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   韓国CCB報告
   
   AWCが韓国ソウルでキャンペーン調整委員会(CCB)開催




 一月二十七日から二月一日の日程で、韓国において、「米日のアジア侵略・支配に反対するアジア・キャンペーン」(AWC)の第十五回キャンペーン調整委員会(CCB)会議とその関連事業が開催された。
 この取り組みは、AWC韓国委員会を現地受け入れ団体とし、中国台湾労働人権協会、フィリピン新民族主義者同盟(BAYAN)、米国・ANSWER連合、AWC日本連、滞韓フィリピン人組織KASAMMA―KOの代表らが出席した。また、一連の取り組みには国際民衆闘争同盟(ILPS)から連帯メッセージが寄せられた。
 許せないことに、韓国政府・入管当局は、この韓国での取り組みに日本から参加しようとしたAWC国際事務局長とAWC日本連共同代表の韓国への入国を拒否し、かれらを日本へ強制送還した。かれらは、昨年八月にAWC日本連がおこなったチェジュ島平和ツアーに参加しており、今回の入管弾圧が昨年八月の二名のAWC日本連メンバーの入国拒否・強制送還に続いて、チェジュ海軍基地建設反対闘争への連帯を標的にした弾圧であったことは明らかである。
 韓国政府・入管当局による相次ぐ弾圧に対して、AWC韓国委員会は、民主労総、平和と統一を開く人々とともに、一月二十七日にソウルの政府庁舎前での抗議の記者会見をおこなった。さらに、一月三十日には各国・地域からの代表団が共同で、政府庁舎前での抗議行動、日本大使館前での抗議と要請行動、国家人権委員会への申し入れをおこない、相次ぐ入国禁止措置を徹底的に弾劾した。また、在フィリピン韓国大使館はフィリピン現地からCCB会議に出席しようとしたBAYAN代表へのビザの発給を拒否した。このために、日本デスクのメンバーがBAYANを代表して、一連の取り組みに参加することになった。
 これら一連の韓国政府の弾圧にもかかわらず、一月二十八日・二十九日にソウル市内で開催された第十五回AWC-CCB会議は大きな成功を勝ちとった。
 二十八日午前には、AWC韓国委員会による韓国の政治経済状況および労働者・民衆の闘いの現状に関する包括的な講演がおこなわれた。その他の各国・地域からの報告は二十九日におこなわれた。台湾労働人権協会は、直近の台湾総統選の結果や中国大陸と台湾島の両岸関係の現状に対する評価を含めた包括的な報告をおこなった。フィリピンBAYANの代表は、アキノ政権の反人民的諸政策および米国によるフィリピンにおける軍事プレゼンス強化策動を弾劾しつつ、民衆の側の闘いを報告した。米国・ANSWER連合は、オキュパイ・ムーブメントへの関わりと評価、米国政府の対イラン戦争策動に対する闘いなど闘争の最新状況を報告し、大きな注目を集めた。AWC日本連からは、東日本大震災と福島原発事故からの復興をめぐる闘い、および、野田政権の反人民的諸政策とそれに対する民衆の闘いが包括的に報告された。これら各国・地域での政治・経済・軍事をめぐる情勢と労働者・民衆の闘いの報告に対しては、予定時間を超過して活発な質疑応答がおこなわれた。
 この各国・地域で民衆が直面している状況の共有を基礎にして、代表団は二〇一二年の共同闘争に関する決議を採択した。それは、①労働者・民衆の生存権を破壊する新自由主義グローバリゼーションに対する闘い、②アジア太平洋地域における反戦平和闘争の推進、③アジア太平洋地域から米軍の総撤収を実現するための共同闘争の発展、④核兵器と原子力発電所に反対する闘いの組織化・強化、⑤抑圧・人権侵害に対する各国・地域の民衆の闘いへの相互支援、の諸領域を含んで構成されている。CCB会議はまた、福島第一原発事故をもたらした日本政府・電力独占資本を弾劾しつつ、「原発の全廃を求める国際決議」を採択した。会議参加者はさらに、このかん相次いで起こってきた各国政府・入管当局によるAWCのメンバーに対する入国妨害を弾劾する共同声明を発した。
 各国・地域からの代表団はまた、一月二十八日午後には、この日で野宿座り込み闘争の開始から一五〇〇日目を迎えた学習誌労組才能教育支部の労働者たちの解雇撤回・現職復帰を求め闘いに連帯する集会に参加した。代表団は続いておこなわれた韓米FTAに反対する集会・デモにも参加して、新自由主義攻撃に抗する韓国の労働者・民衆の闘いを共にした。
 各国・地域からの代表団はさらに、一月三十日から三十一日にかけて、済州島のカンジョン村を訪問した。カンジョン村では、地域共同体と自然環境を破壊し、東北アジアの軍事緊張を高める韓国海軍基地建設に反対する住民たちの抵抗が続けられている。代表団が到着したまさにそのとき、工事強行を体を張って阻止しようとする活動家の不当逮捕を知らせるサイレンが鳴り響くなど、現地は基地建設工事強行ための警察のなりふりかまわぬ弾圧とこれに対する住民・支援者たちの激しい攻防の渦中であった。代表団は、住民・支援者たちとともに、この闘いの現場で目の当たりにした警察による弾圧を弾劾した。また、夜の屋内集会でも、海軍基地建設に反対する共通の意思と闘う住民・支援者たちへの国際連帯をそれぞれ熱く表明した。代表団はまた、翌三十一日には四・三平和記念館を訪問し、済州島の民衆の闘いの歴史を学んだ。その後、ソウルに戻った代表団は、民主労総の代議員大会を参観した。
 韓国での開催準備のためのAWC韓国委員会の多大な努力、各国・地域からの代表団の緊密な協力、さらに多くの人々の支援によって、一連の事業は大きく成功した。韓国政府による弾圧-入国禁止措置の乱発は、かえってAWC参加団体間の結束を強めた。各国・地域からの代表団は、このような弾圧を打ち破り、共同闘争のさらなる前進を共に勝ちとっていく決意を新たにした。また、各国・地域報告をめぐって活発な議論がおこなわれ、相互理解・相互交流が一段と前進した。さらに、それを踏まえた共同闘争決議、反原発決議、入管弾圧弾劾声明が採択され、今後の共同闘争とその課題が鮮明に確認された。同時に、チェジュ海軍基地建設反対闘争への国際連帯の喫緊性・重要性が現地訪問を通して参加者の共通の実感として確認された。これらが今回の韓国でのAWC-CCB会議およびその関連事業の具体的成果として確認できる。AWCによる今回の韓国での一連の取り組みの成果を踏まえ、われわれはアジア太平洋地域の民衆間の国際連帯と反帝共同闘争をさらに強力に推進していかねばならない。



 

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