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2009年・年頭のメッセージ(2)

 ■闘う人士、闘う仲間からの年頭アピール





 ●小城修一さん

   元全国金属労働組合京滋地方本部書記長

 労働者の不満・不安受け止め大衆的な運動作りを


 アメリカ帝国主義がおし進めてきたアフガニスタン、イラクへの侵略戦争と、市場原理を基本にすえた新自由主義は、各国・各地でこれに反対する民衆の闘いの中で破綻した。

 そして、アメリカ発の金融危機によって、世界各国の経済が危機的な状況におちいる中で、新しい年が明けた。

 アメリカでは、軍事でも、経済でも民衆の支持を失った共和党のブッシュ政権に見切りをつけ、本質は変わらないが、少し目先を変えて民衆の支持を得るために「チェンジ」をかかげた民主党オバマ政権の誕生となった。

 新しいオバマ政権は、破綻したアメリカ経済の中で、日本により一層の協力と支援を求めてくることは明らかである。

 今こそ、アメリカ追随の政策をやめさせて、在日米軍基地撤去、日米安保条約廃棄の闘いがますます重要なときである。

 日本では、小泉から安倍、福田、麻生と政権は変わったけれど、アメリカ追随の「日米同盟基軸」は変わらず、日米両軍が一体となって世界各地へ展開できる米軍再編への協力を求める中で、航空自衛隊のトップである航空幕僚長が、かつての侵略戦争について「日本が侵略国家というのは濡れ衣である」「日本があの戦争を戦ったからアジア諸国が白人国家の支配から解放された」など、アジアの民衆の意志に敵対する論文を民間企業の懸賞に応募し受賞した、とマスコミが報道した。

 彼は、以前からも同じ内容の論文を自衛隊の隊内誌に発表していたにもかかわらず、安倍政権は、彼を航空自衛隊のトップにしたのである。

 麻生政権は、政府見解に反する論文であるにもかかわらず懲戒処分にせずに、定年退職として更迭した。この前幕僚長は国会における参考人質疑においても、「いささかも間違っているとは思っていない」「日本が正しい方向へ行くために憲法は改正すべきである」と論文の正当性を強調している。

 彼がこのような強気の発言をしている背景には、彼のような考えを支持する自民党議員が、森や小泉、安倍など、多く存在しており、彼らは「集団的自衛権の行使」や「憲法の改正」などを主張して、戦争のできる国づくりを進めてきたからである。

 一方、国内には、働いてもまともに生活できない人たちが増えている。

 一九八五年に労働者派遣法が制定されて、それまで禁止されていたピンハネが認められると共に、右翼再編によって労働組合の力量も弱体化する中で、労働法規が次々と改悪された。

 そして、政府は大企業の後押しのもとに市場原理主義を「構造改革」といって、民営化・規制緩和を推進した。

 日経連は一九九五年に「新時代の日本的経営」を発表し、かつて、高度経済成長を支えてきた「本工中心の終身雇用制度」「年功序列賃金」を破棄し、新たに「経営幹部」「専門的技術労働者」「非正規雇用労働者」の三グループに分けて、企業ごとに最も利潤のあがる比率に組み合わせる方式を提唱した。これを各企業が実施し、生産現場では、いつでも雇用し解雇ができる無権利で低賃金の日雇派遣などの非正規雇用労働者が増え続けて、貧困と格差が拡大した。ピンハネという悪業を認めている労働者派遣法は廃止すべきである。

 アメリカの金融危機は各国に波及して、日本でも企業の閉鎖、倒産、解雇と労働者への攻撃が始まっている。

 資本主義は危機に直面すると、いつでも労働者に犠牲を強要してのりきってきた。

 一九七〇年代には、ドルショック、オイルショック、ベトナム戦争でアメリカが敗北など、資本主義体制の危機的な状況が続く中で、資本の側は「減量経営」という首切り大合理化攻撃をかけてきた。

 企業内本工で組織された労働組合は、高度成長期に資本の側から植えつけられた企業意識「企業あっての労働者。企業の存続が第一」という対応となり、まともな反対闘争もなく、日本は他国に先駆けて危機をのりきったのである。

 いつでも、最初に攻撃されるのは未組織で、弱い立場におかれている人たちである。

自動車、電機などの大企業で、派遣労働者など非正規雇用労働者が「使い捨て」のように解雇されている。

 しかし、今回は、資本の思いのままに攻撃を許してはならない。七〇年代の敗北を教訓にして、八〇年代の右翼再編に抗して各地域で非正規雇用労働者も加入できる個人加盟の合同労組、地域ユニオンがつくり出されている。これらの組織が、攻撃されている非正規雇用労働者と共にいかに闘うのか、である。

 多くの労働者が現状に対する不満と将来への不安をもっている。それを個人的な悩みや行動で終わらせず、大衆的な運動をつくりだすための活動が問われている。



 ●白松哲夫さん

   アジア共同行動日本連共同代表

 反動派・軍国主義者と対決し反帝国主義闘争の前進を


 新しい年を迎え、昨年を振り返って思う事は一口で言えば、今日の時代すなわち戦争と革命の世紀の時代的様相を一段と段階を画して鮮やかに描きだした年であったと思う。

 いまや誰の目にもはっきりと見えている。資本主義は全世界的規模で有史以来と言われる危機に立たされていることが。そして彼らは人民に差別と貧困、ありとあらゆる困苦、戦争を押し付け危機から逃れようとしていることを全世界の人民は鋭く見抜き、各地で闘いに立ち上がり反帝国主義の闘いを大きく前進させている。歴史を創り前進させる原動力は人民の団結した力であることがより鮮明になった年であった。

 いまや帝国主義の上に蟻地獄のような恐怖が襲いかかっている。決して逃れる事のできない恐怖に彼ら帝国主義者は恐れ慄いているが故に人民に対してより凶暴に襲い掛かってくる事が予測される年でもあった。

 私たちは、世界の反帝国主義闘争の一翼を担って闘って勝利的に前進している。たとえば、反米軍基地闘争において沖縄・神奈川・岩国と連続して闘争が共同闘争として闘われているこの闘いが、韓国における反米軍基地闘争と固く連帯して闘われている事の意義は極めて大きい。さらにこれらの闘いの中心的担い手が労働組合運動の先進的活動家であることは、闘いの輝かしい勝利を保証するものだと強く思う。

 昨年、印象に残っているものの一つに、小林多喜二の「蟹工船」が広く読まれたという事がある。日本階級闘争中で生み出されたすぐれた文芸作品に久しぶりに光りが輝いたことは喜ばしい事であった。さらに、七月サミット粉砕闘争において若者たちが、かつての日本プロレタリア文芸に学び闘いを鼓舞激励する文芸の創造に取り組み、作品を完成させた意義は計りきれない程大きい。人民の生活と闘いを励ます文芸の創造と言う巨大な第一歩を記した素晴らしい事だと思う。

 また昨年は改憲阻止の運動が多種多様な表現形態で全国各地で展開され、粘り強く闘いが継続された。これらの運動なり闘いが、「自衛隊のイラク派兵は憲法違反である」と言う名古屋高裁の画期的な判決を導きだしたと思う。

 反帝・反戦・護憲・平和などなどの人民諸闘争のこのような力強い発展は、これまで隠れていた反動派・軍国主義者を炙り出している。その代表的なものが田母神前空幕長とその発言である。彼らは死んでは居ないが決して強くはない。人民の大海原に引き摺りだし殲滅しよう。

 今日、日本と言う言葉が盛んに飛び交っている。日本とは、日本人とは何かが、いま問われている様に思う。概念ではなく倫理として、私はいまのところそれを日本国憲法前文に求めようとしている。まず砂漠を草原に。砂漠のままでは木は育たないから。



 ●鴨居守さん

   アジア共同行動日本連共同代表

 アジア共同行動の闘いの隊列に加わり共に前進しましょう


 帝国主義が押し進める新自由主義グロバリゼーションとの対決、日本(沖縄―岩国―神奈川など)・韓国・フイリピンからの米軍撤退の闘いを前進させよう!

 二〇〇八年、私達アジア共同行動は、米軍再編―日米軍事一体化と対決し、沖縄、岩国そして横須賀現地闘争を闘い抜きました。

 また、新自由主義グロバリゼーションの名の下、世界各国・各地でますます強搾取を強める米帝・日帝をはじめとする帝国主義グロバリゼーション政策や、日本の多国籍企業の横暴性と対峙し、小泉政権の下、強烈に推し進められた労働規制緩和、さらなる雇用の非正規化、労働者の貧困化と闘い抜いている労働者との共闘を推し進め、そして、これら帝国主義政策の共同謀議の場としてある「G8洞爺湖サミット」に対する闘争を闘ってきました。

 二〇〇九年、アメリカを中心とした資本主義体制・帝国主義体制が破産へ向かって進んでいくことは、誰の目にも明らかです。また、アメリカの政治体制は共和党のブッシュから、民主党のオバマへ、そして、日本で長年つづいた自民党政治体制も崩壊の危機にひんし、政治的激動の時代が始まろうとしています。しかし、オバマのアフガニスタンへの「米軍増派」発言に現れているように、帝国主義諸国は必死に彼等の政策を労働者・人民を巻き込み、押し付け、その上で、労働者・人民を帝国主義の政策に動員しようとしてくることは明らかです。

 私達、アジア共同行動日本連絡会議は、アジア・日本の労働者・人民と共に、侵略戦争反対、新自由主義政策阻止―労働者・人民からの強搾取反対、アジアからの米軍基地撤去・米軍の撤退―日米軍事一体化阻止、憲法改悪阻止を闘い抜いていく決意です。

 『戦旗』読者のみなさん、私達アジア共同行動の闘いの隊列に加わり、アジア共同行動の闘いを共に前進させましょう。



 ●遠藤良子さん

   国立市民

 労働者人民が共感しあいつながれる時


 明けましておめでとうございます。

 年が明けても、世の中は想像を越えるほどの生活不安が増大しています。

 大手企業の派遣社員や有期雇用労働者に対する首切りは、壮絶なものとなっています。労働法改悪の際、経営者が労働者を安く使い捨てることを合法化させる法律になるとの警告にもかかわらず、「労働者が自分の都合で選べる自由な働き方」などという嘘で押し切った結果があらわになっています。

 仕事も住まいもいきなり失い、寒空の下で年を越さねばならなかった労働者がどれだけいることか! 政府財界が一体となって人殺し政治をすすめていく帝国主義こそが滅びなければいけないはずです。

 アメリカ帝国主義の戦争政策は政治経済を破綻させ、自ら起こした戦争によって自ら行き詰まり、そのしわ寄せを世界中に押し付けようとしています。ブッシュからオバマにかわろうと、麻生から民主党にかわろうと、一体何がかわるのでしょうか? 帝国主義国が帝国主義としてある限り「労働者にある自由は失業の自由だけ」というその本質は変わりません。

 では私たちはそういう世界にいて、嘆いているしかないのでしょうか。否! 世界が戦争と飢えと貧困によって震撼している今この時こそが、差別と抑圧と搾取によって人間の尊厳まで奪われようとしている労働者人民が共感しあいつながれる時なのではないでしょうか。失うものはなにもない。あとは闘って勝ち取るしかない者たちの手によってこそ、社会を世界を変えていくことができるのではないでしょうか。国家権力に何の幻想も抱けない今こそ、アジアをはじめ世界の民衆としっかりとつながる希望を持てるのではないでしょうか。

 教育基本法改悪以降、教育現場はますます国家権力に従順な教育労働者と子どもを作り出す場に変質してきています。しかし「日の丸・君が代」強制に反対する教育労働者をはじめ、帝国主義の価値観に違和感をもち、素朴に怒りを表現する若者たちが街頭や労働現場の闘いに躍り出ていることも事実です。国家が教育によって民衆をコントロールしようとすればするほど、その馬脚を現し政策は破綻するに違いありません。

 昨年は、全国各地、世界各地でさまざまな民衆の闘いが繰り広げられました。反戦・反基地・反安保・反差別・反改憲の闘いはそれぞれの立場から、それぞれの立場を超えて、帝国主義は許せないという共通の思いを抱き始め、共通の闘いの模索へと進んでいるのではないでしょうか。戦争に反対する労働者の闘いをアジアをはじめ世界の人々とともに前進させていくために、今年一年もおおいに頑張っていきましょう。



 ●新自由主義・国家主義と対決する学生・青年ネットワーク(SYN)

 反貧困と反戦結びつけ、国際的な反帝国際主義運動の一翼に


 共産主義者同盟(統一委員会)の皆さん! 『戦旗』読者の皆さん!

 SYN(新自由主義・国家主義と対決する学生・青年ネットワーク)から、新年のアピールを送ります。

 帝国主義が推し進める新自由主義攻撃は、日本においても貧困を拡大し続け、とりわけて、学生や青年にこの矛盾が集中しています。増大しつづける非正規雇用、「名ばかり管理職」に象徴的な過酷な低賃金・長時間・重労働、入学時から学生を低賃金労働力として「生産」する大学……。これらは、その端的なあらわれです。貧困など経済面だけが問題なのではありません。将来にわたって一生浮かび上がれないという不安感、他者との競争を強いられる疎外感などが、若者の間で急速に拡大しています。「不況」を口実とした、派遣労働者の首切りや、大学生の就職内定の取り消しなど、貧困はますます猛威をふるっています。

 このような新自由主義が生み出す矛盾を、ブルジョアジーは、「がんばった人が報われるのは当たり前」「貧困は自己責任」という言葉で封じ込め、正当化しようとしています。しかし、これが全くのデタラメであることは、今や明らかです。決して、個々の学生や労働者個人の責任ではなく、新自由主義という政策、資本主義という社会の問題です。

 二〇〇二年から昨年までの「いざなぎ景気」を越える日本資本主義の景気拡大の中で、資本の経常収支は八割以上も増えました。しかし、労働者の賃金は減少し続け、一方で大資本の役員報酬や株主への配当が急激に増大しているのです。労働現場で汗水をたらして働いている大多数の労働者がさらなる貧困を強いられ、一方で大金を右から左へと流すことのできる一部の大金持ちだけが富を拡大し続けているのです。

 この間、私たちは、戦争と貧困に反対する学生・青年運動を、おし進めてきました。この取り組みの中で、貧困や戦争の問題に真正面から向かい合っていこうとする、多くの学生や青年労働者と結びつくことができました。現在の貧困ばかりではなく、将来への絶望感や社会への疎外感など、現在の学生や青年が強いられている苦悩を共有してきました。引き続き、学生や青年労働者のただ中に分け入り、さらなる学生・青年運動の拡大を実現していきたいと思います。

 同時に、二〇〇九年のたたかいの中で、SYN運動を、次のように前進させていきます。第一に、地域―全国のたたかう労働運動と結合していきます。第二に、反貧困運動と反戦運動を結合させていきます。第三に、国際的な反帝国主義運動の一翼としてSYNを組織していきます。

 二〇〇九年のたたかいを、共にたたかいぬきましょう!。

 

 

 

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