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   1・20偽装廃業・組合潰しを許すな!

     韓国サンケン労組と連帯し争議勝利へ

                           
四山立坑
                    


 

 一月二〇日、韓国サンケン労組は、累積赤字を理由とした偽装廃業によって全員解雇・組合潰しの攻撃を受けた。労働協約である「廃業六か月前に労働組合に通告し、組合側との合意後に具体的な状況を決定しなければならない」に違反している。さらに前回争議の二〇一七年の復職合意書の「今後、深刻な雇用問題が発生した場合、事前に合意する」にも違反しているのだ。昨年七月の日本本社・サンケン電気の廃業決定以来、労組はテント籠城などでその撤回を求め闘ってきた。日韓労働者の連帯で、テント撤去・組合事務所退去の攻撃を跳ね返し、解雇撤回闘争に勝利していこう。

  ●1章 侵略企業―サンケン電気を許すな

 日本本社・サンケン電気(埼玉県志木市、資本金二一〇億円)が今日、日本半導体製造業界八位のグローバル企業に成長したのは、一九七三年韓国軍事独裁政権下の馬山自由貿易地域に100%子会社・韓国サンケンを設立して、税制優遇と労働三権抑圧による低賃金を貪ってきたからである。
 一九九六年韓国サンケン労組が民主労総に加入するや、翌年にはインドネシア移転を決定するが、一年半にわたる争議で移転を撤回した。組合嫌悪の攻撃は続き、二〇〇七年からの六年間で三回の事業部撤収と七回の構造調整によって、約五〇〇人の労働者を街頭に放り出した。さらに二〇一六年、残った三四人の組合員全員を整理解雇にしたが、韓国サンケン労組は一年以上にわたる日本本社への遠征闘争で勝利し一七人が工場に復帰した。
 ところが今回の韓国サンケンの二一年一月二〇日廃業決定は、韓国工場への設備投資の約束を反故にして、他方で韓国財閥LGと結びつき、EK(エレクトリックコリア)でサンケン電気製品を生産するなど、三年にわたる計画的な赤字構造づくりによる偽装廃業であることは明白だ。そして許せないことに、日本本社は韓国社長に「コロナ禍で韓国人が最低二年間は日本に出入りできない。今がチャンス」とうそぶいたという。

  ●2章 日韓連帯でサンケン争議に勝利しよう

 昨二〇年七月以来、韓国サンケン労組は、馬山工場門前のテント籠城闘争をはじめ、昌原雇用労働支庁前のスタンディングをおこない、釜山の日本領事館とソウルの日本大使館など各所を回って闘ってきた。
 これに呼応して日本では、二〇年九月支援する会を結成して、二一年一月一四日までに一八回にわたる木曜行動をもって志木本社と池袋の東京営業所に対して、偽装廃業撤回・組合潰しを許さないと抗議行動を続けてきた。
 また、全国一斉行動に取り組んだ。昨年一二月一七日、JR博多駅前のサンケン電気九州営業所に対して、抗議集会をおこない申入書を手渡した。これには、ユニオン北九州、地区労連、フリーターユニオン福岡、福岡地区合同労組など三〇人を超える仲間が参加した。また、サンケン電気の大阪支店に対しては、大阪市民の会が一月一三日に、広島営業所に対しては、広島市民の会一二人が一月一四日に、抗議申入れ行動に取り組んだ。

  ●3章 12・20サンケン本社デモに二五〇

 昨年一二月二〇日には二五〇名の支援する会の全労協組合員や市民が参加して、本社抗議デモをおこなった。
 この12・20本社デモについて、民主労総金属労組・韓国サンケン支会のキム副支会長は次のように感想を述べている。「寒い冬の日、コロナが激しなったのに……自国の労働者のことでもなく、韓国の労働者が直接遠征闘争にやってくるのでもないのに……日本のいろいろな集会の合間に行われたものでもない……これが可能なことなのか……感動とありがたさに胸が詰まってしまった……国際労働者連帯闘争の生きた模範だ……これがまさに『国際労働者同志愛』だ……国際労働運動が姿を消し、各自に任せて行ってきた過去の歴史をくつがえす国際労働運動の一面を見るようだった……」(キムさんのFBより)。
 徴用工裁判や日本軍「慰安婦」制度問題をはじめ日本の戦争責任・戦後責任が問われる中で、サンケン争議への支援連帯行動は、日本労働運動の試金石ともいえるだろう。

  ●4章 1・21 第19回木曜行動、民主労総百万人の闘いで挑む

 一月二一日会社は「勤労関係消滅通知」のメールを組合員に送りつけ、電気・水道を遮断して工場封鎖攻撃に踏み込んできた。この日は、今冬最大級の寒波で、馬山で零下一五度、ソウルではさらに冷え込み雪が降り積もった。
 同日に取組まれた日本の第一九回木曜行動では、キム副支会長が、韓国のナショナルセンター・民主労総の副委員長に立候補した思いをオンラインで述べた。「グローバル企業と全面対決するために新たな闘いに立ち上がる。一六人の労組の名前でなく、民主労総一〇〇万人の闘いでサンケン電気に挑む」と本社に向かって決意表明した。
 そして、昼休みの池袋・東京事務所ビル前には150人が結集した。支援する会の事務局長が、「韓国の仲間と共に国際連帯でサンケン電気を追い詰めよう」と訴えた。全労協事務局長が「きょうから全員解雇を撤回させる闘いを、新たにスタートさせる。さらに闘いを強化したい」と主催者挨拶した。

  ●5章 籠城二〇〇日目の
          1・28 第二〇回木曜行動


 一月二八日、零下一五度の極寒の中で闘う韓国サンケン労組の仲間は、カンパ米で作った「籠城二〇〇日を迎える餅」を分かち合い、闘う決意を確認し合った。そして、「これまで幼子のいる人は子どもを預けるところさえないので子連れで籠城の場を守り、持病に苦しむ人々も病院に行かずにテント籠城を守ってきた」と語った。
 この日、東京でも午後に雪が舞うなか、第二〇回木曜行動に取組んだ。
 韓国サンケン労組のオ支会長がオンラインで、「今回は、コロナに便乗して会社そのものを廃業して労働者を放り出した。サンケン電気は非常識で不道徳な会社だ。韓国国内の日本大使館、領事館に対しても、偽装廃業に対する抗議行動が広がっている。外国の一企業のために国会議員までが動くのは珍しい。道知事や市長、地方議員までが行動している。サンケン電気の悪行で、韓国では日本企業のイメージが低下している」と訴えた。
 これは、一月一九日に、韓国国会議員一三人の「韓国サンケン廃業中断と韓国人労働者保護のための共同書簡」と、地元の昌原市議会で満場一致で採択された「韓国サンケン廃業撤回を求める決議文」が、支える会によって日本政府に届けられたことをさしている。また、今回の問題で、外国資本が入ってくるときは特別優待を受け、出ていくときはいかなる責任も追わずに撤収していくので、雇用や地域経済に莫大な被害が発生している状況をこのまま放置しなければならないのか、という批判が韓国社会で高まっているのだ。
 日韓連帯闘争で、サンケン争議勝利を断固かちとろう。

 


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