる」。「安倍の政権投げ出し。引き継いだ菅政権は改憲、国民統合、軍備増強の下、戦争国家化へ突き進んでいる。そのために、軍事・弾圧体制の強化を図っている。このような攻撃に対し労働者人民は、辺野古新基地建設反対、関生弾圧への闘い、大阪都構想の否決、イージス・アショア阻止、築城や首都圏での反基地の取り組み等々を闘っている」「また、愛宕山を見守る集いは一〇年を迎えた。闘う労働運動に求められる役割はさらに増している、奮闘を」と結んだ。

 全国各地の闘いの報告

 報告が五名の方から行われた。①大阪都構想住民投票について京都ユニオンの方は、「二〇一五年の否決に続いて、今回も都構想は否決された。しかし維新の会吉村・松井は来年二月に二重行政の解消を名目に、広域行政一元化条例の制定を画策している。これを許してはならない。自民党を右から補完する維新の会の責任追及を。貧困と格差に反対する闘いを」と呼びかけた。
 ②外国人実習生の問題について北九州ユニオンの方は、「二〇〇七年から取り組みを開始。外国人実習生の人達が受けた、低賃金、長時間労働、暴力・暴言・パワハラなどの問題について、当該事業所等と交渉を行って来た。来日する時の構造的な借金問題、実習生制度自体の問題、入管制度問題もある。私達は日本人労働者としてこの問題に真向い、一人ひとりの文化を大事にし認めて、共に生きて行く闘いを作り上げなければならない」と訴えた。
 ③関生弾圧について当該労組の方は、「組合員延べ八九名の被逮捕者という弾圧を受けたが、全員の奪還を勝ち取った。今回の弾圧は、安倍政権の下で政治的に動きやすいシステム作りの一環としての攻撃である。また、まず初めに一般組合員からの逮捕、被逮捕者組合員の家族への権力による説得工作などをもって、組合員の分断と団結の破壊を策してきた。これを、再団結の力で跳ね返している。更に戦線を拡大し、労働三権を死守し、憲法二八条を守り抜き、団結の力で権力と闘い抜く」と力強く話された。
 ④沖縄の闘いについて全港湾の方は、「辺野古新基地阻止の闘い、陸・海上での抗議行動。新たに宮城島などからの土砂搬入。宮古島、石垣島、馬毛島等々、琉球弧を貫く軍事体制の強化。米兵による事件・事故も続いている。このような攻撃に対し沖縄民衆は断固として闘い抜いている。大阪では二〇〇四年から「辺野古基地を絶対に作らせない大阪行動」として、情宣行動を毎週土曜日、現在まで一回も欠かす事なく取り組んでいる。継続して闘う」と述べた。
 ⑤関東での闘いについて東京・南部全労協の方は、「米軍基地に反対する実行委員会の主催で、この六月六日横田基地に向けた集会・デモが取り組まれた。横田基地、木更津駐屯地にオスプレイが配備され、関東上空をオスプレイが飛び交うという状況が現出している。南部全労協・東京全労協は、本当に安心して暮らしていくため、基地強化に反対するため闘っていく」と決意を表明した。
 会場からの発言を受け、最後に瀧川共同代表のまとめで集会は終了した。
 闘う労働運動の前進をかち取ろう。


 ■11・29

 岩国国際連帯集会

 日米軍事同盟破棄! 米軍基地撤去!


 ●一五年目の岩国集会、参加者・発言者は拡大

 一一月二九日午前、2020岩国国際連帯集会が開催された。アジア共同行動(AWC)首都圏の仲間が司会を担った。コロナ感染拡大の厳しい状況にあったが、地元の岩国市内から、そして全国から一〇〇名の人々が結集した。
 AWC日本連共同代表の鴨居さんが主催者あいさつを行なった。コロナ感染が急激に拡大する状況の中にあって全国から多くの仲間が岩国に結集されたことに謝辞を述べた。日本では安倍から菅へ、米国ではトランプからバイデンへ政権が移る現情勢を捉えた上で、バイデン、菅の下でも、軍事強化が進むことを批判的に提示した。その上で、岩国の人たちの闘いと結び、闘いの和を広げていこうと訴えた。
 基調報告全文を司会が読み上げて確認した。
 三つのメッセージが紹介された。在日フィリピン人団体のミグランテ日本支部のメッセージを司会が読み上げた。韓国からは、AWC韓国委員会のホヨング代表のビデオ・メッセージが上映された。ホヨングさんは、七〇年前の朝鮮戦争で出撃拠点となった岩国基地が現在東アジア最大の米軍基地となっていることを押さえた上で、米韓の戦時作戦権の問題、米軍駐留経費の五倍増額要求問題に言及し、日米韓の三角軍事同盟こそが北東アジアの軍事的緊張を高めていることを厳しく批判した。韓国の地から共に闘う決意を結語とした。続いて、佐世保からのメッセージを司会が読み上げた。
 次に、山口県の在日朝鮮人の方が発言した。七〇年前の朝鮮戦争について、米国とソ連の対立の中での戦争だったという世界全体の問題から、さらに日本の植民地だった歴史的事実から、捉えるべきだということを提示した。そして、朝鮮戦争を前後する時代から現在に至る在日同胞の民族教育の闘いについて語った。南北で力を合わせていこうとするときに外部からの力がかかることを強く批判し、それでもなお、一つひとつの闘いを積み重ねていくことが重要だと語った。いっしょに頑張っていきましょうと呼びかけた。
 岩国からの報告では、田村順玄さんと戸村良人さんが発言に立った。
 田村さんは新たな状況として一一月二二日にオスプレイ二機が陸揚げされていることをまず報告した。コロナ感染拡大状況下で、岩国基地内で働く日本人従業員の子どもたちの通学が禁止されている。一方、基地内ではすでに六〇人以上が感染していながら、アタゴヒルズや基地外居住の米兵の感染実態は全く明らかにされてはいないことを鋭く批判した。
 戸村さんはほぼ毎日岩国基地を監視してきた。撮りためた写真を示して、米軍機の配備状況や基地内の火災などの事故の実態について暴露した。
 「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動阿武・萩実行委員会」の藤井さんが、パワーポイントを用いてイージス・アショア撤回までの二年半の経緯と撤回後の闘いについて報告した。戦争法以降の日本政府のやり方は解釈改憲の際限のない拡大であると批判した。イージス・アショアの山口県、秋田県への配備は撤回させたが、イージスが日本から無くなった訳ではないと述べ、敵基地攻撃に傾斜する菅政権に対して闘い抜く強い決意をもって報告を締めくくった。
 屋内集会の最後に、連帯ユニオン関西生コン支部から反弾圧アピールがなされた。今回の弾圧は労働運動のみの弾圧ではなく、政治活動に対する弾圧でもあると批判した。関生が沖縄をはじめとした反基地闘争、そして国際連帯運動に取り組んできたことも弾圧の対象としていることを暴露した。われわれは活動を弱めるつもりはないと決意を述べ、闘争へのカンパを呼びかけた。
 司会が屋内集会のまとめを行ない、続く屋外集会・デモの準備を全体に呼びかけた。参加者はデモの準備を整え、市役所前の公園へと移動した。

 ●後半の屋外集会で、リレーアピール

 屋外集会では、地元の山口、岩国の仲間が司会・集会運営を担った。
 公園では、三分ずつのリレーアピールが行なわれた。
 東京から都教委包囲ネットが発言し、京都の宇川有志の会の永井さんのメッセージが紹介された。岩国からは岡村さんが発言に立った。岡村さんの発言の後で、実行委から「のぼり旗カンパ」が手渡された。元愛媛大学教授の本田博利さんが発言に立ち、山口県労連の方、AWCユースと続いた。
 ここで、AWC日本連事務局から、集会での発言に精神障害者差別言辞があったこと、発言者との論議を行ったことが報告され、この集会は精神障害者、障害者が参加し、連帯を貫いて取り組まれてきていることを強く確認した。
 前夜の岩国・反戦労働者交流集会の報告が行われ、沖縄・辺野古からの報告、全港湾、ユニオン北九州の発言、廿日市市からの報告、阿武町からの報告がなされた。
 最後に「守ろう愛宕山」を皆で歌い、司会がまとめを行なった。朝鮮戦争から七〇年、休戦状態にはあるが、未だ戦争は終結していない。岩国基地は朝鮮戦争、ベトナム戦争の拠点となり、今また強化されようとしている。この厳しい現実に対して、「私たちは加害者にも被害者にもなりません」と宣言し、岩国基地に向けたデモを提起した。


 岩国基地に向けてデモ

 米軍基地撤去・国際連帯掲げ


 一一月二九日、二日目の2020岩国行動は、国際連帯集会と岩国市庁舎前広場での屋外集会の終了後、岩国基地に向けてのデモストレーションを闘った。
 冬晴れの青空の下、宣伝カーと横断幕を先頭に、全国各地から結集したAWCの仲間と岩国・労働者反戦交流集会の参加者、そして地元岩国からの参加者は元気よくデモンストレーションに出発した。
 「岩国基地はいらない」「違法爆音をやめろ」「機能強化を許さないぞ」と、朝鮮半島・中国をにらむ前線基地として強化される岩国基地の存在と空母艦載機の移駐によってさらにひどくなった航空機の爆音被害を弾劾した。
 また「辺野古新基地建設反対」「敵基地攻撃能力の保有を許さないぞ」「Xバンドレーダーを撤去しろ」と、安倍を継承する菅政権の戦争国家作りと、米との軍事一体化を弾劾し、全国の反基地運動との連帯を訴えた。今津川を渡る橋の上では、「守ろう愛宕山」を全体で合唱した。
 岩国基地に接近し、二か所のゲート前では、「戦争のための基地はいらない」「岩国基地を撤去するぞ」を英語で基地内に届くようにシュプレヒコールを行った。基地の拡大と機能強化が強行され、我が物顔でふるまう米軍に対して、戦争反対! 基地を撤去するぞ! と基地に直接デモンストレーションを闘う岩国行動の戦闘的な闘いは、一貫して継続してきている。
 戦闘的にデモンストレーションを闘い、2020岩国行動はすべての取り組みを終えた。
 最後にまとめの発言を行ったAWC共同代表の瀧川さんは、「コロナ禍という困難な状況の中で、全国の仲間の力を結集し、今年も岩国行動を闘いぬくことができた」「来年もまた全国の仲間とともに岩国行動を闘おう」とまとめの発言を行った。最後に全体でシュプレヒコールを行って終了した。



 


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