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2008年・年頭のメッセージ(2)


 ■三里塚芝山連合空港反対同盟


     北延伸阻止! 08年闘争勝利に向け闘う

               反対同盟旗開き       
                            1.13反対同盟旗開き



 ●北原鉱治さん  事務局長 

 日本の未来を切りひらく闘い=三里塚闘争の原点


 昨年は、国家行政に対する、生きとし生ける者の正義のたたかいが、再び激しい段階に突入した。

 成田国際空港は建設にあたっては民主主義の一片のかけらもなく、国家暴力によって作られた。まず一見してわかるように、千五百名の機動隊が二十四時間警備と称し守らなければ、一機の飛行機も飛び立っていけないという現状である。完成空港どころか、事業計画から見れば半分もできていない。なぜ完全空港にはならないのか。そこには生きとし生ける者の強い抵抗が今も続いているのである。四十一年間にわたり抵抗する農民により、また全国の人々により、成田空港の建設に対するたたかいが展開されているのである。

 沖縄は、「返還」前の沖縄より十倍も、基地として要塞的存在になっている。ベトナム戦争や周辺の国への支援の問題を含めて、米軍の体のいい先端基地として作られてしまった。

 十五年前のニューヨークタイムスで、沖縄、日本の「本土」に作られつつある成田空港については、有事のときにアジアを防衛するために、絶対必要な拠点として、アジアの防衛的存在を果たすものとして、使用されるということが述べられていたことがあったが、今になってみると全くそのとおり、現実化されつつある。防衛論にかこつけて、有事の際に五十万の米軍が、成田空港を拠点に日本列島の港湾、自衛隊基地、米軍基地、既存空港を含めて配属されるということが言われてきていたが、今まさに現実化する状況になってきている。

 防衛論はきれいごとであって、侵略戦争を進める防衛論であるという姿が見えてきている。かつての歴史においては、盧溝橋事件など、侵略戦争の口火を切るための仕掛けがつくりだされ、侵略戦争が正当化され、大量虐殺がおこなわれてきた。これはイラク戦争においてもはっきりしている。今、日本国自体がどこへ向かっていくのか。これからの時代を引き継ぐ若者たち子どもたちが戦争において、悲惨な死を迎えなければならないならば、一億二千万の日本の国民が、どうなって行くのだろうか。生きているものは深刻に考えないといけない時代へと入った。一人ひとりが何をすべきかを考えなければならない。かつて六十年前のあの時代へとなってしまってはいけない。国際情勢、また日本政府の無責任なあり方を見たときに、展望は一人ひとりが作らなければならない。反対同盟の四十一年間が、すべての日本の行政の表と裏を暴露した。

 反対同盟は日本の将来を勝ち取るたたかいでもある。決意を固めている。若い学生諸君、労働者が、自分の未来に明るい希望が持てる、その時代を作るためには一人ひとりが無意識であってはならない。声あるものは声を、勇気あるものは勇気をもって、しっかりと未来をつくろうじゃないか。それが三里塚闘争の原点でもある。
 二〇〇八年を迎えて、三里塚は、反戦反核の砦として、心ある多くの人々と、たたかい続けることを訴えます。ともにがんばりましょう。



 ●萩原進さん  事務局次長・「用地内」東峰 

 08年、三里塚は闘争勝利の展望を示す


 本年は、〇九年完成に向けて東峰の森伐採と、産業廃棄物処理場の埋め立て、さらに市東さんの問題があった。大きくは北延伸の問題の中で、一つ一つやっていくとたたかれるから、まとめてやっちゃおうという敵の姿勢の表れだった。

 民営化の中で社長の交代というのがあった。不安定な政治状況の中で、自民党が参院選で大敗北した。そのような状況の中で、成田単独でアジアゲートウェィ構想は不可能。羽田、成田、関西などを含めて空港整備を行っていく状況に陥っている。ここにきてアメリカの住宅バブルの崩壊、日本でもやっと騒ぎ出したのだが、大変な事態だ。世界大恐慌の幕開け。日本も景気は底を打ったと言うが、底なし沼に入っている。民衆の立場に立てる政党もない状況の中で、沖縄の武装決起、単に教科書問題ということで言われているが、基地被害に苦しめられている、つもり積もった沖縄の民衆の反戦、生活に対する怒りの現れ。これは単に沖縄にとどめられる、そのような状況ではない。あらゆる階層が、同じような政策の中に叩き込まれている。労働者は資本に媚を売っていれば生きられるという状況ではない。

 資本は資本で、外国資本にのっとられる、軍事的な政策でしか活路を見出せないような状況になっている。ましてや、「弱者」と言われる人たちが切り捨ての対象となっている。怒りなしには生活できない。国は暴力的なやり方で突破せざるを得ない状況にきている。市東さんのやり方を見ても、日本全国を見てもこんな例はない。こんなことを許していたらとんでもない。三里塚現地の状況もそうだし、政治状況も、そのような年であった。それを受けて我々は大胆に暴露して、民衆に訴えて怒りに変えて、たたかわざるをえない。闘わなければ死を待つのみ。悲壮感を持って対するものではない。三里塚勢力は精神的な指針となる勢力である。全国を駆け巡って、自分の持ち場はもとより、足元、新たな場所、既成の概念にとらわれずにたたかっていかなければいけない。投書欄を見ても、怒りが渦巻いている。そういうものを目的意識的に集めていけるような状況が必要ではないか。

 本年は、三里塚はたたかいの指針を見せるというような年になるだろう。現地における攻防もそうだし、裁判闘争もそうだし、街頭における宣伝、扇動もそうだし、職場、学園まで入り込んで行く。それはもとよりたたかう労働者や学生や市民との団結、連帯をもっともっと強めていかなければならない。日本の国一国だけの問題ではない。国際的に同じ矛盾を抱えて、しかも戦闘的にたたかいぬいているそういう階層との結びつきを積極的に求めていく。そういうことをやらないかぎり、問題の解決はなされない。三里塚闘争は偉大な年を迎える。それを実現するために、〇八年は大きく飛躍する年にするためには、全力をもって闘う。四十年間闘いぬいてきた母親が今年亡くなったけれども、死して空港の中に眠って見ているわけだから、遺志を引き継いで、開拓魂を引き継いでやる。土地の大事さ、食の大事さ、人間の生命を守りぬいて、先祖に返していく。三里塚闘争史に死ぬものもあれば、新たな命も生まれる。



 ●市東孝雄さん  「用地内」天神峰 

 親子三代九十年の農地守る農業を続けながら闘い抜く


 天神峰の地で腰を据えて農家をやってきました。国交省―空港会社、千葉県の許せないやり方に負けるものかと、ますますたたかう決意を固めています。

 国交省―空港会社は、一方的な北延伸決定に続き、具体的な攻撃に出てきています。滑走路北側に住む住民に対しては、ろくな説明もなく騒音線引きを強行し、東峰地区住民に対する謝罪と約束を破って東峰の森の伐採を強行しました。私自身にも、耕作権解除や「不法耕作」などというふざけた名目で、農地強奪攻撃がかけられてきています。

 私の畑を強奪する攻撃で、空港会社―千葉県は「一億八千万円の補償が出る」などと暴言を吐きました。このようなことを、農業を守るべきはずの千葉県農地課の役人が、私の目の前で発言したのです。私は怒りに身が震えました。精魂込めて育てているかけがえのない農地で農業を続けたいという気持ちを、彼らはまったく理解しないのです。

 私にとっては、一億八千万円の現金より、この畑で取れる一本百円の大根のほうが、はるかに価値があります。私の畑でとれる野菜には、多くの消費者、支援の人々が関わっています。こうした野菜を、自分の畑で、自分の手で作っているということに、わたしは大きな誇りをもっています。
 空港会社は、昨年の農地転用申請に続き、今年になって裁判を起こしてきました。まず、自分がそのような場に呼び出されること自体に、強い憤りを覚えます。私の畑は親子三代九十年にわたって耕してきた農地です。空港会社から「不法耕作だから出て行け」などといわれる筋合いのものではありません。そもそも農地転用申請において、空港会社は一九八八年四月の買収時期を二〇〇三年十二月四日だと偽り、畑の位置の特定もデタラメで、わたしが一度も耕したことのない土地まで含まれています。この上さらに、政府―千葉県―空港会社は、耕作者を守るための法律である農地法をねじ曲げて、私から強引に農地を奪い取ろうとしています。私は、その不正を明らかにするために、空港会社の「不法耕作」だという不当に抗議するために、この裁判を正面からたたかい抜く決意です。

 これまで五回の公判が開かれていますが、私たちの追及に対して、空港会社は何一つ反論できないままです。当たり前のことです。私が畑を耕すことを、元の所有者である藤崎氏も空港会社も、三年前まで一度も異議を唱えてきたことはないのです。私にも、父にも、藤崎氏から土地を賃借しているという意識はありますが、「不法に耕作している」という事実はまったくないから、反論のしようもないのです。

 こんなデタラメな攻撃が掛けられているのは、なにも農業で生きている私だけではありません。米軍再編では、地元住民を無視して基地の強化を強行しようとしています。増税や社会福祉の切り捨てという形で労働者からさらに搾り取ることを進めながら、空前の利益をあげている大企業には減税を行っています。生活保護の切り下げをもくろみ、また障害者の生活を押しつぶそうとしています。人々が生きる権利まで否定している。こんなことは絶対に認めることはできません。

 このような反動攻撃に対して、断固許さず闘いぬく人々が全国各地にいます。わたし自身も、千葉県―空港会社への反撃の第一歩として、農地転用許可決定の取り消しを求める裁判を起こし、勝利する決意です。天神峰の地で農業を続けながらたたかい抜きます。〇八年もともにたたかい、ともに勝利しましょう。



 ●鈴木幸司さん  本部役員・中郷 

 まさに正念場、決戦の年 相手上回る決意で粉砕へ


 四十年以上たたかい続けてきた三里塚闘争の勝利的地平の上に立って、反対同盟は今年も勝利をめざし断固としてたたかいぬく決意です。

 空港会社は暫定滑走路〇九年完成という目標を、至上命令という形で強行しようとしてきています。しかし北延伸計画は、空港整備計画として、まったくのデタラメです。そのような計画のために三百億円もの巨費を投じ、天神峰現闘本部や一坪共有地を強奪し、そして市東孝雄さんの畑に対しては耕作権解除や「不法耕作」などというペテンまで使って、許しがたい形で農地強奪攻撃を強めてきています。農業委員会への農地転用申請や、裁判など具体的な攻撃をかけてきています。市東さんに対する農地強奪攻撃は、市東さん一人にかけられている攻撃ではありません。反対同盟が一体となって、市東さんに対する農地強奪攻撃を粉砕する決意です。

 このように空港会社は相当の決意をもって具体的な攻撃に着手してきています。まさに正念場、決戦の年です。反対同盟は相手を上回る決意でもって、政府―空港会社が一体となった北延伸攻撃を粉砕します。現闘本部裁判にしても、市東さんに対する農地強奪攻撃に対しても、支援のたたかいを全国に広げて勝利を勝ちとります。

 反対同盟のたたかいは軍事空港建設を許さないたたかいとして、反戦の砦としてのたたかいでもあります。在日米軍再編―基地強化の具体的な攻撃が強まり、防衛庁が防衛省に改変され、まさに日本帝国主義の戦争国家としての復活が画策されています。
 こうした攻撃を断固許さず、まさに全人民の決起によって粉砕しようではありませんか。反対同盟は、米軍基地強化に対してたたかう各地の住民、反戦闘争をたたかう人々と繋がって反戦闘争の一層の高揚をめざし、たたかい抜きます。

 たたかいはまだまだ序盤戦です。反対同盟は、政府―空港会社一体となっておし進める暫定滑走路北延伸攻撃を許さず勝利する決意です。たたかえば必ず勝利できます。〇八年も力いっぱい、ともにたたかいましょう。



 ●三浦五郎さん  本部役員・宝馬 

 完全勝利へ向けて、断固として進撃していこう


 昨年、空港会社は、暫定滑走路北延伸に向けた攻撃を強めてきました。農地法で農地を取り上げるという、前代未聞の暴挙、民家上空四十メートルのジェット飛行、東峰の森破壊と入会権の剥奪など、絶対に許すことができません。空港会社は、東峰・天神峰の住民をたたき出して、あくまでも空港完成を目指しています。

 住民に対する不当検問、さらに昼夜にわたる工事での騒音被害は、絶対に許すことはできません。私たち反対同盟は、「用地内」を先頭に、基本原則を貫いてたたかいます。小泉、安倍を引き継いで登場した福田政権は、増税、福祉切り捨てをしながら、米軍再編を進めています。こんなことを断じて許してはなりません。自衛隊の海外派兵を継続し、米軍と一体となって戦争への道へと突き進む福田政権を許してはなりません。成田を米軍基地にしてはなりません。全国の反戦反基地闘争と結合して、反戦の砦三里塚を守りぬいて行きましょう。

 昨年、反対同盟は、空港会社のあらゆる攻撃をはねのけて、勝利的にたたかいぬきました。さらに三里塚闘争は国際連帯を推し進めました。本年は、昨年の勝利的地平を引き継いで、完全勝利へ向けて、断固として進撃していきましょう。
 

 




 

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