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     11・6 千葉

    第四回請求異議裁判

     裁判を前に千葉市内デモをたたかう



 
 十一月六日午前、千葉地裁において請求異議裁判第四回公判が開かれた。これに先立ち、三里塚芝山連合空港反対同盟(反対同盟)呼びかけの、千葉市内デモが取り組まれた。
 午前九時過ぎより、千葉市中央公園において小集会が開かれた。司会は反対同盟の太郎良さんだ。
 反対同盟事務局の萩原富夫さんは「昨日はトランプ来日に反対するたたかいが、世界各地で取り組まれた。トランプや安倍のような政治を許さないために、労働者や農民が団結してたたかう世界的ネットワークを造っていくことが大切だ。最高裁不当判決から一年以上市東さんの農地に手をかけさせていない。このたたかいは空港会社や国土交通省による住民無視の空港計画への抵抗であるとともに、安倍政権の戦争国家化とのたたかいでもある。市民の皆さん、この裁判に注目し一緒にたたかおう」と語った。
 他にも動労千葉、関西実行委員会、市東さんの農地取り上げに反対する会などが、それぞれの立場から、市東さんの農地の強制執行を許さないという決意などを語っていった。
 集会のまとめとして、太郎良さんが「今日は公判に先立って市東さんの農地取り上げに反対する署名提出行動も行っていく。千葉地裁に向けたデモをたたかおう」と行動提起をした。
 最後に全体で「請求異議裁判をたたかうぞ!」「市東さんの農地を守り抜くぞ!」「強制執行を許さないぞ!」などのシュプレヒコールをあげ、千葉地裁に向けたデモに出発した。
 反対同盟宮本麻子さんが、デモ中宣伝カーのマイクを握り、千葉市民に対して農地強制執行の不当性、裁判闘争への注目と支援を訴えていった。
 デモ終了後には、反対同盟先頭に、千葉地裁への署名提出行動が行なわれた。その後、参加者は、裁判傍聴闘争へと移っていった。

 強制執行は違法だ!


 成田市・天神峰の市東孝雄さんの農地の強制執行を阻止するための請求異議裁判はいよいよ重大な局面に入りつつある。十一月六日の千葉地裁民事第五部(高瀬順久裁判長)での第四回口頭弁論はそのことを明らかにした。
 この日の裁判で、反対同盟弁護団は新たに提出した準備書面にもとづいて、以下の三点にわたって強制執行が決して許されないものであり、「権利の濫用」であることを展開した。
 第一に、今年七月十五日に成田空港B滑走路で発生した大型貨物機による超低空離陸事故は、あわや大惨事をもたらしかねないものであり、市東さんを含む周辺住民の生命・身体・財産が現実的な危険にさらされていることをあらためて示している。B滑走路はそもそも供用を差し止められるべきであり、これに関連する強制執行などもってのほかであること。
 第二に、一九七一年の大木よねさんの土地・家屋の強制代執行の違法性・無効性を問う裁判では、一昨年に国・県・空港会社は遺族の小泉英政氏に「話し合いの努力が足りなかった」などと謝罪している。しかし、市東さんの農地の明け渡しをめぐっては「話し合いの努力」などまったくなされておらず、民事裁判によって農地を強奪しようとしており、明らかに使い分けがなされていること。
 第三に、農地の賃貸借契約の解約許可条件である離作補償料の支払いがなされていないこと。空港会社は市東さんが営農を続けているので「二重払いになる」などと主張しているが、これはあまりにもでたらめな恣意的解釈であり、離作補償料の支払いなき強制執行は違法であること。
 その後、弁護団は前回裁判での裁判長の求めに応じ、証人申請を予定する人々の名前を含む今後の立証計画の大筋を説明した。しかし、ここで高瀬裁判長は(申請された証人のうち)「原告の市東さんと萩原さんの証言は聞きたいと思っている」などと述べ、さらに唐突に次回の裁判でこの二人の尋問を行いたい、などと言い出した。人証調べをこの二人だけで済ませ、早期結審に持ち込もうとする意図に満ちたあまりにも露骨な発言だ。
 弁護団は猛然と抗議した。そもそも空港会社は強制執行の具体的な必要性をいまだ明らかにしていない。反対同盟側の主張に対して何らの積極的な認否も反論もしていない。弁論が尽くされていないことは明らかであり、次回に証人尋問を行うことなどありえない。傍聴席からも裁判長を弾劾する怒りの声が次々とあがり、法廷内は騒然となった。
 弁護団と傍聴席の一体となったたたかいで、次回に市東さん萩原さんの証人尋問を行うという策動は粉砕された。しかし、この日の攻防で明白に浮かび上がったように、高瀬裁判長が強引な訴訟指揮をもって早期結審に持ち込もうとすることは明らかだ。
 裁判後の報告集会で市東さんは、まさにこれが「三里塚裁判」であり、裁判所の強権的な訴訟指揮に対して油断することなくがんばろうと訴えた。反対同盟弁護団は裁判所と空港会社を弾劾しつつ、この請求異議裁判をめぐる状況が重大な正念場を迎えたことを提起し、傍聴闘争への結集を呼びかけた。最後に、反対同盟から萩原富男さんが十一月二十日の耕作権裁判など一連の三里塚裁判への傍聴の拡大と署名運動の推進を呼びかけた。次回の請求異議裁判は来年三月八日に行われる。拙速裁判を許さず、市東さんの農地を守り抜くために全力でたたかおう。


 

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