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『戦旗』第1326号(2009年4月20日)




 
  「グアム協定」―米軍再編実施協定粉砕!

  5月沖縄闘争に決起しよう

  不当解雇阻止! 階級的労働運動の前進を

  新たな制裁発動弾劾! 差別排外主義扇動許すな




 麻生政権は、人民に完全に見放されているにもかかわらず、本質的に反人民的な景気対策としてばらまき政治を打ち出しながら、政権延命に汲々としている。その一方で、麻生政権は、三月十六日、ソマリア派兵を強行した。徹底して弾劾する。のみならず、政府は「海賊対処新法」の制定策動を強めている。さらには「グアム協定」=米軍再編実施協定の批准の強行を策動している。これは、沖縄における一部米兵のグアム移転、「沖縄の負担軽減」を名目としながら、辺野古新基地建設を強行するための日米条約に他ならない。

 また、麻生政権は朝鮮民主主義人民共和国(共和国)の人工衛星ロケット打ち上げに対して、ことさらに危機感を煽り迎撃体制づくりに躍起となった。イージス艦を配備し、続いて、PAC3を、秋田、岩手、さらに、「国家中枢の防衛」などと東京都や千葉県に配置し迎撃体制をひくという大騒動ぶりである。衆参両院においては、「発射自制」を要求する国会決議が全会一致で採択された。まさに翼賛国会である。自治体も「有事」に備えた。同時に、日帝は、共和国および朝鮮総連に対する経済制裁を強化し排外主義を扇動している。

 「共和国脅威論」を口実に、強まる日帝の戦争策動と排外主義扇動を粉砕せよ。麻生政権を打倒しよう。



  ●1 金融恐慌下、貧困化攻撃と対決する労働者階級の闘い


 世界金融恐慌下、いっさいのツケを労働者階級に転化することで事態を乗り切っていこうとするブルジョアジーの攻勢が一段と強まっている。自動車、電機などの主要産業を先頭に一斉に開始された派遣切りをはじめとした正規―非正規を貫く解雇―合理化攻撃は、一層激化している。加えて、ブルジョアジーは、春闘において、主要産業における定昇カットに踏みだし大幅な賃下げ攻撃に打ってでた。連合指導部は、この攻撃に完全に屈服し、大手組合は、軒並み賃上げを容認した。のみならず、ブルジョアジーと肩を並べて、労働者に耐え忍ぶよう説教をたれている。だが、一方で、非正規雇用労働者のたたかい、反貧困運動が粘り強く闘われている。派遣切りを許さない抗議の声が大きなうねりとなり、大企業の社会的責任を糾弾するたたかいが広がりを見せている。この間の情勢を規定してきたのは、こうしたたたかいに示される労働者階級人民の政府への怒りに他ならない。自公政権は、小泉政権以来、本格的、かつ、急進的に、「規制緩和」を推進しすべてを資本の利益追求の草刈り場へと転化してきた。特に、労働市場の規制緩和と社会保障制度の解体は、莫大なワーキングプアーを構造的に生み出してきた。正規雇用は非正規雇用に置き換えられ、正規雇用においても無権利と長時間労働が強制されてきた。

 こうした状況を根拠に、自公政権から労働者階級人民は広範に離反してきた。安倍、福田、麻生と続く自公政権は、労働者階級人民から見放され、一歩も進めない局面にたたき込まれてきた。世界金融恐慌への突入は、こうした状況に一層拍車をかけつつ、その新たな段階を招来してきた。世界金融恐慌突入とともに、ブルジョアジーは、なりふりかまわず、主要産業を先頭に解雇―合理化、賃下げ攻撃を激化させてきた。これらはさらに、中小企業の倒産・失業へと拡大し、より一層、労働者階級への失業・貧困化攻撃の嵐となって襲いかかってこようとしている。すでに、経済成長率は戦後最悪となり、投資、消費、すべてが急激に落ち込んでいる。労働者階級にすべての犠牲を転化し事態を乗り切っていこうというブルジョアジーの攻勢がより本格化しているのだ。同時に、麻生政権は、ソマリア派兵、「海賊対処法案」制定策動、共和国の人工衛星打ち上げロケット発射への迎撃体制づくり―戦争策動を激化させてきた。戦争と貧困化攻撃が一段と強まっているのである。労働者階級の怒りはより広範に拡大していこうとしている。生存権を掲げたたたかいがいたるところで拡大している。こうした今春期情勢のなかで、労働者階級のたたかいを前進させ、これを基軸に戦争と貧困化攻撃に対決する階級闘争の前進を総力をあげて推し進めることが急務である。



  ●2 国際反帝共同闘争を総力をあげて推し進めよう


 同時に、世界金融恐慌下、国際的な労働者階級の連帯と共同闘争の強化が要求されている。世界金融恐慌のもとで、各国ブルジョアジーは、おしなべて労働者階級に犠牲を転化することで乗り切っていこうと攻勢を強めている。世界中で、失業・貧困化攻撃が吹き荒れている。同時に、保護主義への衝動をも深めながら、帝国主義諸国は対立も深めている。移民労働者への排外主義が扇動され、排外主義も台頭している。こうした中で、帝国主義諸国は、激化する反帝闘争を共同で鎮圧する共通の利害を強め、派兵―戦争攻撃にますますのめり込んでいこうとしている。オバマは、ブッシュ時代の単独行動主義から帝国主義諸国による共同の戦争体制重視に転換した。イラクからアフガニスタンへと「対テロ戦争」の主戦場を移行し、アフガニスタンへの増派を開始した。そして、各国に対しアフガニスタンへの共同の戦争遂行体制を求めつつある。世界金融恐慌下における労働者階級の国際的連帯と団結、世界金融恐慌下における共同のたたかいをあらゆる側面から強化することが要求されている。そして、激化する派兵―戦争攻撃と対決する国際反帝共同闘争が決定的に重要な課題として浮上しつつある。今春期闘争は、世界金融恐慌下における労働者階級の国際的な共同のたたかい、世界金融恐慌下における国際反帝共同闘争を新たに展望していく第一歩としての位置を持っている。世界各国で、世界金融恐慌下における労働者階級人民のたたかいが開始されている。各国でデモ、ストライキが増大している。また、こうした国際共同行動の一環として、すでに、三月には国際反戦行動が全世界でたたかわれた。また、四月二十九日から五月十日にかけて、フィリピンKMUによる国際連帯行動(ISA)も呼びかけられている。世界金融恐慌下における労働者階級のあらゆる国際的共同闘争を強めよう。世界金融恐慌下における国際反帝共同闘争を総力をあげて強めよう。新自由主義グローバリゼーションと対決する階級闘争の国際的結合を推し進めよう。



  ●3 4―5月闘争の爆発で日帝―麻生政権打倒せよ


 今春期闘争は、まず第一に、麻生政権を打倒し、反戦・反貧困・国際連帯のたたかいを前進させることであり、強まる資本の攻勢に対決する労働者階級の生存権をめぐるたたかいを全国各地で強化することにある。麻生政権は、新自由主義路線との根本的決別をぬきに、景気対策と称してばらまき政治で政権延命をはかってきた。他方、民主党も、小沢秘書の政治資金規正法違反容疑での逮捕劇によって混迷を深めている。衆議院解散―総選挙の可能性が高まっている。政権延命に汲々とする麻生政権を打倒しよう。同時に、自公政権から離反した人民を糾合し政権獲得を狙う民主党も、その本質において自公政権となんら変わるところがない。「構造改革」という名の新自由主義政策によって、労働者階級人民の生活と権利は、ズタズタにされてきた。労働者階級の貧困化が強制され、この上に派兵―戦争と排外主義攻撃が強まっている。世界金融恐慌への突入は、戦争と貧困化攻撃に一層拍車をかけている。そして、この間、自公政権にしても民主党にしても、広範に生み出されてきた労働者階級人民の不満と怒りを前に、これを懐柔することなしにはやっていけないという状況に直面してきた。

  情勢を規定してきたのは、労働者階級人民にある。戦争と貧困化攻撃に対決する労働者階級人民のたたかいを全力で推し進めよう。春闘を、生きる権利を真正面から掲げてたたかおう。連合指導部は完全にブルジョアジーと歩調をそろえて賃下げ攻撃を受け入れた。連合指導部の階級的裏切りを許さず、雇い止め・解雇・内定取り消し・リストラ攻撃を許さず、生きる権利を掲げ賃下げ攻撃を粉砕しよう。また、外国人労働者も、いっせいに解雇攻撃にさらされている。絶対に許すな。全国で階級的労働運動の前進を推し進めよう。労働者階級こそが、この未曾有の世界金融恐慌下、自らの生活と権利を実力で防衛し、資本の横暴に抗するたたかいを推し進めよう。失業・貧困・戦争攻撃と対決する労働者階級のたたかいを前進させよう。各地でたたかうメーデーを。

 第二に、今春、グアム移転協定―米軍再編協定批准を阻止するためにたたかうことにある。日米両政府は、米軍再編協定批准によって米軍再編を何が何でも強行しようとしている。米軍再編計画は、新基地建設や基地強化に対する各地での抵抗によって大きく揺らいできた。辺野古や高江では、連日のたたかいが休むことなく繰り広げられてきた。また、岩国では、米軍住宅建設策動に抗するたたかいや爆音訴訟が新たに開始されてきた。こうした、辺野古、高江、岩国、神奈川などでの住民のたたかいは、日米両政府の前に大きく立ちふさがってきたのである。そうだからこそ、日米両政府は、米軍再編協定の国会批准をもって米軍再編の実施に強制力をもたせようと躍起になっている。米軍再編協定国会批准を許すな。沖縄辺野古、高江、岩国、神奈川における反基地闘争の前進のために総力を挙げよう。米軍再編に立ちふさがる、辺野古、高江、岩国、神奈川のたたかいを全力で防衛し、全国各地で連帯しともにたたかおう。この四月、首都圏では、反戦闘争実が、「許すな自衛隊派兵!『グアム協定』―新たな琉球処分糾弾!米軍再編粉砕!沖縄連帯4・26反戦行動」を呼びかけている。反戦闘争実の呼びかけに応え、4・26闘争をともにたたかおう。また、関西では、「天皇即位二十年祝賀」反対!大阪行動の呼びかけで、「4・29『昭和の日』反対!大阪集会」が沖縄の仲間を迎えて呼びかけられている。派兵強化と連動して、愛国心と排外主義扇動が新たに強まろうとしている。天皇制強化こそ、その要だ。本年十一月十二日を休日とする法案が策動され、「天皇即位二十年祝賀」を強制する動きが強まっている。これを許さず、米軍再編粉砕、反戦反基地、天皇制強化との闘争として、今春からたたかいを開始しよう。

 第三に、五月沖縄闘争に決起することである。沖縄再併合=「復帰三十七年」となる本年はまた、薩摩侵略四百年、琉球処分百三十年にあたる。まさに、沖縄は、侵略と併合、差別支配によって、歴史的にあらゆる犠牲を集中させられてきた。「復帰」後も、侵略反革命前線基地としての沖縄の現実は、何も変わることがなかった。そればかりか、沖縄における米軍基地は一貫して強化されてきた。また、強化される米軍基地のもとで、あらゆる基地被害を強制されてきた。米兵による女性暴行事件も後を絶たない。そして、いま、新基地建設を新たに強制する米軍再編協定こそ、「新たな琉球処分」そのものに他ならない。沖縄における米軍基地を新たに強化しつつ永続化させようとする米軍再編協定批准を許してはならない。全国から辺野古、高江に結集してたたかうとともに、「本土」各地において沖縄に連帯してたたかおう。5・15闘争に立ち上がろう。沖縄解放闘争の前進を推し進めよう。

 第四に、アジア共同行動日本連絡会議が呼びかける六月アジア共同闘争に決起し、世界金融恐慌下における国際労働者階級の連帯と団結、国際反帝共同闘争を一層強化していくことである。アジア共同行動日本連絡会議は、三月二十二日、第十四回総会を開催し、〇九年度のたたかいの方針を以下の四領域にわたって決定した。@米軍再編、日米軍事同盟との闘争。沖縄、岩国、神奈川での反戦反基地闘争の強化。A世界金融恐慌下における反戦・反貧困・国際連帯の強化。B韓国、フィリピン、台湾、米国などAWCを共に推進する各国地域との国際連帯・共同行動の推進。C今秋九月、AWC第三回国際総会の日本開催(以上要旨)。その上で、四月二十九日〜五月十日にかけて開催されるフィリピンISAへの結集、五月十五日、沖縄―「本土」を貫く沖縄闘争、そして、六月アジア共同行動の全国各地での開催を呼びかけている。アジア共同行動日本連絡会議がよびかけるこうした春期闘争に結集し、その前進のために奮闘しよう。特に、六月アジア共同行動を、反戦・反貧困・国際連帯の全国各地での一斉行動としてたたかおう。また、こうした今春期闘争をたたかい、秋には、九月AWC(日米両帝国主義のアジア侵略・支配に反対するアジアキャンペーン)第三回国際総会の日本開催とこれと連動した国際連帯行動の開催や十一月岩国闘争が呼びかけられている。韓国、台湾、フィリピン、インドネシア、米国などからたたかう仲間が結集する予定のAWC第三回国際総会は、世界金融恐慌下におけるアジア太平洋地域における労働者階級の国際共同行動や、国際反帝闘争の新たな展望を切り開くものとして大きな意義をもつであろう。AWCは、アジアにおける国際的な反帝政治統一戦線として一九九二年に結成され、アジア諸国地域の民衆組織による共同の反帝政治闘争を果敢に組織し続けてきた。AWCは、昨年も、洞爺湖現地において、こうした各国地域からの仲間が国際的に結集し、明確な国際反帝勢力として終始たたかいぬいた。いま、世界金融恐慌の下で、各国地域の労働者階級が連帯と共同闘争を強めること、また、共同の反帝闘争を一層強化していくことが新たに求められている。これに応えようとする国際的なAWCのたたかいを断固として支持し、その発展のために共に奮闘しよう。AWCが呼びかける九月第三回国際総会を、アジア太平洋地域のたたかう反帝勢力、労働運動の総結集で成功させよう。また、十一月岩国闘争は、岩国米軍基地強化に反対する岩国住民のたたかいに連帯し、朝鮮半島を睨んだ最前線基地=岩国基地の大強化を打ち砕くたたかいである。十一月岩国闘争を、基地強化に反対する岩国住民のたたかいを支持し、これを防衛するたたかいとして推進し、岩国現地に全国から総結集していこう。岩国基地強化反対闘争を、労働者反戦闘争の新たな大衆的発展をかけて、かつまた、岩国基地強化に反対するたたかいをアジアにおける共同の反基地闘争課題へと押し上げ、韓国やフィリピン、米国をはじめとした国際共同闘争を前進させるものとして総力でたたかおう。アジア共同行動日本連絡会議の呼びかけに応え、今春期闘争から一貫して、その成功のために奮闘しよう。

 

 

 

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