共産主義者同盟(統一委員会)






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2021年5月 政治集会基調報告
             


 昨年初頭からの新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は、日本の政治と社会、階級闘争にも大きな影響を与えてきた。安倍は自らの腐敗とコロナ対策のでたらめぶりへの労働者人民の批判の高まりの中で、自ら政権を放り出した。安倍政治の継承を掲げて発足した菅政権も、いま労働者人民からの大きな批判に直面している。
 この一年間、われわれは新型コロナ感染の拡大防止対策との関係で、いくつかの活動や闘い方の制約を受けながらも、労働者人民の命と生活、権利を守るために闘い、政府の反動的・反人民的政策と対決して、反戦・反基地闘争、反原発闘争、三里塚闘争などを闘ってきた。また、階級的労働運動、反差別解放闘争、青年運動などを試行錯誤しながら創意工夫をもって取り組んできた。
 コロナ禍にあっても国家・資本による労働者人民に対する攻撃は続いている。日米帝国主義の最新の動向はアジア太平洋地域、とりわけ東アジアの政治的・軍事的緊張を急速に高めている。われわれの前には多くの課題と任務がある。
 全国の闘う同志・友人の皆さん。共に菅政権の打倒に向けた全人民的政治闘争の高揚を切り拓こう。アジア・世界の労働者人民と連帯し、帝国主義の世界支配を打ち破ろう。資本主義の根底的変革とそれに代わる新たな社会の実現に向けて、共産主義運動の新たな前進を勝ち取ろう。


●第1章 日米軍事同盟強化と対決し、菅政権打倒の闘いを

 現在のアジア太平洋地域をめぐる情勢の大きな特徴のひとつは、新たに発足した米国・バイデン政権が中国への対決姿勢を鮮明にし、それに伴って自衛隊の侵略反革命戦争出動態勢のさらなる強化と日米軍事一体化の問題を含めて、日米軍事同盟が新たな段階へと突き進もうとしていることである。
 周知のように、四月一六日の日米首脳会談は、対中対決をむき出しにして、「台湾海峡の平和と安定」に言及した共同声明を発した。米中・日中の国交正常化以降で初めてのことであり、半世紀ぶりの歴史的な事態であって、日米帝国主義の側からする「現状変更」だ。
 日米帝の中国との対決・競合は、いわゆる「経済安保」などあらゆる分野に及んでいるが、今回の首脳会談での台湾海峡への言及は軍事的な文脈の中でなされている。それは、琉球弧から九州、岩国に至る日米両軍の基地の新設・強化と共同利用をいっそうおし進め、両軍の軍事的一体化、自衛隊の有事即応態勢の強化、軍事費のさらなる増大をもたらすものとなる。
 また、これと関連し、日米帝国主義が主導する「開かれたインド太平洋戦略(構想)」のなかで、日米とオーストラリアやインドとの二国間・多国間の軍事的連携の強化が進んでいる。それにとどまらず、英独仏など欧州帝国主義諸国のアジア太平洋地域における軍事展開が強まっていることも特筆すべき事態だ。
 バイデン政権はまた、新たな朝鮮半島政策の見直しを完了させた。一方で朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)を「深刻な脅威」と呼びつつ、他方では「外交交渉」を語り、トランプ政権の「一括取引」ともオバマ政権の「戦略的忍耐」とも異なる、「段階的アプローチ」をとるという。しかし三月の米韓合同軍事演習が示すように、共和国に対する軍事的圧力を止めたりはしない。そもそも朝鮮半島情勢の不断の緊張と不安定性は、日米帝国主義の側がもたらしているものだ。
 バイデン政権は、トランプ前政権の「米国第一主義」を転換し、同盟国との関係を修復して、帝国主義の世界覇権の再確立を図ろうとしている。この六月の英コーンウォールでのG7サミットはそれを演出する大舞台となる。このサミットはまた、EU、オーストラリア、インド、韓国などの首脳も出席して一一か国で行われ、中国へのけん制と対決が打ち出されることになるだろう。
 これらの動向は、アジア太平洋地域、とりわけ東アジアの政治的・軍事的緊張をますます高めずにはおかない。それは、日本革命の問題と結びつけてわれわれが日本の労働者人民の闘いの戦略的任務として措定し、実践してきた日米軍事同盟との対決、全国反基地闘争の推進とその結合、自衛隊の海外派兵策動との闘いが、ますます重要な課題となっていることを示している。
 膨大な海外権益を背景に、日本帝国主義はこのかん改憲攻撃をおし進めるなかで、独自武装と侵略反革命戦争出動態勢の構築に向けた動きを強めてきた。アフリカ・ジブチでの自衛隊基地の確保、フィリピンなどを橋頭保にした東南アジアでの自衛隊の海外展開の強化、敵基地攻撃能力の保有に向けた策動などがそうである。この秋には陸上自衛隊のほぼ全員にあたる一四万人の参加で大演習が行われる。これらに対する徹底的な闘争を組織していかなくてはならない。
 同時に、六〇―七〇年安保闘争が示すように、人民の闘いによって日米軍事同盟が動揺するとき、日帝ブルジョアジーはその支配の危機に直面する。日米軍事同盟と自衛隊の侵略反革命戦争出動態勢の構築に向けた動きの一つひとつの現われに反撃を組織しつつ、労働者人民の闘いの奔流をつくりだし、自国帝国主義の打倒に向けて闘おう。
 菅政権は今、新型コロナウイルス感染拡大防止に関するちぐはぐで場当たり的な対応によって支持率の低下に直面しつつも、日米軍事同盟強化に邁進し、加えて一連の反動的・反人民的な諸政策を推進していこうとしている。
 菅政権は辺野古新基地建設に向けた海面埋め立て工事を強行し、若狭の四〇年超え老朽原発の再稼働に向かおうとしている。さらに、福島第一原発事故の放射能汚染水の海洋放出を決定した。三里塚では請求異議審の最高裁決定を待たずとも市東さんの農地の強制執行が法的に可能となる状態がつくられ、現地では強制執行実力阻止態勢に突入している。加えて、入管法改悪、重要土地規制法案、デジタル庁新設、改憲のための国民投票法案などの反動法案が現在進行中の通常国会に提出され、あるいは拙速審議で可決された。菅政権は東京オリンピック・パラリンピックの開催すらいまだ諦めていない。
 支配階級はコロナ禍にあっても、労働者人民に対する攻撃の手を休めていない。それどころか、連帯労組関西生コン支部に対する大弾圧に示されるように、労働者人民の戦闘的な闘いには徹底的な弾圧で応えようとしている。また、今月に入っては、東京での5・3憲法集会時における不当逮捕や韓国サンケン労組争議支援の闘いの中での不当逮捕が発生した。これらを徹底的に弾劾し、支配階級の攻撃に対する反撃を拡大していこう。不当逮捕時は、完全黙秘・非転向で闘おう。
 菅政権の打倒に向けて、一連の反動諸政策との対決をおし進めよう。実際、菅政権に対する労働者人民の批判と闘いは拡大している。それをさらにおし広げ、菅政権打倒の全人民的政治闘争の高揚を切り拓いていくために、階級闘争の最前線に共に立ち、闘い抜いていこう。
 同時に、アジア太平洋および全世界の労働者人民の闘いへの国際連帯の新たな前進を切り拓いていこう。ミャンマーにおける国軍のクーデターに対する抵抗、フィリピンでの国家権力による政治的殺害との闘い、タイでの王政批判を正面から掲げた民主化闘争、中国政府の抑圧に対する香港人民の抵抗など、このかんアジア太平洋の各地で軍隊や圧政に対する労働者人民の抵抗が続いている。ブラック・ライブズ・マター運動は、米国の人民の闘いの歴史の中に新たな一ページを刻印した。南米で、中東で、欧州で、人民の抵抗が続いている。パレスチナ人民はまさに今、イスラエルの激しい攻撃と闘い抜いている。
 われわれはAWC運動に結集する仲間と共に、アジア太平洋地域における労働者人民の闘いと直接的に結合し、実践的な国際連帯を積み上げてきた。いま、地域をとりまく情勢が大きく流動し、各地での労働者人民の新たな抵抗が広がるなかで、われわれの国際主義的実践の新たな発展を切り拓いていかなくてはならない。
 あわせて、自国帝国主義と闘う立場から、各地の反動政権を支える日本政府に対する弾劾、日系侵出企業による抑圧と闘う現地の労働者への支援・連帯、日帝のアジア侵略戦争・植民地支配の被害者たちの闘いへの連帯が重要だ。
 コロナ禍の下で国際的な人の移動には制約があるが、激動する国際情勢の中、創意工夫を通して国際連帯活動を前進させていこう。


●第2章 コロナ禍の下、階級的労働運動の前進をかちとろう

 新型コロナウイルスの感染拡大の中で、日本においては今、深刻な「医療崩壊」が現実のものとなっている。それは、資本のあくなき利潤追求のために人々の生命と生活を顧みず、医療や社会福祉を切り捨ててきた政府・資本による新自由主義政策の結果だ。そのツケを労働者人民が命の犠牲として一方的に払わされていることに対して、腹の底からの怒りを覚えずにいられない。こうした状況の中で、医療・福祉・介護などの分野をはじめとした労働者が、リスクを負いながら、労働者人民の命を守るために奮闘している。
 コロナ禍の下で、多くの労働者が解雇や雇い止めに直面してきた。潜在的失業者を含めれば、その数は厚生労働省が発表する公式統計よりもはるかに多い。とくに非正規、女性、青年、そして滞日外国人の労働者への影響が深刻だ。
 一方、政府・官僚と癒着した一部の企業は、アベノマスクの受注、中小企業支援事業での電通への丸投げ再委託、「GoToキャンペーン」などを通して、公的資金(税金)の強盗的な簒奪を行ってきた。日本企業の内部留保は過去最高を更新し続けているが、これは困窮する労働者のためには使われない。労働者や中小事業者が直面している深刻な状況とは裏腹に、日銀が株価を買い支え続けていることで、投資家や大株主は不労所得をため込んでいる。コロナ禍の中で、巨大独占資本が支配するこの社会のゆがんだ姿、支配階級の腐敗ぶりが浮き彫りになっている。
 同時に、日帝ブルジョアジーは、国際資本間競争での生き残りをかけて、現在のコロナ禍に乗じて、AI(人口知能)技術などを活用した「第四次産業革命」を推進し、労働政策の転換、労働者保護の解体などを進めようとしている。それはリモートワーク、テレワーク、あるいはウーバーイーツのようなギグワークなどの推進を通して労働のあり方を変容させ、八時間労働制を解体し、労働者階級からその集団性と階級的自覚を奪い取って個々に分断し、資本に都合の良い形に労働と労働者を再編していこうとするものだ。
 こうしたなかで、労働者人民の命と生活、権利を守り、新たな形で強まる資本攻勢と対決する階級的労働運動の飛躍をぜひとも実現しよう。大量失業と貧困、生存の危機にあって、労働者の命と生活を守るために、われわれは階級的な団結と社会連帯を強固につくりだしていかなくてはならない。その一環として、最低賃金の引き上げ、均等待遇の実現、外国人労働者の権利確立などの闘いを進めていこう。また、経済闘争と政治闘争を結合し、労働者反戦闘争や反差別解放闘争、国際連帯運動を推進しよう。
 現実の労働者の労働組合への組織化を進めつつ、資本や政府と対決するそれらの闘いを通して、労働者の階級形成をおし進め、社会をつくり変えることができる主体としての階級的な団結とその内実をつくりだしていかなくてはならない。
 また、連帯労組関西生コン支部に対する大弾圧を許さず、共に反撃を拡大し、勝利しよう。労働基本権を破壊するこの前代未聞の闘う労働組合潰しを許してはならない。このかんの相次ぐ不当判決を弾劾し、反転攻勢に向けた闘いを全国で共に進めよう。
 階級的労働運動の飛躍と前進は、国家・資本と対決する日本における階級闘争構造の建設のための基軸的な闘いだ。青年労働者をはじめとしてその担い手を拡大し、全国と各地を貫く陣形をおし広げ、連合支配を打ち破る日本労働運動の戦闘的発展を切り拓いていこう。


●第3章 差別・排外主義と闘い、階級闘争の新たな発展を

 新自由主義グローバリゼーションが全世界にもたらしてきた社会矛盾・階級矛盾は、コロナ禍の中でいっそう広がり深まっている。貧困と格差が拡大し、階級対立が激化している。国家・資本と労働者人民の対立、階級と階級との激突はますます先鋭なものにならざるを得ない。
 そのような情勢を背景にして、世界各地で労働者人民の抵抗が新たな高揚局面に向かう一方で、それと並行して、とりわけ帝国主義本国において、国家権力による排外主義煽動の拡大および極右勢力や差別・排外主義集団の台頭がもたらされている。それらは当面する一時代の国際的な趨勢として続いていくだろう。そのような時代の中で、反差別闘争の新たな前進を切り拓いていくことがますます重要な課題になっている。
 階級闘争は差別・排外主義と対決し、それを乗り越えていく中で前進する。日本でもそれは同様である。そのような意味で、プロレタリア国際主義に立脚し、差別・排外主義と対決して闘い抜いていくことは、現在の日本階級闘争の中で決定的な重要性を持っている。それはまた、差別分断支配を打ち破り、新たな社会の建設に向けて労働者人民の闘いの内実を形成し、深化させていくための課題でもある。
 日本では、侵略反革命戦争出動態勢と国内階級支配の強化のために、政府自らが先頭に立ち、右派メディアを動員して、「中国の脅威」を喧伝し、朝鮮民主主義人民共和国に対する差別・排外主義を煽っている。菅政権はさる四月、実に二〇〇六年から続いている共和国に対する制裁のさらに二年の延長を決定した。
 加えて、徴用工問題に関する二〇一八年一〇月の韓国大法院の判決を契機に、安倍前政権の下で、韓国への経済制裁にも踏み出した。また、「主権免除」論を退け、日本軍性奴隷制度被害者への日本政府の損害賠償支払いを命じた今年一月のソウル地裁判決については、「断じて受け入れることはできない」とうそぶき、韓国政府に「国際法違反を是正しろ」などと要求している。
 国内においては、朝鮮学校を高校無償化制度・幼保無償化制度から除外し、現在のコロナ禍の中でも朝鮮大学校の学生を困窮学生に対する給付金の対象から除外している。こうした歴代政府の態度が、民間における在日朝鮮人・韓国人に対する差別と差別襲撃を助長してきた。われわれはそれと徹底的に闘っていかなくてはならない。
 さらに今日、菅政権は入管収容施設での「長期収容の解決」を口実にして、移民・難民の強制送還を推進し、滞日外国人を対象に新たな刑事罰を導入することなどを核心的内容とした入管法の改悪をおし進めようとしてきた。しかし、全国的な批判の高まりの中で、菅政権は五月一八日、改悪法案の今国会での審議を止めざるをえなくなった。事実上の廃案だ。
 日本の支配階級はこのかん、安価な労働力としての「外国人人材」の導入を拡大し、技能実習生などの形で劣悪な条件で働かせつつ、その当然の権利を保障していない。その一方で、自らの勝手な都合で、難民は受け入れず、すでに日本に生活基盤を持つ移民の強制送還さえ拡大しようとしている。入管体制は解体あるのみだ。
 われわれは被抑圧人民・被差別大衆の解放闘争として、障害者解放闘争、部落解放闘争、被爆者と被爆二世・三世の解放闘争、沖縄解放闘争、女性解放闘争などについて、党の解放委員会を設立し、その下で大衆的な闘いを推進しようとしてきた。これらの闘いのさらなる前進を広範な人々と共に勝ち取っていかなくてはならない。同時にわれわれは、滞日・在日外国人と連帯し、入管体制の解体をめざす闘いや、セクシャル・マイノリティーの解放闘争をはじめ、このかん必ずしも十分に取り組めてきたとは言えない分野についても、あらためて自らの綱領的・実践的な課題として位置づけ、反差別解放闘争の前進と発展を勝ち取っていく。
 同時に、日本帝国主義によるアジア侵略戦争と植民地支配に対する政府による公式謝罪と賠償を実現するための闘い、そして、日本における差別・排外主義の根幹にあり、日米軍事同盟と共に階級支配の支柱である天皇制の打倒に向けた闘いをおし進めていかなくてはならない。
 米国でのブラック・ライブズ・マター運動は、殺人警官への有罪判決という米国内での歴史的な勝利を実現すると同時に、その闘いの過程で構造的な黒人差別を問い、それが欧州などにも広がる中で、歴史上の人物の彫像の破壊・撤去に示されるように、植民地支配の歴史や白人中心史観の見直しという深い質をもった国際的で大衆的な闘いとして発展した。われわれもそれと同様に、日本における階級支配・差別支配の構造に迫る闘いをつくりだしていかなくてはならない。


●第4章 搾取・抑圧・差別の廃絶に向け、共産主義の大道へ

 今日、われわれは歴史の大きな転換期の中に生きている。米帝の歴史的な没落と中国の世界的な大国としての明確な台頭は、国際情勢の流動を規定する大きな要因の一つとなっており、帝国主義間抗争をはじめとする諸大国間の対立の激化と、国家・資本と労働者人民の対立、階級と階級の対立の先鋭化を世界的な規模でもたらしている。帝国主義の世界支配のほころびがあちこちで現れている。
 それだけでなく、貧困と格差の世界的・極限的な拡大、新自由主義グローバリゼーションの破綻性を示した二〇〇八年世界恐慌、深刻化する地球環境問題と気候変動、そして現在の新型コロナウイルスの世界的な感染拡大などを通して、ますます多くの人々が資本主義というシステムそのもの歴史的な行きづまりを感じるようになっている。日本でも「資本主義の終焉」をめぐる議論や、資本主義そのものの問題性が広く語られ始めている。
 資本主義もまたひとつの歴史上の産物、歴史的なシステムであり、永遠に続くものではない。それは次の新たなシステムにとって代わられることになる。そして、人が人を支配し、人間よりも利潤が優先され、資本が増殖している間だけ労働者が生きながらえることができるというこの資本主義というシステムを根底から覆すものとして闘いとられるべきは、搾取・抑圧・差別の世界的な規模での廃絶、階級解放・全人民の解放に向かって進む社会主義・共産主義の道だ。
 国際共産主義運動は今、世界各地で高揚する労働者人民の抵抗と結びつき、新たな前進を勝ち取ろうとしている。われわれもまた、一国社会主義と生産力主義、労働者人民の自己権力としてのソビエトの否定と破壊などを内容として人民抑圧体制へと転化したスターリン主義の歴史的破産を総括し、それに代わって新たな時代を切り拓く日本と世界の共産主義運動の前進に向けて、世界各地の同志たちの苦闘に連帯しつつ、その闘いを続けている。
 米国の青年層の中に社会主義への期待が広がっているように、日本においてもますます多くの青年、ますます多くの人々の中に、資本主義への疑問と批判、それに代わる新たな社会への希求が広がっていくことは疑いない。今こそ共産主義の旗を高く掲げ、その大義と理論、われわれがめざす社会と世界、その実現可能性をいっそう広く、大胆に語っていくべきときだ。
 同時に、搾取・抑圧・差別からの解放に向けた新たな社会の実現は、既存の国家権力の打倒と解体ぬきにはありえない。今日の「社会変革構想」の多くはこの問題を回避したり、欠落させたりしているが、しかしこれは現実の問題だ。
 国家が階級対立の非和解性の産物であるならば、それは階級対立がなくならいうちに自然と消滅したりはしない。もちろん、労働者人民はその闘いによって改良の成果を勝ちとることはできるし、われわれは労働者人民の上にのしかかっている抑圧をひとつでも払い除けるために共に闘っていかなくてはならない。しかし、ブルジョア国家が存続するかぎり、労働者人民の全面的な解放はない。この点で、「資本主義の改良」を目的とした社会民主主義、あるいはその議会主義に依拠した「市民と野党の共闘」がもつ限界性は明らかだ。新たな社会を実現するためには、プロレタリア革命を通して労働者人民自身の権力、ブルジョア独裁に代わるプロレタリア独裁を打ち立てることが必要だ。この道を避けて通ることはできない。
 まさにそのためにこそ、国家・資本と対決し、差別・排外主義と闘い抜いていくこと、その闘いの中で新たな社会の担い手としての労働者人民の階級形成をおし進め、ひとつの政治勢力・階級的勢力としてその力量を高めていくことが必要だ。われわれはそのための今日からの実践の問題を、当面する政治闘争の任務や「階級闘争構造の建設」として、その内容を提起しようとしてきた。
 新たな社会を切り拓くことができるのは、労働者人民による階級闘争だ。それゆえ、われわれはあくまで現実の階級闘争に立脚し、労働者人民の闘いを共に担い、そのなかで革命的で階級的な党の建設を展望する。それは、現実の階級闘争と切断された党の同心円的拡大の中に未来社会を展望する宗派主義の誤りとは区別されたものである。
 われわれは日帝ブルジョアジーの反動的・反人民的政治に対する労働者人民の闘いの最前線に身を置いて闘う。そして、全国各地における階級的労働運動の前進に向けて闘い、被抑圧人民・被差別大衆の解放闘争を推進する。同時に、未来を担う青年たちと共に闘い、青年運動の前進を勝ち取っていく。
 われわれはプロレタリア国際主義に立脚し、世界各地で拡大する労働者人民の抵抗闘争に連帯して闘う。そしてまた、国内外で苦闘し前進する同志たちに連帯しつつ、国際共産主義運動の前進を勝ち取っていく。
 現代資本主義・帝国主義の危機が鮮明になる中で、資本主義の根底的変革、帝国主義の世界支配の打倒をめざす革命的思想と実践が今こそ現実の階級闘争の中で復権されていかなくてはならない。
 全国の闘う仲間の皆さん、共産主義者同盟(統一委員会)と共に、階級解放・全人民解放に向けた闘いの前進を切り拓いていこう。今こそ共産主義の旗を高く掲げよう。



 


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