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『戦旗』第1337号(2009年10月20日)




 日米首脳会談反対―米軍再編粉砕! 天皇在位20年奉祝反対!

 11月岩国国際反基地闘争へ

 11・8沖縄の怒りと共に辺野古新基地建設粉砕!





 十一月中旬、オバマ大統領が初来日する。「チェンジ」を掲げアメリカ初の黒人大統領となったオバマも、国内では失業率10%に突入する経済苦境で支持率を低下させている。ブッシュとは対照的に「核なき世界」演説で軍縮ムードを高めたが、「対テロ戦争」は泥沼化している。

 オバマ大統領は首脳会談で鳩山・民主党政権に対し、在日米軍再編の履行を強く求めようとしている。民主党は「米軍再編の見直し」を掲げていたが、米帝の圧力に動揺している。我々は、沖縄をはじめ米軍再編とたたかう民衆とともに、首脳会談での米軍再編強行の意思統一を断固阻止しなければならない。岩国国際反基地集会を集約点とする十一月の連続闘争を、反帝・国際主義派の旗幟を鮮明にしてたたかおう。



 ●第1章 反帝国際共同闘争のさらなる前進を


「日米のアジア支配に反対するアジア・キャンペーン(AWC)」は九月二十六~二十七日、京都において第三回総会を開催した。総会のテーマは、「アジア太平洋地域の労働者、民衆は団結し、戦争・抑圧・搾取に抗する共同闘争を前進させよう!」だ。海外からはフィリピン新民族主義者同盟(BAYAN)、AWC韓国委員会、台湾労働人権協会、インドネシア文化活動家ネットワークの四つのAWC参加団体のほか、アメリカANSWER連合、アジア太平洋青年学生協会(ASA)が参加した。さらにフィリピン人の移民組織ガブリエラ・ジャパンと、沖縄のたたかう人士も参加した。京都や大阪をはじめ山口や東京からも労働者や学生、市民運動の活動家がつめかけ、二日間にわたって熱心な討論をくりひろげた。

 いま「ブッシュ・小泉」を頭目とする、露骨な侵略戦争と新自由主義の攻撃の時代を経て、「オバマ・鳩山」の時代に至ったが、金融恐慌と大失業が世界を覆っている。この時代を変革するにふさわしい組織へとAWCが飛躍していくために、今総会がかちとられた意義は大きい。

 総会では、主にAWC全体の活動報告、各国・地域や諸団体の報告を踏まえた論議が活発に展開された。アジア諸国・地域、アメリカの情勢と民衆のたたかいがリアルに伝わってくる報告だった。民衆の解放闘争をともにたたかう立場から質疑応答、意見交換が展開され、各国語が会場をとびかった。

 一日目の夜には、アジア共同行動日本連の主催で、関連企画としてフォーラム「資本主義に代わる新たな社会への展望」が開かれた。資本主義の矛盾が世界的に噴出する中で、これを乗り越える社会をどのようなものとして展望し、そこに向けてどのような闘争を組織するのか。各国のゲストがそれぞれの思いを述べ、日本側参加者からも自由闊達に意見や問いかけが発せられた。

 二日目の午後、前日の議論の積み重ねの上に立って、AWCの活動方針と新たな規約が提起された。

 活動方針を策定するにあたって、現代の世界情勢をどのように把握するのか、とりわけアメリカ帝国主義の評価をめぐり大いに議論となった。没落しつつある米帝国主義とどう対決するのか。それは米帝の世界支配にあえぎ、解放を求めるアジア民衆にとって現実的で切実な課題だ。真剣な討議がなされた上で、AWCの具体的な課題がいくつか提起された。

 今後数年間の反帝国主義・共同闘争、アジアにおける反戦平和闘争、アジアから米軍総撤収を実現するための共同闘争、これらをいかなるスローガンのもとに具体的にたたかうのかが確定した。さらには、プロレタリア国際主義の精神にもとづいて、「各国・地域で直面するたたかいへの支援と連帯」も丁寧に話し合われ、いくつかの具体的事項を確認するにいたった。

 続いて、AWC規約の改定案が提起された。民主的な相互ネットワークであるAWCにふさわしく、「組織と会議」のあり方をめぐって、「運営原則」をめぐって、主体的な忌憚のない意見が各国・地域の運動団体から寄せられた。司会者は追加・修正意見を集約し、それを改めて参加者全体で確認した。

 全体の運動方針採択とともに、当面する重要な闘争についての決議も確認された。それは、「米軍再編計画に反対し撤回をかちとろう/岩国基地大強化に反対しよう/アジア太平洋地域の米軍総撤収をかちとろう/AWC第三回総会決議」と、「二〇一〇年横浜APECに反対する国際共同闘争の決議」のふたつだ。AWCが一貫して反対してきた日米軍事同盟の強化、そして新自由主義グローバリゼーションによるアジア民衆の貧困と抑圧、それらとたたかう決議として、米軍再編反対と横浜APEC反対が明確に打ち出された。この二大方針は、AWCの二〇一〇年までのたたかいを展望したものだ。この決議を支持し、ともにたたかおう。

 総会の最後に、新たな共同代表(フィリピン、韓国、日本)と事務局長(日本)が選出された。

 こうして新たな執行体制と、活動方針・規約をもって、AWCは再出発することとなった。AWCが結成二十年を迎える二〇一二年に、第四回総会が開催される。AWC運動はそれまでの三年間、たたかうアジア民衆を代表し、反帝国主義に貫かれた共同闘争を断固として推進しようとしている。

 AWC、アジア共同行動日本連への支持・支援をさらに拡大していこう。



 
●第2章 オバマ来日―日米首脳会談、天皇在位20年奉祝粉砕


 ▼1節 米帝オバマ政権の米軍再編重圧粉砕

 鳩山首相は九月に訪米し、初の日米首脳会談をおこなった。オバマ大統領が会談の冒頭で、「日米同盟は両国の安全保障、経済の基軸だ」「一つ一つ(懸案を)解決したい」と述べると、鳩山は「日米安保体制はアジア・太平洋地域の平和と安定の礎」「いかなる問題も同盟の基軸を強化する形で緊密に協力したい」と応じた。かれらはそれぞれのブルジョアジーの利害を代表し、日米軍事同盟の強化と米軍再編の推進を確認しあった。同時に、鳩山は朝鮮民主主義人民共和国の「拉致問題」への協力をオバマに要請した。こうした姿勢は自民党政府となんら変わらない。

 ただし、鳩山首相や岡田外相が公言してきた普天間基地の「県外移設」「国外移設」という具体的な問題に関しては、首脳会談では触れられなかった。ここに鳩山政権の弱点がある。

 「緊密で対等な日米同盟関係」を掲げる鳩山は、一方で「東アジア共同体」構想を打ち出している。これについて米帝内部でも「アメリカ離れではないか」との警戒感が広がっていた。首脳会談では日米軍事同盟の堅持を約束することで、鳩山はその懸念を払拭することに努めたと言える。だが鳩山には、日帝の延命のためには、日帝が中心となって「東アジア共同体」を、EUや米帝と対抗した勢力圏として構築することが必要だとの狙いがある。鳩山がいうところの「経済協力と安全保障の枠組みづくり」としての「東アジア共同体」構想には、アジア民衆を収奪する、排他的・他帝対抗的なブロックを形成しなければ延命できないとする日本の独占ブルジョアジーの願望がひそんでいる。

 そのような意志を持ちつつ、当面は米帝との軍事協力を推進することを通じて自衛隊の強化をはかる日帝・鳩山政権は、十一月にオバマを日本に招き、改めて首脳会談をおこなおうとしている。アラビア海への自衛隊派兵問題、米軍基地再編問題など具体的な論議が行われることになる。

 我々はブルジョアジーの代理人である鳩山政権にいかなる幻想も持っていない。しかし、自民党支配に怒り、沖縄人民をはじめ米軍再編を止めるため民主党に投票した人民の声を、民主党も今の段階では足蹴にすることはできない。この現在の有利な情勢を利用して、民主・社民・国民新党の連立政権に対して人民の意思をつきつけ、米軍再編阻止、基地の撤去を実現させていく絶好のチャンスが到来した。十一月連続闘争を、そのような積極的位置づけでたたかいぬこう。


 ▼2節 天皇在位20年奉祝粉砕闘争に決起を

 一九八九年に現天皇明仁が即位してから二十年。これにかこつけた「奉祝」キャンペーンが開始され、天皇制・天皇制イデオロギー攻撃がふたたび浮上している。これと対決し、十一月十二日に行われようとしている「在位二十年奉祝式典」とたたかおう。

 天皇在位二十年奉祝行事は、もともと旧自公政権が準備してきたものだが、鳩山政権はこれを引き継ごうとしている。そもそも昨年十月に発足した超党派の国会議員による「天皇陛下御即位二十年奉祝国会議員連盟」(会長・森喜朗)には鳩山由紀夫も名を連ねていた。鳩山自身が祖父の代から受け継がれた反共の天皇主義者であり、「友愛」なるスローガンもまた天皇制のもとでの階級融和(階級闘争の鎮圧)を意味しているのだ。
 やはり昨年六月に発足した「天皇陛下御即位二十年奉祝委員会」は、民間から奉祝ムードを煽るためにつくられたものだが、象徴的なことに経団連会長の御手洗が名誉会長に就いている。

 まさに在位二十年式典の狙いは、民主党も自民党も一致して天皇制のもとに民衆を統合していくことにある。金融恐慌と大失業攻撃が吹き荒れるなかで、階級闘争が高揚していくことを独占資本とその代理人たちは心底恐れている。天皇明仁自身、みずからに与えられた役割を意識して「格差社会」について「弱者に配慮を」などと発言してきた(〇七年十二月)。「格差」の頂点にいる天皇がこのような発言をすること自体、笑止千万だが、しかし今や日本資本主義の危機は天皇制と「友愛」という幻想のイデオロギーをもってしか、階級支配を隠蔽することができなくなっているのだ。

 このなかで「在日特権を許さない市民の会」など右翼排外主義者の動きが活性化している。かれらは民主党首班政権の成立に重大な危機感を持ち、外国人参政権法案の成立や移民労働者の増加を実力で阻止するなどと主張している。在日外国人への敵意を煽り、中国や韓国・共和国への敵対運動を進めている。8・15靖国や九月「外国人参政権断固反対」を掲げたデモでは、排外主義に反対する市民への集団リンチ・白色テロルに手を染めている。

 我々は右翼排外主義者による街頭制圧、白色テロルの横行を断じて許してはならない。とりわけ在日・滞日外国人への襲撃を何としても食い止めなければならない。と同時にこのたたかいは、天皇制をよりどころとする民族排外主義の鼓吹に、青年学生がからめとられていくのをいかにして阻止し、帝国主義とたたかう側に獲得していくのかという、まさにその意味で組織戦でもある。

 したがって我々は、青年学生の階級闘争への組織化のたたかいと一体のものとして、「在特会」ら民族排外主義者との対決、「天皇在位二十年奉祝」粉砕闘争を位置づけてたたかおう。十一月十二日に狙われている、政府主催「国家式典」と皇居前での「国民祭典」に反対しよう。


 ▼3節 11月連続闘争を闘い抜こう


 「有事立法―改憲阻止 反帝国際連帯 反戦闘争実行委員会」(以下、反戦闘争実)は、「オバマ来日―日米首脳会談粉砕 アフガニスタン侵略戦争反対 米軍再編阻止 天皇在位二十年奉祝反対」を掲げて、十一月一日集会とデモを呼びかけている。この闘争を皮切りに、十一月連続闘争を全国で開始しよう。

 米帝オバマ大統領は十一月中旬に来日する。そして鳩山首相との会談で、両国の「懸案事項」である、普天間基地の辺野古移設をはじめとする在日米軍再編をごり押しするだろう。

 報道によれば、首脳会談が迫るなか、民主党内では普天間移設計画について、いまだ結論は出ていない。十月二日、平野博文官房長官は、岡田克也外相、北沢俊美防衛相、前原誠司沖縄北方担当相を首相官邸に集めて協議したが、「県外移設」を見直すのかどうかという方向性すら出せなかった。まさに沖縄民衆のたたかいが民主党の動向を規定している。

 オバマ大統領と鳩山首相の会談そのものは、「ブッシュ・小泉」政治からの変革を印象付けるものとして演出されるだろう。たとえば、軍事面ではオバマのいう「核なき世界」なる軍縮と国際協調の幻想がうたわれ、鳩山がそれを唱和する。だが実際にはイラク占領支配は継続し、アフガニスタンでは人民虐殺が続いている。帝国主義の核独占は微塵も揺らいでいない。経済面では「行き過ぎた市場経済の是正」を打ち出して、資本主義経済の危機を突破できるかのように演出するだろう。だが実際にはアメリカで失業率はまもなく10%を超える勢いであり、改善の見通しはない。日本でも失業率は5・7%と戦後最悪を更新し続けている(八月末の総務省発表)。欺瞞のベールに包まれた日米首脳会談の本質を暴露しよう。

 沖縄をはじめ岩国、横須賀など基地とたたかう住民と連帯し、首脳会談での米軍再編強行に向けた意志一致を、何としても粉砕しよう。

 十一月一日の反戦闘争実の集会・デモを皮切りに、11・12天皇在位二十年奉祝反対闘争、十一月オバマ来日阻止闘争を連続してたたかおう。



 ●第3章 11月岩国現地へ全国から総力で決起しよう


 すでに述べたように、十一月オバマ来日―日米首脳会談は、米軍再編粉砕闘争の大きな結節点になる。ここに向けて沖縄、岩国、神奈川など全国の反基地闘争をさらに前進させ、米軍再編そのものを破綻させることだ。その集約点として、十一月末の岩国国際反基地集会を位置づけよう。

 沖縄では、「普天間飛行場の即時閉鎖・辺野古新基地建設反対! 9・18県民集会」がたたかわれ、五百五十名の沖縄人民が結集した。集会決議は次の三つを日米当局者に突きつけた。「一、普天間基地を即時閉鎖し、返還すること。二、辺野古新基地計画、高江のヘリパッド建設計画を白紙撤回すること。三、辺野古の違法な環境アセスを中止し、あわせて関連予算を凍結すること」。まったく当然の要求だ。「県民集会」参加者は、この決議をもって、対政府行動(東京行動)も予定している。さらに沖縄現地ではオバマ来日に対して三万人規模の「県民大会」も予定されている。

 積年にわたる米軍基地の重圧、たび重なる米兵犯罪・事故に対する怒りは、去る衆院選で沖縄選出の自民党議員が全員落選するという形で現れた。民主党連立政権がこの沖縄人民の怒りをねじまげ、普天間移設や地位協定「見直し」で安易な妥協をすれば、その怒りは民主党連立政権に向かうことになる。このとき、沖縄のたたかいを「沖縄の基地問題」として孤立させてはならない。岩国や横須賀など住民の反基地闘争と沖縄のたたかいを結合させ、在日米軍再編そのものを阻止するたたかいへ領導していくことが問われている。

 おりしも神奈川では、九月二十六日、米原子力空母ジョージ・ワシントン横須賀配備一周年抗議全国集会が三千五百人の結集でたたかわれた。さらに十一月二十一日にも、米軍座間キャンプと厚木飛行場を貫く反基地闘争がたたかわれようとしている。

 そして岩国でも爆音訴訟が始まっている。岩国市の米海兵隊岩国基地周辺の住民の四百七十六人もの人々が、国を相手取りたたかいにたちあがった。騒音被害に対する五億四千七百四十万円の損害賠償や、空母艦載機部隊の同基地への移駐差し止めなどを求めている。十月二日に開かれた第二回口頭弁論では、原告の方々が基地に対する怒りをこめて訴えた。「戦闘機が飛ぶと電話もテレビも聞こえない。天井も壁も防音工事をしたが全く効果はない」「母乳を与えていた娘が孫の耳をふさいで覆いかぶさり、爆音が去るのを待つ。なぜこんな目に遭わなければいけないのか」。岩国市民は爆音訴訟、愛宕山米軍住宅建設訴訟をはじめ、「国にだまされるのはもうごめんだ」「政権交代をチャンスに」と精力的な運動を展開している。

 こうした反基地の粘り強いたたかいを支持し、共にたたかい、米軍再編阻止へつなげていこう。

 米軍はアジア全域で民衆運動の敵対物となって現れている。韓国では、イミョンバク政権が6・15南北共同宣言の精神を投げ捨てて、南北関係の緊張を生み出している。PSI(拡散に対する安全保障構想)に参加し、国防費の増加と米韓軍事訓練の強化をすすめ、共和国に対して一方的に核の放棄を迫っている。共和国に対する敵視政策を強めることで政権支持率を高めようとしているのだ。こうした反共和国、反統一政策を根本で規定しているのは、米帝の共和国敵視政策にほかならない。

 フィリピンでは二〇〇二年の米比合同軍事演習バリカタン以後、米軍が常駐している。フィリピン国軍を指導し、戦闘にも参加している。米軍は「アブサヤフ掃討の反テロ戦争」を名目にしてミンダナオ島を中心に展開し、解放を求めるフィリピン人民を虐殺している。これがいま実際に起きていることだ。BAYANが指摘するように、米軍は一時的な「訪問者」ではない。いまVFA(比米訪問軍協定)はフィリピンの主権を侵害する憲法違反の法律だとして、議会内外でフィリピン人民がたたかっている。

 フィリピンでも韓国でも、解放をもとめる民衆にとって米軍が最大の抑圧者であり、疎外物であることは明らかだ。我々は、沖縄・岩国をはじめとする在日米軍再編阻止のたたかいを、フィリピン・韓国の民衆闘争と結合を結合させ、アジアから米軍を総撤収させていく展望を切り開く。十一月岩国国際反基地集会はまさにそのようなたたかいとしてとりくまれる。全国から総力で結集しよう。



 

 

 

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