共産主義者同盟(統一委員会)


1384号(2011年12月5日) 政治主張






■政治主張

■各地の闘争

■海外情報

■声明・論評

■主要論文

■綱領・規約

■ENGLISH

■リンク

 

□ホームへ

   反貧困・反資本主義を闘う世界の労働者とつながろう

 全国で反原発闘争に起とう

 沖縄防衛局長田中の差別暴言徹底弾劾

 排外主義うち破り朝鮮学校の無償化実現を





 十一月十一日、日帝・野田政権はTPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加を表明。APECホノルル会合でも交渉参加を表明した。資本の利益を優先し、農業・医療・労働・金融・サービスなどのあらゆる領域での関税・非関税障壁を撤廃しようとするものである。労働者階級人民の生活を破壊していくTPP交渉参加表明は断じて許すことはできない。
 また未だに福島第一原発は九カ月以上たった現在においても事故の収束は愚か、再臨界の危険さえある。依然として放射能をまき散らし、被曝させ続けているのである。このような中で、原発の再稼働、輸出を進める、日帝―政府・資本を絶対に許してはならない。
 政府・資本のつくった危機のつけを労働者階級におしつけるな!今こそ、世界の労働者階級人民と連帯して、たたかい抜こう!


 ●第1章 全ての原発の停止―廃炉を実現しよう

  福島第一原発二号機では、メルトダウンした核燃料が核分裂を続けている。十一月一日、二号機の格納容器内の気体を浄化するガス管理システムで処理した気体を調査した結果、放射性キセノン133、135が検出された。放射性キセノンは、炉内で燃料のウランが核分裂する際に発生するガスである。東電は、反応を抑えるためにホウ酸を注入。「原子炉の冷却は進んでおり、大きな影響はない」などと根拠のないことを平然と言っている。
 東電、経産省が発表する「冷温停止」は根拠がない。メルトダウンした原子炉の内部の状況はだれも見ることができない。反原発闘争を沈静化させようとする楽観的まやかしにだまされてはならない。
 そして十一月十一日九州電力は、トラブルで停止していた玄海原発四号機の運転再開を強行した。福島第一原発事故が発生して以来、停止していた原発が運転再開になるのはこの玄海原発が初めてとなる。政府は九電がまとめたトラブル原因や対策の報告に「おおむね妥当」と政府のお墨付きを与えた。九電はこの政府のお墨付きをもって、いわゆる原発賛成の「やらせ」県民説明会を行わせた佐賀県知事や原発との癒着まみれの玄海町長に了解を得たことをもって「地元の理解を得た」として原発の運転再開を行なったのである。さらにこの玄海原発四号機は十二月中旬から定期検査に入るため再開から約一カ月しか運転しないにもかかわらずである。まさにこれは、原発事故後であっても原発が再稼働できるのだということを示めさんがための政府そして電力をはじめとした総資本のアリバイ工作である。
 こうした人民を愚弄した原発再開に対して人民の怒りはますます拡大している。十一月十三日には、人民の声を無視して運転再開を強行した玄海原発に対して、そしてすべての原発に対して廃炉を求める「さよなら原発!福岡一万人集会」が行われ一万五千人の結集で集会・デモが行われた。
 また経済産業省に対する抗議行動が続いている。「原発いらない福島の女たち」の座り込み、続いて「原発いらない全国の女たち」の座り込み抗議行動が経済産業省前で行われている。
 十月二十七~二十九日には「原発いらない福島の女たち」百数十名が新テントを設置して経産省前座りこみ抗議行動がたたかわれた。開始日の二十七日には、代表三十名が「原発廃炉・再稼働反対・避難の権利・電源三法の廃止」などを求めて、経産省交渉も行われた。
 また引き続いて「原発いらない全国の女たち」による経済産業省前座り込み抗議行動が十月三十日~十一月五日まで行われた。反原発運動による経産省抗議の占拠拠点を形成しつつある。
 さらには「11・11―12・11再稼働反対!全国アクション」が呼びかけられている。「9・11人間の鎖行動」の成功を引き継いで十一月十一日には「11・11たそがれの経産省キャンドル包囲『人間の鎖』アクション」と称して経済産業省包囲行動が取り組まれ千三百人の結集で経産省を包囲した。そして12・11には原発立地・全国の運動と連携し、全国アクションが呼びかけられている。
 また関西においては、関電包囲行動、そして、12・3もんじゅに対する現地反対行動が呼びかけられている。関電は十月二十八日全国で初となる大飯原発三号機のストレステスト一次評価書を政府に報告。原発の再稼働を虎視眈々と狙っている。絶対に許してはならない。
 今もなお原発は全人民に放射能をまき散らし生活を脅かし、被曝させ続けている。福島をはじめ全国の原発労働者に被曝を強制し続けている。全国の労働者階級・人民は連帯し、原発を今すぐ廃炉にすべく反原発・脱原発闘争をたたかい抜こう。


 ●第2章 11岩国行動の成功受け反基地闘争の更なる発展を

 世界の中心国としての米帝の地位が低下し、中国が台頭してくる中、米帝・オバマ政権は何としても米軍再編を推し進め、日米軍が一体となってアジアへの展開を行い、アジアにおける覇権を維持、拡大させようと必死になっている。しかし沖縄人民の闘いの前に辺野古への新基地建設は阻止されており、アメリカ議会上院では、二〇一二年度予算では海兵隊八千人をグアムに移転させるための経費一億五千万ドルの計上が拒否されている。また軍事委員会の委員長らが現行の米軍再編計画は「非現実的だ」として見直しまで求めているのである。米国防長官パネッタは、十月の防衛首脳会談で来年六月までに公有水面埋め立て許可申請を行い、沖縄知事からの了承を得ておくよう圧力をかけてきている。新基地建設が進まなければグアムへの移転もまた頓挫してしまい、米軍の軍事戦略自身を修正せざるを得ない状態になるからである。
 一川防衛相は十月二十五日、パネッタ米国防長官との会談で、米軍普天間基地の移設先として日米両政府が合意した名護市辺野古沿岸部の環境影響評価(アセスメント)の評価書を年内に沖縄「県」へ提出する方針を伝えた。一方で一川は十一月十二日の仲井真沖縄知事と会談のなかで、辺野古への環境アセスメント評価書提出について「期限を切った話はしていない」「(評価書を)無理に提出するものでもない。沖縄県の皆さん方に丁寧に説明して理解の下で物事を進めていく。法的手続きは法的手続きとしてあるが、一方的にやる問題とは違う」などと口にしている。しかし十一月十四日ホノルルでの日米首脳会談で野田は「環境影響評価書を年内に提出する準備を進めている」と沖縄人民の新基地建設反対の声などまったく無視して一方的に辺野古への新基地建設を推し進めることを宣言したのである。
 このように日米両政府が無理やりにでも推し進めてくる新基地建設に対して、沖縄の県議会は十一月十四日、臨時会を開き、政府が提出しようとしている「米軍普天間飛行場代替施設建設の環境影響評価(アセスメント)の評価書」の年内提出という政府方針について、断念することを求める意見書案を全会一致で可決している。首都圏では、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックがパネッタ訪日―日米会談への緊急抗議行動が呼びかけられ、AWC首都圏などが参加・アピールを行い防衛省前抗議行動がたたかわれた。環境影響評価の評価書の年内提出など絶対に許してはならない。断固として新基地建設を阻止しなければならない。
 また東村・高江においても今年二月以来となるヘリパッド基地建設のための工事が再開されようとしている。十一月十五日には工事再開を狙い沖縄防衛局が重機搬入や測量などを目論みたが、住民たちの阻止行動で跳ね返した。沖縄人民のたたかいと連帯して、米軍再編、「普天間基地の県内移設」―辺野古への移設・新基地建設を粉砕しよう。
 また与那国島への自衛隊の配備も狙われている。二〇一〇年十二月に出された中期防衛力整備計画(中期防)では「南西地域の島しょ部に陸自の沿岸監視部隊を配置する」と明記。政府は与那国島への沿岸監視部隊の配置や紛争に対応する初動部隊を南西諸島に配備する方針を示した。これは下地島空港を念頭に置いたものだ。本年度予算では約三千万円が計上され、陸自が与那国島で配備先の調査を実施している。
 そして政府は九月三十日、二〇一二年度予算の概算要求で与那国島に陸上自衛隊の沿岸監視部隊と航空自衛隊の移動警戒隊を配備するための用地取得費十五億円を計上した。配備に向けた動きが加速してきている。これに対して、与那国住民の反撃も始まっている。説明会では配備反対の声が圧倒し、誘致反対署名は五百五十六筆と自衛隊誘致の署名五百十四筆を上回る数が集まっている。新聞による世論調査でも70%を超える住民が反対しており、賛成の13%を大きく上回っている。
 与那国島への自衛隊の配備を阻止しよう。日米両軍による沖縄の最前線基地化を許すな!
 岩国反基地闘争を岩国住民のたたかいを支援・連帯して戦うことである。日米両政府は二〇一四年までに米軍再編計画を実現させようと攻撃を強めてきている。岩国・愛宕山への米軍住宅建設、岩国への厚木基地からの五十九機もの空母艦載機の移駐、鹿児島県馬毛島への艦載機離着陸訓練場・滑走路建設を行おうと画策してきている。
 防衛相は愛宕山米軍住宅建設に対する動きを強めてきている。十月十七日渡辺周・防衛副大臣が山口県知事や岩国市長に対して愛宕山開発跡地を米軍住宅とするために百六十八億九千万円で買い取ると打ち上げた。これに対し岩国住民は、防衛副大臣への緊急抗議行動を展開した。二井知事は十一月末に開会予定の県議会で売却するかどうかについて表明するとしている。福田岩国市長は十一月八日、早々と「跡地を国に売却する方向で、山口県と協議したい」と表明した。市は国への売却方針を決定し、表明した後から住民説明会を始めた。住民からは「基地交付金頼みのまちづくりでは地方自治は機能しない」、「安心安全は金では買えない。決して売らないで欲しい」という売却に対する反対、批判意見が相次いで出された。しかし説明会後、福田市長は「考えに変更はない」などと述べている。これではまさに愛宕山を守る会の岡村寛世話人代表が「市民の声を聞いたというアリバイ作り以外、何ものでもない」と述べたそのものである。福田市長は住民を無視し、愚弄している。絶対に許すことのできない暴挙である。岩国住民は、十一月二十三日に「守ろう愛宕山・来るな艦載機!11・23市民集会」を行う。岩国市民の怒りはますます高まっている。住民は愛宕山でも座り込みの闘いを続け、断固として米軍住宅建設に反対していく決意である。岩国住民のたたかいを支持・支援し、共にたたかい抜こう。岩国の闘いに連帯し、反戦・反基地・米軍再編粉砕―岩国基地大強化反対のたたかいを組織しよう。空母艦載機移駐阻止、愛宕山米軍住宅建設を阻止しよう!

 ▼国際共同闘争として反基地闘争を闘おう

 十一月二十六―二十七日、アジア共同行動(AWC)日本連絡会議が反戦・反基地・国際連帯を掲げての「岩国行動二〇一一」が呼びかけられている。日米の推し進める米軍再編・岩国基地の大強化に反対し、岩国住民とともにたたかうことが呼びかけられている。また韓国においても韓米が一体となった駐韓米軍再編が進められ、済州島に巨大な韓国海軍基地が建設されようとしている。これに対する住民の反対運動が繰り広げられ、反対運動に対する軍による激しい弾圧が行われている。「岩国行動二〇一一」はこうした韓国で反基地闘争をたたかい抜く活動家も参加し、国際連帯を掲げ、国際共同闘争としてたたかい抜かれる。全国からの総結集でたたかい抜こう。


 ●第3章 全世界規模で開始された反貧困―反資本主義の行動

 ▼① 混乱したカンヌG20、労働者人民の決起


 ギリシャ財政破綻から始まった欧州金融危機は、十月の欧州連合(EU)首脳会議、ユーロ圏首脳会議を通して欧州金融安定化基金(EFSF)の拡充などを柱とする方策の一致と、G20各国に支援を仰ぐことで収まるかに見えたが、「ギリシャ国民投票」問題で収拾が付かなくなった。独仏米などがギリシャ首相パパンドレウに圧力をかけて「国民投票」を撤回させたからである。

 しかしこれは、ギリシャ労働者人民のたたかいが、帝国主義間の「協調」による危機回避策が労働者人民に矛盾のすべてを押し付ける攻撃を見抜いてたたかい抜いてきたことによって創り出した新しい状況なのである。
 ヨーロッパから始まりつつある恐慌の第二段階の中で、全世界の労働者人民が反貧困・反資本主義を掲げて立ち上がり始めている。
 もっとも矛盾が激化しているギリシャではパパンドレウ首相が三万人の公務員の給与減額や不動産税増税、年金と賃金削減を盛り込んだ緊縮策を打ち出した。これに対して民衆は激怒し、全土でゼネストを決行した。十月十九日には政府の緊縮策に抗議する四十八時間の官民一斉のゼネストがたたかわれた。アテネだけで十二万人以上がデモに加わり、街はデモ隊で埋めつくされた。
 またイタリアでも、国債が続落。金利は一時、財政運営が難しくなる「危険水準」とされている7%台まで上昇し経済危機は深まっている。高失業率や緊縮財政に対して首都ローマでは数万人がデモを行なった。
 十一月一日フランス・ニースでは、G20サミットに抗議し数千人が闘った。ヨーロッパ各国では財政赤字を減らすため、増税や社会保障費の削減を進め、貧富の格差がますます広がり失業者が増大している。緊縮財政策による資本主義の矛盾が労働者に転嫁させられているのだ。デモの参加者は「G20には危機を招いた責任があるのに市民にそのつけを払わそうとしている」「利益ばかりを追求する金融機関や政治の責任だ」「G20は、現在の危機で広がっている不平等な状況を改めるべきで、金持ちばかりが富を増やすのを止めるべきだ」と資本主義そのものを批判している。
 アメリカ・ウォール街から開始された反資本主義の占拠闘争は世界各地に拡大している。資本主義の矛盾があらゆる地域で噴出し、そのつけを労働者へと押し付けようとする政府・資本に対する怒りが爆発してきているのである。グローバリゼーションの拡大で経済がもはや一国のものではなく、世界的な連関の中にあって、資本主義の行き詰まりもまた全世界的規模で進展している。この矛盾を労働者階級人民へと押し付けることは絶対に許されない。まさにブルジョアジーこそがこの責任を取らなければならないのである。世界各地で立ち上がる人民の階級闘争に恐怖するブルジョア政府・国家権力は警官隊による剥き出しの暴力で襲いかかってきている。権力の弾圧を跳ね返し、断固たたかい抜かなければならない。

 ▼② TPP阻止! 日本労働者階級人民の決起を

 日帝―野田政権はAPECホノルル会合において、米帝に追随して環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加を表明した。
 米帝を中心にアジア太平洋地域の貿易・投資の自由を進めようとする攻撃であり、日帝が親米のスタンスを鮮明にするために、農林水産業をはじめとして、国内産業を解体することにしかならない。国内の雇用を、生活をさらに破壊する攻撃である。
 TPPの下では、アグリ・ビジネスの米豪多国籍企業による農畜産物の域内支配、金融資本・投機資本の支配強化、多国籍企業による労働者の搾取強化、特に労働三権と労働運動の破壊、中小零細・生協・農村・食糧自給が破壊される。低賃金・失業、貧困、貧富の格差が加速する。
 3・11震災、原発事故状況の中で、民生の再生を第一に国内経済政策がとられなければならないにも関わらず、野田政権は労働者人民の方を向いてはいない。
 被曝、貧困、失業という事態に直面した日本労働者階級人民こそが、反貧困、反原発、反資本主義のたたかいを、全国いたるところで開始すべきときである。
 二〇一一年、恐慌は深化し、支配階級は震撼している。二〇一二年、全世界の労働者階級人民と結び、われわれの未来を切り拓こう!



 

当サイト掲載の文章・写真等の無断転載禁止
Copyright (C) 2006-2007, Japan Communist League, All Rights Reserved.