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『戦旗』第1370号(2011年4月20日)



 
  原発事故徹底糾弾! 東電は全責任を取れ!

  5月沖縄闘争に決起しよう

  賃金カット・首切り許すな

  震災下、労働運動を闘おう





 
 全国でたたかいぬいている同志・仲間のみなさん!
 三月十一日に発生した東日本大震災によって、日帝―菅政権が直面していた状況は大きく変化した。予算案成立の目処が立たず、追い詰められていた菅政権は、震災対応による政治休戦と「国難」に対処する大連立政権構想によって延命をはかっている。「復興構想会議」や「震災復興担当相」などの閣僚ポストをちらつかせ自民党の抱きこみをはかりつつ、民主党は、復興財源の確保として「特別消費税」や「法人特別税」「社会連帯税」の創設による労働者階級人民からの強収奪を策動している。
 地震と津波によって原子炉の冷却機能を喪失した東京電力福島第一原発は、第一、第三、第四原子炉で相次いで水素爆発を起こし、周辺住民と原発労働者を大量に被曝させ、現在も大気や海へ放射性物質を垂れ流し続けている。原子炉と使用済み核燃料プールの冷却には数ヶ月かかる見通しで、うまく事態が進んでも最終的な廃炉には十年以上もかかるといわれている。日帝―菅政権は、原発周辺住民に対しまともな避難対策も講じていないし、被曝から住民を防護する十分な情報開示も対応策も取っていない。「ただちに健康に影響を与えるものではない」と被曝の実態と本当の危険性を隠蔽している。
 われわれは、被災した人民の生活再建や被災地域の復興に全力で取り組むことを日帝―菅政権に徹底的に要求し、たたかおう。同時に福島第一原発事故について、東京電力と経産省の責任を徹底追及する。「千年に一度」「想定外」と責任のがれをしている東京電力を糾弾し、一刻も早く事故を収束させ、原発被害に対する徹底的な損害賠償と生活補償を行わせなければならない。
 一方で菅政権は、四~五月中にも日米安全保障協議会(2+2)を開催し、米軍・自衛隊一体化、辺野古新基地建設を推進しようとしている。新基地建設と一体の高江ヘリパッド建設の工事も強行している。また米帝、仏帝、英帝を中心にした多国籍軍によるリビア空爆を支持し、侵略反革命戦争に荷担している。
 われわれは、日帝―菅政権に対し被災人民、労働者階級人民の利害にたった復興支援を要求したたかうとともに、沖縄人民と連帯し、日米帝による辺野古新基地建設粉砕―米軍再編粉砕! 岩国基地大強化阻止! の反戦反基地闘争を一層強めていかなくてはならない。四・五月における各地の反戦反基地行動、沖縄現地闘争に決起しよう。六月アジア共同行動日本連の全国展開を支えその成功をかちとろう。
 また被爆者と被爆二世・三世の仲間が先頭に立ってたたかいぬいてきた反戦反核・被爆者解放運動と連帯し、福島第一原発の事故が突きつけた原発の危険と原子力推進政策の破綻を徹底的に暴露・弾劾し、現在稼動している原発の即時停止とすべての原発の廃炉を実現させていこう。


 ●第1章 被災者とともに民生の復興を

 東日本大震災の発生から三週間余が過ぎようとしているが、地震・津波による被害の全容はいまだつかめず、行方不明者の捜索が続けられている。四月四日現在で、死亡一万二千八十七人、安否不明一万八千百十九人、約十六万二千人の避難民が確認されている(『朝日新聞』)。交通網の遮断や受け入れ態勢の不備で援助物資が十分に届かなかったり、ストレスや疲労で避難生活の中でなくなる高齢者もいる。しかし苦しく不自由な避難生活の中でも、励ましあい助け合いながら希望を胸に、被災者も復興に向けて奮闘している。
 被害の総額は政府試算でも十八~二十五兆円にのぼる。岩手、宮城、福島の沿岸地域の漁業・農業・製造業は壊滅的打撃を受けている。津波によって堤防や漁港・漁船が破壊された。沿岸部の養殖施設も流された。海水に浸かって広大な農地が使えなくなった。全半壊した家屋は十四万戸を超えた。震災によって解雇や雇い止めなども拡大している。膨大な瓦礫の撤去や仮設住宅の建設など生活再建に向けた取り組みがようやく始まっている現状だ。
 そんな中で、被災地に駆けつけ奮闘するボランティアや労働組合の取り組みも広がっている。避難してきた人々を受け入れ支援する各地での取り組みも広がっている。日赤と中央共同募金会に寄せられた募金は、四月三日で計千百五十四億円に達している。韓国、台湾をはじめ海外でも義損金や支援の輪が大きく広がっている。被災者に心を寄せ、支援しようとするさまざまな試みがいたるところで始まっている。
 震災によるすべての犠牲者に心から哀悼の意を表明し、親を失い子供を失い同僚・知人を失い仕事を失ったすべての被災人民の皆様にお見舞い申し上げます。
 われわれは全国各地でできうる限りの救援支援に取り組んでいく。
 そんな中、東京都知事ファシスト石原によって吐かれた許しがたい暴言を徹底的に糾弾しなければならない。三月十四日、石原はインタビューのなかで東日本大震災と津波の被害について「アメリカのアイデンティティーは自由」「日本人のアイデンティティーは我欲」「この津波を利用して我欲を一回洗い落とす必要がある。やっぱり天罰だと思う」と発言したのだ。翌日この男にしては珍しく発言を撤回し謝罪をしたが、あまりの反発の大きさにびびっただけで、まったく反省などしていない。ファシスト石原を徹底的に弾劾しなければならない。


 ●2章 原発事故徹底弾劾、東電は全責任を取れ

 日本において大規模地震と津波は、当然想定されたことであるにもかかわらず、すべての原発を海岸ぞいに建設してきたがゆえに、今回の事故は起こった。けっして「想定外」ではない。福島第一原発では十二日午後三時三十六分、一号機で水素爆発がおこった。経済産業省原子力安全・保安院は、二時に一号機周辺で核分裂によって発生する放射性物質のヨウ素131、セシウム137が検出され、「炉心溶融がおきた可能性が高い」と発表。東電は、午前中放射性物質が拡散していくことを承知で弁を開け、原子炉を守る格納容器が圧力で壊れるのを防ごうとした。大きく取り上げられてはいないが、チェルノブイリの事故の時、「日本の原発は、万が一、事故が起きても格納容器があるから放射能を一切外に出しません」といって、国際機関がベント(放出)のための弁の取り付けを勧告した際に、東電が取り付けを渋った経緯があった。そのため放射性物質を除去するための対策が不充分で、放出した途端に放射線量があがることになり、放射性物質を漏出させることになったのだ。
 この水素爆発によって、一号機建屋の上部が吹き飛ばされ、大量の放射性物質が大気中に放出され、双葉厚生病院の患者とスタッフ、町民ら百十一人が被曝した。
 翌十三日には一号機と同様に三号機の原子炉格納容器内の圧力を逃がすために、放射性物質を含んだ蒸気を放出し、海水の注入に踏み切った。
 十四日には三号機でさらに大規模な水素爆発が起こり建屋がなくなってしまった。この爆発で注水作業をしていた作業員や自衛隊員など十一人が負傷し被曝した。
 爆発の影響で冷却用の海水を炉内に送っていた消防車が故障し、今度は二号機の水位が急激に下がり始めた。同日夜には、燃料棒が完全に露出する「空だき」状態になり、炉心溶融が起きた。
 翌十五日、事態はさらに悪化した。四号機で爆発があり建屋の五階屋根が損傷。九時三十八分には建屋内の使用済み核燃料プール付近から出火。二号機でも午前六時十四分に圧力制御室爆発があり、原子炉格納容器が損傷した。この日の十時には三号機建屋付近で毎時四百ミリシーベルトときわめて危険な放射線濃度が観測された。
 放出された放射性物質は、風や雨に運ばれて周辺地域だけでなく茨城や千葉、東京にまで到達しており、農作物や原乳、浄水場などから検出されている。汚染された農作物はもちろん出荷できないし、放射性物質が検出されていなくても風評被害で近隣地域の農作物まで深刻な被害がでている。原子炉から流出した汚染水は海にも流れ込んでおり、三月三十日午後に採取された海水から、原子炉等規制法が定める基準の四千三百八十五倍の放射性ヨウ素が検出されている。
 外部からの注水とともに、冷却機能を復旧させるための通電準備も行われているが、注水による大量のしかも高濃度の放射能汚染水が原子炉建屋やタービン建屋に溜まっており、それが作業を極めて困難にしている。タービン建屋にまで高濃度の汚染水が流れてきているということは、原子炉にすでに穴が開いているということであり、燃料棒を冷却するために注水をすれば高濃度の汚染水が建屋内に滞留し、冷却機能の復旧を困難にするという悪循環が繰り返されることになる。
 二十四日には、三号機タービン建屋地下で通電作業していた作業員三名が百七十~百八十ミリシーベルトの放射線を浴び病院に搬送されたが、このうち二人がベータ線熱傷を負った。東電は毎時五百ミリシーベルト相当の高い放射線量を確認していたにもかかわらず、被曝した作業員らにその情報を伝えていなかった。東電の杜撰な労働安全衛生管理を弾劾しなければならない。原発を推進してきた国―経産省、電力会社、東芝・日立・三菱など重電機産業資本、研究者は、これまで原発労働者の被曝を一貫して否定し無視してきた。数多くの原発労働者の犠牲を放置してきた。「安全神話」が崩壊した今、原発労働者の悲惨な被曝の実態をすべて明らかにさせ、責任を追及しなければならない。
 東京電力と政府は今、なんとしても原子炉と核燃料プールの冷却をしなければならないし、可能な手段すべてを動員して放射性物質の放出を止めなければならない。また被曝から人民を守るために詳細な情報の公開と避難対策などの施策を早急に明らかにしなければならない。
 福島第一原発の大事故は、「世界一安全な原発」「二酸化炭素を出さないクリーンで安全なエネルギー」なるデマゴギーを粉々に打ち砕き、政府・大資本一体で推し進めてきた原子力政策の破たんを明らかにしている。今回の福島第一原発の事態は、原子力というものがいかに危険な代物であるかを日本ばかりか全世界に知らしめたはずだ。政府・電力会社の言ってきた安全対策がいかにいい加減なものであったかが明らかになった。核武装を核心的な動機として進められてきた日本の原発推進政策には、国策として政府と重電機産業資本・電力会社が、大学・研究機関を巻き込んで、巨額な税金を投入してきた。原発を推進してきた者どもは、癒着し原発利権に群がって税金を食い物にしてきた。今すぐ原発を止めさせなければならない。すべての原発を廃炉にしなければならない。反戦反核のたたかいに断固として立ち上がろう。


 ●第3章 リビア空爆弾劾!米英仏帝国主義の侵略許すな

 三月十九日から開始された米帝、英帝、仏帝が中心となった多国籍軍のリビア空爆は、当初反体制派の反撃を支えたが、この間はカダフィ派の攻勢が伝えられ、反体制派に対する誤爆も起こっている。三月三十一日には、カダフィ派に対する武器禁輸のための海上封鎖や飛行禁止空域の維持管理に関する軍事作戦の全指揮権が、NATO(北大西洋条約機構)に移行された。トルコによるカダフィ派と反体制派「国民評議会」との停戦に向けた仲介も開始されている。
 「攻撃の脅威にさらされている市民や居住地の保護」を名目としたリビア空爆は、米英仏の帝国主義によるリビア侵略戦争だ。リビア内戦に介入し、石油利権の掌握と親欧米の政権樹立を画策しているのだ。またリビアを手掛りに、チュニジアからはじまり北アフリカ・中東全体に拡大する反独裁民衆蜂起に対する介入を画策しているのだ。
 民衆蜂起の分断をはかり、北アフリカ・中東で爆発しつつある、根底には反帝国主義・反イスラエルのたたかいの拡大を押さえ込もうとという意図に貫かれている。
 われわれは、北アフリカ・中東人民の決起を断固として支持し、リビア空爆弾劾、NATO軍の空爆停止、内戦介入を許さない反帝国際連帯闘争に立ち上がらなければならない。


  ●第4章 反戦反基地反安保、5月沖縄現地闘争へ

 われわれは、今春期、次のたたかいにすべての労働者・学生が立ち上がっていくことを呼びかける。
 四・五月反戦反基地反安保闘争、沖縄連帯のたたかいに立ち上がっていこう。首都圏においては四月二十四日、「中東・北アフリカ人民闘争連帯! 朝鮮戦争阻止! 日米安保粉砕! 沖縄闘争連帯! 4・24反戦行動」がたたかわれる。
 与野党間の政治休戦や「かんばろう日本」「日本の力を信じてる」なる挙国一致の政治キャンペーンが大々的に展開され、大震災からの復興対応が政治を独占しているが、日帝―菅政権の米軍再編―日米軍事一体化・辺野古新基地建設の推進にはいささかの変化もない。また菅政権は、大震災における自衛隊十万人を陸海空の三軍統合作戦として展開させた。そしてこれと一体に米軍一万八千人の「トモダチ作戦」なる部隊展開が行われた。労働者人民の反戦反基地運動反安保の解体を狙った日米帝の宣伝そのものだ。
 普天間基地の県内移設を断固として拒否し、無条件撤去を要求したたかう沖縄人民と連帯し、辺野古新基地建設計画を粉砕しよう。工事が強行されている高江ヘリパッド建設を粉砕しよう。五月沖縄現地闘争に立ち上がろう!
 四月末から五月連休中、日米安全保障協議会(2+2)の開催が策動されている。辺野古新基地とともに、「日米同盟の深化」のために「共通戦略目標」の策定を行おうとしている。すでに日帝は、「動的抑止力」なる、これまで以上に共和国や中国への軍事態勢を強化する新しい防衛大綱を決定し、米帝―オバマの軍事戦略に一体化しようとしている。
 日米帝国主義の軍事同盟強化を許さない、反帝国際共同闘争に立ち上がっていこう。日米軍事同盟の実態的拠点である沖縄、岩国、神奈川の反米軍基地闘争に連帯していこう。
 三月二十日、アジア共同行動日本連は総会を開催し、昨年度の総括と今年度のたたかいの方針を確定した。米軍再編とのたたかい、反貧困・反差別・反排外主義のたたかい、国際共同闘争と国際連帯闘争の推進を、アジア共同行動に結集する全国各地の人民とともに展開していこう。
 

 

 

 

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