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『戦旗』第1321号(2009年2月5日)




  金融恐慌下、吹き荒れる大量解雇―生活破壊を許すな

 階級的労働運動の前進を

  海自のソマリア沖派兵阻止! 戦争攻撃粉砕

  米帝オバマ政権の「対テロ」戦争継続を許すな





 昨年十二月二十七日から強行された、イスラエル政府による、パレスチナ・ガザ侵攻を徹底的に弾劾しなければならない。

 空爆から開始されたイスラエル軍のガザ侵攻は、一月三日より地上からの侵攻へと拡大しており、すでに一千人以上のパレスチナ人が無差別虐殺されている。そしてその大半が女性や子供である。

 われわれは、このパレスチナ人民大虐殺を絶対に許すことはできない。イスラエル軍は攻撃をやめ、ただちにガザから撤退せよ。

 同時に、このイスラエル軍によるパレスチナ人民虐殺を全面的に支援・擁護する、米帝をはじめとした帝国主義諸国もイスラエルと同罪であり、徹底的に弾劾しなければならない。

 われわれは、全世界で巻き起こるイスラエル軍のガザ侵攻―人民大虐殺を徹底弾劾する民衆決起と、そして、何よりも、武装し不屈に抵抗闘争をたたかう、パレスチナ人民と固く連帯して闘うのでなければならない。

 世界金融恐慌の到来のなかで、日帝―麻生自公政権は、非正規労働者をはじめとする、労働者人民への貧困化攻撃を強めている。また、それと同時に、ソマリア沖への自衛隊派兵や、「国民保護訓練」を名目とした治安訓練の強化など、戦争攻撃を激化させている。

 麻生自公政権に対する労働者人民の怒りは、内閣不支持率70%以上という数字に示されるように、すでに頂点に達しようとしている。

 これらの怒りを、「生活第一」などのマヌーバーをも使って回収しようとするのが民主党である。このような、ブルジョア保守政党としての本質を押し隠し、政権獲得を狙う民主党などに、労働者人民の未来を切り開くことは絶対に出来ない。

 また、労働者階級人民の決起を、自党候補への投票運動のみに切り縮める、日共スターリン主義も同様である。

 いまこそ、真に労働者階級・被抑圧人民・被差別大衆の利害を代表する、たたかう前衛党が必要とされているのだ。

 すべての労働者・学生の皆さん!われわれ共産同(統一委員会)とともに、今こそ、日帝・麻生政権打倒の全人民的政治闘争に断固としてたちあがろう。



  ●第一章 危機を人民に押しつける日帝ブルジョアジー弾劾


 米帝バブル崩壊を契機とする金融恐慌の進展の中で、現在、需要は急激に減退している。特に自動車や電機などの日帝の基軸産業は大幅な減産が進行している。

 トヨタ、キヤノンをはじめとした日帝資本は、現在、〇二年以降の長期におよぶ好況により溜め込んだ、何兆円ともいわれる莫大な内部留保を保持したまま、派遣労働者を大量に切り捨て、何の保障もないまま街頭に叩き出している。

 昨年の十月より開始された、派遣労働者の中途契約打ち切りや雇い止めなど、いわゆる派遣切りによる失職者は、本年三月までに、八万五千人以上にのぼるといわれている。

 日帝資本は、八〇年代から進めてきた、労働者派遣法をはじめとする労働法制改悪により、まず非正規雇用労働者の首切りを開始したのである。

 派遣労働者は、契約を打ち切られた直後より、何一つ保障のないままに、寮などから強制的にたたき出される。

 すぐさま、「ネットカフェ難民」化や、野宿生活を強制されざるを得ない労働者も多く存在する。

 資本とその手先である麻生自公政権は、この労働者階級下層の窮状に対して、何一つ責任をとろうとはしない。

 ただただ「定額給付金」によって景気が浮揚できるなどと、何の根拠も無い絵空事をほざいているのみなのである。

 こういった中で、年末年始にかけ、資本の都合で住居を奪われ、生命の危機に瀕する非正規雇用労働者の現実に抗する、労働者階級自身による、新たな取り組みが開始された。

 ナショナルセンターの違いを超えた、労働組合やNPOの協力によって、日比谷公園内に「年越し派遣村」が創り出された。

 行政機関が閉まる昨年十二月三十一日から本年一月五日まで、炊き出しによる食事の提供や、テントによる集団的野営、労働相談などの取り組みが、多くの労働者人民により献身的に担われた。

 派遣村には、当初の予想を大幅に上回る五百名の労働者が訪れた。なかには、交通費がなく、歩いて遠路訪れた労働者もすくなからず存在した。

 この取り組みには、総数で一千六百名の労働者人民が支援活動を担い、カンパは二千二百万円に達したのである。

 厚生労働省は、「派遣村」への訪問者が宿泊可能人数を突破した現実を突きつけられる段階になって、はじめて日比谷公園前の講堂を、宿泊用に開放するなどの対応を行った。

 一月五日の派遣村閉村以降も、生活保護の集団申請や、宿泊施設を行政に提供させるなどの継続したたたかいが取り組まれている。

 われわれは、派遣労働者の生存権をかちとるための、「派遣村」の取り組みについて、大きく注目し評価すると同時に、正規・非正規の壁を突破した階級的団結を促進するものとして、今後も積極的に取り組んでいかなければならないであろう。

 かつて、小泉や、竹中などの新自由主義経済政策をすすめた輩は、雇用に関する規制撤廃により、新たな雇用が生み出される、などと主張してきたが、それがまったくのペテンであることが、労働者階級が置かれている過酷な現状によって証明されている。

 規制撤廃は、景気動向に応じて、資本にとって、いつでも雇用を打ち切ることのできる自由を与えただけである。

 これが「聖域なき構造改革」「自民党をぶっこわす」などのスローガンを掲げて登場したポピュリスト小泉政権、そしてそれを引き継いだ安倍、福田、麻生と連なる自公政権の、徹底した反労働者的な本質である。

 金融恐慌の深化の中で、日帝政府の「景気対策」は日帝資本の利益防衛に主目的をおくものである。資本が収益を減らさないために、非正規の下層労働者がまず切り捨てられ、矛盾を強制されている。

 こんな現状を絶対に許してはならない。労働者階級が今こそ団結し、資本・政府に対して生きる権利を突きつけ、新自由主義政策を進めてきた責任をとらせていかなければならない。

 日帝資本と麻生内閣は、もはや完全に人民の支持をうしなっている。

 昨年十月より、麻生内閣の支持と不支持率は逆転しているが、一月中旬の世論調査では、ついに不支持率が70%(支持率19%)にまで及ぶにいたっている。早くも政権末期状態である。

 支持率回復のための、バラマキ政治の象徴=「定額給付金」についても、「評価しない」が70%以上となっており、もはや支持率を回復する展望を完全に失ったといえる。

 麻生は当初、マンガ好きで、「2ちゃんねる」への書き込みなどする「異色の政治家」として、青年層からの支持が高いといわれていた。

 自公は、この「麻生人気」に飛びついて、首相に担ぎだしたわけである。
 だがしかし、この「麻生人気」なるものは、フタを開けてみれば、実はネット右翼などがはびこるインターネット上の、しかも巨大掲示板の中だけだったというわけだ。

 もはや自公政権は、ありもしない幻想の「麻生人気」にすがることによってしか、延命の道を見出せなくなっているのである。

 麻生政権は現状で総選挙を行えば、自公の歴史的大敗北は必須であるがゆえに、解散することもできないでいる。

 いまこそ、日本のプロレタリアート・被抑圧人民は、その階級的利害を正面にかかげて、歴史の主人公として登場すべく、断固としてたちあがるべきときである。

 労働者階級人民は、麻生自公政権の打倒を、もうひとつのブルジョア政党に過ぎない、民主党への政権交替劇に終わらせてはならない。

 ブルジョアジーが「百年に一度」と恐怖する世界金融恐慌を、プロレタリア世界革命に転化すべくともにたたかおう!



  ●第二章 ガザ侵攻・無差別殺戮弾劾、イスラエル軍は完全撤退せよ

  ▼@ イスラエル軍の無差別大量虐殺


 イスラエル軍は、昨年十二月二十七日から、ガザ地区への空爆を強行し、さらに一月三日からは、戦車や軍用ブルドーザー数百台、歩兵など約一万人による地上侵攻を強行したのである。

 イスラエル軍は、戦闘員・非戦闘員の区別なく、無差別に攻撃を行っている。非戦闘員や子供たちが大量殺戮されている。一月十四日段階で、パレスチナ人民の死者は一千人を突破しており、そのほぼ半数が、非戦闘員である女性や子供である。

 二〇〇〇年九月、前首相シャロンが、エルサレムのイスラム教聖地強行訪問したことを契機として勃発した、「第二次インティファーダ」においては、ガザ・ヨルダン川西岸の両自治区を合わせて、三年間で約二千五百人のパレスチナ人が虐殺されたわけであるが、今回のガザ侵攻は、空爆開始以来、わずか三週間にも満たない間で、この時の一年当たりの死者をすでに上回っているのだ。

 しかも、ガザ市街地は百五十万人という、世界一といわれる人口密集地である。ここに、イラク戦争でも使われた劣化ウラン弾や、人間を骨まで焼き尽くす白リン焼夷弾、クラスター爆弾など、大量虐殺を目的とした残虐兵器を投入しているという。

 このことからも、今次ガザ侵攻が、いかに無差別性に満ちたものであるかが明らかなのである。

 イスラエル軍は一月八日の国連安保理の停戦決議案(米帝のみが棄権して可決)をも完全に無視して、現在に至るも、昼夜を分かたぬ猛攻撃を加えてつづけており、さらなる死者の拡大は確実である。

 ガザ地区は、すでに、侵攻の前から二年近くにおよび、イスラエル政府による封鎖が強行され、外国人の立ち入りが極めて制限されていた。ガザは塀と鉄条網によって、完全に隔離されている。

 そのような中からも、医療支援・報道関係者らによってイスラエル軍による、きわめて残虐なガザ住民虐殺の現実が明るみに出されてきている。

 国連緊急援助調整官室(OHCR)によれば、一月五日、ガザ市郊外のザイトゥン地区において、イスラエル軍が住民百十人を、一軒の民家に押し込めたうえで砲撃をし、三十人を虐殺した。

 また、イスラエル軍は、負傷者を救助する医療関係者や国連、さらには報道機関関係者までも標的としていることが暴露されている。

 六日、ガザ北部で国連運営の学校が砲撃を受け、学校内に避難していた少なくとも四十人が死亡した。学校に対する攻撃はこの日だけでも三度行われたという(この攻撃に先立ち、ガザ地区南部ハンユニスでは砲弾が学校内に撃ち込まれ二人が死亡したほか、ガザ市のシャティ難民キャンプ内の学校が空爆を受け三人が死亡している)。

 八日には国連援助物資を積んだトラックが砲撃を受け三人が死傷している。

 十五日にはイスラエルは、ガザ市の一角に地上部隊を進め、市中心部にある国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の本部施設をも砲撃破壊した。

 施設内には当時、地元住民ら数百人が避難していたという。AFP通信によると、職員三人が負傷したほか、人道物資保管施設の一部が炎上した。ロイター通信など報道機関が入居しているビルも砲撃を受け、パレスチナ人記者ら数人が負傷した。

 これらの報道された事例は、まちがいなく氷山の一角に過ぎないであろう。

 「標的はハマスであり、市民ではない。攻撃の際には事前にビラをまくなどして警告し、住民が巻き添えになることを最大限抑制している」、「これは自衛戦争だ」などというイスラエルの主張が、まったくのウソとペテンであることは如実に示されている。

 ブルジョア・マスコミなども、いまだに「暴力・報復の連鎖」などと、イスラエルの占領に抵抗するハマスにも責任があるかのような表現を使用し、イスラエルを擁護しようとしているが、われわれのもとに日々伝えられるイスラエル軍の残虐なガザ攻撃は、イスラエル政府による、一方的な国家テロリズム以外のなにものでもない。



  ▼A 世界で広がるガザ侵攻弾劾の声


 イスラエルの無差別大量虐殺を容認する、米帝をはじめとする帝国主義も同罪だ。徹底弾劾しなければならない。

 米帝は、ハマスのロケット弾攻撃を理由にして、国連安保理の停戦決議案採択において唯一棄権し、イスラエルを全面的に擁護している。

 米帝ブッシュ政権(当時)の、「対テロ戦争」をかかげた中東戦略は、アフガニスタン・イラク侵略反革命戦争の泥沼化のなかで、もはや完全に破たんしている。

 米帝は、イスラエルの全面支援をいままで以上に維持・強化することをもって、中東における「対テロ戦争」の戦略的巻き返しをはからんとしている。

 その点において、シオニスト・イスラエル政府と米帝は完全に一体のものである。

 それは、より本質的には、ハマスなどのイスラム主義勢力の軍事的解体のみならず、「パレスチナ自治政府」大統領アッバスなど、ファタハによる「イスラエル国家」容認=屈服路線と対決し、不屈の武装抵抗闘争をたたかうPFLP(パレスチナ解放人民戦線)をはじめとする左派の壊滅を狙ったものでもあるのだ。

 全世界で、ガザ侵攻・パレスチナ人民大虐殺弾劾の闘争が取り組まれている。

 中東レバノンやシリアでは、連日数千から数万規模での抗議行動がたたかわれた。ヨーロッパにおいても、ドイツ、スペイン、フランス、イギリスなどにおいて、労働者階級人民は、大規模な弾劾闘争に立ち上がっている。

 イギリスにおいては、イスラエル大使館に突入し、十名が不当逮捕されている。

 一月十日には、アメリカ・シカゴにおいて、一万人が結集するデモが取り組まれている。

 日本においても、イスラエル・アメリカ大使館などへの弾劾闘争が、東京・大阪その他において取り組まれ、われわれも、断固として共にたたかいぬいてきた。

 われわれは、不屈にたたかうパレスチナ人民との国際主義的連帯にかけて、全国の労働者階級人民に、イスラエル軍の攻撃即刻中止、ガザからの即時撤退要求を労働者人民に広範によびかけ、連続的に抗議・弾劾闘争にとりくんで行こうではないか。



  ●第三章 自衛隊ソマリア沖派兵阻止闘争に決起しよう


 日帝―麻生政権は、海賊対策と称して、ソマリア沖に海上自衛隊を派兵しようとしている。

 「海賊対策新法」なる新たな派兵法案の国会提出をするとともに、この法案策定・成立を待たず、現行法=「海上警備活動」を拡大解釈し、派兵を強行しようとしている。絶対に許すことは出来ない。

 現行法において「海上警備活動」が及ぶ地理的範囲は、「日本周辺」となっているが、これをソマリア沖にまで極限的に拡大しようとしているのだ。

 事実上、世界のどこへでも「海上警備行動」を理由にすれば派兵が可能になるという、とんでもない拡大解釈である。

 さらには、「正当防衛、緊急避難」に制限されている武器使用の要件を「相手の撃沈も可能」と拡大解釈している。

 また、新法においては、相手側から攻撃が無い場合でも「任務遂行」を名目にして武器を使用することが検討されているのだ。

 一月七日、自公両党は、政策責任者会合を開き、与党プロジェクトチームを立ち上げ、三月末までに法案を取りまとめて、今国会での提出をもくろんでいる。絶対に許してはならない。

 未曽有の経済危機のさなか、麻生政権は昨年十二月十二日に給油継続法を衆議院再議決で強行成立させた。

 さらに今、ソマリア沖への派兵を画策している。

 そればかりではない、今後、米帝オバマ政権発足後にはアフガニスタンへの地上軍派兵をも策動しているのである。

 まさに、帝国主義が、全世界的な危機のなかにおいて、貧困化と戦争の攻撃を全世界民衆に強制しようとする現われであり、われわれは、これと徹底的に対決していかなければならない。

 われわれは、昨〇八年、沖縄(辺野古・高江)、岩国、座間、横須賀など、全国の反基地闘争、反戦闘争を闘いぬいてきた地平をさらに貫いて、日帝の侵略反革命戦争への急激な傾斜を絶対に阻止するために全力で闘い抜くのでなければならない。

 ソマリア派兵阻止闘争にともにたちあがろう。


 

 

 

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