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■知事の「不承認」決定をかちとり 辺野古新基地を断念させよう 琉球弧の基地機能強化を粉砕しよう 『戦旗』1599号(2021年9月5日) 琉球弧のミサイル基地化、重要土地規制法の強行成立と、今年前半においても、日帝―菅政権は、琉球弧の軍事基地機能強化に邁進している。その最大の対決軸となっている辺野古新基地建設においては、行政権力と司法権力が一体となって権力総動員で強行しているのだ。 しかし、沖縄人民は屈することなく辺野古新基地建設阻止を闘い続け、設計変更申請に対する玉城知事の「不承認」をかちとることで工事中止―断念へと突き進もうとしている(八月二七日現在、「不承認」決定されていない)。 「不承認」支持! 工事を中止せよ! と全国、全世界でデモンストレーションに決起し、菅政権に「不承認」権限を強奪させるな! 辺野古新基地建設の埋め立て工事中止―断念へと追い込み、琉球弧ミサイル基地化許さず、重要土地規制法を粉砕していこう! 琉球弧のミサイル基地化、重要土地規制法の強行成立と、今年前半においても、日帝―菅政権は、琉球弧の軍事基地機能強化に邁進している。その最大の対決軸となっている辺野古新基地建設においては、行政権力と司法権力が一体となって権力総動員で強行しているのだ。 しかし、沖縄人民は屈することなく辺野古新基地建設阻止を闘い続け、設計変更申請に対する玉城知事の「不承認」をかちとることで工事中止―断念へと突き進もうとしている(八月二七日現在、「不承認」決定されていない)。 「不承認」支持! 工事を中止せよ! と全国、全世界でデモンストレーションに決起し、菅政権に「不承認」権限を強奪させるな! 辺野古新基地建設の埋め立て工事中止―断念へと追い込み、琉球弧ミサイル基地化許さず、重要土地規制法を粉砕していこう! ●一章 設計変更申請「不承認」を闘い取ろう 玉城デニー知事の設計変更申請「不承認」決定をかちとることは、これまでの辺野古新基地建設阻止闘争の苦闘の地平であり、新たな起点となるものだ。 ▼1章―1節 サンゴ特別採捕許可を巡る直前の攻防 七月三〇日玉城デニー知事は、沖縄防衛局へのサンゴ特別採捕・移植許可を撤回した。「上告棄却」の同月六日の最高裁反動判決を受け、「県」は二八日に条件を付してサンゴ特別採捕・移植を許可していた。ところが防衛局は翌二九日に、許可条件を一切無視し移植作業を強行したのだ。知事の許可撤回は当然である。 沖縄防衛局は八月二日、県の許可撤回を不服とし、農水相に取り消しを求め審査請求と執行停止を申し立てた。農水相・野上は五日、「県の許可取り消しは埋め立て工事を適法に実施する防衛局の法的地位を侵害する」という「理由」で、間髪を入れず執行停止を認めた。まさに出来レース以外の何物でもない。 現在、海上搬送された埋め立て土砂の陸揚げ場所はK9護岸、K8護岸の二カ所である。「護岸」と称している通り、K9とK8護岸での係船機能も当初計画にない防衛局の強引な既成事実化であることも弾劾する。防衛局はN2護岸を新設し、揚土場を設置して大型ダンプによる土砂運搬を容易にすることを目論んでいる。そのためにN2護岸付近に生息する約四万群体の「移植」強行は死活の命題なのである。 防衛局は二〇一九年四月と七月にサンゴ特別採捕許可を申請。「県」の審査中にも関わらず農水相は二〇年二月、許可の指示を強要した。国地方係争処理委員会への申し出も却下され、「県」は福岡高裁那覇支部に提訴(関与取消訴訟)したが、今年二月請求棄却の不当判決を下したため、最高裁へ上告していた。 七月六日、最高裁第三小法廷(裁判長・林道晴)は上告を棄却した。想定されたこととは言え、この不当判決に改めて満腔の怒りで弾劾する。 だが、今回の反動判決も一枚岩ではなかった。裁判官五人中二人の裁判官が初めて反対意見を付したのだ。 反対意見は、「変更申請が拒否されることになれば、サンゴ類の移植は無駄になるばかりか、移植されたサンゴ類の生残率は高くないことなどから、水産資源の保護培養という水産資源保護法の目的に反する」とした上で、「護岸工事という特定の工事のみに着目して各申請の是非を判断するとすれば、 『木を見て森を見ず』の弊に陥り、特別採捕許可の制度が設けられた趣旨に反する」と記している。「県の主張を認めた画期的な反対意見が付されており、これまで県が主張してきたことは、行政法の観点から合理的であり正当性があるものであることを確信いたしました。」と玉城デニー知事は力強くコメントした。 こうした経過を経て、前述のサンゴ特別採捕許可―許可撤回での攻防が現在的に続けられているのである。最高裁反対意見でも指摘せざるを得ないように、設計変更申請「不承認」をかちとる意義は決定的である。 ▼1章―2節 美謝川付替え工事阻止! 名護市長選と共に勝利しよう 沖縄防衛局は、「設計変更に関係がない」部分の工事を強行し、既成事実をつくるために必死である。断じて許してはならない。 防衛局が今年度に入り契約を強行したのは「美謝川(みじゃがわ)整備工事」、「中仕切護岸新設工事」、「埋立追加工事(1工区~3工区)」、そして「擁壁工事(1工区、2工区)」である。 とくに美謝川の水路付替えの「美謝川整備工事」は、新基地建設に伴う大浦湾埋立てにより河口が閉鎖されることを前提としている。水路付替え工事は「設計変更」と表裏一体のものである。 防衛局は二〇一四年に水路付替え手続きに入ろうとしたが、新基地反対を鮮明にしていた稲嶺進名護市長の壁の前に断念した。状況を一変させたのが、二〇一八年当選以来「新基地問題は国と県の問題」とする渡具知武豊名護市政の対応だ。 渡具知市政は、条例での協議が必要である美謝川付替え工事に関して一貫して「協議不要」の立場を取り、むしろ積極的なお墨付きを与えてきた。米軍キャンプ・シュワブ基地内に存在する市有地をも積極的に差し出しているのだ。 来年年頭の一月二三日の名護市長選において「辺野古問題は名護市政の重要課題ではない」と平然と居直り、米軍再編交付金で沖縄差別軍事支配への隷属を市民に強いる渡具知市政打倒を実現することは、辺野古新基地阻止闘争の重要な闘いである。美謝川付替え工事阻止の現地行動の強化と共に闘いぬこう。 ▼1章―3節 土砂搬出阻止 埋立て土砂採取をめぐっても設計変更申請で沖縄防衛局は、「県」土砂搬入規制条例の規制から逃れるために沖縄内での採取量を拡大し、従来の北部地区二カ所(本部、国頭)から、石垣・宮古島を含む沖縄全域の七地区九市町村に拡大した。とくに追加された内の七割を占めるのが、沖縄戦の激戦地である南部の糸満市と八重瀬町である。 なかでも沖縄民衆の戦争犠牲者追悼碑(※)「魂魄(こんぱく)の塔」や「本土」各県の追悼碑が集中している地域に隣接する熊野鉱山で、鉱山所有会社は土砂運搬用道路建設のための農振法転用申請を行うなど早期の採取策動を強めている。 ※これまで「慰霊碑」としてきましたが、より厳密にするため「戦争犠牲者追悼碑」と改めます。 南部土砂採取を巡っては、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表・具志堅隆松さんのハンスト決起を受けて、沖縄戦体験を原点とする沖縄人民大衆の反戦平和思想「命どぅ宝」の想いが燎原の火のごとく広がり、「遺骨土砂を軍事基地の埋め立てに使うな」という世論が形成された。設計変更不承認、新基地断念へ押し上げる闘いの地平をさらに切り拓いていかなければならない。 また、土砂搬出阻止の闘いは、本部港塩川地区、名護市安和桟橋でもコロナ禍の下でも粘り強い闘いが展開されている。採取予定地として挙げられている伊万里(佐賀)、五島(長崎)、天草等(熊本)、奄美大島、徳之島等(鹿児島)の九州四県一一地区での闘いの創出も含めて全国で辺野古新基地阻止・埋め立て土砂採取阻止を闘いぬこう! ●2章 琉球弧ミサイル基地化許すな 重要土地規制法粉砕 防衛省は二〇二二年度末にも陸上自衛隊ミサイル部隊を石垣島に配備する方針だ。これにより、沖縄島、宮古島、奄美大島と合わせ四島にミサイル部隊の配備が完了する。与那国島への電子戦部隊配備(二三年度)や馬毛島での自衛隊基地建設計画も進めており、「島嶼防衛」での琉球弧の軍事化が、岩国、築城・新田原・佐世保など九州での基地拡充と霧島や日出生台での日米共同演習の強化拡大と一体的に進められている。それは同時に、米帝の対中国の新軍事戦略「遠征前方基地作戦(EABO)」と連動していることもみておかなくてはならない。 困難な状況の中でも粘り強く闘い抜く石垣・宮古・奄美の地域住民と連帯した闘いを強化しよう。九州、岩国―全国での反基地闘争と結合して闘いぬこう。 また、日帝―菅が、コロナ禍での東京オリンピック開催を自らの最大の延命環としながら、戦争遂行のための反動諸立法の強行成立させてきたことを断じて許してはならない。 とくに、「重要土地規制法」は、米軍・自衛隊基地が集中する沖縄、そして首都圏を含む全国の基地所在都道府県と原発立地道県での闘いの弾圧を狙いながら、恣意的な要件による注視区域(国境離島等)及び特別注視区域(米軍・自衛隊基地、原発)の指定による土地売買の規制、個人情報取得、調査・監視、罰金・刑罰を可能とする代物だ。全国、全国民への際限のない拡大も必至だ。 同時に、ドローン規制法による日米軍事基地への指定と適用基準の秘密的拡大が増加している。沖縄では、米軍辺野古弾薬庫、嘉手納弾薬庫、天願桟橋、キャンプ・コートニー、キャンプ・シールズ、ホワイト・ビーチ、那覇軍港の一二施設、自衛隊は、那覇基地(陸自、空自)、空自与座岳と宮古島の四施設が現在対象だ。 琉球弧の軍事化と同時一体的に進む監視・弾圧強化攻撃を断じて許してはならない。 重要土地規制法粉砕の攻防において、沖縄ではコロナ感染拡大の影響で集会が中止に追い込まれるなど、大衆行動の展開が制約される一方、中国などへの排外主義が煽られ反対の声が拡がっていなかった。 その中で、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックは閣議決定後の官邸前行動を皮切りに、審議入りとともに連日の抗議スタンディングに決起した。また、同関東ブロック、市民社会スペースNGOアクションネットワーク(NANCiS)の緊急声明への賛同署名を全国へ呼びかけた「重要土地調査規制法案」反対緊急声明事務局(現在、「土地規制法廃止アクション事務局」に改名)、全国の自治体議員に呼びかけ緊急声明を発表して政党へ働きかけた「重要土地調査規制法案」を廃案にする全国超党派自治体議員団(現在、「土地規制法を廃止にする全国自治体議員団」に改名)、そして平和フォーラム平和・人権・環境、安保破棄中央実行委員会、たんぽぽ舎が連携して闘いが拡がった。参院強行採決に対して野党が内閣不信任案で抵抗した時には、国会前に三五〇名が結集して深夜まで抗議した。「#土地規制法案を廃案に」のツイッターデモでは一五万以上ツイートされた。 来年六月施行に向けて内閣府では準備室をつくり動き出しており、留まることなく「重要土地規制法」の問題を周知し実施を抑え込み、廃止へとの行動が始められている。すぐさま北谷町や名護市で採択されたように、まずもって実施のターゲットにされている沖縄をはじめ全国の議会で反対決議の採択や提出準備がなされている。廃止へ向け継続的な闘いを構築しよう。 |
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