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『戦旗』第1352号(2010年6月20日)



 日米安保強化、増税に突き進む日帝―民主党政権打倒

  辺野古、高江基地建設阻止!

  反対同盟とともに団結街道閉鎖阻止

  朝鮮学校の「高校無償化」排除反対




 五月二十八日日米両政府は、普天間基地移設先を辺野古周辺とする共同声明を発表した。日本政府はこれを受けて基地移設先を辺野古周辺と明記する対処方針を出した!沖縄人民の闘いを踏みにじる暴挙以外のなにものでもない!
 ギリシャ危機―ユーロ危機のなかで、金融市場は〇八年のリーマン・ショック以来の急落と混乱に陥っている。世界金融恐慌はもう一段の危機へと突入しつつある。
 劇的規模で進行する生活破壊の中で呻吟する労働者階級人民は、まさに資本主義総体の危機に対してこれを打ち破る展望を渇望して闘っている。
 我々はこれら全世界の労働者階級人民の闘いと結合し、自国帝国主義打倒の闘いを推進していかなければならない。日米安保の根幹を揺り動かしている沖縄、そして「反戦の砦」といわれる三里塚、これら闘いの中にこそ労働者階級人民の未来を切り開く展望が存在する。
 そして我々はアジア共同行動(AWC)日本連絡会議の闘いに断固支持連帯し、アジア各国の階級闘争との具体的実践的連帯を深化させていく。同時に米軍再編に対して全市的規模で闘う山口県岩国、神奈川県座間・厚木の闘いと結合し米軍再編―日米安保粉砕を地元住民の闘いと結合した内実で闘おう!そして首都戒厳体制を突破し、十一月横浜APEC粉砕の国際共同闘争に断固決起しようではないか!


  第1章 辺野古新基地建設攻撃を断固として粉砕しよう

 五月二十八日、鳩山首相は米帝オバマ大統領と電話会談後、普天間基地の移設先を「辺野古周辺」と明記した共同声明を発表した。我々は沖縄人民の闘いを踏みにじるこの反革命合意を断固弾劾する!
 五月二十二日、岡田外相とルース駐日大使の間で普天間基地の移設先を「辺野古周辺」とすることが合意された。そして二十八日午前に日米の外務・防衛担当閣僚会議(2プラス2)という形で、移設先を辺野古周辺とする共同声明が発表された。これを受けて夜の臨時閣議で辺野古周辺を明記した政府としての対処方針を発表した。反対する社民党閣僚を罷免しての強行である。
 この日米共同声明は日米安全保障協議委員会(SCC)メンバーである岡田外相、北澤防衛相、クリントン国務長官、ゲーツ国防長官の連名で発表されている。その前文には「日米安全保障条約の署名五十周年に当たる本年、日米同盟が日本の防衛のみならず、アジア太平洋地域の平和、安全及び繁栄にとっても引き続き不可欠であることを再確認した」「さらに、沖縄を含む日本における米軍の強固な前方のプレゼンスが、日本を防衛し、地域の安全を維持するために必要な抑止力と能力を提供することを認識した」と書かれている。
 すなわち、共同声明はあくまでも日米安保体制維持の確認を基軸とし、アジア太平洋地域の安全にとっての米軍「抑止力」という共通認識を前提としており、その具体的中身として「〇六年五月一日のSCC文書『再編実施のための日米ロードマップ』に記された再編案を着実に実施する決意を確認した」ということである。〇六年の「日米ロードマップ」の再確認こそが5・28日米共同声明の政治的位置付けである。
具体的中身でも「ロードマップ」と同等、もしくはより以上に悪質である。当初日本側は、共同声明にいたる実務者協議で基地滑走路を一本に縮小し自衛隊との共同使用を求めた。しかし米側は共同使用する場合には更なる基地の拡張を要求。さらに、「共同声明の英文は、滑走路に複数形の『S』がかっこ書きで付き、滑走路が複数になる可能性をしめした」(五月三十一日付『東京新聞』)。
また「環境」という見出しのなかで、「『緑の同盟』に関する日米の協力により、日本国内およびグアムにおいて調整中の米国の基地に再生可能エネルギーの技術を導入する方法を、在日米軍駐留経費負担(HNS)の一構成要素とすることを含め、検討することになる」と述べられている。ここで言う「HNS」とはいわゆる「思いやり予算」である。「緑の同盟」とはなにか。「外務省日米安全保障条約課の担当者は『日米が協力する中で大事にしていく考えや方向性を示したもので、具体的にどの分野で何をするのかはこれからの論議』とはぐらかす」(六月一日付『東京新聞』特報面)と報じられている。要するに、基地機能の環境対策費用を「思いやり予算」から支出しようという中身が付け加わっているのである。
 すなわち、5・28共同声明は辺野古基地の無制限の拡大とグアム移転費用のなし崩し的拡大が指向されているのである。「ロードマップ」案の改悪である。
 まさに噴飯ものの合意である。5・28共同声明は〇六年「ロードマップ」以上の悪質な中身である。この共同声明によって、ある意味鳩山―民主党政権が歴史に名を残すことになったのは確実である。これほどまでに沖縄人民を愚弄し、米軍再編に積極的に手を差し延べた首相がいただろうか!まさに「画歴史的」政治である!
 しかし共同声明によっても沖縄人民の闘いをけっして押し止どめることはできない。沖縄県知事、名護市長ともども受け入れには反対の立場を表明している。これら首長の立場表明の裏には、まさにマグマのように胎動している沖縄の怒りがあるのである。これら怒りを無視した強行策はより一層の混乱をもたらすだけだ。名護―辺野古新基地建設は日米安保の根幹にふれる問題であり、新基地建設の遅滞・停滞は日米安保体制そのものの根幹を揺るがすことになる。日米安保体制の意義そのものが揺らいでいるのである。
 4・25県民大会、5・16普天間基地包囲行動、さらには二度にわたる鳩山の訪沖弾劾行動、これら具体的な闘いの一つ一つが日帝―鳩山を追い詰めている。
 我々は沖縄人民とともに断固として反基地闘争に立ち上がり、日米安保をその根底から粉砕していこうではないか!沖縄人民の怒りと結合し、米軍再編反対―日米安保粉砕を闘おう!


  第2章 市東さん不当逮捕弾劾!団結街道閉鎖阻止闘おう

 そしてこの沖縄の闘いと同時に、我々は「反戦の砦」と言われ国内反帝闘争の拠点たる三里塚の闘いと結合しなければならない。革命的左翼として「農地死守・実力闘争」を掲げる三里塚芝山連合空港反対同盟とともに第三誘導路建設阻止を闘おう。
 五月十七日、あろうことか日帝国家権力―千葉県警は市東孝雄さんの不当逮捕を行った。我々はこの暴挙を絶対に許すわけにはいかない!満身の怒りをこめて徹底弾劾する!
 この日、空港会社は団結街道の閉鎖通告をするための看板設置を強行しようとした。しかし団結街道の先には市東さんの畑があり、道路閉鎖―通行禁止は明かに第三誘導路建設に向けた生活破壊・営農破壊攻撃そのものである。しかもこの看板は「五月二十日」の使用期限のわずか三日前にして、当の市東さんにまったく無断で立てられようとしたのである。
 こうした暴挙に市東さんは全く正当な抗議行動を行った。無断で、しかも違法かつ暴力的に生活道を通行禁止にするとすれば誰であろうとも激怒するのは当たり前である。しかし空港会社と千葉県警と成田警察署は、市東さんの正当な抗議行動によってたかっての暴行を加え、そのままパトカーで連行するという弾圧をもって応えたのである!
 三里塚芝山連合空港反対同盟はすぐさま「弾劾声明」を発した。そこでは全国の支援者に「反対同盟はこの暴挙を徹底弾劾し、市道(団結街道)閉鎖阻止、第三誘導路認可・着工粉砕の実力闘争を決意する」と檄を飛ばしている。さらに市東さんは獄中から、「自分は元気です。私は頑張りますから皆さんも頑張って下さい。これで俺たちは本気だということを、空港会社に知らしめることができた」と呼びかけている。我々はこの反対同盟の決意と市東さんの不屈の呼びかけに応え、断固として第三誘導路建設阻止の闘いに邁進しなければならない。
 反対同盟は5・16現地闘争に続き、5・20緊急闘争、5・24第三誘導路公聴会粉砕闘争、さらには五月二十六日には午前中に市東さん農地法裁判、午後に市東さんの拘留理由開示裁判とまさに連続した闘争に立ち上がっている。空港会社が宣言した団結街道北側部分の閉鎖攻撃は、その冒頭から市東さんの決起と5・20緊急現地闘争によって実力で粉砕されている。反対同盟はこの勝利を引き継ぎ、六~七月を決戦として闘いぬく方針である。
 現在、追い詰められているのは空港会社側である。
 国交相前原の「羽田国際ハブ空港」方針は、日本航空の経営破綻の状況によってより現実化している。銀行団の支援を受けて再建中の日航にとっては、成田の国際線を減便し一方で羽田の国際線を増やして収益を上げるしか延命の道はない。羽田が国際ハブ空港として浮上することはすなわち、成田の必要性が相対的に下降するということである。「公団」組織から民間の会社として再編された空港会社―そして空港そのものの基盤が脅かされるということでもある。そしてこの問題は、農民無視の閣議決定をもって空港建設を決定し、農民の反対運動に対して金と暴力をもって弾圧してきた日帝の成田空港政策そのもののが誤りだったことに起因するのだ。
 ずさんな計画で東峰の森を破壊して建設を強行した「第二誘導路」は、危険なため使用できなくなっている。こんなずさんな空港会社が「第三誘導路」を建設するなどは言語道断である!暫定滑走路そのものを即刻閉鎖せよ!
 我々は反対同盟とともに、市東さんの家屋を空港施設で囲い込んで市東さんを叩き出そうという攻撃を絶対に阻止する。第三誘導路建設阻止を闘いぬこう!市東さんとともに、我々も「本気だということを空港会社に知らしめる」闘いを貫徹しようではないか!


  第3章 6月アジア共同行動の成功を、国際連帯運動を推進しよう

 そして我々は沖縄、三里塚を大衆的に闘いながら、これら闘いの地平を国際連帯運動のさらなる前進と結合させて闘っていこうではないか。アジア共同行動日本連が全国で展開している、六月アジア共同行動を成功させよう!
 六月十七日神戸、十八日名古屋、十九日福山、二十日東京、二十日北九州、二十一日大阪、二十三日京都などで国際連帯集会が開催される。これら六月行動の中で、反帝国際連帯運動の今日的課題は鮮明になってきている。
 第一に、アジアの労働者階級人民と労働運動や反基地運動等の実践的課題での結合をさらに強化していかなければならない。特に韓国反基地運動・労働運動との実践的連帯を強化していこうではないか。
 韓国軍哨戒艦「天安」沈没事件をもって、イ・ミョンバク政権は朝鮮民主主義人民共和国への敵視攻撃を強めている。そして、これに日米両帝国主義が呼応し、朝鮮半島の軍事的緊張は日増しに高まってきている。さらにこの「哨戒艦沈没事件」が沖縄の新基地建設と連動してきているのである。
 この「沈没事件」は未だ謎が多く、全容が開明されてはいない。韓国政府が「北」の仕業として主張する根拠は、船体と海底から発見されたとする極微量の火薬成分と「五月十五日に漁船が回収した」とされる部品のみである。しかし一方で生存者の陳述書すら公表されてはいない。そもそも、事故当日に大規模な韓米合同軍事演習が行なわれていた事実を我々は決して見過ごすことはできない。そして韓国政府と軍は調査過程に疑問を提起した人々への告発を乱発し弾圧しているのだ。
 すでにアジア共同行動日本連絡会議はかかる事態に対して声明を発している。アジア共同行動と共に、イ・ミョンバク政権を後押し朝鮮半島の軍事的緊張を高める日米帝国主義と闘おう!闘う韓国民衆と連帯し、日米韓軍事同盟を粉砕せよ!
 第二に、5・16普天間基地包囲行動を頂点とする五月沖縄行動をうけ、普天間基地の即時閉鎖―「県内移設」断固阻止の闘いを全国でさらに推し進めていこうではないか。
 民主党政権は日米共同声明によって辺野古新基地建設を方針化したが、沖縄人民の闘いの火の手がこれで止まるものではない。沖縄人民の怒りと結合し、米軍再編反対―日米安保粉砕を闘おう。そして沖縄の闘いをはじめとして、山口県岩国、神奈川県座間・厚木の反基地住民運動等の全国の米軍再編反対闘争と結合し、日米安保五十周年弾劾を闘いぬこうではないか。
 第三に、かかる闘いの推進の過程で発生する右翼―排外主義集団との社会的闘いを貫徹しよう。関西で闘われた3・28と5・30の反排外主義集会は圧倒的大衆の結集をもって成功した。これらの地平を継承し、排外主義集団を包囲する闘いを巻き起こそう!
そして最後に、これら闘いの地平の発展をかけて十一月ソウルG20―横浜APEC反対の国際共同闘争の大衆的成功を勝ち取ろう!
 すでに日帝暴力装置―政治警察は対横浜APECを想定した治安訓練を行っている。革命党と先進的人士に対する予防弾圧が行われようとしている。実際、警察権力は〇八年の洞爺湖サミットで闘う労働者を不当逮捕し、関係のない事務所の家宅捜索を強行してきた。今回もまた同様の予防弾圧があることは想像に難くない。しかし一方、この〇八年の不当弾圧に被弾圧者は完全黙秘を貫徹し、国家権力の攻撃を無力化する闘いに勝利しているではないか!我々はこの闘う労働者闘いを我がものとし、いかなる弾圧があろうともこれを粉砕して決起していかなければならない。
あらゆる弾圧を粉砕し、十一月ソウルG20と横浜APECを国際共同闘争の大爆発で迎え撃て!国際主義の大衆的前進をもって帝国主義者の野望を粉砕せよ!

 

 

 

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