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『戦旗』第1292号(2007年10月5日




日帝―福田政権打倒!

10・27―28岩国総力決起

「給油新法案」粉砕! 自衛隊撤退

全国で反戦・反基地闘争を闘おう



 九月十二日、安倍が辞意を表明した。7・29参院選の大敗北によって、労働者人民の大きな怒りを突きつけられた安倍は、まったく展望を見失ってしまったのだ。小泉がおしすすめた新自由主義政策、戦争国家化政策を受け継ぐことを公言し、数々の反動立法をブルジョア議会内での数の力にまかせて強行成立させてきた安倍の突然の辞任によって、日帝―自公政権がガタガタであることが明らかとなった。

 安倍政権の瓦解は、一政権の問題ではない。憲法をはじめとしたさまざまな制約を取っ払い、真の意味での帝国主義国家として脱皮しようとする日本帝国主義が、決定的な矛盾に直面していることをみずから露呈したのだ。国内外の労働者人民の生活を破壊し、その生命を奪ってでも帝国主義国家として生き残ろうとしてきたのが、小泉―安倍の新自由主義路線であり、改憲路線である。そしてそれを引き継いだのが、小泉政権の官房長官であった福田である。

 安倍政権の瓦解で危機に瀕した日帝―自公政権を打倒せよ。10・7三里塚、10・8反戦闘争、10・21反戦闘争を連続的にたたかおう。そして、AWC日本連が呼びかける10・27―28岩国に総力決起し、国際共同闘争としての反帝反基地闘争の大爆発を勝ちとろう。


●第1章 10・7三里塚闘争闘い暫定滑走路延伸阻止を

 成田空港会社は暫定滑走路の北延伸〇九年完成をもくろんでいる。今年の二月二十六日に空港会社は誘導路建設に着手し、四月二十三日、東峰地区住民が反対する中で、東峰の森の伐採を強行した。青々と茂っていた森はその大部分が切り倒され、森は真っ二つに引き裂かれたのだ。

 東峰の森伐採に反対する東峰地区住民は「命の森を切られれば、雨が降れば濁流となり、後には渇水で土地や井戸が枯らされる」と憤激している。新誘導路建設にともなって、空港会社は東峰地区の農道をズタズタにし、耕作中の畑をフェンスで囲い込んでいる。農家の頭上四十メートルの離着陸という暫定滑走路の殺人的運用が、毎日毎日、東峰・天神峰の営農・生活に多大な被害をもたらしているうえに、このような許しがたい攻撃がかけられているのだ。新誘導路建設工事は集落のつながりを断ち切る攻撃であり、絶対に許すことはできない。

 空港会社の暴挙は、東峰の森伐採強行だけではない。暫定滑走路北延伸―新誘導路建設にともない、空港会社は、現在「への字」に曲がっている誘導路の直線化をもくろんでいる。この工事を進めるために、空港会社は、天神峰に住む市東孝雄さんの農地を強奪しようとしている。空港会社は、土地収用法によって強制収用できなかった土地を、農地法を使って強奪しようとしているのだ。

 この農地は形式的には市東さんが賃借している土地である。しかし、孝雄さんの祖父である市太郎さんから、東市さん、孝雄さんと三代九十年以上にわたって耕作し続けてきた農地なのだ。戦後の農地改革で自作地となるべきだった農地であり、その耕作権を今さら奪うことなど到底許されるものではない。農地法は「農地は耕作者みずからが所有する」ことを大原則としてもつ法律である。そして何よりも、市東孝雄さんは「これからも無農薬・有機栽培で農業を続けていくんだ」と強い意志をもって、今も畑を耕している。空港会社は、この市東さんの強い意志を踏みにじり、農地法をねじ曲げ、耕作者から農地を奪おうとしているのだ。このようなことを決して許してはいけない。空港会社の利益のためなら、財産権の保護というブルジョア民法の大原則すらかなぐり捨てるデタラメ、このような悪辣な攻撃を絶対に許してはならない。

 さらに空港会社は、「への字」に曲がった誘導路を直線化するために、天神峰現闘本部をも奪おうとしている。現闘本部裁判は、反対同盟が所有しながら、不当にも封鎖処分下にある現闘本部建物を破壊する目的で、空港会社が起こした裁判である。現在、地上権がらみで建物の構造について争っているが、裁判官が現地に足を運び現地調査を行えば、事実は瞬く間に明らかとなる。それにもかかわらず、空港会社はこの調査を恐れて、裁判所に検証を行わないよう画策し、裁判官もこれに同調しようとしている。事実に基づいた審理すら投げ捨てようとする千葉地裁のデタラメな訴訟指揮を許さず、現地調査を行わせなければならない。

 現地において、政府―空港会社が一体となった農民たたき出し攻撃が激化している中、日帝―安倍政権は五月十六日、「アジア・ゲートウェイ構想」を打ち上げている。米帝を軸として進むグローバリゼーションに対応し、アジア経済の自由化を日帝が主導して進めようとする構想である。米帝や欧州各国帝が独自にASEANなどのアジア各国との間で自由貿易協定、経済連携協定を進める情勢にあって、これに焦る日帝ブルジョアジーが、日帝のアジア戦略を追求したものである。

 同構想の第一項目として「航空自由化に向けた航空政策の転換」が掲げられている。航空運輸業での国際競争力を強化しようというのだ。そのためには、国際空港の容量を拡大することが急務となる。国際空港・港湾は二十四時間化し利用促進を図ることが主張されている。首都圏においては、羽田の滑走路四本化と延伸、二十四時間化をもって、全面的に国際化し、欧州便を含めて国際定期便を最大限に拡大しようとしている。成田に関しては、暫定滑走路延伸と都心からのアクセス時間の短縮を条件にして、「羽田との連携」という位置付けがなされている。

 この「アジア・ゲートウェイ構想」の下で、国際空港としての地位低下が進む成田空港は、延命の最後の方途として、東峰の森を破壊し、新誘導路建設を強行し、暫定滑走路の北延伸を何としても実現させようと躍起になっているのだ。しかも、羽田と連携しうる首都圏国際空港として延命させるために、暫定滑走路延伸においては南延伸を含めた三千五百メートル化が企まれている。まさに帝国主義の侵略反革命拠点建設のために、農地を取り上げるという攻撃を絶対に許してはならない。

 三里塚空港は、九一年中東侵略反革命戦争以来、PKO派兵をはじめとして、自衛隊海外派兵の拠点になってきた。イラク戦争においても自衛隊派兵の出発・帰還の空港として軍事使用されてきた。今夏八月二十四日には、陸自「中央即応集団」のゴラン高原派兵にも使用されている。まさに侵略反革命戦争への日帝の参戦―派兵が激化する中で、軍事空港としての「ナリタ」の位置は高まっている。また軍事的拠点であるからこそ、国民保護法―国民保護計画においても指定公共機関として位置付けられている。派兵情勢、戦争総動員体制づくりの中においてこそ、三里塚軍事空港粉砕を断固たたかっていかなくてはならない。

 三里塚闘争は、四十一年間のたたかいを貫いて、帝国主義との徹底非妥協を貫いてきた。豊かな土による有機野菜作りが、営々と続けられてきている。「用地内」農民を軸として農地死守―実力闘争を貫く反対同盟のたたかいは、帝国主義の圧倒的な国家暴力に対して決して屈することなく、勝利の展望をしっかりとつかんでいる。反基地闘争をはじめとする日本の住民闘争にとって、いかにたたかえば勝利できるかを明確に示しているのだ。そして同時に、帝国主義足下においても、このような闘争が貫かれていることは、アジア諸国・地域の労働者階級人民との共闘においても重要な意義を有している。反対同盟は、暫定滑走路の北延伸―新誘導路建設を弾劾し阻止するための現地闘争に繰り返し立ち上がっている。反対同盟の不屈のたたかいに応え、反対同盟とともに立ち上がろうではないか。日本の革命情勢を切り開くために、10・7三里塚現地闘争に決起しよう。


●第2章 危機に瀕する日帝―福田政権を打倒せよ

 自公政権に対する労働者人民の批判が日々強まる中で、九月十二日、とうとう安倍は辞意を表明した。九月十日の臨時国会冒頭で所信表明演説を行っておきながら、国会での代表質問に対応する気力すら失って、突然の辞意表明だ。安倍は、国会内での数の力で強行した新自由主義政策、戦争国家化政策によって労働者人民の総反発をかい、自滅したのだ。無残としか言いようのない安倍の突然の辞任において明らかに示されたように、いまや日帝―自公政権はボロボロになっている。突如として首相を失った閣僚どもや自民党幹部は、顔面蒼白になって事態の収拾をはかろうとしている。こうした中で、日帝支配層は動揺をきたし、なんら具体的な展望をもつことができなくなっている。日帝足下の労働者人民の憤激を徹底的に突きつけて、自公政権そのものを打倒していこうではないか。

 安倍は所信表明演説で「厳しい選挙結果を踏まえた『反省』」と安倍自身が言わざるを得ないところまで、追いつめられていた。言葉の羅列でしかないが、「地域再生」や「最低賃金引き上げ」、中小企業問題、農業問題に言及し、「改革」の「修正」を言わざるを得なかった。しかし、それは「修正」でしかなく、本質的な変更は一切無いことをしっかりと見据えなければならない。参院選で惨敗したにもかかわらず、安倍はみずから強行してきた新自由主義政策、戦争国家化政策は「間違っていない」と断言した。そして、安倍のこの発言をうけて、日本経団連の御手洗は、安倍の続投支持を明確に打ち出したのだ。日帝ブルジョアジーが利潤をむさぼり続ける限り、労働者人民の怒りをかい、どれほど自分たちの足元が危うくなろうとも、新自由主義政策・戦争国家化政策をおしすすめる以外に選択肢は無いのだ。したがって、安倍が政権を放棄しても、日帝―自公政権の本質が変わることはない。むしろ、この危機の中で、自分たちこそブルジョアジーの意志を貫いていくのだとして、政権にしがみつこうとしている。

 同時に、戦争国家化をおしすすめていく日帝―自公政権は、「テロ特措法に基づく海上自衛隊の活動」の「継続」を何としても実現しようとしている。テロ対策特措法は、海上自衛隊がインド洋で米艦船に給油などの後方支援活動を行う法的根拠となっており、十一月一日には期限切れとなる時限立法である。ところが、安倍の辞任によって国会審議がストップしたため、海上自衛隊の「活動」継続は絶望的になっている。しかし、日帝―自公政権は民主党との「話し合い」をも視野に入れ、海自艦の活動「再開」をもくろんでいる。この中で、自公政権は「新法」という形で、現在のテロ特措法に定められた国会承認の規定を撤廃しようと企んでいるのだ。

 現在のテロ特措法では、基本計画が事後に国会において承認されなければ、自衛隊の部隊を撤収させなければならない。これを「新法」では、活動内容を給水・給油に限るから、国会承認は必要ないことにしようというのだ。しかし、現行テロ特措法に基づく海自艦による給油活動が、目的外である対イラク作戦に参加する米艦船にも行われていることが暴露されている。現時点ですでに、海上自衛隊がテロ特措法を無視して、イラクへ向かう米軍艦船に対する海上給油活動をしているのだ。現場では、文民統制を乗り越えて、自衛隊が独自に米軍との一体化を進めているということだ。自公政権が行おうとしている国会承認規定の撤廃は、このようなデタラメな軍事活動のなし崩し的拡大を許すものだ。帝国主義国家の軍隊として、世界規模の機動性を備えた日米安保体制への転換を目論んだ、卑劣な攻撃である。テロ特措法の改悪を通じて、憲法九条改悪を先取りし、日米の共同軍事行動を実戦的に推し進めようとしてるのだ。

 そもそも軍事行動を行う米軍艦船に給油すること自体、憲法九条の規制を逸脱している。この問題は、まさに新日米軍事同盟―憲法九条改悪に直結する問題だ。テロ特措法の延長―「新法」成立を阻止し、インド洋派兵部隊、イラク派兵部隊を直ちに撤収させなければならない。 

 新日米軍事同盟の強化、そして、新日米軍事同盟の根幹である在日米軍再編を強行しようとしている。日帝が追求している新日米軍事同盟の強化は、すなわち憲法九条破壊への道である。インド洋派兵、イラク派兵と日帝が強行してきた自衛隊の海外派兵―侵略反革命戦争参戦の一切を直ちに停止させよう。危機に瀕した自公政権を追いつめて、今秋期、戦争への道を断ち切っていこう。


●第3章 10・27―28岩国現地へ全国から総結集しよう

 自公政権が進めてきた改憲攻撃は、米軍再編と一体である。現憲法と日米安保の矛盾を、自公政権は改憲攻撃をもって突破しようとしている。そして、共和国敵視攻撃を強め、現憲法破壊―集団的自衛権行使をおしすすめようとしてきた。すなわち、朝鮮戦争での日米共同作戦の具体化・実戦化を通して、これらを進めようとしてきたのだ。新首相の福田は基本的に、この新日米軍事同盟を根拠にした改憲路線を進めようとするだろう。福田は、党三役を党四役に増やし、主要な派閥領袖に党運営をまかせることによって、挙党体制を敷くとともに、閣僚は十七閣僚のうち、十五閣僚をそのままに、あの石破を防衛相に、また渡海を文科相にと二人のみの新任とした。またさに安倍がやろうとしていたことをそのまま踏襲することを自らの使命としたのだ。それも石破を任命したことに表現されるごとく、さらに右から軍事力の一層の強化に向かっているのだ。

 こうした日帝の改憲路線に対し、沖縄から、岩国から、神奈川から、朝鮮戦争準備を突き破っていくたたかいこそが、改憲攻撃そのものの根拠を粉砕するのだ。戦争の基盤―軍事基地建設・強化を阻止し、国際主義を貫いて朝鮮反戦に立ち上がることが、今こそ問われている。

 今秋期、米軍再編計画は大きな局面を迎える。神奈川においては、八月末、キャンプ座間に新しい第一軍団司令部のための移行チームを発足している。同時に、横須賀では原子力空母の母港化へ向けた海底浚渫工事が強行されている。沖縄においては、辺野古における「現況調査」が引き続き行われる中、「環境アセス方法書」の公告手続きが、防衛省によって一方的に開始された。高江では工事業者が砂利の搬入を強行している。日帝―自公政権は、新日米同盟強化の根幹である在日米軍基地再編・強化を暴力的に推し進めようとしている。

 日帝―自公政権は、地元住民―自治体の反発に対して、一方的な米軍再編計画の推進という手段しか持ち合わせていない。自公政権は、地元住民に対して、なんらの説得的な言葉を持ち合わせていないのだ。これは、当然のことである。なぜなら、日帝が推し進めようとしている在日米軍再編―基地強化は、住民の生活を犠牲にしなければ一歩も進めることはできないからだ。みずからの生活が、軍隊の犠牲になることを望む住民などどこにもいない。住民の生活と軍事基地は、絶対に共存することはできないのだ。

 神奈川においても、沖縄においても、岩国においても、各地で米軍再編の動きに対する地元住民による反撃が加えられている。神奈川では、地元住民による大衆的抗議行動が継続して取り組まれ、これら住民の反基地の意思を背景に、相模原市・座間市の市長は基地恒久化反対を掲げて、新司令部設置に反対している。沖縄においても、辺野古での新基地建設阻止行動が継続してたたかわれている。さらに、高江での新ヘリパッド建設に対しても、「ヘリパッドいらない住民の会」が結成され、工事強行に対する阻止行動の陣形が一層固められてきている。米軍基地再編―強化とともに、沖縄戦での日本軍による「集団死強制」の歴史事実を抹消しようとする日帝―自公政権の戦争国家化政策に対して、沖縄人民の怒りが爆発している。

 岩国においては、これまで住民投票、市長選、市議選、県議選と四度にわたって、「これ以上の基地強化は絶対に認められない」という地元住民の強固な意思が明らかに示されてきた。岩国市長の井原氏はこの住民の意思を背景に、岩国基地大強化反対の姿勢を維持している。今秋期、この岩国において、新市庁舎建設費用の問題、民空化問題、愛宕山開発跡地問題が大きな局面を迎える。とりわけ愛宕山開発跡地問題は、新たに米軍住宅用地として土地が転売されようとしている問題だ。地元住民の反対の声を無視し、県―国が一体となった土地の転売によって、新基地建設を強行しようとしているのだ。このような前代未聞の軍事基地建設を絶対に許してはならない。これら重大な焦点について、この九月から市議会や県議会において論議が開始されようとしている。

 アジア共同行動日本連は、この重大な局面を迎えようとしている岩国において十月二十八日岩国国際集会を呼びかけている。われわれはAWC日本連の呼びかけに応えて、この岩国闘争の大成功を勝ち取るために、総力で立ちあがろうではないか。昨秋の岩国集会で勝ち取られた国際連帯闘争の地平を受け継ぎ、沖縄―「本土」各地のたたかいを貫いて、アジア太平洋地域における反基地闘争、反帝闘争の大爆発を勝ちとろう。まさに極東最大の米軍基地にされようとしている岩国において、このたたかいを貫徹する意義は限りなく大きい。政府―県―地元財界が一体となってかけてくる大重圧と対決する岩国市民とともに、アジア米軍総撤収―日米軍事同盟を粉砕する闘いの大成功を勝ち取ろう。10・7三里塚闘争、10・8反戦闘争(首都圏/反戦闘争実)、10・21反戦闘争(関西)を連続してたたかい、10・27―28岩国へ全国から総力で決起していこう。

 

 

 

 

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