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『戦旗』第1358号(2010年10月5日)



 日帝の釣魚台略奪弾劾!

 11月ソウルG20―横浜APEC粉砕!

 沖縄への自衛隊配備―増強を許すな

 沖縄知事選の勝利をかちとろう





 九月十二日、名護市議選において、稲嶺市長派が議会過半数を獲得した。基地容認派に対して五議席上回る圧倒的勝利である。名護市民―沖縄人民の民意は一月の市長選に続いてまたもや明確に示された。我が共産主義者同盟(統一委員会)はこのたたかいを断固支持し連帯していく。我々は沖縄人民とともに、沖縄―岩国―座間・厚木を貫く米軍再編反対―安保粉砕のたたかいを貫徹していく。国際主義の旗幟も鮮明に、「アジアから米軍総撤収」を勝ち取っていこうではないか!
 一方、政権党である民主党は九月十四日の党代表選において、あらためて菅直人を選出した。しかし菅は首相就任時から「日米合意を踏まえて取り組む」と公言し、名護・辺野古新基地建設を推進しようという人物である。そしてその代表選において、沖縄票は菅の対抗馬たる小沢一郎に集中した。それは小沢が日米合意の再検討を主張していたからである。もちろん我々は小沢なるブルジョア政治家に期待したり支持したりする気は毛頭ない。我々が着目するのは、ブルジョア政党―民主党代表選においてすら沖縄の民意は「日米合意」を拒否したということだ。
 全国の同志・友人諸君! 民主党―菅政権は徹頭徹尾、沖縄人民の意志を無視して成立した政権である。まさに沖縄、そして人民の意思とまっこうから対立する政権である! 日米合意―名護・辺野古新基地建設を強行しようとする民主党―菅政権を許すな!
 菅政権打倒のたたかいに立ち上がろう! 今秋、三里塚芝山連合空港反対同盟が呼びかける10・10現地全国集会に結集しよう。団結街道閉鎖弾劾! 第三誘導路建設阻止をたたかおう! さらに我々は国際共同行動として十一月十三日―十四日横浜APEC反対闘争をたたかう。厳戒態勢を突破して横浜現地―APEC会場に肉迫するたたかいに決起しよう。排外主義集団を解体し、政府による朝鮮学校の「高校無償化」からの除外反対のたたかいを進めよう!
 かかる一連のたたかいの地平を十二月岩国国際集会に結び付け、米軍再編反対! アジアからの米軍総撤収を勝ち取ろう!


  ●第1章 「新基地容認」打ち砕く名護市議選の歴史的勝利

 九月十二日の名護市議選において稲嶺市長派が勝利した。市長派は議席を十六に伸ばし、定数二十七議席の市議会で過半数を制することになった。この歴史的勝利に対して沖縄マスコミは「名護・市長派圧勝、敗れたのは日本政府だ」(『沖縄タイムス』)、「与党圧勝、普天間移設一層困難に」(『琉球新報』)と報じている。
 我々は今次名護市議選における勝利を、名護市民と沖縄人民の「新基地建設反対」の明確な民意の表れとしてとらえる。沖縄人民とともに普天間基地無条件撤去―名護新基地建設阻止をたたかっていかなければならない。
 今年一月の名護市長選に敗北した島袋前市長派は、基地容認派として今回市議選で十五の議席獲得を目標にしていた。議会多数を獲得し、稲嶺市長を孤立させようとしていたのだ。菅民主党政権はこの基地容認派と結び付き、テコ入れしてきたことは隠しようもない事実である。沖縄振興策をぶら下げながらのなりふり構わない懐柔策を行ってきた。
 実際、 沖縄担当相だった前原は市議選約一カ月前の八月に本島中部の泡瀬干潟の埋め立て事業再開を決定した。それまで不採算を理由に難色をしめしていたにも関わらずの突然の方針変換である。一方で「名護市議選をめぐっても、現職閣僚と移設容認派との密会が取りざたされた」(九月十四日『東京新聞』)と報じられるほど、民主党政権は容認派との癒着を深めてきた。今回の名護市議選における勝利はこうした政府と容認派の策謀を完全に打ち砕いた。
 我々が確認しなければならないのは、稲嶺市長派勢力の中で一貫した基地反対派が獲得票数と議席を伸ばしたという事実である。基地反対派が稲嶺市長をしっかり支える形で市議会多数派を獲得したところに今回の選挙の最大の政治的意義がある。
 『沖縄タイムス』は「反対派三人」「辺野古への移設反対の先頭に立つ人たちが相次いで当選」と報じている。今回の市議選では新基地建設反対という明確な主張が名護市民に支持されていることが、あらためて明らかにされた。名護市議選の勝利は、現地でねばり強くたたかう名護新基地建設阻止闘争総体の勝利である。


  ●第2章 二〇一〇防衛白書弾劾! 沖縄差別軍事支配許すな!

 八月三十一日、「普天間飛行場の代替の施設に係わる二国間専門家検討会合」なる報告が発表された。これは五月二十八日の日米共同発表に基づいて、日米で八月末までに決定されることになっていた文章である。しかし、ここで発表された内容は辺野古沖の新基地滑走路について「V字案」「I字案」の二案併記であり、逆に言えば具体的には何も決定できないと言っているのと同様である。
 そして我々が弾劾しなければならないのは、具体案は定まらないのにも関わらず「辺野古」に「移設」することだけは既定事項として扱おうとしていることだ。名護市議選を持ち出すまでもなく、普天間の辺野古移設は決定されているわけではない。既定事項として扱うという問題の位置付けそものものが、沖縄人民の意思を無視していることの証左であり、本報告文書の本質に他ならない。
 また九月十日に閣議で了承された防衛白書は、ことさら日米同盟を強調する内容になっている。
 「日米同盟の意義が例年以上に手厚く書き込まれた」「日米関係について記載した『日米安全保障体制の強化』の章は〇九年版から五ぺージ増やし、四十九ページになった」(九月十一日『東京新聞』)と報じられている。
 そして白書の最大の特徴は米海兵隊の意義を強調していることにある。
 「白書は米海兵隊が沖縄に駐留する理由に関し、……『米本土やハワイ、グアム等にくらべて東アジアの各地域と近い位置にある』と『地理的特徴』を挙げている。さらにこれを視覚的に訴えようと、沖縄を中心とする同心円を描いた地図を白書に初めて掲載する」(九月十七日東京新聞社説)「そして、普天間飛行場に駐留する海兵隊ヘリコプター部隊の国外・県外移設を『海兵隊の持つ機能を損なう懸念がある』と一蹴し、名護市辺野古沿岸部に『県内移設』する日米合意を正当化した」(同)。そのうえで「白書では『代替の施設を決めない限り、普天間飛行場が返還されることはない』と、普天間問題のこうちゃく理由を、移設受け入れ拒む名護市民に求めている」のである。
 このあまりにひどい内容に対して、「これでは恫喝に近い。いくら沖縄の基地負担軽減に『最大限努力する』と美辞麗句を並べ立てても、沖縄県民の理解を得なければ抜本的軽減などできない」(同)と商業新聞においてさえ批判が噴出している。
 二〇一〇年防衛白書は、米軍事戦略―海兵隊の意義を強調しながら、沖縄人民に普天間返還―「県」内移設・名護新基地建設を強制する恫喝文書以外のなにもののでもない!これが民主党―菅政権の方針であり本音なのだ。絶対に許してはならない!
 沖縄―「本土」を貫いて普天間基地即時無条件撤去―辺野古新基地建設阻止、高江ヘリパッド建設阻止をたたかっていこうではないか。
 この菅民主党政権の攻撃の本質をはっきりと見抜いた上で、九月名護市議選の勝利の意義をあらためて確認しておこう。
 第一に、5・28日米共同声明をもっての辺野古新基地建設強行方針に、痛烈なくさびを打ち込んだことである。基地容認派にてこ入れして、稲嶺市長を孤立させるという策謀を完全に破綻に追い込んだ。
 第二に、この政府のてこ入れ、振興策=金で懐柔する策略が今や全く通用しないことが明らかになったことである。一月市長選にくらべて、島袋派は獲得票数を四千票も減らしている。名護市民の大きな部分が、基地受け入れ=「振興策」ではない選択を行なったのだ。これは名護市民総体の変化であり、沖縄総体で「地殻変動」がはじまったことをはっきりと示している。
 九月名護市議選に続き十一月沖縄知事選は、この「地殻変動」のさらなる拡大をもって、沖縄反基地闘争の命運を決するたたかいになることは必至だ。全国から基地反対候補伊波洋一氏を全力で支援していこうではないか!辺野古実がよびかける署名運動をさらに推進しよう。名護市議選勝利の地平を継承し、その発展をかけて名護新基地建設を阻止していこうではないか!


  ●第3章 第3誘導路建設阻止! 10・10三里塚全国集会へ

 そして我々は今秋10・10三里塚現地全国集会に断固として決起する。第三誘導路建設をもって、市東さんへの営農破壊・生活破壊を極限的に進める成田空港会社を絶対に許さないたたかいに結集しよう。
 本年五月十七日、空港会社は団結街道北側を五月二十日付けで「通行止めにする」という看板を団結街道の北側と南側に突然設置した。しかも、この時点では成田市の手続きさえ終了していなかったにもかかわらずである。そしてあろうことか、この看板の一枚は当事者たる市東孝雄さん宅間近に設置された。露骨な挑発行為である。
 こうした暴挙に対して市東さんは猛然と抗議。そしてこの当然の抗議行動に対して、空港会社と千葉県警は市東さんの不当逮捕という弾圧をもって応えたのである。しかし市東さんは獄中から「俺たちは本気だということを知らせしめた」と檄を発し、逆に空港会社と千葉県警を追い詰めていった。
そして六月二十八日に空港会社と千葉県警は団結街道閉鎖に着手した。この暴挙を徹底的に弾劾しなければならない。
追い詰められているのは空港会社である。団結街道閉鎖の目論みは大きく外れてきた。四月、五月と遅れ、とうとう六月の末になってしまったのだ。市東さんの決起、反対同盟と現地支援連は一日一日を決戦としてたたかい、空港会社を追い詰めてきたのである。
 我々は市東さんの実力闘争と反対同盟の現地攻防を継承し、団結街道閉鎖弾劾!第三誘導路建設阻止のたたかいに立ち上がる。
 十月二十一日羽田第四滑走路の供用が開始され羽田の国際化が進められている。羽田空港が「ハブ空港」としての位置付けをもって国際空港として営業される。かつての「国内線は羽田、国際線は成田」という「内際分離」路線は転換されてきている。民主党の前原国交相は「羽田と成田の共存共栄は可能だ」などとデマを流しているが、そんなことは不可能であることは満天下に明らかだ。羽田が国際空港―ハブ空港化されたら、改善されたとはいえ首都圏の交通アクセスに重大な問題を抱える成田が追い詰められるのは必至である。羽田の国際空港化に反比例して成田のハブ空港化の位置付けが低下していくのである。より本質的に言えば、そもそも三里塚―成田に国際空港を建設しようとしてきた日帝の航空運輸政策がデタラメだったということだ。また日本航空の経営破綻は、その経営改善のためにますます羽田にシフトせざるを得ない。
 成田空港会社は、こうした絶望的状況からの脱出するためにも暫定滑走路北延伸の強行と年間発着枠数の三十万回への増加を行おうとしているのだ。
そしてこれこそが、生活破壊・営農破壊をもってする農民たたき出し攻撃に他ならない。反対同盟を支え抜き、暫定滑走路閉鎖―成田軍事空港粉砕をたたかいぬこう!
 そのためにも、我々は裁判闘争を強化していかなければならない。
 天神峰現闘本部強奪裁判(控訴審)、市東さんの農地強奪を狙う裁判と、空港会社は訴訟の形式をとって農地強奪をしようとしている。そもそも、国家権力を後ろ盾にした空港会社や千葉県が農民を相手取って「民事訴訟」を起こし、農地を強奪しようと企てていること自体が異様であり、追い詰められていることの証しでもある。
 天神峰現闘本部裁判は七月二十三日に東京高裁で控訴審がはじまった。北原、萩原さん、そして弁護団が控訴理由を陳述している。千葉地裁で不当にも却下された事実調べ、検証、そして証人の再尋問を高裁で実現させようではないか。 市東さんの農地をめぐる裁判は「耕作権裁判」と「農地法裁判」、それとこれに対する「行政訴訟」の三つの裁判がたたかわれている。そのうち「耕作権裁判」では、空港会社側が航空写真のみで「特定」したとされる土地が現実の地主・耕作地ともに異なっていることが明らかになっている。すなわち、空港会社の訴訟そのものの前提が崩れていることが明らかとなっているのだ。「訴訟」形式による農地強奪を許すな! 反対同盟とともに「農地死守・実力闘争」と結合した裁判闘争に勝利しよう!  10・10三里塚現地全国集会に結集し、空港粉砕をたたかおう!


  ●第4章 11月G20―APEC反対闘争に決起しよう

 十一月十三~十四日に、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会合が日帝を議長国として開催される。我々は国際共同闘争として横浜APEC粉砕闘争に決起する。
 全世界的恐慌の深まりの中でドル下落―円高が進み、日帝資本はアジア進出に活路を見いだそうとしている。そしてAPECは域内の「貿易と投資の自由化、貿易と投資の円滑化」を目的としており、IMF(国際通貨基金)・世界銀行、WTO(世界貿易機関)、ADB(アジア開発銀行)などの新自由主義経済政策と一体に大国と独占資本の利益と特権を拡大する会議である。
 横浜APECでは「貿易と投資の自由化」「地域経済統合や成長戦略」「感染症対策・対テロ協力など、人間の安全保障」等を掲げた会議が行われる。そして「アジア太平洋自由貿易圏構想(FTAAP)」を二〇二〇年までに実現することを「横浜目標」として掲げている。すなわちアジア・太平洋における貿易の自由化を徹底させ、域内の労働者階級人民に強搾取と強収奪を行おうというのだ。そして一方ではしっかりと「対テロ協力」「対テロ」戦争の路線は確認していく国際会議なのだ。
 またAPECは「協力会議」とはいうものの、その実は日帝、米帝等がアジア太平洋権益をめぐって激しく争う争闘戦の場に他ならない。日帝は「アジア太平洋自由貿易圏構想(FTAAP)」をASEAN+3もしくは+6を土台にした位置付けで考えている。しかし米帝にあっては環太平洋経済連携協定(TPP)を土台にして構想されている。TPPとは〇六年にシンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの間で発効された協定であり、ここに本年三月から米、豪、ペルー、ベトナムを加えた八カ国で交渉が開始されている。すなわち、同じ「アジア太平洋自由貿易圏」という用語を使用しながらも、その中身においては米帝が主導するTPPか日帝が画策するASEANかの違いがあり、それは具体的な対象国を異にする程の開きがある。ここに中国が独自利害を主張することによって、より一層APECは各国の争闘の場として浮上してくることになる。しかし忘れてはならないのは、かように帝国主義国は争闘しつつも、労働運動や階級闘争を弾圧することは共通利害として意志一致するということである。
 帝国主義資本のグローバルな侵出との対決として、戦争と貧困を拡大する横浜APEC粉砕を国際共同闘争としてたたかおう。
 また日帝―菅政権は九月、十一月に日米首脳会談を設定し、日米の軍事同盟強化を進めようとしている。横浜APECそのものと同時に、十一月日米首脳会談―日米軍事同盟強化粉砕のたたかいに立ち上がろう。「日米安保五〇年式典」など許してはならない。反基地―反戦闘争として十一月の国際共同闘争をたたかおう。
さらに、全世界的に貧困と差別・排外主義が横行しようとしている。日本国内においても「在特会」などの排外主義集団が在日・滞日外国人襲撃を行っている。そして政府レベルでは朝鮮学校を「高校無償化」から除外し排外主義を扇動している。しかし、これら差別・排外主義運動に対して大衆的なたたかいが全国で前進している。九月二十六日、東京で「『高校無償化』からの朝鮮学校排除に反対する全国集会」がたたかわれている。また排外主義集団の跳梁跋扈を許さないたたかいが関西そして全国で大衆的に展開されている。日帝足下にあってプロレタリア国際主義を貫くたたかいとして、朝鮮学校の「高校無償化」排除反対、排外主義襲撃集団解体のたたかいをさらに大きく進めていこうではないか。
 そしてこれらたたかいの地平をもって十二月岩国国際集会に決起する! 我々はアジア共同行動と岩国労働者実の提起する十二月行動を断固支持し連帯してたたかう! アジアからの米軍総撤収を勝ち取ろう! 菅民主党政権を打倒しよう!


 

 

 

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