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   フランスでG20サミットの現地反対闘争
   
    欧州危機のただ中、世界各地から労働者が結集





 十一月三~四日、フランス・カンヌでG20サミットが開催された。帝国主義列強と新興大国など二十カ国地域による欧州危機への対策、ならびに緊縮政策・増税・教育福祉の切り捨てなど新自由主義の諸攻撃を推進する場となるはずであった。欧州安定化基金の拡充、IMFからの融資強化などをおしゃべりするG20首脳たち。しかし、誰もが一般論に終始し、欧州債務危機の膨大な焦げ付き化の負担をとろうとしなかった。当然である。ギリシャ労働者人民のはげしい抵抗闘争、イタリア、スペインなどの闘いは、ユーロ圏の格差拡大=独仏系の肥え太ったEU独占資本を告発し、自らへの緊縮政策・増税・教育福祉の切捨て・貧困・失業化を決して許さないからである。ギリシャのパパンドレウ政権が退陣し、イタリアでもベルルスコーニ政権が打倒され、スペインでもサパテロ政権退陣へといたっている。
 世界的な高級リゾート地のカンヌは、G20サミット期間中、戒厳態勢がしかれた。高級ホテルを含むカンヌの街と海岸はフランス警察・軍によって完全に制圧され封鎖された。その檻のような鉄柵と警察に囲まれた区域にG20首脳たちが集まり、欧州各地人民の抵抗闘争の激化を前に、何も決められないおしゃべりがつづいたのだ。そのなかで日帝・野田首相は消費税の10%増税を国際公約した。断固、粉砕していかねばならない。サミット期間中は、大雨だった。高級リゾート地も台無しである。
 カンヌの近郊・ニースでは、G20反対の抗議行動が繰り広げられた。主催は、「La Coalition G8―G20 2011」という実行委である。メイン・スローガンとして「金融ではなく、人民を第一に優先しろ!」がかかげられた。ATTACフランス、CGT(フランス労働総同盟)、SUD(連帯・統一・民主/労組)、FSU(教職員・公務員労組)、AC!(反失業運動)や諸NGOなどで実行委は構成されていた。その賛同団体には、フランス共産党、NPA(反資本主義新党)、社会党、それらの青年組織が名を連ねた。スペインのCGTなどアナキスト系も闘争現場に加わっていた。少ないがチュニジアなど北アフリカ系アラブ人民も参加。ギリシャ、メキシコ、ブラジル、トルコ、イギリスなどからもニースに来ていた。東アジアでは、韓国の民主労総が活発に闘い、注目をあつめた。日本からは、アジア共同行動(AWC)日本連、関西生コン労組、関西共同行動などが代表を派遣した。
 十一月一日、ニースの展示場前広場に約一万人があつまり、抗議デモが闘われた。午後三時から実行委を先頭として、ニース東部のメイン通りをデモ行進した。デモコースは路面電車に沿った車道だが、すぐに路面電車のレールの敷地もデモ隊が占拠し、路面電車は運休となる。休日のデモには、沿道の住民やアラブ系移民労働者たちも鈴なり状態で注目して支持する。鉄道・バスなど輸送機関の運転手なども警笛やクラクションで呼応した。AWC日本連の遠征団は、関西生コン労組などとデモ行進。日本の運動団体の旗が珍しく、いろいろな参加者から話しかけられた。デモでは、機動隊が側道を封鎖しているのを抗議したり、若者が抗議のペインティングを駅の標識や道路などに書きなぐったり、金融機関の店頭前では警備のガードマンをデモ隊が押し寄せてブーイングをしたり、かなり自由で解放的なとりくみを各部隊が行った。CGTの労組部隊は、サウンド・デモのトラックが先導していたので、カンヌやニースの支部労組員を中心としたアフリカ系移民労働者の先頭集団は、実にリズミカルにダイナミックに踊った。「緊縮政策をやめろ!」「格差・貧困に反対」「金融規制税を導入しろ」「レジスタンス(抵抗)をたたかおう!」「1%ではなく、私たち99%の利益を」など、戦闘的なシュプレヒコールが響き渡る。約三時間近く、デモは行われた。米国・ウォール街占拠運動の内容も反映した。
 十一月二日はさまざまな対抗フォーラムが開催された。「金融機関ではなく、人民を第一に!」のメイン・スローガンのもとで、次のサブ・スローガンをかかげ、フォーラムの内容はつくられていた。①緊縮財政中止。不平等をおわらせよう②市場ではなく、人民を③地球ではなく、システムの変革を④食糧をギャンブルの対象とするな!⑤怒り、反抗、連帯⑥やつらは二十人、我々は数十億人だ。AWC日本連は、韓国民主労総・事務金融労連が参加した労組活動家の諸報告に合流。これ以降、AWC日本連は韓国民主労総の部隊とともに闘った。
 十一月三日。この日の午前中は、モナコ公国近郊のカップ・ダイユという地中海に面した別荘地エリアにて、モナコ公国のタックスヘブン政策(大企業への税金免除)への抗議デモが闘われた。警察・ヘリコプターが重監視するなかを約四百人が決起。G20サミット開催地のカンヌには、通行許可をもった一部住民と記者しか入れず、観光客も追い返される状態だ。朝から東ニース駅より三つめの駅で降りて、丘の上にあるデモ出発地の駐車場に集まる。その後、モナコへむけてタックスヘブン反対の抗議デモを闘う。韓国民主労総派遣団とAWC日本連は並んでデモ。民主労総はFTA粉砕の横断幕をもって、終始、韓米FTA粉砕のシュプレヒコールを叫び、闘争歌も唄い、闘った。
 午後は、「国際集約集会」や「G20―金融制度改革と開発促進の限界と可能性」などに参加。国際集約集会では、フランスの各団体、ギリシャ、ブラジル、メキシコ、チュニジア、イギリスなどから総括発言があった。ブラジル、メキシコからは、世界社会フォーラム系の流れの一環として取り組まれたこと、次のG20サミット開催地がメキシコであり、引き継いで闘うことなどがアピールされた。ギリシャからは緊迫の現地情勢や闘いが語られた。イギリスの若者はロンドン占拠運動を報告。また金融など経済問題だけでなく反戦の課題も位置づけるべきという積極的総括も出た。経済と戦争が深くつながっているため、NATOのリビア空爆など軍事攻撃への抗議をしっかり闘うべきだと。
 十一月四日。闘争の最終日は、ニースのヨット・ハーバーにある仏大手銀行・パリバの店舗前で、金融資本への抗議パーフォーマンスが行われた。パリバの店舗前に抗議参加者がダイインをする。「金融資本による犠牲者」を演出した。その後、「資本主義粉砕!」「団結した人民は決して負けない」などのシュプレヒコールをあげていった。昼の一時間、抗議した。
 以上が、フランスG20反対のニース現地闘争のあらましである。AWC日本連派遣団は、欧州危機の真っ只中で、フランスや欧州の各地労働者人民のはげしい抵抗闘争との実際的な国際連帯をもって、果敢にG20反対の現地闘争を担った。それは、第一に、昨年のソウルG20反対現地闘争の地平を引き継ぎ、新自由主義グローバリゼーション反対・反帝の国際共同闘争を担うものであった。関西生コン労組などや、AWC韓国委員会のサポートで韓国民主労総派遣団と合流して共に闘った。第二には、AWC日本連が進める日米軍事同盟反対・米軍基地撤去(沖縄・岩国・神奈川の闘い)や新自由主義グローバリゼーション粉砕の反貧困反失業闘争、反原発闘争、ファシスト排外主義勢力の粉砕闘争など、大衆的な反帝国際連帯運動の内実をフランスや欧州の人民闘争のなかに宣伝していった。AWC日本連の英語版宣伝ビラをもって、東アジアにおける大衆的な反帝国際連帯運動ネットワークの存在とその活躍は欧州まで広まったのだ。AWC日本連のフランス現地闘争派遣団の闘いは成功した。世界恐慌と欧州危機の中で、ますます緊縮政策・増税・教育福祉の切り捨て・貧困化・失業など一連の新自由主義攻撃が労働者人民を直撃している。これらと激烈に闘う欧州各地など世界中の労働者人民との国際連帯を強めようではないか。国際主義にたって日帝・野田政権の増税・TPP参加・米軍再編・原発再稼働を粉砕しよう。



 

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