共産主義者同盟(統一委員会)






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 ■1622号(2022年10月5日)3面
 韓国ソソン里からのオンライン報告(要旨)
 
尹錫悦政権と韓米日合同軍事演習 THAAD配備撤回闘争
                       



 AWC日本連の反戦夏季合宿で、「尹錫悦政権とTHAAD配備撤回闘争、そして韓米日合同軍事演習」と題して、ソソン里居住の活動家からのオンライン報告が行われた。要旨をここに掲載する。この報告以降九月四日未明に強行されたソソン里での大規模な重機搬入とそれに伴う弾圧に強く抗議する。(要旨まとめと小見出しは訳者)

●1 尹錫悦政権、最悪の一〇〇日

 韓国では尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が発足して一〇〇日が過ぎた。韓国では多くの人がこういう。「一〇〇日しか経っていないのか? 数年は過ぎた気がするが」と。政権初期の大統領支持率は辛うじて20~30%台で、歴代のどの政権初期にもなかった低支持率だ。
 大統領候補の時から、国益と世論を無視し感情に偏った公約と決定を乱発し、情勢分析どころか情勢把握さえできない姿がマスコミを通じて報道された。
 政権発足後は、主な要職に検察出身者を配置した。警察を政権の手足として使うために、過去の軍事独裁時代を連想させる行政安全部傘下の警察局新設も強行している。自分の正当性と支持率確保のための前政権バッシングが国政運営の核心になり、古くさい反共と共産主義撲滅まで持ち出して太極旗部隊と呼ばれる保守・右翼勢力とも結びついている。THAAD追加配備と北への先制攻撃を語り、地域の軍事的緊張を極限まで高め、韓米合同戦争演習の再開と韓米日の軍事協力にいたるまで平和に反する歩みを進めている。
 日帝支配から朝鮮半島が解放された記念日である8・15光復節記念式典で、歴史に対して真摯な態度が全く見えない日本との未来協力を語る尹錫悦大統領に対して、人々が「朝鮮総督府の総督か!」と非難する事態さえ起きた。
 南北関係は破綻状況に至り、大規模な韓米戦争演習の再開とともに、共和国の核実験やミサイル実験も再開されるだろう。米国詣でと中国叩きは、朝鮮半島と東アジア地域の軍事的緊張をさらに高めている。

●2 粘り強く闘われるTHAAD反対闘争

 星州ソソン里へのTHAAD配備決定以降、THAAD基地への唯一の出入口になる村道では、THAAD配備撤回を闘う住民による基地監視・搬入阻止活動が今も行われている。住民は二〇一六年から現在まで、「米軍兵力、米軍生活物資、THAADを含む米軍装備、燃油類」のTHAAD基地への搬入・搬出を阻止してきた。警察の大規模動員によって強制搬入したいくつかの事例を除き、六年間、搬入・搬出が徹底的に阻止された。そのため米軍は、この六年間ヘリコプターでこれらの兵員、資材を空中から搬入・搬出してきた。全世界に無数の米軍基地があるが、米軍が自力で陸路往来できない米軍基地は、ソソン里のTHAAD基地だけだ。
 米国は、このようなTHAAD基地の環境を容認できず韓米同盟を持ち出して韓国政府を圧迫してきた。その核心は、THAAD基地陸上通行路(兵站線)の確保だ。文在寅政権末期から毎週二、三回警察を動員し、阻止行動に立つ住民を排除し始めたが、これは尹錫悦政権発足後の現在まで一年以上続いている。
 それでも、前述の兵員、資材の搬入・搬出は行われていない。政府が住民の激しい抵抗と弾圧後に起こる激しい非難を恐れた結果だ。
 しかし最近、尹錫悦大統領は、八月末までのTHAAD基地正常化を公言した。これは、米国詣でと中国叩きの一環であり、過去に例のない低支持率を回復させるための支持勢力結集の手段として再びTHAADを利用したものと見られる。THAAD基地の正常化とは、今まで阻まれていた米軍兵力、物資、燃油類などの常時通行を指すと見られ、そのための大規模警察部隊の村への常駐が予想される。住民たちは、再び決意を固めている。「最後の一人まで、私たちは最後まで闘う!」と。
(中略)
 現在ソソン里では、THAAD基地陸上通行路確保に対する阻止行動の一環として、毎週三日間、朝六時から公民館前の道路で集会を開いている。警察が全員をゴボウ抜きにして車両と労働者の出入りを保障するのだが、住民はこの阻止行動を継続している。
 ソソン里には全国からの連帯訪問が絶えることなく、米軍撤収・反戦反基地平和運動の実践場となった。阻止行動がない日にも、基地正門前の平和行動、基地内監視活動、金泉(キムチョン)での宣伝活動、金泉平和集会など多くの活動が続けられている。

●3 完成段階にある韓米日三角軍事同盟

 八月一七日付「UPI通信」によると、中国は、最近実施された韓米日合同軍事演習「パシフィック・ドラゴン」に対して、名目上は北のミサイル対応だが実際は中国とロシアのミサイルシステムを狙ったミサイル防御演習だと非難した。
 この他にも多国籍弾道弾防御訓練「ニンブル・タイタン」など米国が主導し韓米日が実施してきた合同戦争演習は、すでに秘密裏にかなり以前から着実に実行されてきており、これは北朝鮮のミサイルへの対応というよりも、より優れたミサイルと核戦力を保有し米国の地域覇権さえ脅かしかねない中国とロシアを狙ったものと見るのが妥当だ。
 現在、韓米日の軍事協力、さらには韓米日三角軍事同盟の構築は、すでに多くの合同軍事演習を通じて完成段階にあり、このようにして完成した韓米日三角軍事同盟は、朝中露の急速な軍事的結束をもたらし、結局のところ韓米日と朝中露が鋭く対峙し、恒常的な緊張状態、戦争状態を招くことになろう。利害関係のかかる諸国は、それぞれの利益を追求し、軍事衝突も辞さないかのような構えさえ見せている。
 東アジアで強大国の軍事的な衝突危機が高まっている今、私たちの声と行動がより切実に求められている。力で相手を屈服させて得る平和は、嘘の平和だ。相手にとっては恐怖と痛みを与える横暴であり、暴力であり、結局のところ戦争という結末をもたらすのみだ。
(翻訳は、AWC国際事務局による)












 


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