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『戦旗』第1354号(2010年7月20日)



 8・6広島に決起しよう

 普天間基地撤去―辺野古新基地建設阻止

 団結街道閉鎖弾劾! 現闘本部を守れ

 日米韓の合同軍事演習強行弾劾!





 この六月、アジア共同行動日本連絡会議の呼びかけによって、全国で、双龍自動車労組への連帯集会が取り組まれた。また、同時に、安保改定五十年に際して、鳩山辞任と菅政権発足による沖縄基地問題の後景化策動に抗し、全国で反基地反安保闘争が推し進められた。また、国際的には、ギリシャで労働者階級の激しいストライキが連続して打ち抜かれ、カナダでのG8サミット・G20には国際的な反戦反グローバリゼーション闘争がたたきつけられた。六月闘争の地平を継承し、全国で夏期闘争に突入しよう。


 1章 日米軍事同盟強化へ突き進む菅民主党政権徹底弾劾

 菅政権が発足した。鳩山辞任、菅政権の発足とこのもとでの参議院選挙への突入という事態は、なんであったか。それは、鳩山政権が、普天間移設問題で沖縄や徳之島をはじめとする民意を裏切って日米軍事同盟の強化の道を選択することで、完全にいきづまりやっていけなくなったことを意味した。あわせて、鳩山や小沢の金権腐敗への批判と、民衆の鳩山政権からの離反を受けて、菅への交代が準備されたのである。菅は、自分が市民運動出身であることや世襲議員ではないことを大きく宣伝し、民主党政権に対するイメージの一新をはかることで、参議院選挙に臨もうとしたのであった。
 発足した菅政権が、まずやったことは何であったか。それは、まずオバマと会い、普天間基地移設・辺野古新基地建設を要とする日米共同声明を履行することを約束し、「日米同盟の深化」を誓い合うことであった。そして、沖縄に対しては、沖縄への「過重な基地負担」に対して「感謝の念」を表明することであった。菅政権は、普天間移設問題での民意への裏切りをすべて鳩山政権下でのこととし、参議院選挙を乗り切った後、八月に辺野古新基地の工法決定、秋の日米首脳会談、そして、十一月横浜APEC時に新たな日米安保宣言を発することさえ展望している。また、小泉政権以来となる「防衛計画の大綱」見直しと新たな策定を本年中に進めようとしている。沖縄や徳之島をはじめとした民意を裏切り、無視し切り捨て、日米安保の新たな強化を進めようとする菅民主党政権を徹底して弾劾しよう。
 また、菅民主党政権は、「強い経済、強い財政、強い社会保障」を打ち出した。景気回復と財政再建、社会保障を一体的に立て直すというのであるが、その意味は、消費税大増税で得る資金を成長分野に投入し独占資本の成長をはかるというものなのである。おまけに、消費税大増税の一方で、法人税は大幅に減税するというのだ。菅は、就任早々、日本経団連を訪れ、法人税の実効税率の現行40%から25%までの引き下げ方向に同意した。また、成長分野として社会保障分野を重視し、経済、財政、社会保障の一体的立て直しをはかるとしているが、これは、社会保障分野を資本によるいっそうの利潤追求の場にするということに他ならない。菅政権を押し立てた民主党は、あきらかに、これまでの「生活第一」からの転換を公然とはかりつつある。「子育て手当」の満額支給、「消費税四年間凍結」「労働者派遣法改正」「後期高齢者医療制度撤廃」「障害者自立支援法廃止」、これらの民主党の公約は、すべて先送りか反古にされた。菅民主党政権は、労働者、農漁民、中小零細企業、弱者切り捨てと、日米軍事同盟重視、グローバル資本の国際競争力強化を軸とした独占資本重視へとあからさまに舵を切りつつある。そして、日米同盟を基軸に、鳩山の「東アジア共同体」構想を引き継ぎ、「アジア経済戦略」をかかげEPAを推進することを宣言している。このような目的を推進していくためにも、今秋の横浜APECにむけた議長国として並々ならぬ決意で臨もうとしているのである。民主党政権の下で推し進められていこうとする日米軍事同盟強化、グローバル資本の国際競争力強化と労働者民衆の切り捨て、これらを許してはならない。


 2章 6月反基地反安保闘争、国際連帯運動の意義

 鳩山辞任、菅政権発足という事態のなかで、全国で労働者階級人民は、反基地反安保闘争、国際連帯運動をたたかった。アジア共同行動日本連絡会議は、韓国の双龍自動車労組の代表を招いて、全国で、日韓労働者連帯を推し進める六月アジア共同行動を呼びかけた。双龍自動車労組のたたかいは、韓国で昨年における最大して最も激烈なたたかいであった。それは総資本と総労働の対決を意味した。グローバル化のもとでの大規模な解雇攻撃に対して、七十七日間の武装ストライキを戦い抜いた双龍自動車労組のたたかいは、韓国における労働運動にみならず、日本労働運動にとっても、大きな教訓を投げかけるたたかいである。双龍自動車労組の多くの組合員がいまだ獄中にある。引き続き連帯を強め、日韓労働者の共同の力で、ソウルG20―横浜APEC反対闘争に向かっていこう。日韓両政府は、すでにソウルG20―横浜APECに向けて、共同の弾圧体制を強めている。アジア共同行動日本連絡会議の仲間が、六月に、韓国への入国を拒否されるというとんでもない弾圧が始っている。徹底して弾劾しなければならない。また、フィリピンにおいても、日系企業労組の組合員が新たに虐殺されるという事態が起こっている。こうした韓国やフィリピンでたたかう労働運動との連帯を強め、共同のたたかいを推し進めていこう。六月国際連帯運動は、こうした新たな一歩を大きく踏み出す意義をもったたたかいであった。
 同時に、六月には、全国で、反基地反安保闘争がたたかわれた。アジア共同行動日本連絡会議も、韓国やフィリピンの労働運動と連帯しつつ、反基地反安保闘争をより一層強めることを呼びかけた。「少なくとも県外」と公言してきた鳩山政権が、結局は、辺野古への新基地建設と徳之島への一部訓練移転など、実際は、新たな基地強化と固定化を押しつけてくるという事態は、日米安保の堅持という枠内での移設ということ自身が、基地のたらい回ししか意味しないことを明白に示すものとなった。こうした中で、日米安保そのものを問うことが問われてきた。安保改定五十年を迎えた六月に、安保そのものを拒否するたたかいを新たに再建する必要性が実践的に要求されてきた。反基地闘争を反安保闘争としてたたかうことを明確にした六月闘争の意義は大きい。
 さらに、三里塚では、市東さんに対する不当弾圧と団結街道封鎖強行など、あからさまな敵の攻撃が新たに開始され、これに対するたたかいもたたかいぬかれた。
 それだけではない。全国で、在特会をはじめとする差別・排外主義襲撃に対峙するたたかいが引き続き推し進められると共に、朝鮮学校の「高校無償化」からの排除に反対するたたかいも全国で推進された。関西では、在特会や主権回復を目指す会らの暴力を許さない街頭行動が千五十名の結集でたたかわれた。こうしたたたかいを継続し、今夏のたたかいをさらに発展させよう。


 3章 排外主義と対決し、反帝国際連帯闘争のさらなる前進を

 今夏におけるたたかいの任務は鮮明だ。第一に、全国で引き続き反基地反安保闘争を全力で推進することである。
 民主党政権は、辺野古新基地建設の工法を今夏にも決定しようとしている。絶対に許すな。民主党政権は、鳩山辞任・菅政権発足によって、沖縄基地問題を意図的に後景化させつつ、辺野古新基地建設にむかって、新たに全体重をかけてこようとしている。だが、公然と裏切られ、民意を完全に無視され、日米軍事同盟の強化を押しつけられようとする沖縄をはじめとした全国の反基地勢力は、もはや政府に屈服することはあり得ない。そのたたかいは、安保そのものを問うたたかいとして発展する以外にない。沖縄・徳之島の合意なしに強行した「辺野古新基地建設・徳之島一部移転」を内容とする日米共同宣言の白紙撤回、普天間基地の即時無条件閉鎖、辺野古新基地建設撤回にむけて、新たに反基地闘争のより強力な前進を突きつけていくことである。沖縄・徳之島のたたかいと、岩国、神奈川などでの反基地闘争をより固く結合したたたかいとして、全国で推し進めていくことである。岩国基地大強化反対!愛宕山に米軍住宅はいらない!を掲げ、岩国・労働者反戦交流集会実行委員会とアジア共同行動日本連絡会議の共催で呼びかけられている七月三十日関西学習交流集会に結集しよう。また、韓国掃海鑑沈没事件をめぐる朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国と略)に対する制裁強化、国際包囲網形成と戦争準備を粉砕しよう。共和国脅威を煽り立てることで、鳩山は、抑止力としての米軍が必要だなどと沖縄の米軍基地強化を正当化した。共和国に対する戦争策動と、日米韓軍事体制の強化、日米軍事同盟強化、在沖・在日米軍基地強化は一体のものとして連動している。共和国に対するいかなる戦争準備も許すな。
 第二に、参議院選挙をも通した消費税大増税と法人税減税という、民主党と自民党による攻撃を打ち砕いていくことにある。この点では、民主党も自民党もその基本方向はまったく同様で違いはない。労働者階級に対する大増税=大収奪をもってする経済成長・財政再建などいささかも許すべきでない。菅民主党政権による大増税攻撃、沖縄基地問題の後景化策動を粉砕し、労働者階級の生活と権利を防衛するたたかいと反基地闘争を固く結合し、今夏の闘争を推し進めよう。
 第三に、八・六広島、八・九長崎と、反戦反核闘争を被爆者解放闘争としてたたかっていくことにある。反戦・反核・反原発を掲げ、今年も、広島で被爆二世の会をはじめとした人々によって青空集会の開催が呼びかけられている。八・六、全国から広島に結集しよう。核のない世界をなどといいながら、核支配体制の新たな再編を進めながら実践的な核兵器使用体制を強化するオバマの欺瞞を徹底して弾劾しよう。
 第四に、アジア共同行動日本連絡会議が呼びかけた六月アジア共同行動を継承し、今夏を通して、反基地闘争とたたかう労働運動の連帯をより推し進めていくことにある。
 双龍自動車労組の多くの組合員はいまだ獄中にある。解雇撤回を求めるたたかいも続いている。支援連帯を強めよう。また、フィリピンにおける日系企業労組の活動家虐殺に抗議し、フィリピン労働運動に連帯するたたかいを推進しよう。
 第五に、在特会や主権回復を目指す会などの差別・排外主義集団による襲撃行為を許さず、特に、朝鮮学校の「高校無償化」からの排除を許さず総力でたたかうことにある。在特会や主権回復を目指す会らは、在日韓国人・朝鮮人をターゲットに排外主義扇動を煽り立て、街頭行動を引き続き激化させている。朝鮮学校の「高校無償化」からの除外に反対するたたかいに対しても攻撃を強めている。あるいは、日本軍「慰安婦」問題の解決を求めるたかいに対しても、徹底した襲撃行動を執拗に繰り返している。また、八月二十二日には、韓国併合百年を賛美する大集会なるものを打ち上げている。絶対に許すな。在特会や主権回復を目指す会らの差別・排外主義攻撃に対して、全国でこれに対抗するたたかいが前進している。在特会らの攻撃に対して、これと真っ向から対決するたたかいが、排外主義とたたかうネットワーク関西などの統一戦線の発展として前進している。こうしたたたかいを全国で推進しよう。
 第六に、十一月ソウルG20―横浜APEC反対の国際共同闘争の準備に全国で突入することにある。反戦反グローバリゼーション闘争は、世界中で力強く前進している。カナダでのG8サミットG20に対しても反戦反グローバリゼーション闘争がたたきつけられた。次は、十一月ソウルG20、横浜APECの番である。世界恐慌に続く世界同時不況のなかで、帝国主義国は現在、財政再建を重視するEUと景気回復を重視す米帝など、帝国主義諸国内部での足並みの乱れを伴いながら、貿易や投資の自由化を推し進めるという共通の利害では一致している。こうしたなかで、日帝・民主党政権は、アジア成長戦略を掲げ、「東アジア共同体」構想を進め、EPAを推進していこうとしている。こうした道は、いわゆる「第三世界」諸国をはじめ、帝国主義国内部をも貫く、労働者階級や農民からの強搾取とその無権利状態の強要を拡大し、グローバル資本の利益追求の争奪戦場に全世界をたたき込むことを意味している。加えて、日米首脳会談をもって、新たな日米安保宣言を発することも策動されている。絶対に許すな。また、G20―横浜APECに向けて、日韓両政府は、共同の警備体制をもって、反対闘争の封じ込めにむかって予防弾圧を開始しだした。アジア共同行動日本連絡会議の仲間は、まったく不当にも韓国への入国拒否を強制された。絶対に許すな。日帝は、洞爺湖サミット時を上回る大規模な警備体制を準備しつつある。国際的な反戦反グローバリゼーション闘争の爆発を封じ込めるために、なりふり構わぬ弾圧体制を各国共同で引きつつある。こうした重弾圧体制を打ち破り、ソウルG20―横浜APECに対して、アジア太平洋地域の反帝勢力の総結集で、反帝国際共同闘争の爆発をたたきつけよう。そこにむけたたたかいを今夏から総力で推し進めよう。首都圏では、反戦闘争実の仲間が、横浜APECを見据えたたたかいを開始し出した。大阪でも、横浜APECに反対する実行委が反戦実の仲間によって呼びかけられ今夏には結成集会が呼びかけられている。アジア共同行動日本連絡会議は、G20―横浜APECに反対する連続闘争を呼びかけ、横浜APEC反対闘争にアジア太平洋地域の反帝勢力の総結集を呼びかけている。こうしたたたかいを支持し、いざ、ソウルG20―横浜APECに反対する連続闘争へ!日韓をはじめとするアジア太平洋地域の反帝勢力の総結集を実現しよう。


 

 

 

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