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『戦旗』第1296号(2007年12月5日




防衛省疑獄―産軍ゆ着徹底弾劾! 米軍再編を粉砕しよう

給油新法案を廃案へ

沖縄、岩国、神奈川を貫き反基地闘争の高揚を

08年洞爺湖サミット粉砕へ向け闘いぬこう




 全国でたたかいぬいている同志・友人の皆さん!

 七月参議院選挙惨敗によって参院の与野党の勢力が逆転し、インド洋の海上自衛隊の撤退に追い込まれた日帝―福田政権は、沖縄の辺野古、東村、高江、岩国はじめ全国を貫いて不屈にたたかいぬかれている基地強化反対―反基地運動によって、在日米軍再編においても米帝―ブッシュ政権との合意破産の危機に叩き込まれている。これに追い討ちをかけるようにして、守屋疑獄に端を発し防衛省―政治家―軍需専門商社の癒着による贈収賄―税金横領疑惑が次々と噴き出してきている。そこに見られるのは国民年金のずさんかつ放漫な管理と同様、莫大な防衛費にたかりこれをかすめ取るという実態だ。徹底的に弾劾しなければならない。労働者人民の怒りは福田政権を直撃しており、政権運営能力は著しく低下している。

 われわれはアジア共同行動日本連の提起した十月岩国国際集会の大成功を梃子に、さらに反戦―反基地運動を拡大・強化し、日帝―福田政権の危機を一層促進しなければならない。給油新法粉砕! 在日米軍再編阻止―米軍再編特措法廃案! をかちとろう! アジアから米軍総撤収をかちとろう!



●第1章 日米軍事同盟で一致した福田訪米―日米首脳会談


 日帝―福田首相は、十一月十六日、アメリカにおいてブッシュとのはじめての首脳会談を行った。

 会談では、日米同盟や「テロとの戦い」、対アジア政策など五つの議題と、共和国、自衛隊補給活動、在日米軍再編の個別課題が話し合われた。

 会談において福田は、「日米同盟は、二十一世紀にもアジア太平洋地域の平和と繁栄の礎だ」として「日米同盟とアジア外交の共鳴」を表明した。「アジア外交重視」を持ち出してくるあたりは、父親である福田赳夫元首相の外交方針である「福田ドクトリン」の継承を念頭に、小泉政権で極度に悪化した中国・韓国との関係改善を図るつもりなのだろうが、日米軍事同盟のさらなる強化を通したアジアにおける日米帝国主義の権益の防衛については、しっかりとその重要性で一致している。日米同盟を基軸として、アジアにおける日帝の独自権益の確保を「アジア外交重視」と言っているに過ぎない。

 そして撤退を余儀なくされたインド洋での給油活動の早期再開を決意表明している。しかし日本とともブッシュの忠実な同盟者であったオーストラリアのハワード政権も選挙で大敗し、イラクに派遣した部隊を来年から段階的に撤退させる。ポーランドも同様の撤退方針を表明している。アフガニスタンとイラクにおける「対テロ」戦争の無残な状況が、米帝―ブッシュと多国籍軍をガタガタにしているのだ。「テロとの戦い」や民主化を掲げていても、虐げられ暴政と貧困に苦しむ人民の解放とは無縁に、帝国主義の支配秩序への屈服を迫り、帝国主義に抵抗しないイスラムの育成しか考えていない米帝を中心とした帝国主義諸国の侵略に、頑強な抵抗闘争が闘われ、もはや軍事的な勝利は望むべくもない状況になっている。イラクではマリキ政権が弱体化し、国内は完全に分裂している。アフガニスタンでも多国籍軍の力で辛うじてカルザイが政権にとどまっているが、タリバンは再び勢力を盛り返し、激しい戦争が続いている。また「対テロ」戦争の拠点であるパキスタンでも親米独裁者ムシャラフの支配が人民の激しいたたかいによってがたがたになっている。

 このような情勢にあっても、日帝―福田政権は、「テロとの戦い」を掲げて、インド洋での給油を国際貢献だの国益だのといって再開しようとしている。米帝を中心とする多国籍軍の侵略反革命戦争へのいかなる荷担も許すことはできない。

 給油新法を、「対テロ」戦争と不屈に戦い抜くイラク、アフガニスタンをはじめとする民族解放闘争に連帯し、粉砕しなければならない。一滴の油も、一滴の水も、自衛隊に提供させてはならない。そしてインド洋に続いてイラクに居座っている航空自衛隊の撤退をかちとろう。

 首脳会談の中で福田は、米軍再編については、「日米安保体制の重要性を踏まえつつ、地元負担を軽減していく形で、着実に実施する」として、昨年五月に日米間で合意した「再編実施のための日米ロードマップ」の推進をブッシュに決意表明している。米軍再編に反対する地方自治体を、交付金をつかった「アメとムチ」によって力ずくで屈服させようとしているにもかかわらず、「地元負担の軽減」を持ち出す欺瞞を許すことは出来ない。

 この間明らかになっている在日米軍再編の中身は、これまで政府が説明してきたような「抑止力の維持と地元負担の軽減」といったものではない。この説明は、朝鮮民主主義人民共和国(以下共和国)、中国をはじめアジア太平洋地域、中東を見据えた日米軍事同盟の画歴史的強化に他ならない今回の在日米軍再編を、労働者人民から隠蔽し、基地に苦しみその撤去を願う米軍基地周辺の地元住民を欺くための方便にすぎない。前線司令部の移駐、海兵隊の増強と新基地の建設、自衛隊との融合化の促進は、断じて「抑止力の維持」などではない。まさに沖縄「返還」協定において米帝と密約を結び、沖縄人民、「本土」の労働者人民を騙したのと同様の手口だ。

 日帝―福田政権は、米帝との合意を最優先し、米軍再編の中身を隠蔽し、金の力で受け入れを迫り、地元から噴出す様々な不満や要求を抑え込むことしかしていない。その一方福田政権は、首脳会談の手土産に、普天間移設協議会の十ヶ月ぶりの開催と、給油新法の衆院強行可決を行った。米帝の顔色を窺い、釈明に汲々とする福田政権を徹底的に弾劾しなければならない。

 在日米軍再編を沖縄―「本土」を貫いた反基地運動によってズタズタにするならば、日米軍事同盟の根幹を揺さぶる大きな勝利となる。米軍再編を粉砕し、日米帝国主義の侵略反革命戦争戦略を叩き潰そう。日本とアジアから米軍を一掃しよう。
 日帝―福田政権はこの会談を、インド洋での海上自衛隊補給部隊による海上給油活動の早期再開決意表明と同時に、米帝―ブッシュ政権が「対テロ」戦争の破産を糊塗するために解除しようとしている朝鮮民主主義人民共和国(以下共和国)のテロ支援国指定解除を阻止するものとして位置づけてきた。

 会談では、福田が「拉致問題の進展がない状況では、日本国民の感情や今後の日米関係そのものに大きな影響を与えかねない」と、ブッシュに指定解除反対を伝えた。これに対しブッシュは、「拉致被害者や家族のことは忘れない」としつつも、福田の要求を拒否した。

 米朝関係の改善と六カ国協議の進展は、「対話と圧力」を掲げて共和国に対する民族排外主義煽動―戦争重圧と経済制裁をかけ続けている日帝の戦略を破産させるものだ。日帝は梯子をはずされ、共和国と国際社会との政治経済関係の進展から取り残され、孤立を余儀なくされることになる。いまだに拉致問題の解決の内容すら明確にせず、排外主義煽動のためにする交渉を繰り返し、その間にPAC3の配備強行や在日朝鮮人へのでっち上げ弾圧をおこなった日帝の戦争攻撃を徹底的に弾劾しなければならない。

 福田政権は、発足してすぐに共和国への経済制裁の半年延長を決定し、この十二月からは、入間基地に配備したPAC3の移動展開訓練を、東京・新宿御苑や防衛省のある市ヶ谷駐屯地など都内十カ所の公園や施設で強行しようとしている。また排外主義煽動そのものであり労働者人民の戦争動員訓練でもある国民保護計画の実働訓練も全国で実施されている。拉致問題を梃子とした日帝の戦争攻撃を粉砕し、朝鮮半島の自主平和統一のたたかいに連帯し、自国帝国主義打倒を高々と掲げ、排外主義煽動を吹き飛ばす日本の労働者人民の国際連帯闘争を展開しよう。



●第2章 守屋―産軍ゆ着疑獄を弾劾し、米軍再編粉砕へ


 十一月二十八日、防衛省前事務次官守屋は妻とともに、収賄容疑で東京地検特捜部に逮捕された。軍需専門商社「山田洋行」の元専務宮崎との過剰接待問題の発覚から、自衛隊装備品納入にかかわる口利きや便宜供与疑惑へ、さらには国会議員も巻き込んだ巨額な防衛利権をめぐる疑獄へと事態は進展してきている。防衛省が海外メーカーから購入する装備品の総額は年間二千億円に上り、その多くに軍需専門商社が介在する。いまだ全容が解明されたわけではないが、官僚・業者・政治家による防衛利権をめぐる様々な癒着―口利き、便宜供与とその見返りの接待や天下りの受け入れ、政治家による利権誘導やパーティー券購入の見返りなど―と腐敗した税金横領の実態が明らかになってきている。

 守屋は、山田洋行元専務宮崎から、過去八年間で三百回以上、総額千五百万円以上のゴルフ接待を受けたほか、宮崎を手がかりに米帝の国務省や国防総省との人脈を作り、防衛省の中で出世してきた。守屋はその見返りに、宮崎が設立した「日本ミライズ」が代理店をつとめるゼネラルエレクトリック(GE)の製造したエンジンを自衛隊次期輸送機(CX)に選定しようと働きかけてきた疑惑がもたれている。また山田洋行は、自衛隊装備品納入において水増し請求を常習的に行い、税金を詐取し、さらにそれを防衛族議員といわれる国会議員のパーティー券購入や防衛官僚や政治家の接待費などに当てていたのである。

 人民から搾り取った税金が、防衛利権としてこのような形で配分されていることを満腔の怒りで弾劾しなければならない。国を守るだの国益だのと偉そうに寝言を言う防衛官僚や政治家が、裏では税金横領を事とする犯罪者の集団に他ならないということだ。政府はこの贈収賄事件を、守屋の属人的な問題として守屋一人に責任をなすりつけ、責任転嫁と組織防衛に汲々としているが、防衛利権をめぐる癒着の構造の一端が明らかになったにすぎない。

 また守屋は、異例の四年にわたり事務次官に居座り、この間に日米同盟の強化、在日米軍再編、沖縄基地問題、省昇格問題などを手がけてきた人物だ。特に沖縄基地問題では、対米交渉の中心で、昨年五月の「再編実施のための日米ロードマップ」合意に尽力し、名護辺野古沖案やX字滑走路の計画立案などを担ってきた。明確になっていないが、この辺野古新基地建設にも莫大な防衛利権をめぐる政治家・業者の様々な暗躍が伝えられている。

 そこには米軍基地が地元住民や沖縄人民にもたらす被害・苦しみや恐怖、怒りとは無縁に、国益や国防の名の下に腐敗した防衛官僚と政治家の専断が行われ、税金が防衛利権としてばら撒かれる事態が存在する。絶対に許すことは出来ないし、何としても米軍再編を粉砕しよう。



●第3章 07年岩国闘争を受けて、08年反帝闘争を闘おう


 すべての同志・友人のみなさん! 

 〇七年岩国国際集会の勝利を梃子に、〇八年反帝闘争に断固として決起しようではないか。

 第一に、洞爺湖サミット粉砕に立ち上がろう。サミットは、世界を支配する八カ国の首脳が集まり利害調整の役割をはたしている。世界の人民運動では、反グローバリゼーション闘争としてG8サミットに反対する取り組みが大規模に取り組まれている。搾取と抑圧の帝国主義支配体制の首脳を膨大な、人民の抗議と怒りで包囲しようではないか。

 第二に、〇八年八月に強行されようとしている原子力空母ジョージ・ワシントンの横須賀配備を阻止することだ。太平洋に展開する米第七艦隊の旗艦となる原子力空母の配備を許すことは出来ない。横須賀市民をはじめ、神奈川の反基地運動と連帯し、現地阻止闘争に立ち上がろう。

 第三に、海兵隊の出撃拠点として一大強化されようとしている岩国基地とのたたかいに立ち上がろう。岩国における反基地のたたかいは、市民の圧倒的な基地強化反対の声に支えられ、国・県・基地容認派市議一体となった再編受け入れ強要の攻撃を、井原市長を先頭とした粘り強いたたかいで跳ね返している。このたたかいへの共感・支援が全国に広がっている。井原市長と岩国市民が言っていることは、まったく正当で当然のことであり、これを金と恫喝で屈服させようとする政府の手段は姑息勝つ陰険なもので、一片の正当性もない。

 岩国市民に連帯し、岩国基地への艦載機移駐阻止、米軍住宅建設阻止、基地機能強化を許さないたたかいに決起しよう。
 

 

 

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