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『戦旗』第1288号(2007年7月20日




労働者人民の決起で生活破壊・戦争攻撃を粉砕しよう

危機にあえぐ安倍政権打倒!

名護新基地建設―事前調査を即刻中止せよ

アジア・メッセージプロジェクトの推進を



●第1章 6月アジア共同行動から今夏の国際共同行動へ

 アジア共同行動日本連は、六月十七日東京集会を皮切りに関西、二十三日九州・山口集会まで全国各地で連続してアジア共同行動集会を開催し、成功をかちった。

 韓国からはピョントンサ(平和と統一を開く人々)のたたかう人士と学生、そして民主労総の指導部のかた、フイリピンからは女性解放団体・ガブリエラのかたが来日し、共に全国のアジア連帯集会に参加し、熱い交流が交わされた。

 今回のアジア連帯集会はいつにも増してたたかう熱気と国際連帯の意義を確認しあうものとなった。小泉に代わって登場した安倍政権は見せかけの強気の右翼的かつ排外主義的発言で人気を得ようとしたが、さすがに労働者人民はその無内容さに辟易(へきえき)し支持率は下落するばかりだ。頼みの国際世論も、日本軍「慰安婦」問題をめぐって、日本軍の強制を否定する発言によりアジアの国々から反発・弾劾の声が湧き起こり、盟友であるはずのアメリカからも事実の認定と謝罪を要求される始末だ。そのうえ許されない反動言辞が繰り返されている。かつて国体護持と天皇制存続のためにのみ沖縄戦を開始し、日本軍が沖縄人民に集団自決を強制した事実を、文科省の高校教科書検定で「軍の関与」の削除を適正と認定したのである。厚顔無恥もはなはだしい、恥ずべき行為である。こんなことがまかりとおるとでも思っているのだろうか、沖縄においては当然ながら「県」議会をはじめ各自治体から続々と怒りの抗議決議があがっている。

 また安倍政権は米軍再編に自ら梃入れする前代未聞の指令を自衛隊に許可したのである。沖縄・辺野古沖への新基地建設のための違法な「事前調査」になんと海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」を出動させたのである。自衛隊自らが基地反対運動を弾圧すること、すなわち自衛隊が沖縄人民に銃口を向けることを安倍は平然とおこなったのである。あの沖縄戦の悲劇を経験した沖縄人民に銃を向けることは絶対に許されない行為だ。自衛隊が日本軍として再び三度、アジア人民にも銃をむけていくのだということを想起させることを安倍政権は行ったのであり、絶対に許すことはできない。

 全国各地で行われた六月アジア共同行動連帯集会は、こうした日帝―安倍政権の排外主義と米軍再編攻撃をアジア的規模でたたかっていかなければならないことを確認する場として成功裏に勝ち取ったのである。

 この六月のアジア共同行動の一連の集会は、私たちのアジア連帯運動が一段と前進しており、かつその実践的意義が高まっていることを確認しなければならない。

 東京集会に参加された、韓国・ピョントンサの人士は平澤(ピョンテク)米軍基地は対北攻撃の確信拠点であり北東アジアの前線基地であるがゆえに、拡張工事反対運動に軍隊までも投入して住民を叩き出している。まさに朝鮮半島は米軍の戦争訓練所と化しており、射爆訓練のために遠く沖縄やグアムから戦闘機が飛来していると報告された。それゆえ住民被害も深刻で生存権が脅かされていると訴えた。

 またフィリピンのガブリエラの女性人士からは、米比軍事演習・バリカタンの中止を求めて民衆がキャラバンを組織して反対運動に立ち上がっていることが報告された。「スービク・レイプ事件」がおこって間もないのに、アロヨ政権が米軍のフィリピン入国を認めたのはあまりにもひどいし、女性を侮辱していると厳しく批判した。今後もVFA(訪問軍協定)の破棄と軍事演習・バリカタンの中止を求めて、アジアの反基地運動と連帯して推し進めていくことが表明された。

 現在進められている米軍再編は、日本においては、岩国基地を飛び立った最新鋭のFA18戦闘攻撃機が九州の築城基地に飛来し、連日自衛隊との実践訓練を行っているのだ。六カ国協議による朝鮮半島の非核化と平和の実現と言いながら、じっさい狙っているのは朝鮮民主主義人民共和国の武装解除と戦争的制圧なのである。こうした情勢であるからこそ私たちが十数年来取り組んできたアジア共同行動の運動的意義が存在感を持って来ているのである。アジア共同行動こそ日・米帝国主義を打倒していく反帝共同闘争の実践的要なのである。

 アジア共同行動は政治的課題への共同の取り組みと共に、恒常的な各国労働者人民との交流を実現してきているがゆえにより相互の信頼感とたたかいの一致は強いのである。この夏もアジア共同行動日本連は「韓国全教組と連帯する教職員・市民の会」の韓国ツアーを企画し、8・15光復節(日帝植民地支配から解放された日)民衆大会参加や韓国側教師や民主労総の方々との交流を実現します。学生を中心としたフィリピンツアーも企画し、様々な現地交流を企画します。そうした交流の積み重ねの上に立って、今秋十月には反基地岩国国際連帯集会を開催し、全国総力結集していきます。


●第2章 反動内閣の安倍安倍政権がおちいっている危機

 改憲手続法、米軍再編推進法、教育三法改悪、イラク特措法改悪を強行し、改憲に突き進もうとする安倍政権を追い詰め打倒しよう。小泉を引き継いで登場した安倍は「戦後レジュームからの脱却」を掲げ、「美しい国」造りを無内容に標榜して支持を得ようと躍起になっているが、その反動性と抽象的観念論の政策ゆえに完全に支持を失っており、すでに崩壊寸前の政権とはいえなんとか名だけは残そうと、完全に開き直って悪法の強行採決を繰り返しているのである。このような無責任、反動内閣は一刻も早く打倒しなければならない。

 安倍政権存続の最後のよりどころといえる憲法改悪のための改憲手続き法案「国民投票法」が強行採決された。国会まえでは連日、集会、デモ、座り込み闘争がかつてないほどの盛り上がりを見せた。この法案が憲法の九条を変えるためだけに出されたのはハッキリしている。これまで保守・右翼からの改憲要求があったが一度たりともその手続き法は提出されなかった。二度とアジア侵略を行わない証が九条だったのだ。しかし現代資本主義が生き残ろうとするための新自由主義・グローバリゼーションの貫徹には圧倒的な軍事力の背景なしには世界市場を制覇できないし、ますます広がる貧困と経済格差に決起する労働者人民のたたかいを制圧できないのである。まさに「戦争の出来る国家」造りの仕上げにはこの憲法九条の改悪なくして完成できないのである。三年後には改憲を俎上にあげるといっているが、日本の労働者階級は言うに及ばずアジアの人民が許さないであろう。六月アジア共同行動においても「改憲阻止」がガッチリと確認された。

 安倍政権のもう一つの危険性は、彼の言う「美しい国」造りの要にしている教育問題である。教育基本法改悪の強行突破に引き続いて、その改悪の実態作りとしての教育三法(教職員免許法、学校教育法、地方行政法)の改悪が強行されたのである。教員を体制に見合うものとして検定しふるいにかける。教職員の分断と管理の徹底化。そして地方教育委員会への国の直接介入を強化し、教育に国が直接関与し子供と教師をコントロールしようというものである。これこそ教育の自立性を剥奪し教育勅語を強制した戦前への体制の回帰につながるもので危険である。しかし、いくら法律を変えても現場のたたかいは変わらない。「日の丸・君が代」の強制反対の攻防は毎年引き継がれているではないか。教科書問題といい、教育問題といい、安倍政権のファッショ的やりくちに労働者人民の怒りは頂点に達している。

 安倍政権の排外主義を煽り、ナショナリズムを鼓舞する右翼的反動政治とは、反対派を力づくでも屈服させようとするファッショ的政治ともいえるが、根本的には日本資本主義の構造的危機がもたらしているとも言えるのだ。松岡農相が死を持ってでもその真相を覆い隠そうとしたものは、緑資源機構の談合一般の話ではなく「改革」路線のなか貧困と格差が増大しているにもかかわらず、財界と政治家が結びついて相変わらず甘い汁を吸っているという腐敗した構造そのものである。労働者から吸い上げた年金はブルジョアジーの政権維持のためむちゃくちゃに使われ、ずさんな管理を歴代政府そのものが都合よく利用してきたのである。それを自己申告制度に問題があったかのように責任をすり替えようとしたが、あまりの労働者人民の怒りの声に恐れをなしているのである。

 労働者階級への差別と分断、貧困と格差の固定化と拡大、戦争体制作りが新自由主義政策の根幹にあることを、私たちはしっかり捉え安倍政権打倒の陣形構築に向けて奮闘していこうではありませんか。


●第3章 改憲阻止―反基地闘争担う候補を国会へ

 辺野古への新基地建設を阻止するために立ち上がろう。先の辺野古沖のたたかいは地元のおじい、おばあを先頭にした弾圧を恐れない、粘り強いたたかいと全国の支援のたたかいによって勝利してきた。しかし今度は、何が何でも基地をつくるために政府は海上自衛隊・掃海母艦「ぶんご」をも導入し、沖縄人民に銃口を向けてまでも事前調査を強行してきた。そもそも環境アセスメントそのものは沖縄人民のたたかいによって粉砕されてきているのに、それの事前調査などと平然と言い放って自衛隊まで差し向けること自体が沖縄差別そのものではないか。そんなさなか安倍は沖縄戦において「集団自決」も「軍の強制」などはなかったなどと沖縄人民を挑発するかのような言辞を振りまいている。沖縄の怒りは頂点に達している。安倍は自ら墓穴を掘ったのだ。この憤激は押しとどめることはできない。ありとあらゆる手段を駆使して安倍政権を追いつめ、打倒していかなければならない。

 長い間沖縄・読谷村々長としても米軍の基地撤去闘争をたたかってきた山内徳信さんがこの夏の参院選に出馬する。この安倍政権の沖縄への屈辱的で、反動的なやり口は許せない。山内徳信さんは那覇防衛施設局との交渉で「沖縄の海も山もクニ(日本)のものかッ!」と叫んだそうだが、山内徳信さんはそうした沖縄人民の心を代表して、安倍を追い詰めるのに最もふさわしい人物の一人であると言える。安倍政権打倒のために、なによりも辺野古に基地を作らせないために、なんとしても山内徳信さんをこの七月参院選に勝利させるようたたかいぬこう。

 こんにちの安倍政権の改憲攻撃は、米軍再編と一体のものとしてある。憲法上許されない集団的自衛権行使をとりあえず解釈改憲で乗りきり、改憲の先取り攻撃を強めている。イラク特措法の延長による海外派兵の恒常化、朝鮮戦争を想定した日米軍事訓練の強化がより具体化してきている。先の沖縄戦での戦争を美化する発言もそうだが、岩国においても市民投票においてハッキリと米軍移転反対、基地の強化・拡充ノーを選択したことに対して、国から交付金は出せないなどと恫喝し、屈服をせまっている。また自衛隊自らが反基地運動を調査するための諜報活動をしていることが暴露されたが、日帝―安倍政権の使命は日米軍事再編と憲法九条改悪にあることがハッキリした。戦争の出来る国造りにはいかなる手段をも取るということだ。一日も早く打倒しなければならない。

 ここで注視しなければならないのは、朝鮮民主主義人民共和国敵視政策を自らの政治信念とする安部政権は、いよいよ本格的な共和国つぶしにでてきていることだ。六カ国協議を見て判るように、安倍は国際政治においても相手にされておらず、結局は米帝の影でほえているにすぎない。結局は在日朝鮮人攻撃を強めることで己の存在感を示そうとする姑息なやりくちなのだ。貨客船による共和国との往来の禁止、微細な問題を口実にした逮捕、大掛かりな捜索の強行などの不当な弾圧が続いている。その結果、在日朝鮮人学生に対する襲撃や脅迫が増大している。在日朝鮮人にとっては母国への窓口ともいえる在日本朝鮮人総連合会の中央本部が接収されるといった事態もおきている。そこにはかつて政府の中枢にいた公安調査庁長官もかかわっているのである。在日朝鮮人の人権と生存は日々侵されているのである。安倍政権の排外主義攻撃を許してはならない。

 日本資本主義の経済・社会構造はガタガタである。貧富の格差は拡大するばかりであり、国の借金である国債は一向に改善されず増税攻撃が続いている。年金問題は解決の出口が見えず国民不安が増大している。こんな政権をいつまでも続かせるわけにはいかない。沖縄・辺野古沖への掃海母艦「ぶんご」出動を、札幌雪祭りの自衛隊活動と同じとしらを切った久間防衛相は、原爆投下を容認、正当化する発言で、被爆者を先頭に全人民の弾劾の嵐で辞任に追い込まれた。8・6広島現地闘争に被爆者、被爆二世・三世とともに立ち上がろう。この勝利の地平を引き継ぎ反戦・反核・反基地のたたかいを更に力強く押し進め、安倍政権打倒に勝利して行こうではありませんか。

 

 

 

 

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