共産主義者同盟(統一委員会)






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 ■『戦旗』第1652号(2月20日)4面

  戦争の時代に原発はいらない!

 腐敗・堕落した岸田政権を一刻も早く打倒しよう!

  首都圏地方委員会     

 

 二〇二四年元日に能登半島地震が起き、半島全体に甚大な被害が出た。発生当初林官房長官は状況がハッキリしない中「原発は安全だ」などと先走った発言を繰り返し、地震はたいしたことは無いイメージを振りまき、岸田政権の救援初動は遅れ、被害は拡大した。岸田が現地を視察したのは地震発生後一四日もたってからで、政府の危機管理などいかほどのものかと民衆のひんしゅくを買ったのである。道路は寸断され孤立する集落が生まれた。土地が隆起し液状化現象で軒並み家屋が傾いたりした。
 志賀原発でも沢山の事故が起きていた、新潟の柏崎刈羽原発でも被害が出ていた。能登半島の先端の珠洲市も甚大な被害があったのだが、五〇年程前にこの地に原発建設の計画があったが住民運動の力で建設を阻止したのだ。直下でM7・6の地震が起きていたなら大変な原発事故になったことは想像にかたくない。日本に原発を作る場所など無いことが今回証明された。今年計画されている原発再稼働を絶対阻止することが急務の課題となった。


●能登半島大地震を教訓化し、全原発の廃炉を実現しよう

 次々と被害の実態が明らかになっている、ここでは原発関連に絞って明らかにしたい。 志賀原発では、電源の変圧器が損傷し二万リットルもの油が漏れ出て一部は海面まで流れた。もし放電が起こって火災になっていたら大惨事になったであろう。電源が途切れれば原子炉爆発もありうるのだ。また核燃料棒を冷却し保管するプールが地震の揺れにより水が漏れ出ている。それは放射能汚染水でもあるが、プールの冷却水がなくなればそこで核反応が高まり危険なのだ。原発敷地でも地面隆起したと言われているがまだ実態が明らかにされてないのである。放射線量を測定するモニタリングポスト一一六台中一八台が測定不可になっている。M7・6の地震が志賀原発直下で起きたなら第二の福島になる危険があったのだ。
 一五〇キロメートルにもなる地震帯は縦横にはしる活断層を動かし地震が連続した。それは遠く離れた新潟の柏崎刈羽原発にも被害をもたらしている。燃料プールの水漏れが六基で確認されている。地盤の問題は公表されていないが、周辺道路ではひび割れや液状化が起きており避難など出来ない状況が確認されている。
 問題は被害を小さく見せるため事実確認もせず「原発は問題ない」と公表していることだ。
 国や電力事業者は避難も出来ず救助も出来ない現状をどう反省しているかだ。原子力規制委員会も新しい知見もあり分析を急いでいるという。新基準の見直しも含めて検討しなければならないのではと言わざるを得ない状況なのだ。この事態は原発立地ではどこででも起きうる事態だ。二〇〇〇本以上と言われる活断層は国土の全てに走っており、地震源は日本のあちらこちらに存在している。この国では原発など建てる土地など無いことが明らかになった。安全を保証できない以上原発は直ちに停止せよ!


●東海第二原発の再稼働は即刻止めなければならない


避難計画など絵に描いた餅だ

 「首都圏の原発」とも揶揄される茨城の東海第二原発は今年九月にも再稼働かと言われている。しかし能登半島地震の惨状を見て原発を動かしてもいいとは誰も思わないだろう。むしろ早く原発を止めるべきだと思ったであろう。二〇二一年三月、水戸地裁は東海原発の運転を差し止める判決を出した。最大のポイントは原発の安全性の重要な基準として全住民の避難が的確に行われるか否かが原発稼働の重要な問題であることを認めたからだ。東海原発周辺三〇キロメートル圏内には九二万人もの住民が住んでおり、とても全員を安全に避難させることなど不可能なことがハッキリしている。能登半島では道路の破壊と液状化で寸断され孤立化した集落が多数存在した。岸壁は土地が隆起し船舶も近づけない状況が生まれた。この現実をハッキリ見据え再稼働を阻止しよう!二月二〇日には「水戸判決」の控訴審が東京高裁で始まる。何としても二審にも勝利して再稼働を止めよう!

防潮堤の不正・不良工事を許すな

 昨年一〇月、共産党県議の記者会見において防潮堤の不良工事が暴露された。それは建設中の防潮堤のうち水を取り込む取水口を支える南北二本の巨大な柱(一五・五メートル四方、高さ約六〇メートル)の片方がコンクリートの充填が不十分なうえ、鉄筋が変形しむき出しになっているというものである。3・11大地震と津波で被害を受けた東海第二の防潮堤が不良工事だったとは驚きである。それだけではなく、その柱の海底はいわゆるマヨネーズ並の軟弱地盤なのに完全に安定した状態で岩盤に打ちこまれていなかったのである。あの3・11で津波により浸水し電源喪失がおこり非常電源でかろうじて助かったことを日本原電は忘れたのであろうか。日本原電はあわてて会見をひらき事実を認めたが、たいした問題でないので報告しなかったという。とんでもない言い訳だ。そもそも、この問題は六月に起きたものの、何の対策を取らない工事会社に危機感を持った者の内部告発で発覚したのだ。こんな無責任で安全性を平気で無視する日本原電に原発を動かす資格はない!

老朽・被災原発は動かしてはならない

 岸田政権は「GX(グリーン・トランスフォーメーション)法案」会議の際に、これまでの一〇基の原発の再稼働に加えて七基の原発を再稼働させると明言した、女川二号機、東海第二、柏崎刈羽六、七号機、高浜一、二号機、島根二号機であるが、いずれも四〇年超えか、近々それを迎える老朽原発だ。現に再稼働させた原発は様々なトラブルを起こしている。地震との複合災害になれば壊滅的な事故になるのは目に見えているのだ。もう一つ見ておかなければならないのは、原発を動かせば「使用済み核燃料」が生まれるので冷却保管しなければならないのだが、そのプールが徐々に埋まってきており数年で満杯になるところも出てきているのだ。再稼働が増えれば当然使用済み核燃料は増える。青森・六ケ所村の使用済み核燃料処理工場は全く完成できず、稼働延期を何年にもわたり繰り返している。保管プールも第二の原子炉と言える代物で大変危険だ。絶対に老朽原発の再稼働を許さない闘いを強力に推し進めよう!


●全原発の廃炉を目指して大いに奮闘しよう!

 ①来る三月一一日は大震災・フクイチ事故が一三周年目に入る。福島の現状はどうだろう。放射線量が高いにもかかわらず、帰宅困難地域を次々解除し、あたかも復興が進んでいるかのように喧伝されている。しかし帰宅する人はごくわずかで地域行政は成り立たない。メルトダウンした福島第一原発は一グラムものデブリも取り出せないまま、取り出し計画がまた延期された。溜まりに溜まった汚染水を海に流し続けているが、廃炉の展望が無い限り汚染水は溜まり続けるのだ。
 今年の3・11は当日二つの行動が取り組まれる。一つは東海第二原発の再稼働を目論む日本原電本店抗議行動を一七時から取り組み、徹底弾劾闘争を行う。その後一九時からは東京電力本店前行動を取り組む。決して「福島を忘れない!」を実践的行動で示し、原発は廃炉しかないことを今こそ示そうではないか! 福島現地においては三月一六日に「原発のない福島を!」県民大集会が「パルセいいざか」で取り組まれる。いずれも今年正念場とも言える闘いの始まりだ、断固闘い抜こう!
 ②三月二〇日は代々木公園において「さようなら原発! 全国集会」が取り組まれる。今回の能登半島大地震の現状を見て、全国の闘う仲間がやはり原発は廃炉しかないことを確信している。この首都東京で今一度岸田政権の「GX法」政策=原発推進政策がいかに反動的で危険な政策であるかを訴える必要がある。多くの参加を訴える!
 ③宮城では女川原発二号機が再稼働されようとしているが、あの3・11において何度も基準地震動を上回る地震に見舞われ重大損傷を受けた被災原発だ。仙台にて三月二三日「Stop! 女川原発再稼働」全国集会が予定されている。当初は三月再稼働と言っていたが、安全対策工事の遅れで五月に延期された。だが、今回の能登半島地震で問題が膨らんだ結果、大幅延期になるかもしれない。しかし、問題は延期かどうかではなくて原発を止めるかどうかなのだ。全国集会を成功させ女川原発を廃炉に追い込もう!
 今後の闘いが原発を止められるか否かの大きな分岐点となる。大いに奮闘しよう!

 


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