共産主義者同盟(統一委員会)






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 ■『戦旗』第1653号(3月5日)6面

  祝園弾薬庫建設=敵基地攻撃体制を

   全国各地でうち破っていこう

 

 岸田政権は、自衛隊による「反撃能力」(敵基地攻撃能力)の保有を具体化するものとして、全国各地でミサイル弾薬庫の建設をおし進めている。その一部として、京都府南部の精華町にある陸上自衛隊祝園(ほうその)分屯地では、一挙に弾薬庫八棟を増設する計画が持ち上がっている。


長距離ミサイル導入を進める日本政府

 二二年一二月に閣議決定された安保三文書のひとつ、「防衛力整備計画」では、自衛隊による敵基地攻撃体制づくりの重要な一環として、敵の脅威圏からの敵の対空ミサイルの射程外から発射が可能ないわゆる「スタンド・オフ・ミサイル」の取得・導入が大きく打ち出された。現在は二〇〇キロほどの一二式地対艦誘導弾の射程を一〇〇〇キロ以上に伸ばし、量産体制を整備すること、米国から四〇〇発の巡航ミサイル・トマホーク(射程約一六〇〇キロ)を購入することなどがその内容だ。
 これらの長距離ミサイルについて、政府は当初の計画を前倒しして二〇二五年から配備するとしている。関連して沖縄の陸自勝連分屯地に新たに地対艦ミサイル連隊が編成され、大分県の陸自湯布院分屯地でも今年度末までに同様に地対艦ミサイル連隊の編成が計画されている。


全国で狙われるミサイル弾薬庫増設

 増大する長距離ミサイルの保管のために、全国的な規模で自衛隊の弾薬庫の増設がおし進められようとしている。政府は一〇年間で弾薬庫約一三〇棟を増設し、そのうち七〇棟を二〇二七年度までに整備するとしている。
 その下で、先行してきた宮古、石垣、与那国など沖縄・琉球弧での弾薬庫建設に加えて、安保三文書の発表を経た昨二〇二三年度には、陸自大分分屯地(敷戸弾薬庫)と青森県の海自大湊地方総監部でそれぞれ二棟の大型弾薬庫の増設工事が始まっている。
 現在国会で審議中の二〇二四年度予算案においては、北海道の六カ所の陸自基地(多田、足寄、近文台、沼田、日高、白老)、青森の海自大湊地方総監部、京都府の海自舞鶴地方総監部と陸自祝園分屯地、陸自大分分屯地、宮崎県の陸自えびの駐屯地、鹿児島県の陸自川内駐屯地と奄美大島の陸自瀬戸内分屯地、沖縄・うるま市の陸自沖縄訓練場の全国一四カ所で、弾薬庫の増設工事あるいはそのための調査費用が計上されている。

祝園弾薬庫増設を許すな

 そのなかで京都府南部に位置し、奈良県とも隣接する陸自祝園分屯地については、最も多い八棟の弾薬庫の増設が打ち出され、一〇二億円の建設予算がつけられている。防衛省は二〇二四年度中の工事着工を計画している。
 日帝のアジア侵略戦争のなかで朝鮮人労働者を強制動員して建設された祝園弾薬庫は、かつて「東洋一の火薬庫」と呼ばれた。朝鮮戦争時には米軍のための重要な補給拠点となった。今回の祝園でのミサイル弾薬庫の大幅増設は、祝園を敵基地攻撃体制づくりのための本州における一大補給拠点にしようとするものだ。八棟の増設というのは二四年度予算の枠内のことであり、今後のさらなる増設も狙われている。これについては防衛省自身が、「今後の状況に応じて更なる火薬庫の整備を検討」するとしている。
 防衛省はまた、この祝園での弾薬庫の増設について、陸上自衛隊のみならず海上自衛隊との協同運用を打ち出している。それが京都府北部の海上自衛隊舞鶴基地に所属するイージス艦へのトマホークの搭載計画と連動したものであることは明らかだ。地元では反対運動の組織化が始まっている。自衛隊舞鶴基地や京丹後の米軍Xバンドレーダー基地の強化、滋賀県の自衛隊あいば野の演習場での日米合同軍事演習の拡大など、関西で進む戦争準備との闘いの一環として、各地での闘いと結合しながら祝園弾薬庫増設阻止の闘いをつくりだし前進させていかなくてはならない。



沖縄人民、アジア人民と連帯して闘おう

 祝園をはじめ全国規模で進められようとするミサイル弾薬庫建設は、「台湾有事」を煽動しながら強行されている琉球弧での自衛隊ミサイル部隊の増強、琉球弧の軍事要塞化と直結した問題だ。沖縄・琉球弧での闘いと連帯する闘いとして、また、アジア人民に銃口を向ける日帝の戦争準備を許さない闘いとして、ミサイル弾薬庫建設反対の闘いを発展させていかなくてはならない。また、大分・敷戸でのミサイル弾薬庫建設に反対する住民の闘いや弾薬庫増設を含む沖縄訓練場の強化に反対する現地での闘いなど、全国でのミサイル弾薬庫建設に先行する闘いをつくりだし結合させ、岸田政権による敵基地攻撃体制づくりの具体化に対する全国的な反撃を発展させていこう。
 沖縄人民、アジア人民と連帯し、排外主義と対決して、岸田政権の戦争体制づくりとの闘いを前進させよう。全国でのミサイル弾薬庫建設を阻止しよう。


 


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