共産主義者同盟(統一委員会)

 

■政治主張

■各地の闘争

■海外情報

■声明・論評

■主要論文

■綱領・規約

ENGLISH

■リンク

 

□ホームに戻る

『戦旗』第1300号(2008年2月20日)




  米軍再編阻止! 軍事基地撤去!

  08春闘を闘い抜こう

  沖縄・米兵による性暴力事件徹底弾劾

  卒・入学式「日の丸・君が代」強制阻止




 二月十日、沖縄・うるま市のキャンプコートニーに所属する米海兵隊員が、女子中学生に対して性暴力事件を起こした。われわれは、米軍人による少女性暴力事件を徹底弾劾する。



  ●第1章 世界恐慌の危機に直面する現代帝国主義



 昨夏に表面化した、米帝のサブプライムローン問題に端を発した金融の混乱は拡大し続けている。米帝―ブッシュ政権は、連邦住宅庁を通じた支援策や「五年間の金利凍結」などの対応策を打ち出したが、住宅価格の下落はとどまることをしらない。米帝の金融機関は、すでに一千億ドル規模の損失を公表しているが、最終的な損失総額は五千億ドル(約二十三兆円)にも達するとする試算も出ている。

 さらに年を越えても、銀行・証券会社など金融機関の損失拡大が次々と明らかになり、金融不安が世界規模で広がっている。ニューヨーク株式市場をはじめ、欧州、日本、アジア各国など世界の金融市場が連動して下落を続けている。米連邦制度準備理事会(FRB)は一月二十二日、0・75%の緊急利下げを発表したが、それでも株価は下落した。昨年来のドル下落は続いており、この米国からの金融不安がさらに、株価下落に拍車をかけている。FRB議長であるバーナンキは「不動産にとどまらず、あらゆる資産の格付けへの不信を招き、市場を崩壊させる恐れがある」と現在直面する帝国主義の危機に恐れおののいている。原油価格の高騰についても、二〇〇七年の年初一バレル=五十ドル台から十一月の九十九・二九ドル、そして〇八年はじめには百ドルの値をつけ、約二倍に上昇している。日米欧の帝国主義者どもは、ダボス会議にあわせて「消費国会合」を開き「一バレル=百ドルに達する高値が続くようだと、世界経済全体が後退する可能性がある」との認識で一致し、世界恐慌への危機感を募らせている。

 米帝ブルジョアジーを中心とした資本家どもは、新自由主義―グローバリゼーションのもとで、全世界の労働者人民から搾り取れるだけ搾り取るデタラメな利潤追求を暴走させ、ついには自滅の道をひた走っているのだ。しかし、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)の結果を見ても明らかなように、資本家どもはなんら打つ手を持っていない。福田は一月二十六日、〇八年洞爺湖サミット議長国の首脳として、スイスで開催されたダボス会議で演説したが、サブプライムローン問題に発する世界経済の混乱に対して「各国が必要な対策をとることが大事」としか言うことができず、具体的な打開策を提起することができなかったのだ。帝国主義者、資本家どもがダボス会議で得た結論は、「金融政策や財政出動などの手段でも問題を解決することはできない」という絶望だけだ。

 ダボス会議において、福田は地球温暖化問題にも言及し、削減目標の基準年の見直しを表明している。これは、欧州諸国帝の利益にかなう一九九〇年を基準とする京都議定書の枠組みに反発する日帝資本家どもの要求を表明したに過ぎない。一方の欧州諸国帝は、域内排出量取引を強化する案を提示している。これは京都議定書の枠組みで各国に割り当てられた排出量について、現行の無償配分方式をあらため、排出権取引市場を創設しようというものだ。二酸化炭素排出権を金融商品として捉え、そこからも利潤を獲得しようというのだ。この排出権取引には、京都議定書から脱退した米帝や、日帝の金融ブルジョアジーも関心を示している。みずらの私腹を肥やし続け、ついには地球環境をも破壊しようとしている帝国主義者、資本家どもは、あくまでも自らの利潤を追求し、資本の利害を貫徹する領域として地球温暖化問題、環境問題を利用していこうとしているのだ。

 帝国主義者どもはダボス会議での失態を、七月に開かれようとしている洞爺湖サミットで取り返そうとしてくるだろう。帝国主義者どもの軍事支配と新自由主義―グローバリゼーションを断固許さず、七月七〜九日に開かれようとしている洞爺湖G8首脳会議を全力で粉砕しよう。六〜七月G8閣僚級会合粉砕闘争に立ち上がろう。



  ●第2章 米軍再編反対―基地撤去闘争を推し進めよう



 二月十日、厚木艦載機部隊移駐など基地大強化の攻撃がかけられている山口県岩国市において、前市長井原勝介氏の辞職にともなう「出直し市長選」が行われた。政府の新市庁舎補助金カットとこれをネタにして通算四度にわたる「補正予算案」否決を行った市議会内多数の容認派議員は、「基地強化反対」の民意を背景にした井原氏に対して、自民党衆院議員・福田良彦を対立候補として擁立。悪らつなデマを含む反井原キャンペーンを展開した。結果は、井原氏の得票四万五千二百九十九票に対し福田が四万七千八十一票。千七百八十二票の僅差で福田が当選した(投票率76・26%、当日有権者十二万千七百十七人)。この選挙においては政府・与党と地元容認派勢力および山口県当局が米軍再編計画ゴリ押しのためにいっそう密集した姿をさらけ出した。まさに今回の岩国市長選において、いまだ圧倒的な民意である「基地強化反対」が井原氏を再度市長におしあげるようなことがあれば米軍再編計画全体に深刻な打撃を与えることは明らかであったからである。「円滑で着実な米軍再編計画の進行」という言辞の裏腹には基地強化反対の民意へのすさまじい恐怖があり、この恐怖にもとづく容認派勢力の密集があったのだ。

 福田新市長の誕生直後から、政府―防衛省はさっそくカットしたはずの市庁舎補助金の交付ということを明言しはじめた。交付指定除外とした岩国市への米軍再編交付金についても交付指定へと動き始めている。従来の徹底した岩国市イジメから一変して今度は徹底した優遇(えこひいき)が行われている。法も制度も度外視した日米同盟強化路線、米軍再編計画の進行という実態がはしなくもあからさまになっているのだ。

 「基地強化反対」を前提とし「民主主義と地方自治をかけた選挙」という井原陣営の主張は残念ながら井原氏の再選へと結びつくことはなかったが、この主張は岩国市民のみならず全国の米軍再編問題をかかえる地元住民をはじめとした人民を鼓舞した。またアジア共同行動日本連を介して韓国やフィリピンからの応援のメッセージも井原陣営に寄せられた。われわれもまた、井原氏勝利に向けた一連の地元での集会や選挙活動に精力的にかかわりながら、基地強化反対の意思を堅持する岩国市民とともにたたかった。

 そしてこれが大事なのだが、今次市長選における井原氏の落選にもかかわらず、岩国市民のたたかいは継続し発展しているということだ。「公有水面埋め立て事業変更申請」に対する行政訴訟提起は選挙戦の真っ最中になされた。爆音訴訟の準備も進行している。そして愛宕山開発跡地への米兵住宅建設プランに反対するたたかいも継続している。「基地強化については、国のいいなりにはならない」とする福田陣営の宣伝もあって一部の票が福田候補に流れ、井原氏が落選したからといって「基地強化反対」の民意はいまだ多数派であることは間違いのない事実なのだ。いっそう岩国市民を激励しともにたたかいを強化してゆこう。

 神奈川では一月二十四日、「給油新法」成立強行後、初めての自衛艦派遣が強行された。護衛艦「むらさめ」が海自横須賀基地からインド洋へ出航したのだ。日帝―防衛省は、この暴挙に続いて、一月三十日に武山基地へのPAC3配備を強行した。さらに八月には原子力空母ジョージ・ワシントンが横須賀に配備されようとしている。住民の強い反対にもかかわらず、キャンプ座間への米陸軍第一軍団前方司令部移転の強行につづき、米軍再編による基地機能の強化をゴリ押しで進めていこうとしているのだ。原子力空母の横須賀母港化を絶対に許してはならない。

 沖縄の辺野古では、沖縄人民を中心に今なお、浜での座り込み、海上での阻止行動が粘り強くたたかわれている。この沖縄人民のたたかいに対して、日帝―福田政権は、十隻以上の作業船を出して、作業を強行している。さらに昨年十二月二十日、海上保安庁の二〇〇七年度補正予算案には、辺野古の海上阻止行動を排除するため、巡視艇十一隻の新造―導入が盛り込まれた。昨年の海上自衛隊「ぶんご」の投入に加えて、さらなる軍事力を背景にしたどう喝を絶対に許すことはできない。断固弾劾する。

 東村高江においても、住民と支援者が座り込み、阻止行動を続けている。沖縄防衛局は、「子どもが座り込んでいては危ない」などとどう喝を加えながら、作業強行を狙っている。こうした攻撃に対峙しながら、二月七日「ヘリパッドいらない住民の会」が沖縄選出議員とともに、沖縄内外から寄せられた二万二千もの圧倒的な署名を衆院、参院議長に提出し、防衛省交渉を行っている。北谷町での米兵による少女性暴力事件に対する弾劾・抗議は沖縄全島を揺るがしはじめている。ついに読谷村議会は「基地撤去」を全会一致で決議した。沖縄・「本土」・アジア太平洋地域をつらぬいて米軍基地撤去闘争をいっそう進めよう。

 日帝―福田政権が全体重をかけて推し進めようとする米軍再編と対決し、各地でたたかう住民とともに、労働者人民の力でこれを阻止しようではないか。辺野古実が、四月六日の防衛省包囲行動を呼びかけている。沖縄、岩国、神奈川をはじめとした、全国各地で反基地闘争をたたかう主体とともに、この防衛庁包囲行動に立ち上がろう。



  ●第三章 3・30三里塚全国総決起集会に立ち上がろう



 空港絶対反対、農地死守、実力闘争をかかげたたかいぬいてきた反対同盟は、四十二年目を迎える三里塚闘争の勝利的な地平にたち、この〇八年、暫定滑走路の北延伸阻止、新誘導路建設―東峰の森破壊攻撃、への字型誘導路の直線化―天神峰現闘本部破壊と市東さんに対する農地強奪攻撃を粉砕するたたかいに全力で立ち上がる決意を明らかにしている。反対同盟が呼びかける3・30全国総決起集会に全力で結集していこうではないか。

 空港会社は暫定滑走路北延伸の〇九年完了に向かって、なりふりかまわぬ攻撃に出てきている。新誘導路建設のために、東峰・天神峰地区では、まさに連日連夜の大騒音によるたたき出し攻撃をかけてきているのだ。日中は航空機が大騒音をまきちらし、そして航空機の運行が終了した午後十一時以降〜朝六時には、滑走路に近い部分での新誘導路建設工事が連日強行されている。なかでも悪辣なのは、暫定滑走路と新誘導路が接合する部分での、既設の滑走路をはがす工事だ。これも深夜に行われ、すさまじい騒音を撒き散らしている。この工事は、厚さ一メートルにもなるアスファルトやコンクリートを、重機を使って力まかせにはがすという全く乱暴なものだ。重機を使った工事は、ただでさえエンジン音やキャタピラによる地響きを引き起こす。これに加えて、すさまじい金属音と破砕音が農村の夜の静寂を切り裂いて、地元住民にたたきつけられているのだ。これらの騒音によって、日中は農作業に精を出す地域住民の睡眠までもが妨害されている。北延伸工事―新誘導路建設工事そのものが生活破壊であり、空港に反対しながら農業を続けている農民に対するたたき出し攻撃なのだ。絶対に許してはならない。

 こうした暴挙について空港会社は、全くの居直りを決め込んでいる。空港会社は、こうした工事について「うるさい工事になる」と公言しながら、東峰・天神峰の住民に対して「我慢しろ」「我慢できないなら出て行け」と言い放っているのだ。東峰・天神峰地区の住民の生活を破壊してでも、工事を強行し、ジャンボ機を飛ばす滑走路にするのだという悪辣な攻撃を絶対に許してはならない。

 さらに昨年十二月二十八日、突然、国交省―空港会社は航空機発着数の年三十万回化方針をうちだした。現在の二十万回、北延伸後の二十二万回にとどまらず、三十万回にまで激増させようというのだ。空港会社は、航空機の進入経路を変更し、A滑走路と暫定滑走路の同時離着陸の実現によって、年三十万回の離発着を強行しようとしている。進入経路の変更は騒音地域の拡大であり、二本の滑走路で離発着を同時に強行すれば、騒音は格段に激しくなる。三十万回化によって一番被害を受けるのは、言うまでもなく地元住民である。それにもかかわらず、空港会社は地元住民に話をする前に、三十万回化方針を公表したのである。繰り返し地元住民を無視する空港会社を徹底的に弾劾しなければならない。

 この空港会社の攻撃を後押ししようと、地元利権にまみれた周辺自治体が新たな動きを見せ始めている。国交省と成田空港会社、地元利権自治体は、成田空港の三千五百メートル化にむけた攻撃にでてきたのだ。成田市を中心にした九市町は「成田国際空港都市づくり推進会議」をつくり、「空港機能の強化」を目指すと公言している(十一月二十六日)。「芝山町成田空港共生推進委員会」も十二月七日、最終取りまとめ案を発表し、「空港機能の充実」を要求した。二〇〇八年、この「推進会議」「推進委員会」が軸となって進めようとする、暫定滑走路の南伸による三千五百メートル化策動を絶対に許してはならない。

 こうした政府―空港会社、空港周辺自治体が一体となった攻撃に対し、反対同盟は敢然と立ち向かっている。一月十五日には三里塚現地でのデモに立ち上がり、旗開きにおいて〇八年のたたかう決意を表明し、三里塚闘争への決起を熱く呼びかけた。まったく手の抜けない農作業が続くなか、数多く抱える裁判闘争にも勇んで立ち上がっている。市東孝雄さんに対する耕作権裁判においては、空港会社のいう「不法耕作だ」という決め付けが、全くのペテンであることは誰の目にも明らかとなっている。空港会社が要求している土地と、実際に市東さんが耕作している土地がズレているという致命的なミスは、千葉県による農地転用許可決定の不当性、違憲性をも明らかにしている。市東さんは、千葉県を相手取った行政訴訟でも勝利的にたたかい抜いている。

 天神峰現闘本部裁判では、現闘本部の実地検証を避けようとする裁判官仲戸川に対し、昨年十月に反対同盟が忌避の申し立てを叩きつけ、四カ月もの間、公判がまったく開かれないという事態になった。拙速裁判を強行しようとした仲戸川は、反対同盟の反撃に対してなす術がなく、六カ月もの空白期間をみずから招いたのだ。しかし、仲戸川に対する忌避申し立てに対し、十一月二十八日、最高裁が不当決定を下した。〇九年の暫定滑走路北延伸完了のためには、反対同盟の主張の機会さえ切り縮め、何が何でも空港会社を勝たせようとした裁判長仲戸川のデタラメな訴訟指揮を不問に付す最高裁の決定を徹底弾劾しなければならない。仲戸川は、もはや裁判の体すらなしていない天神峰現闘本部裁判を、この四月から五月にかけて再開させようとしている。空港会社の現闘本部強奪攻撃に反撃する反対同盟とともに、千葉地裁への傍聴闘争に立ち上がろうではないか。

 この仲戸川は、鈴木幸司さん、いとさんに対する一坪強奪裁判においても裁判長として訴訟指揮権をふりかざし、第一回公判では拙速な裁判進行でもって千葉県による土地の強奪を認めようとしてきた。しかし、現闘本部裁判で反対同盟の反撃をくらい、その後の一坪の法廷での仲戸川の姿勢は、明らかに反対同盟の攻撃を恐れているものだ。いずれの裁判においても、反対同盟の主張の正当性の前に空港会社や千葉県のデタラメさが浮き彫りとなっている。空港会社―千葉県に残されているものは、国策空港である成田の完成は何としても果たさなければならない、という日帝の意思、この一点に尽きている。これを、千葉地裁は偏向した訴訟指揮でもって実現させようとしているのだ。国家権力の一翼を担う司法の横暴を絶対に許してはならない。民事訴訟の形をとった強制収用手続きを断固許さず、反対同盟とともに立ち上がろう。

 反対同盟は、現地闘争と裁判闘争を一体のものとしてたたかう決意を明らかにしている。東峰区の住民を滑走路と誘導路で囲い込み、その上をジャンボ機が離着陸するという暫定滑走路北延伸計画を徹底弾劾し、それ自体が生活破壊―営農破壊である連日連夜にわたる工事強行、民事裁判の名を借りた強制収用を許してはならない。反対同盟が熱く呼びかける、3・30全国総決起集会に全力で立ち上がろうではないか。

 今春、米帝―ブッシュ政権によるイラク侵略開始から五年を迎える。いまなお続いている米帝の暴虐極まるアフガニスタン・イラク軍事占領を徹底弾劾し、米軍を直ちに撤収させなければならない。日帝―福田政権は、米軍の軍事占領に加担する日帝の海上自衛隊派遣を強行し、さらに自衛隊派兵の「恒久法」の制定を画策している。米軍再編の強行とともにすすむ自衛隊の強化を断固阻止しなければならない。沖縄―岩国―神奈川をはじめとした全国の反基地闘争を結びつけ、春期、反戦闘争に立ち上がろう。そして、教育現場における反「日の丸・君が代」のたたかいに、教育労働者とともにたたかおうではないか。「二度と教え子を戦争に行かせない」という反戦の立場から「日の丸・君が代」に反対する教育労働者の不当解雇を断固許さず、立ち上がろう。広範な大衆闘争の陣形をもって、文科省―都教委を中心とする反動を粉砕しようではないか。


  
 

 

 

当サイト掲載の文章・写真等の無断転載禁止
Copyright (C) 2006-2007, Japan Communist League, All Rights Reserved.