共産主義者同盟(統一委員会)

 

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2009年・年頭のメッセージ(1)


 ■三里塚芝山連合空港反対同盟

 土地強奪させない実力闘争の強化を



 ●事務局長 北原鉱治さん

 自分たちの未来つくるために立ち上がるべき


 三里塚は、四十三年間にわたる実力闘争を闘い抜き、二〇〇九年も実力闘争の展開に入ろうとしている。

 昨年は、労働者、農民の国際連帯を展開することを目標に、現地闘争を闘った。世界各国の人々が真の平和を求めたならば、労働者、農民同士の国際連帯が絶対に必要だ。更なる世界人類の平和を念願しつつ、闘わなければ滅亡の時代へと進みつつある。現在の世界情勢を見たとき、再び第二次大戦の当時と同じような情勢に入ってしまっているのではないか。デフレ不況が押し寄せてきている。日本国の政治は何を目指しているのか? 全く行き当たりばったりで無責任極まりない。日本の将来、民族の未来があるのだろうか。未来を背負う青年、労働者、学生諸君は、将来に希望を持てる時代ではなくなってしまった。このような政治そのものは、原点を想起しなければならない時代である。他人任せでは未来に対する夢など何も描けるわけがない。自分たちの未来をつくるために立ち上がるべきではないだろうか。地球上の人々の未来を見たときに、真の平和のため、声あるものは声を出し、勇気あるものは勇気を持って立ち上がらなければならない。

 三里塚闘争は国政の裏表をことごとく暴き出し、四十三年間をへてなおも続いている。今日本列島の一角にある三里塚は、農民が、労働者が、時代を背負う青年が、立ち上がり闘い続けている。未来を決するそこには生き様がある。法律を施行する人、彼らは作った法律を本当に守っているのだろうか? 三里塚には、彼らが作った法律なぞは一切が守られていないという現実があるからこそ、闘い続けている。この闘いの一つに農地法の問題がある。農地法というのは、生命の糧を作る農業を守るものである。その農地法をもって一企業のために農民をたたき出そうとしている。農民を守る農地法が今つぶされようとしている。「食料がなければ輸入すればいいじゃないか」と言うが、日本列島は島国であり、そういう立地条件ではない。国交があるうちはいいが、国交が断絶したら、輸入の道は途絶える。生きるためには食わないといけない。そのことが目に見えて現実のものとして押し寄せてきているのが市東さんの農地取り上げの問題だ。三里塚における農民だけの問題ではなく、日本人一億三千万人全体の食糧自給の問題だ。それを今の政府は一切考えてはいない。それが今三里塚農民にかけられた課題としてあるのであり、農地法をもって一方的に土地を取り上げようとする行政に対し、立ち上がり闘っていることは必然である。千葉地裁において農地法を逆用し、一方的に農地をうばってしまうという暴政は、当然の権利として裁判官忌避の闘いへと展開してきた。三里塚闘争は多くの犠牲を払ってきた。成田空港建設において、多くの命が失われたことも事実である。だが三里塚の闘いは生きるための当然の権利であり、また真の平和を求めるからこそ、闘い抜いているのである。三里塚を支援し共闘関係にある統一委員会が、新たな年二〇〇九年も人民平和のため、反戦平和、国際連帯を作るために格闘することを念願します。

 3・29全国集会にはまず三里塚の大地に立ってみてほしい。



 ●事務局次長・「用地内」東峰 萩原進さん

 裁判闘争の勝利的地平とともに現地実力闘争の強化を


 空港会社は、開港三十周年のイベントを行ってきたけれども、完全空港化の三十周年ではない。逆に我々にとって、四十三年闘い抜いて、未だ空港が完成していない事実というのが大きい。
 普通の会社なら破綻していてもしょうがない。国は、アジアにおけるハブ空港を目指してきたけれども、アジアどころか日本の中の位置としても落ちてきている。羽田への移行はやむをえない。二十万回を三十万回に増やすと言い、二本の滑走路の形を何としても作り、飛行機を飛ばすことをもって、羽田との確執をやわらげたい狙いがある。

 早朝、深夜の便数の制限を取っ払う。ほかの空港との争闘戦を勝ち抜くために、二十四時間空港にせざるをえない。内陸空港ではタブーだけれども、そこまで追い詰められている。それだけ厳しい状況の中で、収用委員会に代わって裁判所が、土地を取り上げる尖兵になり下がっている。法律そのものを度外視して、がむしゃらに攻撃をかけてきている。北延伸のやり方、ごみ処理施設の移設、国道五十一号のトンネル化、東峰の森伐採、市東さんの農地取り上げ、現闘本部裁判、非難されるのは承知の上で、時間的余裕もない中で、個別にやるよりは一挙にやってしまおうとしている。ぎりぎりの選択とやり方で、どこ一つ失敗しても大破綻になってしまう。今裁判闘争は毎月のようにあって、徐々に態勢が強化されて、大衆的実力闘争として闘われている。土地取り上げの機関という土俵の中で、現地実力闘争と同じように闘っている。そういう陣形の強化が勝ち取れた一年だった。またこうした勝利的地平が、現地実力闘争の更なる強化に結びついていくと確信している。

 未曾有の経済危機の中で、我々が空港をつぶしてしまう前に、空港がつぶれかねない。成田市は地方自治体の中でも、経済的な豊かさを誇っているけれども、空港の恩恵を受けているだけであって、自力で発展しているわけではない。危険な状態にある。ホテルや駐車場も物流基地も一夜にしてつぶれてしまう状況を迎えるだろう。

 今の世の中を悪くしたのは自民党政治なんだけれども、どの政党に変わったとしても大きな変化はないだろう。アメリカでも空港会社がつぶれ、自動車会社ビッグ3がつぶれると言われている。

 日本のトヨタにおいても、危機的状況になっている。資本の論理の中で、あらゆる階層の人にしわ寄せが来るけれども、今の利益を求めるのではなくて、将来の解放された世界を求めて闘い抜いていかなければならない。敵の攻撃は厳しいけれども、厳しさイコール弱さの現われである。そう捉えて闘うならば、勝てると確信している。

 昨年、本を出版したけれども、三里塚闘争は過去形ではなく、現在進行形の問題である。活用できるものであれば活用してもらいたい。何よりも三里塚のことを知ってもらいたい。そして全国から、多くの人々に三里塚に来てもらいたいと願っている。本年もともに闘いましょう。



 ●「用地内」天神峰 市東孝雄さん

 畑は私の闘争現場であり農業を続けるのが実力闘争


 昨年も天神峰の地で腰を据えて農家をやってきました。消費者と直接結びついた、顔の見える関係を作りながらの農業に、やりがいと愛着を持っています。そして、反対同盟が一丸となって、数多くの裁判闘争、現地闘争をやってきた一年でした。国交省―空港会社、千葉県の許せないやり方に負けるものかと、ますますたたかう決意を固めています。

 空港会社が成田市農業委員会に契約解除許可を申請したのが〇六年の七月でした。それから二年間、二つの裁判を闘ってきました。ひとつは、空港会社が提訴してきた民事訴訟です。空港会社は、祖父の代から耕し続けている私の畑を「不法耕作だ」と決めつけ、明け渡せと要求してきています。この裁判は十二月八日で九回目になりましたが、事実に反する言いがかりをつけて農地を強奪しようとする空港会社の姿勢、デタラメな主張をする空港会社に肩入れしようとする裁判官の言動を見るにつけ、怒り心頭に発することも度々ありました。

 もうひとつは私のほうから提訴した、行政訴訟です。デタラメな空港会社の明け渡し要求に道を開いたのは、千葉県知事・堂本です。「耕すものに権利あり」という農地法の理念を踏み潰し、時効取得など多くの論点をすべて無視して、空港会社の解約請求にお墨付きを与えたのです。土地の賃貸借契約を解除したいという要求なのに、その土地の特定が間違っている、実際の畑を見て確かめなさい、という当たり前の主張が全く無視されました。そればかりか、この裁判で、千葉県は「かりに土地特定が間違っていたとしても、空港会社が申請を出し直せばいいのだ、結果は同じだ」と開き直ってみせています。このように地元住民を愚弄する千葉県も絶対に許すことはできません。

 これら二つの裁判に加えて、昨年の十月十七日に空港会社が新たな裁判を起こしてきました。家の前の畑、作業場などがある土地と、現闘本部のそばにある畑です。この裁判も、土地特定が誤っている解約申請に基づいて起こされています。一度たりとも耕したことがない畑も含まれていて、私が借りている土地だと勝手に決めつけ、明け渡せと言ってきています。

 これらの裁判が、一月二十日の行政訴訟から始まり、二月三日・十六日と、年明けから連続して行われます。この他にも鈴木さんの一坪裁判、現闘本部裁判、暫定認可取消裁判と、〇九年も数多くの裁判闘争に取り組むことになります。私は、これらを法廷だけの闘いだとは思っていません。三里塚四十三年の歴史は、国家暴力による農地強奪の歴史であり、法律も正義もありません。私の畑一つ一つをとってみても、嘘とだましの土地買収で、法を次々と破っているのが空港会社を先頭とした連中です。そして、東峰の森がそうであるように、法廷で闘っていようとなかろうと、力ずくで土地を取り上げる、工事も続行する。それが国と空港会社のやり方です。

 こうしたやり方に対して、私は一歩も引かずたたかい抜きます。空港会社が手をかけようとしている畑を耕し続けます。この畑は私の闘争現場であり、この畑を作り続けることが実力闘争だと思っています。もしこの先、私の畑に空港会社が手をかけるなら、私は実力阻止のたたかいに立ち上がる決意です。そして、このたたかいは、私一人のものではありません。空港反対同盟、完全無農薬・有機野菜でつながる消費者、そして、全国の農民と労働者、反戦闘争や住民運動を担うすべての人と結びついてたたかっていきます。皆さん、ともにたたかいましょう。



 ●本部役員 宝馬 三浦五郎さん

 軍事空港建設阻止を本年もともに闘いましょう


 昨年空港会社は、産業廃棄物最終処分場の施設の移設、国道五十一号のトンネル化、新たな誘導路建設など、なりふりかまわず暫定滑走路北延伸攻撃を行ってきました。ジャンボ機を飛ばすことによって、住民をたたき出そうとする攻撃を絶対に許すことができません。また一方で、土地収用法によって取ることができない市東さんの土地や、一坪や、現闘本部を、裁判によって奪おうという攻撃をかけています。しかし私たち反対同盟は、いかなる攻撃にも屈せず、基本原則を貫き、闘い抜いています。

 安倍、福田、麻生と首相が次々に代わり、様々な問題、矛盾が噴き出しています。その矛盾が、労働者階級に押し付けられ、怒りが爆発しています。また世界の各地においても、支配者階級に対して、人民の闘いが巻き起こっています。帝国主義は危機を乗り切るために戦争へと突き進んでいます。今こそ「国際主義と実力闘争」の旗を高々と掲げ、闘い抜きましょう。戦争絶対反対、軍事空港建設阻止、空港廃港まで本年もともに闘いましょう。



 ●中郷 鈴木謙太郎さん

 生産者と消費者のつながりから真の労農連帯を


 〇八年は、数多くの裁判闘争や現地闘争をたたかい抜いた一年でした。裁判では、市東さんの裁判二件、鈴木幸司・いとの一坪裁判、天神峰現闘本部裁判、暫定認可取消裁判などを抱え、一年で二十回近くの裁判闘争に取り組んできました。

 十一月十三日に空港会社は、暫定滑走路の運用制限を〇九年三月末で廃止するという方針を打ち出しています。午前六時半〜午後十時としていた運用時間を午前六時〜午後十一時までに拡大するというのです。「住民の健康のことを考えて運用時間を短縮する」と言っていたことを反故にする方針で、地元住民の健康など無視して、空港会社の利益を追求するという宣言にほかなりません。このような住民無視の姿勢をもって北延伸工事を進める空港会社を許さず、〇九年もたたかい抜く決意です。
 東峰・天神峰では新誘導路建設工事によって生活環境が破壊されています。芝山でも、物流倉庫や道路の新設が絶えず行われ、畑を囲んでいた林が切り倒されるなど、空港による生活破壊・営農破壊が続いています。三里塚に来たことがない人はもちろん、むかしは来ていたが最近は来ていない人も、ぜひ援農に来てもらいたい。工事によって環境を変えられていく状況を、時間をかけて見てもらいたいと思っています。

 日帝―政府が進める農政改悪によって、日本の農業は危機に瀕しています。これまでも劣悪な農政によって、日本の農民は農業を続けていく展望を奪われてきました。その結果が、農業従事者の異常な高齢化に現れています。自給率が四割にまで低下する中で、自給率を向上させるといっていますが、農業を破壊してきたこれまでの方針に変更はなく、口先だけのことです。その象徴として、いまの農業の主流は家族経営ですが、この農地を集約し企業経営に全面開放するという農地法の改悪が、次の国会で強行されようとしています。これは戦後農政の核であった自作農主義を全否定するものです。反対同盟農民としては、こうした農民殺しの政策と市東さんの農地を取り上げようとする空港会社の策動が並行していることを見ないわけにはいきません。市東さんの農地をめぐる問題を、もっと全国の農民に広げて共有していかなければならない。そこで、今年の全国集会から、新たな取り組みとして農民アピールを出しています。また、反対同盟として「労農連帯」と言ってきていますが、これまでの農政が分断してきた食料の生産者と消費者のつながりを、新しく作っていかなければなりません。これは、全国のみなさんとともに、長い期間をかけて取り組まなければならない課題です。

 市東さんは、これからも農業を続けていきたいという意思をはっきり示し、今も産直農家としてやっています。これまで三代にわたって耕してきた農地を引き継いでやっているわけで、市東さんには、意に反して農地を強奪されるいわれは全くありません。本来なら、空港会社の訴えは門前払いされるべきものです。産直運動で協力する農民として、空港反対同盟として市東さんと一体となって、空港会社の農地強奪を許さず、市東さんの畑を守り抜きます。

 そして、四十三年にわたる三里塚闘争は軍事空港建設を許さない反戦の砦としてのたたかいです。日帝による在日米軍再編―基地強化、自衛隊強化を許すことはできません。反対同盟は、米軍基地強化に対してたたかうアジア各国各地の住民、反戦闘争、反差別闘争をたたかう人々とつながって闘い抜く決意です。ともにたたかいましょう。

 

 




 

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