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■1662号(2024年7月20日)3面 反帝民族解放、社会主義を掲げて ILPSが第7回国際総会を開催 国際部 国際民衆闘争同盟(ILPS)は六月二一日から二五日に、マレーシアで第七回国際総会を開催した。総会のテーマは、「帝国主義を打倒しよう! 社会主義の未来を勝ち取ろう! 帝国主義の収奪、戦争、ファシズムと闘う人民の統一戦線を構築しよう! 人類と地球のための社会主義の未来を勝ちとる闘いのなかで、より多くの組織と運動をILPSに引き入れよう!」であった。 ●過去最大の結集 二〇〇一年に発足した国際民衆闘争同盟(ILPS)は今日、アジア大平洋、北米、南米、中東、アフリカ、ヨーロッパなど大陸を跨いで反帝国主義と民族解放・民主主義を掲げる諸団体が結集する世界最大の反帝統一戦線として発展している。ILPSとその加盟団体は、G7サミット、NATO首脳会議、WTО、APACなどに対する国際共同闘争を積み重ねつつ、その運動と組織を前進させてきた。また、二〇一九年の香港での第六回国際総会以降、資本主義・帝国主義に対置するものとしての社会主義の実現を前面に押し出している。 コロナ禍以降初めての総会となる今回のマレーシアでの第七回国際総会には、前回総会大きく上回る過去最大の五三五人が世界各地から参加した。それは、ILPSの組織的な活力、現在の国際情勢のなかでILPSが掲げる反帝国主義と民族解放・民主主義という大義の正当性と必要性を示すものである。日本からはアジア共同行動(AWC)日本連絡会議、ミグランテ日本支部(フィリピン人移民組織)の代表が参加した。 今回の国際総会の特徴のひとつは、これまで以上に青年層の参加が多かったことだ。とくに、フィリピン、インドネシア、そして米国やカナダなどからの青年たちの参加が目立った。それは、それらの国々での世代を跨ぐ階級闘争の前進を反映するものだと言えるだろう。 総会はまた、二〇二二年末に亡くなったILPSの創設議長であるホセ・マリア・シソンさんを追悼した。 ●パレスチナへの連帯 反帝国主義と民族解放・民主主義を掲げるILPSにとって、今回の国際総会の最大の政治的焦点は、現下のシオニスト・イスラエル政府による民衆大虐殺と対峙するパレスチナ人民の抵抗闘争への断固たる連帯を示すことにあった。パレスチナ人の参加者が紹介されると、会場は大きな拍手に包まれ、「パレスチナに自由を」、「川から海まで、パレスチナは解放される」のコールが何度も繰り返された。 総会全体の基調報告者として招かれたのは、パレスチナ解放人民戦線(PFLP)のメンバーで、パレスチナ民族評議会(PNC)議員でもあるライラ・ハリドさんであった。彼女はまた、「パレスチナ民衆の武装抵抗と帰還権:国際人道法の展望」という特別企画の中でも報告した。 それらの発言のなかで、ライラ・ハリドさんはシオニスト・イスラエル国家の占領に対するパレスチナ人民の武装抵抗の大義を訴え、占領者に対するあらゆる手段を使っての抵抗は国連憲章においても認められている権利であることを強調した。また、一九世紀末からイスラエルの建国宣言を経て今日に至る一〇〇年近くの歴史を振り返りながら、民族解放、帰還権、国家建設のためのパレスチナ人民の闘いの正当性を訴えた。 総会ではパレスチナ人民の解放闘争への断固たる支持を表明する「パレスチナに関する宣言」が採択された。その宣言はまた、シオニストと米帝によるパレスチナ人民に対する戦争犯罪および人道に対する罪を裁く国際民衆法廷の開催を呼びかけている。 ●様々な分野の闘いを報告 総会では、様々な分野での報告や討議が全体会と分科会で行われた。 そのなかで、「反帝国主義および民族的・社会的解放のための闘いの大義」に関して、フィリピン民族民主戦線(NDFP)のメンバーは、社会主義への展望をもった民族民主主義革命運動としてのフィリピン人民の長期にわたる闘いに触れながら、帝国主義とあらゆる反動政府に対する闘いの前進に向けて最も広い団結と協力を築くことの必要性を訴えた。 「社会経済的発展と社会正義」というテーマでは、ニュージーランドとフィリピンの労働組合のメンバーが緊縮財政など新自由主義政策に対する闘いを報告し、労働組合の国際連帯、移住労働者の国際的団結の前進に向けた闘いの重要性を指摘した。 「ファシズムとの闘い、民主主義、人権」をテーマとする報告のなかで、クルディスタン国民会議のメンバーは、「ファシズムを打倒するには、民主的、多様性、反軍国主義、環境保護、女性解放のパラダイムに導かれた団結した社会が必要だ。そのような団結を通してのみ、抑圧的な政権を打倒できる」と強調した。 「侵略戦争反対と公正な平和のための闘い」に関する報告では、ベルギーの反戦平和団体のメンバーが、全世界の人民に戦争とその犠牲を拡大しているNATОと米国主導の軍事同盟の役割について報告した。 総会ではまた、労働者、農民、女性、移民、先住民、セクシャル・マイノリティなどの分科会がもたれ、ラテンアメリカや南アジアなど各地での帝国主義の動向と人民の闘いに関する特別企画も行われた。開催地のマレーシアに関しては、サバやサラワクでの先住民の闘いが報告された。 ●反帝国際連帯の前進を 総会は新たな国際調整委員を選出し、全体宣言を採択して閉幕した。全体宣言は、「われわれは、地球上のあらゆる場所で人民を奮い立たせ、帝国主義とファシズムに対抗する最も広範な人民統一戦線を築かなければならない。米国主導の侵略戦争を阻止し、帝国主義の略奪を終わらせ、民族解放と民主主義の大義を推進し、社会主義の未来の基盤を築くために、集団的行動と抵抗を大胆に強化しなければならない」と強調している。 拡大する全世界の労働者・被抑圧人民の闘いと連帯し、反帝国主義・プロレタリア国際主義にもとづく闘いを、われわれもさらにいっそう推進していこう。 |
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