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『戦旗』第1266号(2006年7月20日

 

制裁発動弾劾! 国連決議弾劾!

日帝の朝鮮戦争重圧を許すな

イスラエルのパレスチナ・レバノン侵攻弾劾

民族排外主義扇動を許すな!

 

 七月五日、朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)がミサイル訓練をおこなったことに対して、日帝は、軍事攻撃でも受けたかのような異様な大騒ぎをくりひろげ、共和国非難をくり返している。日帝は、万景峰号入港禁止などの制裁措置を発動した上、七日には国連安保理に制裁決議案を提出した。国連憲章第七条に言及するこの決議案は、共和国に対して軍事行動をとることまで宣言するに等しい。

 共和国への戦争攻撃を絶対に許すことなく、日米帝の侵略反革命攻撃と断固たたかいぬこう。今後予想されることは、民族排外主義を強め、米軍再編と憲法改悪を加速させることだ。日米首脳会談弾劾し、全国で反基地闘争―反戦闘争をたたかいぬき、それと結合した改憲阻止の大運動をかちとっていこう。

●第1章 日米首脳会談弾劾―「新世紀の日米同盟」を弾劾する

 日帝―小泉が訪米して、六月二十九日、日米首脳会談をおこなった。五月一日に合意した「日米ロードマップ」を「最終合意」とする日米軍事同盟再編・強化を日米首脳間で直接確認し合うものである。

 その内容は首脳会談と「新世紀の日米同盟」と題した日米共同文書で明らかにされている。

▼1節 世界支配として新たに位置づけた日米同盟

 共同文書は「共通の脅威に対処するのみならず、自由、人間の尊厳及び人権、民主主義、市場経済、法の支配といった中核となる普遍的価値観」と「テロとの闘いにおける勝利、地域の安定と繁栄の確保、市場経済の理念・体制の推進、人権の擁護、シーレーンを含む航海・通商の自由の確保、地球的規模でのエネルギー安全保障の向上といった利益を共有」していることをまずもって確認し、新たな日米同盟を軍事同盟のみならず世界を支配するトータル的な関係であると位置づけている。この文言を明文化させて確認することが、この首脳会談の最大の目的と言ってもいいだろう。

 その新たな支配体制の根幹としてある米軍再編については、その合意を「歴史的な前進であり、米軍のプレゼンスをより持続的かつ効果的にするものである。同時に、変化する安全保障環境において、日米同盟が様々な課題に対処するために必要とする能力を確保するものである。両首脳はまた、これらの合意の完全かつ迅速な実施が、日米両国にとってのみならず、アジア太平洋地域の平和と安定にとっても必要であることについて一致」としている。そこには憲法はもちろん、日米安保条約の制約すらない。アジア太平洋地域をはじめとする全世界に米帝と日帝の利害を貫く軍事作戦を展開していくことを平然と宣言しているのだ。

 また、共同文書では「二〇〇五年九月の六者会合での共同声明における非核化の誓約を履行し、ミサイル実験モラトリアムを引続き遵守するよう呼びかけた」という文言にとどまっているが、会談では、「ミサイルの発射が国際社会にとって重大な問題である」としている。共和国のミサイル演習の前に、日米帝は政治的軍事的圧力を確認しあっていたのだ。

▼2節 イラク派兵根拠に中東植民地支配を確認する

 日帝―自衛隊が初めての戦時派遣に踏みこみ、撤退せずに派兵し続けてきた「実績」を確認し合い、それを根拠に日帝はイラク新政府やイランへの介入もおこなおうとしている。

 とくに小泉は、来月五十ヵ国が集まるイラク復興信託基金東京会合を東京で開催すると明らかにした。

 また小泉は中東訪問―イスラエルのパレスチナ解放闘争圧殺への加担を策しており、今回の首脳会談はこの中東訪問に向けた合意でもあった。七月十五日からロシア・サンクトペテルブルクで開かれる主要国首脳会議(サミット)に出席する直前に、イスラエルとパレスチナを訪問することで、日本が石油の九割近くを依存する中東地域への影響力を強めようとした。イスラエルへのパレスチナ解放闘争圧殺に加担すると同時に、サミットでの日本の役割をアピールする狙いだ。

▼3節 対立深めるWTO交渉

 「世界貿易機関(WTO)ドーハ開発アジェンダ交渉において、二〇〇六年末までに、市場を開放し全般的にバランスのとれた結果を達成するような野心的な成果を確保するため、力強い貢献を行っていく決意を確認した。両首脳は、アジア太平洋経済協力(APEC)について、地域の安定、安全及び繁栄の促進のためのその極めて重要な役割を認識し、これを共に強化していく決意を表明した」としているが、まさに破たん状況にとどまっているわけにはいかず、どうにか進めようという決意をお互いに確認したにすぎない。

 会談でも、BSE牛肉輸入再開に向けての「道筋が明確になったことに感謝する」とブッシュが小泉に言うことで日本の労働者人民の猛反発をなきものにして決着させようとしている。

 生活と権利を破壊し、搾取を強める新自由主義政策が全世界の労働者人民の怒りの反撃の前に進められない事態に、日米帝はよりいっそう強権的に押し進めようとしている。

 日米首脳会談―「新世紀の日米同盟」は、まさしく米帝とその世界戦略のもとで権益を一致させた日帝との世界支配へ向けた同盟宣言である。反戦・反基地闘争、反グローバリゼーションのたたかいを推し進め、日米同盟を粉砕しよう。

●第2章 新日米軍事同盟粉砕する反基地闘争を全国で推進

▼1節 全国各地で開催された6月アジア共同行動

 六月十一日から二十日にかけて全国八ヵ所で開かれた六月アジア共同行動は、今年の重要課題である米軍再編と憲法改悪、新自由主義と対決する実践的な大衆運動として前進がかちとられた。

 韓国、フィリピンからは、「対テロ」戦争と米軍再編、新自由主義とのたたかいの発言を受けた。

 とくに強制収用の強行と断固たたかい続けている韓国・平澤での駐韓米軍基地拡張阻止闘争に対して、アジア共同行動日本連はこの間、米・韓の大使館への抗議行動をおこない、また米軍再編で強化される在日米軍基地の強化に反対する住民運動との結合をつくりだしてきた。

 同時に沖縄、岩国、築城、神奈川など、各地の反基地闘争の内容を確認し、その結合を確認した。

 また九条破壊を目的とした憲法改悪こそ戦争体制づくりの根幹であることから、民族排外主義を許さず、アジア人民と連帯した「憲法九条改悪を許すな! アジア・メッセージプロジェクト」を出発させ、各地区集会で参加と協力を呼びかけた。

 そして昨年釜山APEC―香港WTO粉砕闘争の地平を飛躍点に新自由主義と対決する労働運動―たたかう階級的な労働組合の結合を進めた。

 以上の内容と実践を反映して、各地の集会では、国際連帯運動に参加してきた労働組合員や学生、反基地運動の市民などが参加してきており、共闘が広がっている。

▼2節 全国、アジア規模での反基地闘争の推進を

 在日米軍再編の日米合意を強行している中で、関係自治体へ屈服を迫りつつ、なし崩し的に再編準備を進めてきている。

 沖縄では、地上発射型迎撃ミサイル・パトリオット(PAC3)四個高射隊二十四基の嘉手納基地への配備を今月内にも予定し、そのための米兵を約六百人増員しようとしている。このPAC3は、米軍再編の最終報告で急きょ入れてきたもので、これまで日米間の具体的な協議もなく強行しようとしている。

 このPAC3はミサイル防衛(MD)システムのひとつで、地上に落下する直前の弾道ミサイルを迎撃する。射程は約十五キロ。米国で開発され、航空自衛隊が来年三月から配備することになっている。

 それを米軍独自に設置し、その発射も米軍の運用に委ねられるということは米軍基地・米国「本土」の防衛のためであり、いわば日本・沖縄は、米帝にとっての盾なのだ。

 また、嘉手納弾薬庫内の旧東恩納弾薬庫地区(沖縄市域)には返還後に陸上自衛隊の小銃(ライフル)射撃場の建設が本年度中に予定されている。自衛隊の射撃場は、有効射程二十五メートルの拳銃用が勝連分屯地内(七八年設置)にあるが、計画されているのは射程四百メートルのライフル用だ。旧東恩納弾薬庫地区とは一九九六年のSACOにおいて返還が合意された場所だ。これまで「沖縄では、自衛隊に実弾射撃訓練はさせない」という、「復帰」当時の山中貞則防衛庁長官の発言もあって、射撃場を持つことができなかった。

 前市長との間で予約同意書が取り結ばれていたが、四月に当選した東門市長は拒否している。

 また陸上自衛隊第一混成団(那覇市)が七月十六日に与那国で開いた防災展示会で、第一空挺団(千葉県)によるパラシュート降下をおこなおうとした。気象条件を理由に中止となったが、転地訓練ともいうべきものだ。

 沖縄では米軍基地の強化、自衛隊との一体化、そして与那国、下地島などでの最前線基地化が先行的に進行している。

 岩国では、米軍再編の最終報告で岩国基地への空母艦載機移転と民間空港の施設整備が併記されたことから、岩国市が岩国基地への空母艦載機移転に同意しないと民間空港の施設整備ができず再開は困難となるとして、圧力がかけられている。

 嘉手納基地常駐のF15戦闘機の訓練移転先である千歳市(北海道)では七月七日、小松市(石川県)では七月十一日とF15訓練移転では三沢市(青森県)に続いて次々と受け入れを表明している。名護市の容認を契機に、各自治体への圧力がかけられているが、自衛隊との関係が深い自治体からの受け入れが続いているのみで、まだほとんどの自治体が反対し住民も運動を展開している。しかし共和国のミサイル発射でさらに強まる「防衛」の名のもとに民族排外主義と基地強化を押し進め、反対の自治体や住民への圧力がいっそう強まるであろう。さらなる沖縄―岩国―神奈川をはじめとした全国の反基地闘争、アジア規模での反基地闘争を推進することが重要となっている。基地強化阻止―米軍再編粉砕をかちとろう。

 アジア共同行動日本連は十一月に岩国・反基地国際共同行動を提起している。全国からアジアから岩国に結集しよう。

●第3章 今夏闘争闘いぬき、改憲阻止を拡大させよう

 新日米同盟による米軍再編と自衛隊の一体強化に直結するように、日帝―小泉政権は侵略反革命戦争のできる国家に向けた、国内階級支配の再編を矢継ぎ早に押し進めてきている。

 「愛国心」強制をメルクマールとした教育基本法の改悪においては、この夏から秋にかけて自民党や民主党も全国各地で集会を開き、改悪論議にむけたキャンペーンを展開しようとしている。

 この教育基本法改悪に、共謀罪新設、改憲のための国民投票法案と秋の臨時国会から来年の通常国会で成立に向け一挙にたたみかけてくるだろう。

 また国民保護条例が全国の自治体で制定されてきている。東京都では九月の「防災訓練」に米軍の参加が策動されている。「対テロ」戦争を名目に、あからさまに軍隊の出動と国民総動員への態勢づくりを何の説明もなく論議もなし崩しにしておこなってきている。

 また小泉は先の日米首脳会談で、靖国参拝で首脳会談をおこなわない中国を批判し、靖国参拝強行の姿勢を崩していない。

 戦争と直結する諸反動立法の制定と天皇制・天皇制イデオロギー攻撃を粉砕するたたかいを、米軍再編粉砕する反基地闘争と一体に推し進めていく必要がある。

 そのメルクマールとして改憲を阻止する大運動が決定的に問われている。何度も言われているが、改憲こそ帝国主義として参戦を実現し、総動員体制づくりを仕上げていこうとするものである。だから改憲を阻止することこそ、帝国主義の野望を打ち砕くと同時にその存亡を揺るがすたたかいになる。まさしく日本だけでなくアジアをはじめ全世界の労働者階級人民の未来をかけたたたかいである。そのためには改憲阻止闘争をさらに強固に拡大するために反戦反基地闘争との結合と国際連帯の質をもったたたかいとして推進しなければならない。

 アジア共同行動日本連は今年の十一回総会で「九条改悪を通した自衛隊の海外軍事出動と対決するアジア共同闘争―九条改悪阻止・アジア・メッセージプロジェクトを進めよう。国民投票法案国会上程阻止、教育基本法改悪阻止のたたかいと結合して進める」ことを決めた。六月アジア共同行動において全国各地で参加の呼びかけが始まっている。「憲法9条改悪を許すな! アジア・メッセージプロジェクト」運動を断固支持し、協力して全国各地の職場、学園などあらゆるところに持ち込み推進していこう。

 そのためにも、今夏期のたたかいを断固たたかいぬいていこう。

 第一に、8・6広島反戦反核闘争へ結集することである。被爆者・被爆二世とともに、小泉の来広を許さず、上関原発建設阻止闘争と連帯してたたかいぬこう。毎年多くの青年、学生が参加している。今年も多くの大衆を組織して成功させよう。

 第二には、韓国民衆をはじめアジア人民との国際連帯運動を推し進め、小泉の靖国参拝を許さないことである。右翼の跳梁跋扈と対峙し、天皇制・天皇制イデオロギー攻撃と民族排外主義を許さずたたかいぬこう。

 そして第三は、三里塚北延伸着工を阻止することである。

 七月十日に成田国際空港会社の黒野は「施設変更許可申請」を国交省に提出した。今後、国交省は公聴会を開くなどして審査し、九月にも許可を出そうとしている。許可が出れば空港会社は九月中に着工、二〇〇九年度末までの運用開始を目指すとしている。

 同志、友人のみなさん。7・9政治集会の成功を受け、ともにたたかいへまい進することを訴えます。

 

 

 

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