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『戦旗』第1335号(2009年9月20日)




 反帝国際連帯運動を推進しよう

  10・11三里塚へ総決起を

  自公政権打倒の人民の怒りを

  反失業・反戦闘争の爆発へ
 





 全国で闘う労働者・学生の皆さん!衆議院選挙は自民党・麻生政権の大敗北という歴史的結果に終わった。失業と貧困の嵐のなか圧倒的多数の労働者人民が自民党政治に明確に否!を叩きつけたのだ。世界資本主義体制の危機のなかで、ブルジョワ政治そのものの限界が隠しようもなく露呈している。労働者人民の怒りは、選挙目当てのばら撒きマニュフェストと新たな軍備増強を路線とする民主党政権によって消し去れるものではない。闘う同志・友人の皆さん!階級闘争の新たな時代がはじまろうとしている。資本主義の危機をプロレタリア革命の勝利へと転化する革命運動の前進を切り開こう!



  ●第一章 麻生政権の大敗北と民主党政権の誕生


 周知のとおり、衆議院選挙は自民党の歴史的大敗北と民主党政権の誕生という結果に終わった。この結果は何を意味するのか。

 選挙直前に発表された七月の完全失業率は過去最悪の5・7%。完全失業者数は三百五十九万人で、この一年で百万人以上増加した。もちろん政府統計の完全失業率は職安で求職活動をした人だけを数えたものであり、実質失業率はこの二倍以上とも言われる。さらに政府は現在、日本の企業内に生産の規模に比して六百七万人の「過剰雇用者」がいるとし、今後も大規模な解雇やリストラが継続するとの見方を示している。

 そもそもこのような事態を招いたのは誰か? その責任は一貫して新自由主義政策を推し進めた政府にある。小泉構造改革によって福祉諸制度が破壊され、非正規雇用が急激に拡大した。世界恐慌が始まり世界市場が歴史的な収縮の過程に入ると、非正規労働者は解雇され、自己責任論のもと孤立させられた。貧困と格差が世代を超えて引き継がれる階級社会がこれまで以上に強固に、そして露骨に構造化された。

 この事態に麻生政権は、補正予算だけで二十七兆円もの税金を経済対策としてばら撒き、独占資本の救済に国家財政を投入した。の大敗北は、このような末期的なブルジョワ政治に対する労働者人民の文字通り腹の底からの怒りによるものである。

 この自民党政治に対する人民の怒りを糾合して、民主党政権は登場した。だが世界資本主義体制と日本独占資本を襲う世界恐慌のなかで、ブルジョワ政党である民主党もまた本質的な解決策を示すことはできない。民主党は選挙で「国民の生活が第一」とのスローガンを掲げ、「五つの約束」として税金のムダをなくすことや、最低保障年金、子ども手当の支給、農業戸別補償、再就職支援などをあげた。だがこうした政策は基本的に税金の再配分、すなわち「ばら撒き方」に関わる問題がほぼすべてだ。戦後、下請け孫受け構造のもと下層労働者に対する強搾取によって、さらにアジア第三世界への経済侵略によって資本の強蓄積をなし、今日、生き残りのために労働者階級に失業と貧困を強制している日本独占資本主義体制とその権力構造に、どのようなメスを入れるのかという問題について、民主党のマニュフェストには何も書かれてはいない。改良主義的な改革さえ提案されてはいないのだ。その意味で、民主党は完全な意味でのブルジョワ政党であり、だからこそ深刻化しつづけている失業問題への抜本的な対応策を提起することもできない。政権発足以降、財界との一体化がますます強められる過程のなかで、掲げられたマニュフェストすらも投げ捨てられる可能性が高い。我々はこのような民主党の欺瞞を絶対に許してはならない。

 我々は労働者人民の利益、とりわけ生存さえ脅かされている労働者階級下層の闘いに立脚して、必要な政策・制度要求を断固推し進めながら、現下の大失業攻撃に対する政府の責任を追及し、保守二大政党制と対決する労働者階級の政治闘争を断固組織しなければならない。

 民主党のブルジョワ的性格は軍事・外交政策においてますます顕著であり、それはむしろ反動と呼ぶにふさわしい。党内に様々な流れをくむ政治家を擁していることから、軍事・外交政策は曖昧といわれる民主党は、今回の選挙でも安保・基地問題を争点にすることを避けてきた。だが明らかなことは、この党が日米安保体制を前提とし、改憲に向けた流れを推し進め、自国軍隊の派兵を通して日帝の国際的覇権、新たなアジア支配体制の確立を目指しているということだ。前原誠司ら対米関係重視を主張する流れと、小沢一郎ら国連の権威を利用して日本独自の軍事外交路線の確立を重視する流れとがあるにせよ、日米同盟堅持・改憲・戦争国家化という点では共通である。さらに民主党は、国連の要請があれば軍事的措置にも参加すると主張したり、また小沢一郎が自衛隊とは別の軍事組織「国連待機部隊」創設を、前原誠司らが集団的自衛権の行使を強硬に主張するなど、自民党以上に強硬に戦争国家体制作りを推し進める危険を持っている。我々は民主党政権によるこうした戦争国家体制作り、「緊密で対等な日米関係」という日米同盟堅持の軍事・外交路線を断固粉砕しなければならない。

 その上で、民主党のマニュフェストに記載されている、「日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む」との主張について触れておこう。

 日米地位協定の改定や米軍再編の中止が、全国の反基地闘争にとって重大な課題であることはいうまでもない。この間、沖縄、そして岩国、神奈川をはじめ全国で米軍再編に伴う基地の拡張や新基地の建設に反対する住民運動が歴史的な前進を勝ち取ってきた。また各地で米軍による性暴力事件、殺人や強盗などの凶悪犯罪が頻発すると同時に、日本の司法当局が不起訴処分を乱発し米軍犯罪を野放しにしている実態、さらに日本政府が裁判権を放棄するとの密約の存在が明らかになっている。また米軍による核持込の密約問題もあらためて浮上している。

 これらの問題の根本的解決のためには、日米安保条約そのものを破棄し、米軍基地の総撤収を実現することが不可欠だ。一方、日米同盟を機軸に据えた上での関係見直しを主張する民主党に希望を託すことはできない。例えば民主党は、これまで国会内では自民党が進める自衛隊のインド洋派兵法案に反対したが、すでに政権奪取した後には派兵を継続することを明らかにしている。辺野古新基地建設については県外移設を求めることを公約としているが、選挙中から党首鳩山は「政権をとった直後に交渉してすぐに解決できるものではない」と発言し、妥協の色をにじませている。

 我々は安保粉砕・基地撤去の原則をしっかりと堅持し、また大衆的な反基地闘争の力こそが事態を決する根本的な力であることを再度鮮明にして、民主党政権と対峙する今秋の反基地・反安保闘争を断固として前進させなければならない。

 日本独占資本主義とその権力機構に一指も触れることのない民主党政権が、早晩これまでの保守反動政権と同様の反人民性をさらけ出すことは確実だ。このことを徹底的に暴露し、反帝政治闘争の歴史的拡大を準備しようではないか。



  第二章 今こそ、階級闘争の国際的結合を


 世界恐慌の深まりのなか、世界中で大量解雇・リストラの嵐が吹き荒れている。国際労働機関(ILO)は、全世界で二〇〇九年に新たに三千万人から五千万人が失業し、全世界の失業率が6・5~7・4%になるだろう、との予測を発表している。

 とめどなく進行する経済危機の深まりに対して帝国主義諸国政府は自国資本を防衛するために、中国・インドなどの新興国を加えたG20を召集し、信用収縮と生産縮小、世界的な連鎖倒産を阻止すべく二〇一〇年末までに五百兆円の財政出動を行うことを打ち出した。G20はこの財政出動が実施されれば、全世界で数百万人の雇用が創出されるとしているが、先に見た五千万人にもおよぶ失業者の増加と比べてさえ桁が足りない。

 世界中で大失業と貧困が拡大し、また各国政府がこの労働者の状況に対してまったくの無策ぶりをさらすなか、経済危機は政治危機へと転化しようとしている。日本における自民党・麻生政権の崩壊、米国における共和党・ブッシュ政権の敗北は、まさにその序章だといえるだろう。「変革者」の看板を掲げて登場した両国の民主党政権が、自国の独占資本の生き残りに汲々とし、労働者人民の生活はますます困窮を極めるという現実があらわとなるなかで、日米帝足下の階級闘争が新たな局面を迎えることは確実だ。またフィリピンでは汚職と腐敗にまみれたアロヨ政権への怒りが、世界的な経済危機の波及のなかでさらに拡大し、アロヨ打倒闘争の新たな高まりを呼びおこしている。韓国でも非正規雇用労働者を中心とした大量解雇の攻撃と、一方での李明博政権の巨大開発事業への税金の大規模な投入といった事態のなかで、政権支持率は低下しつづけ、これを反政府闘争へと組織せんとする労働者階級の闘いが続いている。

 こうした情勢のなか、日米のアジア支配・侵略に反対するアジア・キャンペーン(AWC)は、九月二十六日から二十七日にアジア各国・地域の人民運動、反帝勢力を結集して、AWC第三回総会を開催しようとしている。我々はこのAWCの取り組みを断固として支持し、これをアジアにおける反帝統一戦線として建設することを訴える。

 AWCはこの第三回総会の開催にあたり、その目的を端的に三点にわたって明らかにしている。その第一は、世界恐慌下の資本の攻勢に対し、労働者人民の国際共同闘争を準備することであり、第二は、アジアからの米軍総撤収に向けた闘いを前進させることである。世界恐慌が政治危機へと転化する世界情勢のなかで、帝国主義による軍事支配がますます強固なものへと再編されつつある。オバマ政権はアフガニスタンやフィリピンでの「対テロ戦争」を強化しており、また日本での民主党政権の登場に際しても即座に、辺野古新基地建設を含む米軍再編について日本政府との見直し交渉には応じないと明言した。国境を越えて展開する米軍と自衛隊に対して、国際的な反戦・反基地闘争を組織し、米軍再編を阻止することは先進的労働者・学生にとって喫緊の課題である。

 さらにAWCは第三の課題として、「新たな社会の展望」をテーマにした公開フォーラムへの参加を呼びかけている。世界資本主義体制の危機のなかで、労働者階級・人民の闘いの向こうに、いかなる社会の建設を展望していくのか。各国で反帝闘争、戦闘的労働運動の先頭に立つ先進的労働者・学生が、大衆運動の現実に立脚しながらこの議論を深めることは極めて重要だ。

 さらにアジア共同行動・日本連絡会議は、この第三回総会を踏まえて、十一月岩国における反基地国際連帯集会を呼びかけている。今秋、AWC第三回総会の開催を全力で支えるとともに、十一月岩国集会の成功を全力で勝ち取っていこうではないか。



  ●第三章 10・11三里塚闘争に決起しよう!


 労働者人民の闘いが新たな局面を迎える中にあって、我々はその階級的、政治的発展を断固として組織しなければならない。日帝国家権力と非妥協的に闘い抜いてきた三里塚闘争と労働者階級の闘いを結合し、反帝政治闘争の前進を組織しようではないか。

 日帝国家権力・空港会社は暫定滑走路北延伸部分の供用開始を、当初予定の来年三月から前倒しし、今年十月とすることを発表した。これに伴って七月には新誘導路の供用が強行された。新誘導路は東峰地区を東西に分断し、その西側を空港のなかに取り込むことになり、住民は大騒音と排ガスによる生活破壊に晒されることになる。さらにこの工事に伴い、東峰の森はその三分の二が伐採され破壊された。加えて延伸滑走路の供用が始まれば、農家の上空四十メートルをジャンボ機が離着陸するという殺人的な事態になろうとしている。まさに農民殺しの供用強行を絶対に許すことはできない。

 一方で土地強奪に敢然と闘いぬく市東さんの農地を、なんとしても強奪しようという空港会社は、市東さんに対して「土地明け渡し」を求める裁判攻撃を続けている。だが逆に裁判の場では、空港会社の側こそが不在地主を違法とする農地法第六条に違反して、違法に土地を買収していた事実が明らかになっているのだ。

 市東さんの闘いへの支援の広がりと、裁判の場での反撃に直面した日帝国家権力・空港会社は、今年七月、市東さんの宅地と農地を取り囲む形となる第三誘導路計画なるものを発表した。まさに農地強奪のためには手段を選ばない、国家権力の暴力性があらわとなっている。

 こうした情勢のもと、三里塚芝山連合空港反対同盟は来る十月十一日に全国集会を開催する。「空港絶対反対、農地死守、実力闘争、一切の話し合い拒否」という反対同盟の歴史的な闘いは、世界恐慌の時代にあって反帝闘争拠点としてのその意義をますます鮮明なものとしている。沖縄をはじめとする全国の反基地住民闘争、失業・リストラ攻撃と闘う階級的労働運動と結合し、今秋、三里塚に全国から結集しよう!

 

 

 

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