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『戦旗』第1311号(2008年8月5日)




  サミット粉砕闘争の地平で日帝―福田政権を打倒しよう

  ジョージ・ワシントン横須賀入港阻止

  辺野古・高江の支援に全国から立ち上がろう

  独島「領土」記述弾劾! 反帝国際連帯闘争の前進を




 全国のたたかう労働者・学生、『戦旗』読者のみなさん!
 われわれ共産主義者同盟(統一委員会)は、全国から総力決起した学生の同志を先頭に、G8サミット粉砕洞爺湖現地闘争を全力でたたかい抜いた。このたたかいはまた、アジア―全世界の労働者人民との反帝国際共同闘争として勝利的に実現された。国家権力によるわが同盟への事前弾圧も、勝利と解放への確信に裏打ちされたわれわれのたたかいを押しとどめられるはずはなかった。

 他方、ウィンザーホテルでおこなわれたサミット首脳会談そのものは、帝国主義の世界支配の危機の深刻さをあらためて浮き彫りにした。サププライムローン問題、石油・食糧危機など噴出する諸問題に対する一致した対応策を打ち出せず、また日帝・福田政権が今回のサミットの最重要課題として喧伝してきた地球温暖化問題ついても新たな合意内容を打ち出すことがまったくできなかった。

 G8サミット粉砕洞爺湖現地闘争の反帝国主義闘争としての勝利的地平に立脚し、今夏、連続する反戦・反基地闘争に進撃しよう。危機を深める日帝・福田政権の打倒に向けてたたかおう!



  ●1章 G8サミット粉砕洞爺湖現地闘争の勝利的地平



 
わが同盟は、北海道現地で闘争を準備してきた反G8サミット北海道(アイヌモシリ)連絡会からの呼びかけに応えたアジア共同行動(AWC)日本連絡会議、および反侵略アジア学生共同行動(AASJA)のたたかいを全力で支えつつ、G8サミット粉砕の立場を鮮明にした七月六日の札幌での闘争、そして七月七日〜九日の連続する洞爺湖現地闘争を担い抜いてきた。

 G8サミット粉砕洞爺湖現地闘争の勝利的地平の第一は、一連の闘争が帝国主義強盗会談=G8サミットに対する最前線での反帝決起として敢然と勝ち取られたことである。

 サミット首脳会談前日の七月六日、札幌市内での集会・デモを貫徹した後、反G8サミット北海道(アイヌモシリ)連絡会およびAWCやAASJAなどたたかう労働者・学生は、ウィンザーホテルから約二十キロの地点にある伊達市に移動し、そこに「反サミット交流広場」(キャンプ場)を開設した。そして、そこを拠点に翌七日から首脳会談の最終日である九日まで、首脳会談の会場であるウィンザーホテルに向けた戦闘的な抗議デモを連日展開した。この三日間のデモには、他のキャンプ地からも参加があり、とりわけ九日のデモには伊達、壮瞥、豊浦の三つのキャンプ地すべてから闘争参加者が合流するたたかいとして勝ち取られた。

 このたたかいは、G8洞爺湖サミットに対する最前線での反帝決起であった。そもそもG8サミットは帝国主義の利害につらぬかれたものであり、その世界支配の維持・強化のための会談に他ならない。したがって、われわれの立場は鮮明であった。すなわち、「G8サミット粉砕」「帝国主義打倒」である。このシンプルでラディカルな立場を共にする国内外の人々とともに、われわれは現地闘争を反帝実力決起として全力でたたかった。とりわけわが同盟の学生戦線の同志たちは、文字通り全国からの総力決起でたたかい抜いた。学生の同志たちは、AASJAに結集する学友たちとともに、隊列の先頭で終始デモを牽引し、現地闘争本部による事前準備のための活動を含めて、現地闘争全体を最初から最後まで支えぬいた。G8サミット首脳会談と対峙した洞爺湖現地闘争は、誰がもっともよく帝国主義とたたかい抜く者たちであるかを鮮明に示したのである。

 第二に、アジア各地および米帝本国内のたたかう人民との反帝国際共同闘争としてたたかい抜かれたことである。

 アジア共同行動(AWC)日本連絡会議は、今回のG8サミット粉砕闘争を反帝国主義にもとづく国際共同闘争として押し上げていくために大きな努力を払ってきた。そして、その呼びかけに応えて、一連の洞爺湖現地闘争には、韓国・全国貧民連合、台湾・労働人権協会、フィリピン新民族主義者同盟(BAYAN)、米国・ANSWER連合、そして滞日フィリピン人移民組織ミグランテ・ジャパンの代表が、共にたたかうために洞爺湖現地に結集した。とりわけ台湾の労働人権協会は多くの代表団を送った。アジア学生協会(ASA)はAASJAとの国際学生共同闘争として現地闘争をたたかい抜いた。さらに、無実の罪によって長期にわたり不当拘留されているフィリピンの政治犯タガイタイ5、韓国・平和と統一を開く人々(ピョントンサ)、国際人民闘争連盟(ILPS)からは、現地闘争への連帯メッセージが届けられた。

 サミット首脳会談に対する現地闘争を国際共同闘争として実現したことの意義は実に大きい。海外からの代表団はまた、一連のたたかいに反帝国主義闘争としての性格を刻印していくという点でも大きく貢献した。闘争参加者は海外からの参加者の発言をかみ締め、帝国主義打倒の立場への確信をいっそう深めるとともに、こだまする各国語でのシュプレヒコールとインターナショナルの歌声のなかで、闘争の国際主義的性格を体感していった。

 第三に、国家権力による事前弾圧をはねのけ、一連の闘争を勝利的に貫徹したことである。

 今回のG8サミット開催にあたって、日帝・国家権力はわれわれの反帝国主義・プロレタリア国際主義にもとづくこれまでの実践とその蓄積に怯え、わが同盟とAWC日本連を名指しして、その活動に対する監視と情報収集を強めようとしてきた。そして、六月十日には「統一委員会とAWCにお金を流すために雇用保険の不正受給を行った」なる荒唐無稽のストーリーをデッチあげ、労働運動活動家Aさんを「詐欺罪」で不当逮捕(その後起訴)し、わが同盟の事務所三カ所および労働組合事務所に対する家宅捜索をおこなうというでたらめな政治弾圧が京都府警の手によって引き起こされた。

 これはサミット弾圧そのものであり、わが同盟とAWC運動、そして階級的労働運動を標的にした攻撃であった。しかし、弾圧はわれわれの闘争の意志と権力への怒りを倍加させるだけだった。組織犯罪対策法の適用をも狙ったこの攻撃は、何よりも不当逮捕されたAさんの獄中での完全黙秘のたたかいの前に粉砕された。われわれは日帝・国家権力による政治弾圧を徹底的に糾弾し、Aさんとともに今後の裁判闘争をたたかい抜く。同様のサミット弾圧としてかけられた大阪の野宿者支援運動への事前弾圧、また七月五日の札幌でのピースウォークにおける不当逮捕を怒りを込めて弾劾する。さらに、サミット外務大臣会合反対闘争に参加を予定していた韓国・民主労総のメンバー、首脳会談反対闘争に向かおうとしていた韓国の民主労総・全農の闘争団をはじめとする海外の活動家に対する入国拒否を弾劾する。

 第四に、帝国主義批判の見地からG8サミットに対する全面的な暴露をおこない、一連のサミット閣僚級会談反対闘争を各地で組織しつつ、そのたたかいの成果の上に洞爺湖現地闘争に全国から決起していったことである。

 わが同盟は、全国各地のたたかう労働者・学生とともに、一連のサミット閣僚級会談反対闘争をたたかい抜いてきた。われわれは、神戸での環境大臣会合反対闘争(五月二十四日・二十五日)、大阪での財務大臣会合反対闘争(六月十三日・十四日)、東京での司法・内務大臣会合反対闘争(六月七日・十一日)、京都での外務大臣会合反対闘争(六月二十五日・二十六日)、そして東京と大阪でのサミット首脳会談反対闘争(七月一日)、これらの闘争を各地で断固としてたたかいとり、その地平の上に洞爺湖現地闘争へと攻め上っていった。戦争と貧困、環境破壊、石油・食糧危機という事態の元凶であるG8首脳に対して、帝国主義強盗会談粉砕を突きつけてたたかいぬいた。われわれは、反帝闘争としてこれまでたたかってきた全内容をもって、サミット反対闘争を組織し、決起し、現地実力攻防をたたかった。沖縄・岩国・神奈川をはじめとする反基地闘争、イラク反戦闘争や改憲阻止闘争、貧困と格差を強制する新自由主義攻撃と対決する階級的労働運動、民族排外主義・差別排外主義との対決、こうした諸内容を結合し、G8サミット―帝国主義の世界支配に対する全面的な暴露と闘争として一連のサミット粉砕闘争をたたかい抜いてきたのだ。



  ●2章 G8の世界支配と労働者人民の生存は相容れない



 
鮮烈にたたかい抜かれたG8サミット粉砕洞爺湖現地闘争に対して、サミット首脳会談そのものはどのようなものであったのか。サミット警備のために約二百億円の税金を投入し(開催費用全体では約六百億円)、パトリオット・ミサイル(PAC3)やイージス艦、そして全国から動員された二万千人の警官に守られながら、福田やブッシュをはじめとするG8首脳たちは人民から隔絶された洞爺湖畔の山頂にあるウィンザーホテルでのサミット首脳会談を何とかとりおこなうことはできた。しかし、その内容は帝国主義の世界支配の危機の深刻さをあからさまにするものでしかなかった。

 まず、日帝が強力に喧伝してきた「環境サミット」としての内容については、具体的で実効性ある合意内容を新たに打ち出すことに完全に失敗した。サミット首脳宣言においては、「二〇五〇年までに世界全体の排出量の少なくとも50%の削減を達成する目標というビジョンを、UNFCCC(気候変動枠組条約)のすべての締約国と共有し…これら諸国と共に検討し、採択することを求める」という曖昧な文言が盛り込まれただけで、実行のための主体的な決意も示されず、削減の基準年についてさえ明らかにできなかった。ましてや中期目標として具体的な数値を提出することなど論外であった。明らかになったのは、地球温暖化問題を人類的=超階級的課題として宣伝しながら、巨大独占資本の要求とそれを背景にした各国支配階級の利害対立の前に何ら具体的で一致した対応策を打ち出せないG8首脳の姿であり、G8の世界支配がこの問題の解決においても桎梏となっているということであった。このことはまた、日帝・福田政権にとって破産的事態であった。

 それだけではない。世界経済については、「我々は、我々の経済の長期的強靭性及び将来の世界の経済成長に関し、引き続き肯定的である」「四月の金融安定化フォーラム(FSF)による勧告の実施が順調に進捗している」(首脳宣言)と述べられ、世界のブルジョアジーをも震撼させ、実体経済と労働者人民の生活にも大きな影響を及ぼしているサブプライムローン問題など存在していないかのようである。それが金融・投資の自由化を推進するグローバリゼーションの破産的事態であり、その震源地が世界資本主義体制の中心国・米帝であることを直視できないために、このような宣言しかすることができない。その代わりに述べられているのは、「すべての国は、外国投資を歓迎し、外国投資に対する無差別待遇を保証し、資本及び投資の収益を移転する自由を保証する体制を発展、維持及び促進する方策をとるべきである」という全世界を舞台にしたあくなき搾取の意志だけだ。

 石油・食糧危機についても同様である。原油価格の高騰については、「強い懸念」を表明するだけで、もっぱら責任を産油国に押しつけ、「安定的な投資環境」を要求する(首脳宣言)。第三世界の労働者人民を生活と生存の淵に陥れている食糧価格の高騰についても、輸出規制の撤廃や食糧備蓄の放出を要求するだけであり、商品市場に流れ込む大量の投機資金が原油価格の高騰や穀物・食糧価格の急激な高騰の大きな要因になっていることには決して触れることはない。

 G8洞爺湖サミットがあらためて示したことは、G8の世界支配と全世界の労働者人民の生存とはもはやまったく相いれないものであるということだ。全世界の労働者人民の窮状にもかかわらず、G8の首脳たちはただただあくなき搾取のための貿易・金融・投資の自由化だけを宣言する。地球温暖化対策においても、その実行を遅らせるだけの存在である。帝国主義の世界支配のもとで労働者人民は生きていくことはできない。それは労働者人民の団結した力によって粉砕されるしかない。



  ●3章 今夏、連続する反戦・反基地闘争に進撃しよう



 
全国のたたかう労働者・学生のみなさん! この八月から九月にかけて、多くのたたかいが控えている。G8サミット粉砕洞爺湖現地闘争の反帝国主義闘争としての勝利的地平に立脚し、今夏、連続する反戦・反基地闘争に進撃しよう。

 第一に、原子力空母ジョージ・ワシントンの横須賀配備―母港化阻止闘争をたたかい抜こう。艦内火災による配備計画の延期という事態は、原子力空母配備がもたらす危険性を端的に示している。7・19横須賀現地闘争を引き継ぎ、たたかいをさらに拡大しよう。アジア共同行動(AWC)日本連絡会議は、今年度の夏季反戦合宿を横須賀で開催し、ジョージ・ワシントン横須賀配備―母港化とたたかう体制をさらに強固に打ち固めようとしている。その成功をかちとり、現地の住民のたたかいと結びついて、入港阻止闘争に立ち上がろう。

 第二に、反核・反戦闘争の勝利をたたかいとることである。反戦・反核・反原発、被爆者解放を掲げてたたかう被爆者・被爆二世と結合し、8・6広島〜8・9長崎の反戦・反核闘争に立ち上がろう。国籍を問わないすべての被爆者に対する国家補償の実現、被爆二世に対する被爆者援護法の適用を求めてたたかおう。在日米軍基地への原子力空母の配備、米軍再編・日米軍事同盟の強化と改憲策動、地球温暖化への対処を名目にした原発建設の推進という情勢のなかで、被爆者・被爆二世の解放闘争と結合して、八月反戦・反核闘争に決起することはすべての労働者・学生にとって重要な課題だ。

 第三に、沖縄反基地闘争に連帯し、辺野古・高江での新基地建設阻止闘争に継続的に立ち上がることである。辺野古においても、高江においてもこの夏は重要な局面が訪れる。日帝・防衛省によるなりふりかまわぬ攻撃を許さず、全国から現地での阻止行動に駆けつけよう。新たな基地を建設し、日米軍事同盟体制を強化し、アジア軍事支配をさらに強めようとする日米帝国主義の野望をここで粉砕しよう。

 全国のたたかう労働者・学生のみなさん! G8サミット粉砕闘争を引き継ぎ、共産主義者同盟(統一委員会)とともに、この夏の連続する反戦・反基地闘争をたたかい抜こう。そして、全国で反撃の基盤を広げ、危機を深める日帝・福田政権の打倒に向けてたたかおう!

 

 

 

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