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『戦旗』第1268号(2006年9月5日

 

韓国・平澤米軍基地拡張阻止を共に闘おう

反戦・反基地・改憲阻止闘争の高揚を

8・15小泉靖国参拝弾劾! 排外主義扇動を粉砕せよ

改憲阻止―アジア・メッセージプロジェクトの推進を

 

 全国各地でたたかっている同志・友人のみなさん!

 日本帝国主義は、朝鮮民主主義人民共和国(以下共和国)に対する民族排外主義扇動―戦争どう喝の主導者であり、改憲と教育基本法改悪を公約とする安倍を首班とする新政権を登場させようとしている。この新政権は、米軍再編をテコとして、自衛隊が米軍と一体となり侵略反革命戦争に参戦するための戦争態勢と労働者人民の戦争総動員体制の完成に向けた政権以外の何ものでもない。

 われわれは、安倍新政権登場の歴史的政治的動因をしっかりと踏まえ、米軍再編粉砕、教育基本法改悪―改憲阻止、戦争総動員体制粉砕を掲げて、職場・学園・街頭で戦闘的にたたかいぬかなければならない。具体的にはアジア共同行動日本連絡会議が提起する、改憲阻止のためのアジア・メッセージ・プロジェクト運動の拡大と十一月岩国・国際反基地闘争の大成功をたたかいの集約点として、断固としてたたかいぬこうではないか。アジア共同行動運動の大衆的国際的発展を支えぬき、日本帝国主義の戦争攻撃を粉砕しようではないか!

●第1章 11月岩国・国際反基地闘争に全国から結集を

 十一月二十五、二十六日、アジア共同行動日本連が呼びかける岩国現地闘争「アジアから米軍総撤収を求める岩国国際集会」への総決起に向けて、このたたかいの政治的獲得目標と位置づけを確認していきたい。

 第一は、新たにつくられようとしている日米帝国主義の新軍事同盟とのたたかいとして決起することだ。

 今年五月に日米帝国主義は、在日米軍の「再編実施のための日米のロードマップ」を共同発表した。その中身は、沖縄をはじめとして日本を米軍の前線基地として改めて位置づけ直し、日帝が米帝とともに侵略反革命戦争に参戦する軍事同盟へと日米安保を再編するものであった。これまでの政府の憲法解釈をはるかに飛び越え、現行の日米安保体制を実質的に大改編するものであった。

 日米帝の新軍事同盟が展望する戦略と侵略反革命戦争体制の強化は、現在米帝がイラクやアフガニスタンでおこなっている虐殺と破壊の蛮行を、一層迅速かつ効率的にそしてより大規模におこなうことを画策している。

 米帝―ブッシュ政権は、「テロとのたたかい」「自衛のための先制攻撃」を名目にして、世界中から吸い上げた資金を湯水のように軍事改革・兵器開発に注ぎ込み、圧倒的に強力でしかも残虐な武器と装備によって被抑圧民族人民を虐殺し続けている。中東においては、イスラエルが同様の手段で虐殺と破壊をおこなっている。イスラエルは米帝から供給される武器によって、パレスチナ侵攻・レバノン侵攻を強行し、殺りくを繰り返している。

 日帝―小泉政権は、対「テロ」戦争を全面的に支持し、自衛隊のイラク派兵などあらゆる支援をおこない、米帝の殺戮と破壊に荷担し続けている。同時に共和国による拉致問題やミサイル問題を徹底的に利用し、共和国の脅威をデッチあげ、民族排外主義を煽動し戦争総動員体制の構築に突き進んでいる。次期政権の後継が確実視されている安倍は、現在の共和国包囲網をさらに強化し、まさに戦争をも射程に入れた共和国への金融制裁に踏みこもうとしている。

 日米帝が政治的軍事的に一体化して侵略反革命戦争を策動する新たな軍事同盟を、「本土」―沖縄―アジアを貫く反戦反基地闘争の大爆発で粉砕しようではないか!

 第二は、岩国基地の再編・強化とのたたかいだ。岩国基地は、米軍再編のなかで、滑走路の増設と軍港建設による大拡張にともない、厚木基地から空母艦載機、沖縄・嘉手納基地から空中給油機が移駐され、国内最大級の米軍基地に再編・強化されようとしている。

 戦後一貫して基地との「共存」を強いられ、基地被害と地域経済破壊に耐え続けてきた岩国市民が、今回の米軍再編によって一層基地が拡大・強化されることに、怒りをもって反対に立ち上がった。これ以上黙っていては、基地は永久に返還されることはないし、基地も強化されますます基地被害に苦しめられることに、「基地に物言わぬ地」とされてきた岩国でも市民の堪忍袋の緒が切れたのだ。今年三月の空母艦載機受け入れの是非を問うた住民投票の大勝利と岩国市長選における井原市長再選の勝利は、基地強化を明確に拒否する岩国市民の意思として米軍再編の前に巨大な楔を打ちこんでいる。市長選では、安倍自ら岩国に乗りこんで、金のばら撒きを約束し基地強化の受け入れを迫ったが、完全に粉砕されてしまった。

 アジア共同行動山口・九州の仲間は、反対に立ち上がった岩国市民としっかりと結合しながら市民投票と市長選の勝利のために奮闘した。この巨大な勝利を引き継ぎ、反基地運動に立ち上がった岩国市民と連帯し、十一月「アジアから米軍総撤収を求める岩国国際集会」の大成功をもって、安倍政権の下で本格化する米軍再編を粉砕しよう。

 第三に、沖縄・辺野古崎新基地建設阻止のたたかいとして決起しよう!

 今秋、沖縄は基地問題を焦点として九月名護市議選、十一月県知事選がたたかわれる。選挙での勝利をテコに基地建設を強行したい日帝は、基地受け入れと引き換えに北部振興策の復活を打ち出し、基地容認派や基地の受益層の危機感を煽るとともに、「県」や名護市に屈服を迫っている。米軍も、キャンプ・シュワブ内の兵舎の移転作業を来年一月から開始するように政府に要求しており、いよいよ工事の強行が切迫する情勢を迎えつつある。

 われわれに要求されていることは、沖縄人民の差別軍事支配からの解放闘争にしっかりと結びつき、かつ、全人民的な政治課題へと押し上げ、一大政治闘争へとけん引していくことだ。沖縄人民の反基地運動の歴史と沖縄人民が希求する「基地のない平和な島」の願いは、日米帝の新軍事同盟を峻拒し、侵略反革命戦争を厳しく断罪するものだ。沖縄人民のたたかいに連帯することなくして、新軍事同盟とたたかうことはできない。沖縄に基地を押し付け、差別軍事支配の下に縛り続ける日米安保体制を沖縄人民に連帯し粉砕しようではないか! 辺野古崎新基地建設を絶対に阻止しよう!

 第四に、日本とともに米軍再編が推進されている韓国における反基地運動と連帯し、米軍再編粉砕の日本と韓国を結ぶ国際共同闘争としてたたかいぬこう。

 平澤(ピョンテク)では五月に国軍をも動員した強制収用が強行され、農地が鉄条網で封鎖され、たたかいの拠点であった小学校が破壊された。住民と支援者たちは実力闘争に立ち上がったが、無慈悲で野蛮な弾圧によって多くの逮捕者と負傷者が出た。七月には、韓国政府と国防部は、住民たちが住んでいる家に対する明け渡し訴訟と仮処分申請を提出した。十月にも判決が出され、残っている住民たちへの強制的な追い出しがおこなわれようとしている。

 このような厳しい状況のなか、平澤米軍基地拡張阻止汎国民対策委員会は、九月二十四日に「第四次平澤米軍基地拡張反対!

 平和大行進」のたたかいを準備しており、アジア共同行動日本連にも連帯の要請がなされている。

 われわれは、沖縄、岩国はじめ日本の米軍再編粉砕のたたかいと一体のものとして韓国の反基地闘争と連帯していかなくてはならない。アジア共同行動日本連の呼びかけに応え、9・24平和大行進への現地決起をはじめ、できる限りの連帯のたたかいに立ち上がろう。

●第2章 改憲阻止の一大大衆運動をつくりあげよう

 新日米軍事同盟は、日米安保条約をも超えて日帝の参戦の条件を作り出した。日帝は、自衛隊を米軍とともに侵略反革命戦争に参戦させようとしており、これまでの集団的自衛権の行使を違憲とする憲法九条の政府解釈と真っ向から矛盾する事態を生み出している。しかし五月に合意した在日米軍再編計画には、憲法九条の制約などまったく存在しないがごとくの内容である。もはや日帝―小泉政権は、憲法九条の制約などまったく考慮にいれず、共和国のミサイルと拉致問題を利用した民族排外主義煽動で世論を誘導し、米軍との再編・一体化をどんどん押し進めて、既成事実の積み重ねの上に、この矛盾を改憲によって乗り越えようとしている。

 同時に、日帝は改憲を通して、国家と人民の関係を全面的に改変し、国内階級支配を再編しようとしている。現憲法の基調である国民の権利や民主主義的諸権利の強調と国家権力の不当介入禁止から、改憲案では愛国心や国民の義務、公共の利益、といったことが前面に出て、憲法の理念そのものが改悪されようとしている。まさに戦前のごとく、国家のやることに口を出すな、国家が戦争を始めれば全面的に協力せよ、というわけだ。改憲攻撃に対しては、侵略反革命戦争反対、そして労働者階級人民の利害を徹底的に押し出し、対決しなければならない。

 そして憲法九条の改悪を許すか否かは、日帝足下の労働者階級人民に、日帝の戦争責任を問うている。憲法九条改悪問題を、集団的自衛権を認めるかどうかという問題にわい小化することを許さず、先の侵略戦争―植民地支配を二度と許さないという、日本労働者階級の責務として突き出して、反対運動に立ち上がらなければならない。とくに小泉の靖国参拝が、中国や韓国をはじめアジア人民の糾弾に対して民族排外主義の高揚を生み出している事態を見過ごすことはできない。小泉の靖国参拝を「心の問題」「国家のために犠牲なった人を追悼するのは当然」といった内容空疎な発言が大量に流布され、靖国神社の果たした役割も、侵略戦争―植民地支配の歴史への反省や犠牲となったはるかに膨大なアジア人民の犠牲についても完全に無視されているからだ。労働者階級人民の民族排外主義への動員を粉砕する改憲阻止のたたかいを創り出していかなくてはならない。

 改憲攻撃は、国内階級支配の再編攻撃であるがゆえに、共謀罪新設、教育基本法改悪など反動立法が一体の攻撃としてかけられてきている。共謀罪は、すでに何度も継続審議になっており、今臨時国会では、採決に持ちこむことを政府―自民党は公言している。教育基本法改悪は、次期首相が確実視されている安倍が政権公約として掲げており、戦後教育を徹底した教員管理と「愛国心」強制教育へと改悪しようとしている。今秋臨時国会闘争に立ち上がり、国会を包囲する労働者人民の力で反動立法を粉砕しよう。

 日帝が安倍新政権の下で、全面的な国内階級支配の転換に乗り出してくるなかにあって、全人民的な大衆運動として改憲阻止運動を構築することが喫緊の任務として問われている。アジア共同行動日本連が提起する「憲法九条改悪を許すな!

 アジア・メッセージ・プロジェクト」を全国で取り組み、地域から改憲阻止運動を組織していこうではないか。

●第3章 北延伸着工阻止―10・8三里塚現地闘争に起て

 三里塚闘争は、暫定滑走路北延伸攻撃との決戦の只中にある。国交省―空港会社は、二〇〇九年の羽田国際化に、暫定滑走路破産の危機感を深めており、なんとしても北延伸を今秋に着工し、羽田国際化に遅れないことに死活をかけているのだ。八月二十一日には、北延伸工事認可のための公聴会を開催し、国交省は九月中にも北延伸工事の認可を出そうとしている。

 反対同盟は、3・26全国総決起集会から6・25東京集会、7・2現地闘争の開催、北延伸によって新たに騒音地域になる北部地域でのビラまき情宣など北延伸今秋着工阻止を掲げて精力的にたたかいぬいている。

 このような緊迫した情勢のなかにあって、空港会社は市東さんに対する叩き出し攻撃として「耕作権解除」の攻撃に出てきている。空港会社は、市東さんがまったく知らないうちに地主から土地を買収し、土地の明け渡しを要求してきているのだ。現在市東さんが耕作する土地は、市東さんの祖父が切り拓き三代にわたって耕作してきた土地である。戦後の混乱なかで、本来なら小作地から先代の市東東市さんの土地になるべきところだったが、そうできなかった事情があった。しかし戦後も一貫して小作料を払いながら市東東市さんが耕作を続け、その後は三代目の市東孝雄さんに引き継がれている土地なのだ。空港会社は、まったく不当な手段によって土地を買収し、三代にわたって耕作してきた土地を空港の誘導路にしようとしているのだ。絶対に許すことはできない。「耕作権解除」の申請はすでに成田市農業委員会の「許可相当」の許しがたい決定が出されており、県の農業委員会に移っている。県農業委員会は九月十四日に総会を開催する。反対同盟は、不当な決定を阻止する千葉市での闘争を打ち出している。市東さんをはじめ反対同盟とともに断固としてたたかいに決起しよう。「耕作権解除」攻撃を粉砕して、市東さんを何としても守りぬこうではないか。

 「耕作権解除」攻撃とともに、東峰部落解体―農地強奪を狙った「東峰の森」破壊の新誘導路建設の攻撃がかけられている。東峰部落にある「東峰の森」は、東峰部落を空港の騒音から守る保安林であり、長年営農と生活のための入会の森として大事にされてきたのである。

 空港会社は、暫定滑走路の北延伸とともに、大型機も通行できる誘導路の建設を策動しており、そのために「東峰の森」を破壊し、そこに新しい誘導路を建設しようとしているのだ。こんなところに誘導路が出来れば、東峰部落には誘導路を自走する航空機のすさまじい騒音・振動・ジェット・ブラストが浴びせられることになり、生活と営農は破壊されてしまう。まさに暫定滑走路の供用開始によって市東さんを叩き出そうとしたのと同様の攻撃が東峰部落全体にかけられているのだ。軒先まで工事を進め、それを見せつけ、それでも出ていかなければ実際に航空機を飛ばして生活と農業を破壊し農民に屈服を迫る国交省―空港会社の悪辣な攻撃を絶対に許すことはできない。新誘導路建設を絶対に粉砕しよう。

 空港会社は、この他にも反対同盟の拠点―天神峰現闘本部の明け渡しや一坪共有地の強奪のために裁判を起こし、司法権力と一体となって攻撃を仕掛けてきている。しかし反対同盟とともにこれらの攻撃を跳ね返し、暫定滑走路の北延伸を阻むならば、国交省―空港会社は決定的な危機に叩きこまれることになるのだ。現地攻防を基軸に、反対同盟と連帯し、勝利の道を切り拓こう。10・8全国総決起集会に総決起しよう!

●第4章 新自由主義うち破る階級的労働運動の再建を

 バブル経済崩壊後の長期大不況のなかで、日帝―ブルジョアジーは、新自由主義政策を全面化させることで生き残りを図ってきた。社会福祉サービスの削減と労働者への負担の押し付け、大資本や金融資本のための規制緩和などが、構造改革の名の下で断行された。民間企業でもリストラや賃下げ、労働強化が進められ、労働者は権利を奪われ職を失い、長時間労働と生存ぎりぎりの生活を強いられている。「格差社会」、「下流社会」などが流行語となるほど労働者階級の貧困化・窮乏化は進行している。

 今求められているのは、低賃金による生活苦と労働強化に呻吟している下層労働者―非正規雇用労働者の団結とたたかいだ。国会が完全に翼賛勢力に占領されているな情勢では、労働者のストライキなどの実力によって低賃金、長時間労働を強いる資本を打ち破っていかなくてはならない。職場での団結を築き、労働者階級としての誇りと自負を持って資本の横暴を粉砕していこうではないか。

 われわれこそが労働者階級の先頭になりたたかおう!

 

 

 

 

 

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