共産主義者同盟(統一委員会)

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 ■読者からの手紙      東京・多摩市

  「走り続ける根津さんとともに2・9集会」に参加して


 

 

 

発言する根津さん
▲集会で発言する根津さん
  前略

 わたしは国立に住む一市民です。Nさんから手渡される『戦旗』を楽しみに読んでいます。三面論文はわたしには難しすぎて、とても読めるものではありません。しかし闘争や集会の報告記事はよく拝見させてもらっています。特に国際連帯運動の報告はわたしたちが世界につながっているような気がするので大好きです。できればもっと報告記事や写真を増やしてくだされば嬉しいのですが。

 さて本題です。二月九日に多摩市で「走り続ける根津さんとともに」という集会に参加したので、その報告をしたいと思います。本来筆不精なわたしですが、Nさんに励まされてなんとか書くことにしました。根津さんや主催の方々の思いを多少なりとも伝えることができれば幸いに思います。

 当日は夕方からの大雪にもかかわらず、三多摩地域や都内各所からたくさんの人が集まりました。

 集会は国立の遠藤良子さんの司会ではじめられました。遠藤さんは冒頭に集会の主旨を述べました。

 「不起立の根津さんという強いイメージが定着しているかもしれません。けれども、わたしたちが知っている根津さんは地道にねばり強くたたかう人であり、大切な友人の一人です。そこで、あえて今日は、いままで根津さんが歩いてきた道をともに振り返り、あらためて『日の丸・君が代』の持つ意味をとらえ返したいと思います。いま、『日の丸・君が代』問題は教員の処分問題になってしまった感があります。でも、もともと『日の丸・君が代』は天皇制の問題であり、国家・社会のありさまの問題だったはずです。わたしたち『友人の会』は根津さんが今後どうあろうともともに歩き続けていくうえで、こうした角度から考えていくことが必要だと思います」と、大体以上の内容を語られたかと思います。

 続いて一橋大学で教鞭をとっておられる鵜飼先生から講演がありました。鵜飼さんはフランス文学の研究のかたわら、社会的問題にも積極的に発言されています。

 「『日の丸・君が代』の今」と題する講演は、@「迫害と抵抗―『希望は生徒』を呼んで」、A「教育を壊すのは誰か」、B「問答無用の象徴としての国旗・国歌」という三つの柱からなる話でした。わたしにとって印象的だったのは、根津さんの書いた「希望は生徒」という本の感想から、根津さんのたたかいは「前政治的」な抵抗でありあくまで生活の延長からのたたかいである。そうした構造はこれまでの迫害を受けている民衆のたたかいと共通するのではないか、という提起でした。

 次に、「解雇させない会」で活動している教組の方、根津さんが多摩市で働いていたときの保護者の方、そして立川市議の方が発言に立たれました。わたしは市議の方の、「学校で『日の丸・君が代』が強制されるといたたまれない気持ちの人が必ず出てくる。そうしてそういった人たちとつながっていきたい」という発言が印象に残りました。

 そしてかつて多摩の教組で根津さんとともに活動された現職の先生の話は、根津さんのたたかいに敬意を表しながらも、しかし根津さんのようにはたたかえない教員でも「日の丸・君が代」強制とはたたかえることの意義を話していたようにわたしには思えました。

 ここでは書き切れないほどの根津さんの友人の方々が発言しました。そして最後に本人が発言に立ちました。

 「普通に教員をしていただけが、いつの間にか『不起立の根津』と言われるようになってしまいました。今年に入り、校長がわたしの着ているトレーナーについて『職務専念義務違反だ』ということを言ってきました。わたしはこの『オブジェクション・ヒノマル・キミガヨ(実物は英語)』というトレーナーを何枚も持っているから普通に着ていたんですね。そしたら、その件で二月一日に教育委員会から事情聴取を受けました。恐らく、卒業式の不起立で解雇を出すと世論が許さないという判断があるのだと思います。だから卒業式前に処分を出そうとしているのではないでしょうか。昨年度の処分で『停職六ヵ月以上はないですよ』と言われました。要するに『停職以上の処分は解雇ですよ』ということなんですね。戦争に向かうような世の中の動きだからこそ、わたしはあえて『日の丸・君が代』の強制に反対していきたい」と述べられました。

 集会の最後には「集会決議」が読み上げられ、「友人の会」が根津さんの勤める学校と都教委区委員会に要請行動を行うことが発表されました。

 わたしはこの日の集会は大変有意義だと思いました。根津さんの話になると必ず「立つ・立たない」という論議で終始してしまい、「わたしのような一市民はどうしたらいいのだろうか」という疑問がいつもあったからです。集会で遠藤さんがおっしゃったように、「日の丸・君が代」問題は教員の処分問題だけではなくて、国家や社会のありさまを問う問題だったはずです。少なくとも、国立で「日の丸・君が代」反対運動の末席にいたわたしにとってはそうでした。あのとき、国立の市民と教員は「立つ・立たない」ではなく、色々な方法で、みんなで知恵を出し合って反対の意志を表現してきました。教員も市民や保護者そして子どもたち、みんなで反対するのが反「日の丸・君が代」運動だった。だからやりがいがあったのではないか、と思っています。この二月九日の集会では、あらためてその思いを強くしました。

 いま、ある人が「卒業式に白いバラを身につけ強制反対の意志を表そう」と呼びかけていると聞きます。わたしもできるかぎりこうした運動を手伝っていきたい。卒業式を平和の印である花で埋めつくしていきたい。そして「日の丸・君が代」の強制に反対する多くの人々と手を携えていきたい。


 

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