共産主義者同盟(統一委員会)






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 ■『戦旗』第1644号(10月5日)6面

    10・31寺尾差別判決49カ年糾弾!

  全国から東京高裁包囲に結集し、

  大野裁判長に再審開始を決断させよう

全国狭山闘争連絡会議  


 一九七四年一〇月三一日晴れ渡った秋空の下、日比谷公園には朝早くから「石川一雄氏無罪判決」を求め全国から結集した部落解放同盟や労働組合・学生・市民の熱気に埋め尽くされていた。
 しかし、これとは反対に当時は日比谷公園霞門右斜め前にあった東京高裁玄関前を中心に機動隊車輌「かまぼこ」十数台が隙間なく埋め尽くし、更に日比谷公園側歩道も完全武装の機動隊が隙間なく埋め尽くす、異様な光景があった。
 この日の約一カ月前の九月二六日、「石川一雄氏無罪判決」を求める人々が日比谷公園全てを人の移動ができないほど埋め尽くす、一一万人集会が開催された。
 権力の象徴であり、まさに権力そのものである東京高裁を巨万の人民に占拠される恐怖におののいた国家権力が先手を打って暴挙にでたのであった。
 日比谷公園内で待機していた狭山勢力に無慈悲にも下された「無期懲役判決」に対して「寺尾差別判決糾弾!」「石川一雄氏奪還!」の怒りの声は東京高裁そのものを震わせるほどのものであった。怒りに震える部落青年を中心に労働者学生は霞門に阻止線を張る機動隊に肉弾戦を敢行し、更に公園の柵を乗り越えて機動隊との白兵戦を闘いながら東京高裁突入を試みる闘いが多数行われた。
 権力にへつらった東京高裁第四刑事部裁判長寺尾正二、裁判官丸山喜左エ門、裁判官和田啓一、われわれはこの三名の名を決して忘れてはならない。部落差別による権力犯罪に加担し、無実が明らかだった石川一雄氏に「無期懲役判決」を下した者たちである。
 そして今、狭山第三次再審を担当している裁判長大野勝則もまた、同じ東京高裁第四刑事部に所属する裁判官である。一二月には定年退官というタイムリミットを控えており、最も寺尾の犯罪性を熟知している人間として決して東京高検の退官再審引き延ばしの目論見通りに逃亡させてはならない。
 われわれは、東京高裁大野が一一月上旬に予定されている次回第五七回三者協議後、直ちに再審開始決定を出すことが権力に忖度した先輩裁判官寺尾の犯罪を清算する唯一の道であることを理解させるべく、10・31東京高裁包囲に大結集しよう。
 二〇二三年八月一〇日、第五六回目の三者協議が開かれ、弁護団は検察官が出した意見書に関する反論と事実調べの必要性を明らかにした意見書を順次提出していくことを伝えた。また、スコップ関連の証拠開示について開示命令を検察官に出すよう裁判所に求めた。今年二月から五月に検察官は、弁護団が求めた一一人の鑑定人尋問とインクの鑑定の実施について、全て必要ないとする意見書を出しているが、検察による意図的な引き延ばしを断固粉砕し、第三次再審請求で何としても事実調べを実現しなければならない。
 第五六回三者協議に先立つ六月三〇日に弁護団は裁判所も開示を検討するように促していた死体を埋めたとされるスコップ付着物警察鑑識課員星野の捏造報告書について、鑑定書の捏造を指摘した追加補充書を提出。さらに七月一四日には「発見万年筆」にクローム元素が発見できないのは「水洗い」したからとする検察意見書に反論した弁護団意見書を提出。裁判所による職権で蛍光X線分析装置の提示と鑑定人の推薦を行った。
 東京高検は荒唐無稽な言いがかりを付けて弁護団の科学的鑑定を否定しようと躍起となっている。「被害者が万年筆を水で洗ったうえで別のインクを入れれば、元のインクに入っていたクロム元素が検出されなくなるとして、『発見万年筆』が被害者のものでないとはいえない」と主張してきた。寺尾判決さえ否定するこの検察の主張を弁護団は被害者の行動記録から水洗いなどできないことを意見書で明らかにした
 六月二八日『全国部落調査』復刻版出版事件の控訴審、東京高裁民事一六部土田裁判長は「差別されない権利」を認める画期的な判決を出した。
 差別者集団鳥取ループ・示現舎の宮部、三品の悪質な差別煽動に楔を打ち込み、改めて宮部等を断罪する部落差別禁止法の必要性が明らかになった判決であった。
 民事部、刑事部の違いはあっても同じ東京高裁で正義を体現する裁判官がいるし、袴田さん再審を担当する第二刑事部大善裁判長は、でっち上げ証拠の味噌漬け衣類鑑定に自ら立ち合い、捏造を指摘している。大野裁判長はこうした裁判官に見習うべきである。
 石川一雄さん・早智子さんは、獄友であり再審を応援されていた布川事件の桜井昌司氏の訃報が届き、その遺志含めて決意も新たに大野裁判長へ要求している。狭山第三次再審要求闘争は23デー闘争を始め全国で広がっている。
 われわれ全狭連もこの闘いに応えて全国で狭山再審開始を決定させるべく闘おう。
 全国の闘う仲間のみなさん、10・31日比谷野音に大結集し、東京高裁を包囲し再審開始を実現しよう!

 


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