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『戦旗』第1294号(2007年11月5日




岩国闘争の勝利をうち固めよう

アジア人民との国際連帯を

米軍再編粉砕! 反戦・反基地闘争の高揚を

日帝―福田政権を打倒せよ!



 全国の同志・仲間のみなさん。『戦旗』読者のみなさん。十月二十七日に岩国で開催された三つのプレ企画の成功につづき、アジア共同行動日本連が主催した10・28岩国国際集会は、大成功した。韓国、アメリカ、台湾、フィリピン、タイからの海外ゲストをはじめ、全国から二百名余の労働者、学生、市民などさまざまなたたかう勢力が岩国現地に結集し、集会・デモをたたかいぬいた(詳報は、次号)。文字通り、米軍再編に対して、基地大強化を阻む大きなくさびを打ち込むたたかいがおこなわれたのだ。この勝利をうち固め、十一月闘争へと邁進しよう。

 新自由主義―グローバリゼーションは、労働者階級人民にさらなる生活破壊を強要している。アメリカのサブプライムローンの破綻に端を発した、世界的な株価の暴落のなかで、金融投機の対象が「原油先物取引」へと集中し、それは原油価格の高騰を引き起こした。連鎖的に、ガソリン、灯油、石油関連製品の値上げから、食品や生活必需品の値上げが引き起こされおり、労働者階級人民の生活を直撃している。いっさいの矛盾を生み出しているのは、資本主義―帝国主義なのだ。

 小泉―安倍を引き継いで登場した日帝―福田政権は、増税、福祉切り捨てをしながら米軍再編をすすめている。米軍再編費には、一兆数千億円の税金がつぎ込まれようとしているのだ。こんなことを、断じて許してはならない。

 自衛隊の海外派兵を継続し、米軍と一体となって、侵略反革命戦争へと突き進む「新テロ特措法案」粉砕! 日帝―福田政権を打倒せよ。

 岩国闘争の大勝利を引継ぎ、アジア人民との連帯をさらに推し進めよう。


●第一章 「新テロ特措法案」を粉砕せよ


▼@新法を廃案へ自衛隊は撤退せよ

 福田政権は、十月十七日の臨時閣議で、海上自衛隊によるインド洋での給油活動を継続するための「補給支援特措法案」を決定し、国会に提出した。十一月一日に期限が切れる「対テロ特措法」にかわる一年間の時限立法で、海自の活動を「給油・給水」に限定し、補給対象を「海上阻止活動」の参加艦船に限った。「対テロ特措法」にあった自衛隊の活動に対する国会承認事項が削除されている。なんとしても、「派兵を継続する」ということを至上命令として編み出した法案なのだ。

 十一月一日の「対テロ特措法の期限切れ」をもって、インド洋に展開していた海上自衛隊艦は、撤収活動に入った。しかし、「新テロ特措法案」は、継続審議のままである。日帝がアフガニスタン侵略反革命戦争、イラク侵略反革命戦争に参戦し続けるための派兵の根拠法を絶対に許してはならない。参院で少数与党となって追い詰められている福田自公政権の派兵継続策動を絶対に許してはならない。

 臨時国会会期末は十一月十日である。新たな参戦立法を廃案に追い込んでいこう。海外派兵されているすべての自衛隊は、ただちに撤収しろ!


▼A泥沼化するイラク情勢

 ますます泥沼化するイラクの戦乱を終息できない米帝ブッシュ政権。傭兵―民間軍事会社の武装要員によるあらたな殺戮もおこっている。九月十六日、イラク・バグダッドにおいて、米民間軍人会社ブラックウォーターの武装要員が無差別発砲をし、死者十七人、負傷者二十三人にのぼるという犠牲者をだした。十月九日には、別の民間軍事会社の要員の発砲によって、乗用車に乗っていたイラク人女性二人が死亡している。ブラックウォーター社の要員が起こした発砲事件だけでも、〇五年から今年までに百九十五件、うち約84%が先に発砲している。また民間人を射殺した事件を隠蔽しようとしたり、負傷者を助けずに現場を立ち去ったりしたことも判明している。この事件は、起こるべくして起こった事件なのだ。民間軍事会社団体の発表では、イラクでは、四万八千人の武装要員が活動しているという。また十月十一日、米軍はバクダッド北西部の集落を「掃討作戦」と称して地上と空から攻撃し、まきぞえで子ども九人を含む民間人十五人が虐殺された。このような米軍による虐殺と、「傍若無人」の蛮行を引き起こす米軍事会社に、イラク人民の怒りは高まっている。

 十月九日、英―ブラウン政権は、現在約五千二百人の駐留英軍を段階的に縮小し、来年春時点で二千五百人規模まで半減する方針を表明した。
 一方で、米帝ブッシュは十月二十二日、イラクやアフガニスタンなどの「対テロ戦費」として、〇八会計年度(〇七年十月〜〇八年九月)予算で、新たに四百五十九億ドル(約五兆二千三百億円)を議会に要求した。今年二月以降要求済みの千五百五億ドル(約十七兆千五百億円)と合わせると、計千九百六十四億ドル(約二十二兆三千八百億円)に上り、ブッシュ政権が発足した〇一年以降、年度別で最大となる。いかに、戦費を計上しようが「終わりの見えない悪夢」「米国は絶望的な戦いを続けている」とイラク駐留米軍元司令官のサンチェスが吐露する状況なのだ。


▼B民主小沢のアフガニスタン派兵方針

 『世界』十一月号において公開書簡の形をもちいて民主党の小沢は、「今こそ国際安全保障の原則確立を」と別の論法で自衛隊の海外派兵をぶちあげている。小沢は、現在アフガニスタンでドイツ軍などが活動している国際治安支援部隊(ISAF)へ参加することによる派兵方針を明らかにしている。

 小沢は、イラク特措法による自衛隊の派遣は「米国の自衛権発動を支援するものであり、国連の枠組みでの行動ではありません」と、国連による軍事活動ではないことを理由に反対している。しかし一方では、「国連の平和活動は国家の主権である自衛権を超えたものです。したがって、国連の平和活動は、たとえそれが武力の行使を含むものであっても、日本国憲法に抵触しない、というのが私の憲法解釈です」と、「国連のお墨付き」があればどんどん派兵し、戦闘すると公言しているのだ。

 アフガニスタンでは、帝国主義諸国による支配のもとで、これに反対するたたかいが拡大し、これを背景に南部でタリバン勢力が再び増大し、激戦がつづいている。「比較的平穏」といわれている北部においても、五月にドイツ軍兵士が自爆攻撃を受けて三人死亡するなど軍事駐留が混迷を深める一途であることが明確なのだ。

 われわれの立場は鮮明だ。一切の海外派兵を許さないことだ。そもそも「対テロ」戦争が、帝国主義支配に反対する人民の抵抗闘争に向けられた侵略反革命戦争であり、絶対に許してはならないのだ。「『対テロ戦争』のためにどうするのか」ということ自身、帝国主義の側に立った論理であり、労働者階級人民の取るべき立場ではない。イラク、アフガニスタンからの完全撤退、自衛隊のいかなる海外派兵も許さない、「新テロ特措法」粉砕に決起しよう。



●第二章 沖縄差別軍事支配を打ち破れ

 教科書検定の撤回を求める沖縄人民十二万の決起は、文科省、日帝―福田政権を揺るがし、沖縄における新基地建設―米軍再編へも打撃を与えている。

 文科省は検定意見の撤回はせず、教科書出版会社による修正申請に答える形の記述の回復のみで取り繕うことで早急な事態の収拾をはかろうとした。来年使用の高校歴史教科書に間に合わせることを優先すべきと、沖縄の一部、自民党らが妥協に走ろうとしたが、沖縄の怒りの深さはそんなものではなかった。検定意見を撤回させず、あいまいなままにしてしまうということは、ふたたび沖縄戦の実相を歪曲してしまう恐れがあると、断固検定意見の撤回と記述の回復を一体のものとして、そして検定審議会への専門家の参加、情報の公開、そして沖縄条項の新設まで求め、二度と沖縄戦の歪曲をさせない決意を示している。歪曲を許さない、政府への心底からの不信と非和解的な怒りは、「集団死強制」をさせられ、生き残った人々の重く閉ざしていた口から発せられた。日本軍が住民を守らなかったということだけに止まらない、住民に死ぬことを強制した沖縄戦の実相に、沖縄を「本土」の捨て石=国体の護持のために犠牲を強いた沖縄戦の本質があるのである。その歴史的体験を沖縄人民は決して忘れていないし、忘れられないのである。十月十五、十六日の中央行動には9・29県民大会実行委員会の思惑を上回る二百名近くが結集し、首相官邸や文科省をはじめ、教科書出版会社や政党や全国会議員への要請行動を迫力をもって展開した。

 この沖縄人民の巨万の決起は、全国へ世界へと伝えられ波及している。全国四府県三十二市四町、二十一の議会で教科書検定の撤回を求める決議があげられているのだ(十月十二日現在。決議にいたらなかったところも多数あり)。今こそ沖縄―「本土」をつらぬき、沖縄戦「集団死強制」の軍命削除を絶対に許さず、沖縄戦の実相を伝え、歴史的共通認識として打ち固めていこう。沖縄戦に集約される日本帝国主義の沖縄差別軍事支配を明らかにし、沖縄―「本土」人民大衆の反帝闘争への決起をかちとっていこう。

 そもそもこんな教科書検定意見に至ったのは、文科省の調査官がこれまでになかった軍命の削除をとつじょ教科書会社に求め、修正された調査意見書を審議会に出し、そのまま検定意見となったからである。その検定に関わった調査官が「新しい教科書をつくる会」の歴史教科書を監修した学者と共同研究していた輩なのだ(二〇〇一年につくる会の中学歴史教科書が検定に初めて合格したときもこの人物だ)。この調査官を文科省に入るように働きかけたのも同じ学者で、前任の調査官も現在、つくる会の副会長だ。二〇〇五年以降、つくる会は、矛先を「従軍慰安婦」「南京大虐殺」の次には「沖縄戦の集団自決」だとして、暗躍してきていた。

 だが、つくる会の問題だとか、教科書検定制度の問題だけだとは、誰も見ていない。辺野古への自衛隊投入に見られるように、米軍再編による新基地建設と自衛隊の強化、国民保護法による有事体制=戦争総動員体制づくりのために、日本軍が住民を殺す、死を強制した歴史を抹殺しようとしていることを沖縄人民は明確に感じているのだ。9・29の一大決起は、沖縄差別軍事支配をさらに強めようとする攻撃に対する沖縄人民の強い危機感の表れでもあった。

 だからこそ、日帝―福田政権は、沖縄人民の教科書検定撤回を求めた決起が基地問題に波及していくことを恐れている。教科書検定撤回のたたかいと結合して、新基地建設阻止・米軍再編粉砕のたたかいを推し進めていかなければならない。

 ただし現時点では、参議院選の自民党の大敗と安倍の辞任により政局が不安定化している上に、この教科書検定が政治焦点化して、辺野古・高江の新基地建設の動きは一時的ではあれ宙に浮いたようになっている。

 辺野古では、9・29県民大会を前後して現況調査の作業がおこなわれていなかった。だが、十月中旬ごろから再開されている。住民は、その一つ一つの作業を監視し、阻止行動を展開し続けている。

 これまで辺野古では沖縄「県」や名護市との合意での基本計画の策定ができなくて、普天間協議会を今年一月以降、開くことができず、事前調査を自衛隊の投入をしてまで強行し、環境アセスメントの手続きを一方的に進めてきた。

 ここにいたって、昨年の日米協議で、方法書に記載されていない内容を米帝が要求していることが明らかになった。それは、@二百十四メートルの埠頭、A普天間にはない戦闘機装弾場、B辺野古ダムやシュワブ陸上部の環境アセス、C毎日、飛行機を洗浄するので、同時に三機洗える場所、DV字型滑走路の騒音コンター、E故障機の運搬の検討、などである。さらに、米軍は「民間地上空を飛ばないとは言えない」と言い放ったり、二〇一四年には普天間所属のヘリの後継機にオスプレイを配備することを発表しているが、日本政府は、どこふく風のように知らぬ顔をしている。容認してきた沖縄県や名護市、ましてや地元住民にも伝えられていない、まったくもって愚弄した話だ。

 もはや防衛省が作成し沖縄県に送りつけた方法書は、徹頭徹尾、実態とはかけはなれた代物となった。方法書の受け取りを保留していたが、住民らの意見概要を受理した沖縄「県」知事の仲井真は、新基地の沖合いへの移動や普天間を三年以内に閉鎖状態にするという要求がまったく無視され、反発している姿勢をとってはいるが、福田の十二月訪米前にもおこなわれようとしている普天間協議会には出席する状況だ。反発が見透かされ、日米政府の前に何もできない姿をさらけ出している仲井真は焦りを色濃くしている。

 高江では、七月三日の着工時には那覇防衛施設局(当時)と工事業者が警察も介入させて強行突破をはかろうとしたが、地元住民をはじめとした座り込み阻止行動によって立ち行かなくなってからは、何の音沙汰もない状況が続いている。

 一方、八月十二日には座り込みをして阻止し続ける地元住民による「ヘリパッドいらない住民の会」(通称:ブロッコリーの森を守る会)を発足させた。同住民の会では高江の問題を紹介するDVDを製作し、WWFジャパンとリーフレットを共同制作し、請願署名や運動カンパを呼びかけて、座り込みへの参加を増そうと運動強化のために打って出ている。

 この辺野古、高江の状況を訴え、支援を強化・拡大するために、首都圏でも、辺野古への基地建設を許さない実行委員会が九月十八日に山内徳信議員とともに防衛省・環境省を追及した(十月二十七日も東京・銀座で緊急デモの予定であったが荒天で中止)。さらに沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックが「今こそ沖縄の基地強化をとめよう!11・28集会」への参加を呼びかけ、同時に、高江の問題をアピールする、リーフレットを作成し、ヘリパッド建設の即時中止を求める団体署名運動を展開している。

 辺野古、高江の新基地建設阻止の現地攻防を支援しよう。新基地建設阻止の運動を全国でさらに拡大しよう。防衛省、環境省を徹底的に追及し、新基地建設計画そのものを撤回させ、米軍再編を破たんさせていこう。


●第三章 岩国闘争の勝利から11月国際連帯集会へ

 アジア共同行動日本連が10・27〜28岩国闘争を大成功させた。昨年に引き続き、岩国市民を激励し、岩国基地に抗議を叩きつける街頭デモをたたかいぬき、沖縄、神奈川、そしてアジアと結合して米軍再編を許さない現地闘争を貫徹したのだ。また「岩国・労働者反戦交流会」の成功を受け、労働運動をたたかいぬいてきた労働者同士の国際連帯共同闘争を大胆に推進していく展望が切り開かれた。

 さらに十月十四日に広島市街で起きた米軍岩国基地所属の米兵四人による日本人女性への性暴力事件(沖縄でも十月一日に米兵の息子が女性従業員に性暴力事件を起こしている)に対し、すぐさま抗議アピールをしている。住民投票の勝利から継続する岩国市民をはじめ地元周辺住民の米軍再編―基地強化を許さない声をつぶさせず、連帯して取り組んでいこう。

 この岩国闘争に引き続き、十一月国際連帯運動の成功をかちとっていこう。

 アジア共同行動日本連を軸にした11・11韓国・労働者大会へ訪韓団が組織される。労働運動の国際共同闘争を実践的に進めるたたかいであり、AWCと先進的労働組合のたたかいを全力で支えていこう。朝米の話し合い―六カ国協議の進展によって朝鮮半島情勢が転換していく中で、排外主義の激化、戦争挑発による労働者人民の分断と敵対を許さず、階級的労働運動の先頭に立つ労働者同士の連帯をいっそう深めていくことが緊要である。

 また十一月アジア共同行動を成功させよう。十一月二十四〜二十八日に各地で開催される十一月アジア共同行動では、まずもって岩国闘争の成果を各地で打ち固めていくことだ。第二にはアジア規模で共同した反基地闘争を推進していくことである。そして第三には新自由主義政策に対する、労働者人民の国際共同闘争の陣形を作り出していくことである。

 その中でアジア共同行動が進めてきた九条改悪阻止のアジア・メッセージプロジェクトの署名提出行動が予定されている。今一度、署名を集めぬき、アジア・メッセージプロジェクトを推進していこう。

 

 

 

 

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