共産主義者同盟(統一委員会)


1383号(2011年11月20日) 政治主張






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   全国で反原発闘争を闘い、全ての原発を停止―廃炉に!

  貧困と格差うち破る決起を

  沖縄・与那国への自衛隊配備許すな

  岩国基地強化断固反対!





 〇八年金融恐慌から始まった世界恐慌はさらなる規模の瓦解へ突入しつつある。ギリシャ、イタリアをはじめとするヨーロッパ各国の財政危機が金融機関の破綻を導きつつある。世界経済は急激な収縮過程に突入しようとしている。一方で、ギリシャ労働者をはじめとするヨーロッパ各国の労働者人民の叛乱が開始されている。
 そしてこうした状況はヨーローッパだけで発生しているわけではない。アメリカでは労働者・学生が反格差を掲げウォール街占拠を闘っている。その運動は日々拡大し、全世界的運動として展開されている。
 日帝国内においても野田新政権と支配階級の暴虐、そしてこれに対する労働者階級人民の闘いの高揚が激化している。
 福島第一原発事故は収束したわけではない。そして、原発の存続を画策する限り問題の本質的解決はありえない。しかし野田新政権は原発の停止どころか、原発の輸出すら行おうというのだ。絶対に許してはならない。
 さらに野田新政権の下で「日米同盟の深化」が推進されようとしている。日米軍事同盟の強化―米軍再編に向けて米軍基地の新設・強化が画策されている。
 しかし沖縄人民、岩国市民、そして神奈川座間・厚木市民は反基地運動の前進をもって「日米同盟の深化」を粉砕している。辺野古新基地建設反対と岩国基地大強化反対の闘いと結合し、アジアから米軍総撤収を勝ち取る闘いに邁進しようではないか! 十一月二十六―二十七日の岩国行動に結集しよう! 二十七日岩国国際集会に結集し、プロレタリア国際主義で武装した米軍再編反対闘争を闘おう!


  ●第1章 金融危機に直面する世界経済

 世界恐慌は新たな段階へと向かいつつある。ヨーロッパ発の金融危機が、世界的な経済危機の引き金を引こうとしている。銀行株価の暴落と欧州金融機関の破綻は、全世界的な投資の急激な縮小と収縮を結果するほかないのだ。
 十月二十二日、ブリュッセルで欧州連合(EU)財務相理事会が行われた。ここでは「域内の主要銀行に対し、財務の健全性の目安となるよう『中核的自己資本率』9%以上になるよう……資本増強を求める方針で一致」(十月二十三日『東京新聞』)した。そして、「まず銀行が自力で資本を集め、調達額が不十分な場合に国が公的資金を注入。それでも不足する場合に『最後の手段』として欧州金融安定化基金(EFSF)の融資をを受ける―との資本増強の手順も確認」(同)された。しかしこうした手順を確認したとしても、主要な問題であるEFSF再拡充やギリシャの財務削減策については、この財務相理事会ではなんら具体的な方針を出すことはできなかった。
 そもそもこの「中核的自己資本率」は、七月のユーロ圏首脳会議では5%で確認されていた数字である。しかし、その5%基準を達成したはずであるベルギーの金融機関大手であるデクシアが十月中旬に破綻するという事態が生じてしまっている。デクシア破綻の原因はギリシャ国債を多数保有していることからの資金繰りの悪化だ。すなわち、デクシアの破綻はギリシャの財政危機の影響の深刻さを示している。ゆえに、中核的自己資本比率の5%から9%への引上げとは、ギリシャの財政危機がユーロ圏主要銀行に連鎖的に波及することへのEU諸国の強烈な危機感の表現にほかならない。
 そして十月二十六日、欧州の政府債務の「包括策」を論議するためのEU首脳会議がもたれた。ここではすでに既定路線である域内主要銀行の中核的自己資本率5%から9%の引上げが確認され、同時にEFSFの融資規模を三千億ユーロから一兆ユーロに拡大、民間銀行によるギリシャ国債の損失負担50%が確認された。独帝―メルケルと仏帝―サルコジ自らが民間銀行代表と直談判し、ギリシャの借金棒引き50%を強引に確認したと報道されている。
 このEU首脳会議でひとまずの危機は収まったものの、世界経済の危機的局面からの脱却にはほど遠いのも事実だ。「今回の対策は、資金繰りをつけて市場の動揺を一時的に和らげる危機管理であり、抜本策をとるまでの時間稼ぎにすぎない」(十月二十八日『日本経済新聞』)、という評価が一般的である。
 EFSFの一兆ユーロ拡大とは、要するに民間投資家の資金と中国などの「新興国」の資金を当てにするものであり、最終的にはIMF頼みの政策である。それもフランスなどの信用が下がり、投資先としてのEFSFの信用が無くなればすべて水泡に帰すものでしかない。「この仕組みは民間や新興国などの投資家が資金を投じてくれなければ成立しない。資金確保に現時点でメドが立っているわけではなく、『一兆ユーロ』というのは数字ありきの側面は否めない」(同)、というのが現実なのである。
 すなわち、今次EU首脳会議での「包括的合意」なるものによって、世界経済の危機がなんら回避されたわけではない。ユーロ圏における金融危機は、むしろさらなる矛盾をはらみながらギリシャからスペイン、イタリアにまで波及しかねない状況なのである。そしてEUは「新興国」を巻き込みながら、ユーロ金融問題を世界的問題―支援の問題として位置付けようとしている。その場こそがフランスG20に他ならない。


  ●第2章 全世界で開始された労働者階級人民の決起

 また、このEU首脳会議の「合意」はギリシャ労働者にさらなる重圧を強いるものでしかない。
 ギリシャは民間銀行50%の借金棒引きで身軽になったとはいえ、それでも国内総生産(GNP)比で120%の債務を抱えている。そもそもギリシャ国債の棒引きをする民間銀行には当のギリシャの銀行も含まれている。ギリシャは自国の民間金融機関に早急に公的資金を投入せざるをえない。そして今回の「合意」で重要な点は、「債務負担が軽くなったギリシャはEUとIMFの金融支援を受けながら……これまでに公務員の削減と給与カット、年金制度改革、増税、国営企業の売却、規制緩和などの様々な改革を打ち出している」「ただ政府が計画する改革は国民に犠牲を強いる内容も多く、反発は激しい」(十月二十八日『日経』)、というところだ。すなわち、ギリシャ政府がEU、IMFの資金と引き換えに自国労働者の生活を破壊していくという構造は、「合意」以降も何等変わらないということだ。むしろより強力に推進されていくということである。
 十月十九日ギリシャの首都アテネでは、財政赤字削減に向けた緊縮法の成立阻止を掲げる四十八時間ゼネストが闘われた。国会議事堂は官民の労働者に取り囲まれ、デモ参加者は十二万五千人を超えたと言われている。内務省、財務省などの官公庁の窓からは国家としての死を意味する黒色の布や垂れ幕が多数下げられた。我々はこうしたギリシャ労働者の怒りはまったく正当なものであると確認しなければならない。
 ギリシャは〇一年にユーロに参加した。そしてEUの補助の下、高速道路や空港の建設が進み、〇四年のオリンピックで景気は頂点に達した。要するに、典型的なバブル景気である。そしてその背後には、ギリシャ経済の不安定性を黙認するEUの態度があったことは間違いない。EU諸国と主要金融機関はギリシャ財政がユーロに加入することに問題があることを百も知りつつ、バブル景気の後押しをしていたのだ。そして〇八年のリーマン・ショック―金融恐慌の後、ギリシャで政権交代がなされ、そこで前政権による粉飾決算が明るみに出され、現在の混乱が生じたのである。
 「最近二年間で月給は半減。家賃を払うと約五百ユーロ(約五万三千円)しか残らない」「デモには……政府批判に加え、国際通貨基金(IMF)やEUへの反発の言葉があふれた」「緊縮策の多くはEUやIMFが融資の条件として求めた。『彼らはギリシャを安い労働力を提供するだけの国にする気だ』。失業十カ月目の男性がぶちまけた」(十月十四日『東京新聞』)。これがギリシャ労働者人民の闘いの根拠である。
 彼らはまさに自らの生存権をかけて闘っているのだ。断罪されるべきは、腐敗の極限までいったギリシャ政府であり、その腐敗を見て見ぬふりをしながらも国債を買い、資金を投入し続けたEUの帝国主義者どもである。ギリシャ労働者人民の火炎瓶、投石などの闘いは当然の権利の行使である。
 こうした労働者人民の叛乱はギリシャだけではなく全世界でまき起こっている。
 十月十五日格差是正を求める大規模な大衆行動―デモが、文字通りの全世界規模で繰り広げられた。ニューヨークのウォール街占拠デモを端緒とするこの行動は、米国内ではワシントン、ロサンジェルス、ラスベガスにまで拡大した。さらにヨーロッパではロンドン、ローマ、リスボン等の大都市、ドイツ、イタリア、スペインでも闘われた。アジアでは東京、ソウル、香港、台北、フィリピン等で大衆的な取り組みが行われ、オーストラリア・メルボルンでも闘われている。数百から数十万の規模の人民が結集し、ニューヨークでは大手銀行に突入・占拠、ローマでは火炎瓶や発煙弾による治安部隊との衝突が闘われている。
 ウォール街のデモは、九月十七日に高額の学費ローンに不満を抱く大学生約数十人の座り込みで始まった。この行動が一カ月もしないうちに反格差行動として数百倍に膨らんだのである。「学費ローンだけでなく、通院さえためらわせる医療費の高さ、生活よりも戦争を優先させる巨額の軍事費など、あらゆる問題への批判が縮図のように集まっている」(十月五日『東京新聞』)運動として高揚してきた。すなわち、帝国主義―資本主義の矛盾そのものが闘いの根拠である。
 一超大国―米帝の力が急速に減退し、米帝資本が世界を支配しようとしてきた金融グローバリゼーションの破綻は鮮明になっている。「貿易・投資の自由」として推し進めてきた現代帝国主義資本の展開は、それが全地球的に拡張されているがゆえに、破綻が始まったときの伝播もグローバルである。脆弱で不安定な金融グローバリゼーションは全世界で非正規雇用を生み出し、その増大と公共資本の民営化を必然化させるのだ。結果、労働者階級人民の生活が破壊されることになる。
 労働者階級人民の叛乱が、金融グローバリゼーションをもって全世界を支配し搾取する帝国主義打倒へと結合するのは当然である。我々はかかる闘いのさらなる発展をかけて闘っていかなければならない。二〇一一年の人民叛乱の歴史的意味を確認し、プロレタリア国際主義を貫いて闘っていこうではないか!


  第3章 岩国に総結集し「日米同盟の深化」粉砕

 そして我々は国際主義の実践として、「日米同盟の深化」を粉砕する闘いに立ち上がらなければならない。米帝の北東アジア政策と結び付いた日米軍事同盟の深化を根底から打ち破っていこうではないか。
 十月二十四日から二十六日にかけて米国防長官パネッタが来日し、野田首相、玄葉外相、一川防衛相と会談している。野田は「日米同盟の根幹は安全保障だ。連携して防衛面を強化したい」(十月二十六日『日経』)と、あらためて「日米同盟の深化」を確認。玄葉は「原発事故、東日本大震災への支援は心強かった。多くの国民が日米同盟の重要性を認識した」(同)と、「トモダチ作戦」を賛美した。そして一川防衛相は辺野古新基地建設に向けて「環境影響評価(アセスメント)の評価書を年内に提出できるよう準備を進めている」(同)と約束し、これを受けたパネッタが「日本側の努力を評価する」と応えている。そして野田と一川は二十七日、東京で沖縄の仲井真知事との会談を設定。この場で野田は知事に、「二十五日に来日したパネッタ米国防長官との会談で、評価書の年内提出と日米合意の早期履行を伝えたことを説明した」(十月二十七日『日経』夕刊)のである。防衛相の一川もこの日に「環境評価書」の年内提出を仲井真知事に伝えている。
 パネッタの来日の目的は余りにも明らかだ。それは日本政府に対して、膠着状態に陥っている米軍再編―辺野古新基地建設着工を早期に促すためだ。そして野田、玄葉、一川らはパネッタに「環境評価書年内提出」というお土産を用意したのだ。すなわち、「日米同盟の深化」のために沖縄人民に基地を押しつけることを確約したのである。我々はこのような反人民的会談をけっして認めることはできない。
 今回のパネッタのアジア歴訪は北東アジアにおける米軍の維持を目的としたものだ。米帝にとって「イラク、アフガンの戦争で膨張した国防費は財政赤字削減の格好の標的となり」(十月三十一日『朝日』)、このままでは「『国家防衛が間違いなく壊滅する』(パネッタ氏)という危機感を抱く米軍が活路を求めるのが、日韓豪などの同盟国や友好国との関係強化」(同)であるとして、アジア歴訪が位置けられたのである。そしてそのような位置付けをもったパネッタと野田新政権が確認した「日米同盟の深化」とは、新基地建設と同時に「武器輸出三原則の見直しや航空自衛隊の次期戦闘機(FX)への米企業採用で具体的な『結果』を求められる」(同)「同盟」だということだ。一言で言えば、米軍北東アジア政策を基軸にした「軍事同盟の深化」に他ならない。
 しかし沖縄人民の闘いは「日米同盟の深化」―米軍再編攻撃を追い詰めている。
 野田や一川が環境評価書年内提出を仲井真知事に伝えたが、知事はあらためて県外移設を主張した。また稲嶺名護市長はこれまで「『辺野古移設を白紙に戻すため、日米合意見直しを米国に進言してほしい』と要請。評価書をめぐっても『(提出により)一つの事実がつくられていき、そのまま建設に向かっていくのではないか』と懸念を表明」(十月十八日『東京』)していた。そしてパネッタ来日以降の防衛相との会談でも同様の懸念を表明している。我々はこうした首長の反応の背景には、広範な沖縄人民の反戦―反基地の闘いがあることを確認しなければならない。
 現在、沖縄―八重山では文科省による育鵬社の教科書採択攻撃がかけられてきている。いわゆる「新しい教科書をつくる会」系の育鵬社教科書を採択した八重山採択地区で、竹富町が独自に東京書籍の教科書を採択した。すると中川文部科学相は竹富町に教科書の自費購入を促したのだ。本来ならば教科書は無償措置の対象だが、竹富町だけその対象外としたののである。これはまさに沖縄人民に「つくる会」系教科書を強要する攻撃であり、沖縄人民の反戦―反基地意識の解体攻撃に他ならない。
 沖縄人民―名護市民の辺野古新基地建設反対の闘いに連帯しよう。同時に、高江ヘリパッド建設阻止、二〇一二年オスプレイ配備阻止を闘おう。また自衛隊の沖縄配備増強を許してはならない。
 我々はこうした沖縄の闘いと結合し、同時に沖縄―岩国―神奈川をはじめとした反基地闘争の前進をもって米軍再編粉砕を闘い抜く。そのために十一月岩国国際集会の位置は決定的に重要である。国際主義で武装した反基地闘争の大衆的前進を、住民ぐるみで岩国基地強化阻止を闘っている岩国で実現していこう!十一月岩国集会に総結集せよ!


  ●第4章 全国の反原発運動と結合し、日帝打倒をたたかおう

 福島第一原発事故に抗議する福島在住・出身の女性でつくる「原発いらない福島の女たち」が、十月二十七日から経産省前で座り込みの闘いを開始した。二十九日まで約百十一人が座り込んで抗議活動を闘った。我々はこうした行動を全面的に支持し支援する。「原発を止めなくては。世の中を変えるために声を出せるのは女です。この声を聞いた人には、私たちの思いを次の人に伝えてほしい」(十月二十七日『東京』)という叫びに、我々は労働者階級人民の解放を目指す政治勢力として応えていかなければならない。
 福島第一原発事故は収束したわけではない。日々放射能物質をまき散らし、原発労働者に被曝労働を強制しながら事故が続いている。東京電力も経済産業省も文字通りの意味では責任をとることができないというのが実情である。福島の人々が生活を回復するには困難を極め、今現在も被曝は続き、生命を傷つけられているのが現実である。
 原発が安全か否か、核政策を続けるか否かを決定するのは資本でも政府でもない。この被曝の現実を強制された人々が決定するのであり、労働者人民が決定するのである。我々は改めて決意しなければならない。政府・議会がすべての原発の即時停止―廃炉という全人民の要求を実現しない以上、大衆運動の爆発によって要求を貫徹する以外にないのだ。我々は労働者人民の反原発、集会、デモを継続促進し、拡大発展に向けて闘っていかなかければならない。
 そして反原発の闘いと一体のものとして日帝の独自武装阻止を闘っていこう。十月三十一日野田新政権は南スーダーンPKO自衛隊派遣を決定した。十一月一日の閣議で報告し一川防衛相が陸自に準備を指示し、年明けにでも派遣するとしている。自衛隊の海外派兵を許すな。野田新政権が今次派兵を通じ武器使用の緩和―武器三原則の見直しに着手することは明らかだ。自衛隊南スーダン派遣阻止を闘おう。
 現在、世界的規模で従来の支配体制の限界があらわになっている。かつて、レーニンは革命的情勢について「(1)支配階級にとって、不変のかたちでは、その支配を維持することが不可能になること。『上層』のあれこれの危機、支配階級の政治の危機が、亀裂をつくりだし、それによって、被抑圧階級の不満と憤激が爆発すること。……(2)被抑圧階級の貧困と窮乏が普通以上に激化すること。(3)以上の理由から、大衆の活動力が著しくたかまること。大衆は『平和な』時期には、おとなしく搾取されるままになっているが、嵐の時代には危機の環境全体と『上層』そのものによって、自主的な歴史的行動にひきいれられる」(『第二インターナショナルの崩壊』)と提起している。我々はこのレーニンの提起がまさに現在、全世界的に日々進行していることを確認しないわけにはいかない。そしてかかる観点をもって全世界の労働者階級人民の闘いとの結合を追求していかなければならない。労働者階級の解放を目指すプロレタリア国際主義勢力として、岩国国際集会と今秋・今冬の闘いを断固闘いぬこう!



 

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