共産主義者同盟(統一委員会)


1403号(2012年10月20日) 政治主張






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   オスプレイ訓練飛行阻止! 配備撤回!

  11・23―24岩国に総結集を

  再稼動阻止! 全ての原発を廃炉に!

  領土拡張主義・排外主義粉砕




 
 十月一日、沖縄に向けオスプレイが岩国基地を飛び立った。沖縄では、連日普天間基地ゲートを封鎖する闘いが取り組まれている。警察は排除を強行した。沖縄人民の体を張った闘いに対する、日帝の暴挙を決して許してはならない。
 釣魚諸島(尖閣諸島)、独島(竹島)をめぐる今日の問題は、日本のアジア侵略に端を発する歴史問題である。事実が隠され、あたかも日本が侵略されているかのような言説がまかり通っている。オスプレイについても、その配備が第一に米帝の戦略でなされていることが隠され、「日本防衛」に必要であるかのようなごまかしが平然となされている。米軍再編粉砕、沖縄、岩国、神奈川、そして韓国を貫く反基地闘争の一層の前進をかけ、十一月二十三、二十四両日、岩国行動2012が開催される。この闘いに全力で決起しよう。


  ●第一章 オスプレイ配備徹底弾劾、配備撤回の全国闘争を

 野田政権は九月十九日、オスプレイに関する安全宣言を出し、二十一日には岩国基地での試験飛行を強行した。沖縄―岩国そして全国で沸き起こるオスプレイ配備反対の声を踏みにじったことは、必ず断罪されなくてはならない。
 日米両政府は試験飛行を開始するにあたって、「安全宣言」を発し、「飛行ルール」で合意したとしている。そもそも「安全宣言」自体が嘘で塗り固めた代物である。機体そのものが不安定である欠陥を隠したうえで、「人為的なミス」による事故とする米側の言い分をそのまま受け入れたに過ぎない。二〇〇九年までオスプレイの研究員だったというレックス・リボロ氏は次のように語っている。「(事故は)オスプレイ固有の構造上の問題で、発生が予期されていた」「パイロットにミスはつきもの。わずかなミスが許されない『余裕のなさ』がオスプレイの大きな問題だ」(『朝日新聞』九月二十日)。
 第一、人為的ミスだったとしても何の不安払しょくにもならない。オスプレイは日本各地で「飛行訓練」する予定であり、事故が起きた時に、その理由を「人為ミス」などと言われても何の意味もない。
 オスプレイは、日米が安全宣言を発する直前、九月六日に米国のノースカロライナ州で緊急着陸しているがこれにも触れないままになっている。この時の朝日新聞の記事を見てみよう(九月九日付)。記事によると、「緊急着陸を求める複数の警告灯がついたため、操縦士が付近の広い場所に着陸した」という。そのうえで「操縦不能に陥ったのではない」としている。目撃者の証言として、機体から煙が上がっていたとしているが、海兵隊では「液漏れが原因で発煙した可能性があるとみている」。
 この事故を受けての日本側の発言。防衛省幹部「死傷者が出る事故なら制御が利かなかったことを意味するが、今回はそうではなかったようだ」。防衛省にはヒヤリ・ハットという発想はないのか? 外務省担当者は「オスプレイは注目されるので騒ぎになるが、他の在日米軍機や自衛隊機でもある。車でエンジンの警告ランプがついたら止まるのと同じだ」と、必死で弁護している。
 安全性を追求する覚悟に欠けている。閣僚の一人は、「普天間の老朽化したヘリの代わりは、オスプレイしかないんだからさ。これで日米がこじれていると尖閣諸島の問題で押してくる中国にすきを見せることになる」とまで言っている。ともかくも、不時着自体に何も触れないまま、「安全宣言」は出されたのだ。
 さて、「安全宣言」とともに飛行ルールなるものも取り決められた。米側は行動の自由を縛るものとして難色を示したということなのだが内容を見てみよう。
 ①基地周辺の飛行「可能な限り学校や病院を含む人口密集地域上空を避ける」
 ②夜間飛行訓練「軍の任務を達成し、飛行要員の練度を維持するために必要な最小限に制限する」
 ③低空飛行訓練「わが国の航空法や国際基準に規定される最低安全高度(約百五十メートル)以上で飛行。週末・祭日の訓練は、運用上不可欠なものに限定する」
 ④オスプレイの飛行モード「運用上必要な場合を除き、米軍の施設・区域内においてのみ垂直離着陸モードで飛行する」
 ⑤訓練移転「国内の沖縄以外の場所で飛行訓練を行う可能性を検討する」
 日米合同委員会での「運用ルール」では低空飛行訓練について次のように付帯がつく。「ただし、安全のためにそれを下回らざるを得ないこともある。原子力施設、史跡、人口密集地、公共の安全にかかる学校、病院などの上空を避けることは慣行である」
 九月二十一日、訓練飛行が開始された直後からこれらの「合意」「飛行ルール」は反故にされている。岩国基地の南に位置する山口県の周防大島では、二十二から二十四日にかけ、島の上空を飛ぶオスプレイが何度も目撃されている。二十三日には小学校の運動会の最中にグランド上空を横切っている。また、下関沖が訓練空域となったが、下関市市街地の上空を飛行している。
 米軍がオスプレイを市街地上空で飛ばしたことに関し、抗議の声が上がっている。これについて、中国四国防衛局は二十七日、山口県に対して「(日米両政府の)合意に反するものではない」と電話で回答している。国は「具体的なルートは米軍の運用に係る事項で承知していない」「訓練空域への移動の際に可能な限り水上を飛行し、陸上を飛行せざるを得ないときは最低安全高度を十分に上回る高度で飛行した」として「合意に反するものではない」との見解だ。「飛行ルール」なるものが空約束でしかないことがはっきりと示されている。というよりも、沖縄をはじめ基地被害にさらされてきた人々にとって、「飛行ルール」など端から信ずるに値せぬものだったのだ。なぜならこの程度の「合意」は何度となく行われており、その都度反故にされてきた。国に意見すれば「米軍の運用に関わることだから」と開き直られる。その繰り返しだ。
 森本防衛相は二十八日、最重視する政策を「オスプレイ配備後の普天間飛行場の辺野古移設を方向づけること」として、年内にも辺野古新基地建設のアセスを完了させると講演している。さらには知事に協力させるため、地域振興策とセットで行うとしている。沖縄の闘いを冒涜するものだ。
 岩国ではこの間、オスプレイの訓練飛行に抗議する闘いが取り組まれてきた。「安全性の説明」にやって来た森本防衛相や神風英男防衛政務官らはその都度岩国市民による抗議に直面している。強調しておきたいのは、この闘いが沖縄にも「本土」にも、どこにもオスプレイはいらない、飛ばしてはならないという決意をもって闘われたということである。岩国基地問題に取り組んできた大川清牧師は「安全宣言」が出された十九日の昼から三日間のハンストを闘った。九月三十日には岩国市役所前でオスプレイの飛行に抗議する市民大集会が取り組まれ、千二百人が結集した。翌十月一日には、朝四時から岩国基地前において、普天間への飛行阻止行動・抗議行動が闘われている。
 オスプレイは普天間に飛び立った、しかしこれは闘いの終わりではない。あきらめてしまえば何時だって闘いは終わっていたのだ。絶対に阻止する、中止させる、これ以上先に進めてはならないという強い意志が闘いを継続させている。沖縄でのオスプレイ運用阻止、全国での訓練阻止、さらにはオスプレイを日本から追い出し、米軍基地を撤去する闘いへ突き進んでいこう。十一月岩国国際集会に全力で決起しよう。


  ●第二章 野田政権の原発推進政策を粉砕しよう

 野田政権は「革新的エネルギー・環境戦略」をまとめ、九月十九日、「原子力規制委員会」を発足させた。しかし、委員長・田中俊一をはじめとして、原発を推進してきた人脈を含んだものであり、野田は国会での同意もないまま発足を強行した。その田中は、再稼働を強行した大飯原発を「すぐには止めない」などと平然と述べている。こんな規制委員会にどんな「規制」ができると言うのだ。
 「二〇三〇年に原発0%」というのが、あらゆる調査の大勢を占めた結果だったはずだ。それを「二〇三〇年代に原発ゼロ」と十年もごまかした。しかも、経団連・米倉などの財界が原発推進を強く主張すると、野田政権はこの「革新的エネルギー・環境戦略」の閣議決定さえ見送ってしまった。
 Jパワーは中断していた大間原発(青森県大間町)の建設再開を決めた。この大間原発は使用済み核燃料を再処理してできるプルトニウムとウランの「混合化合物(MOX)燃料を使って発電する計画であり、世界初の「フルMOX原発」になる。野田政権はエネルギー戦略において、「二〇三〇年代に原発稼働ゼロ」を掲げ、運転期間を四十年にする、原発の新増設を認めない等としているが、早くも破たんしてしまっている。
 また、電力会社、経済界の一部は原発を手放そうとはしていない。福島の事故が収束すらしていないにもかかわらず、また、今夏を原発無しで乗り切ることができたにもかかわらず、増設の希望を口にしている。
 九州経済連合会の会長で、九電の元会長である松尾新吾は朝日新聞の取材に対して、九電の原発比率を七割八割にすべきと答えている(九月二十五日付)。彼は「やらせメール」で責任をとって辞任した人物でもある。また、反原発の民意に対しても「民意、民意というが、サイレントマジョリティー(声なき声)を考えるべきだ。脱原発のデモに何万人も参加したかもしれないが、国民の五割や六割がそう思っているのか。必ずしもそうではないと思う」、原発事故の賠償に関しても「原発事故の賠償は国が責任を持つべきだ」と語っている。
 野田政権は、原発再稼働を強行し、「もんじゅ廃炉」の方針もあいまい化し、建設が中止していた大間原発の工事再開等、現実の具体的政策は原発推進なのだ。そして今見たように、電力会社や財界は原発の増設の意志をあらわにしている。
 野田政権の原発推進政策を粉砕しよう。


  ●第三章 11月岩国行動に全国から総決起しよう

 九月二十一日の民主党代表選挙で、野田佳彦が再選された。第三次野田内閣を発足にあたり、予算編成まで行う意志を表明している。消費税増税、釣魚諸島の「国有化」、オスプレイ配備強行、「原発ゼロ」を掲げて進める原発推進政策。次の選挙が危うい中、もはや開き直っているのか。日帝ブルジョアジーの利害を全面的に代表し、労働者人民の圧倒的多数の民意を次々と踏みにじっている野田政権がさらなる反動に突き進むことを、これ以上放置してはならない。
 一方、自民党は新総裁に安倍晋三を選出。さらに石破茂を幹事長とした。安倍は憲法改悪にまい進すると表明している。二人ともタカ派であり、党の重役についたのも石原慎太郎都知事が発端となった「領土問題」を最大限利用し、そのお陰にあずかったものだ。原発については、自民党総裁選では五人の候補いずれもが推進を掲げていた。米帝・日帝ブルジョアジーの意向が原発推進なのであるからこの線は外せないということなのだ。
 橋下らの維新の会も国政に出ると表明している。橋下の掲げる政策を見る限り、小泉構造改革のコピーのような新自由主義路線である。大阪市での実績は、福祉の切り捨てと「日の丸・君が代」強制と、差別排外主義政策だ。
 マスコミ論調では、この三者が次期政権のカギを握るようなことになっている。そろいもそろってブルジョアジーの代弁者ばかりだ。このままでは、労働者人民にとっては希望も何もない。
 答えはある。単純なことだ。彼らが我々の代表ではないことをはっきりとさせてやることだ。「サイレント・マジョリティー」にならないということだ。
 反戦、反基地、反原発、反オスプレイ、反領土拡張主義、反差別排外主義。いずれに対しても我々が明言し、具体的な行動をとって、目に見えるものにすることだ。これまでも闘い、そして今闘い続けていることである。何も新しいことはない。
 沖縄では辺野古新基地建設阻止の闘いが続けられており、未だ新基地建設を許していない。自民党、民主党二つの政権と対決して勝利し続けている。簡単に言うのではない。ただ明らかなことは、闘いがなければすでに基地は建設されていただろうということだ。
 オスプレイ配備阻止、全ての米軍基地の撤去、原発再稼働阻止、そして全ての原発の停止―廃炉を求める闘いを結合させ、反戦闘争―反基地闘争の一大潮流を創り出していこう。
 労働者自身・労働組合自身が反戦闘争・反基地闘争に立ち上がり、その闘いが結合していくことが何よりも重要である。
 十一月二十三、二十四両日「岩国行動2012」が取り組まれる。二十三日には岩国・労働者反戦交流集会(同実行委主催)が開催され、二十四日には「岩国基地強化反対・アジアからの米軍の総撤収を求める国際集会」(アジア共同行動日本連主催)が開催される。岩国国際集会への結集は、まずもって、オスプレイ配備阻止、飛行阻止の具体的な闘いを大きく前進させることである。反基地闘争・反原発闘争をはじめとする全国の階級闘争を結びつけ、自らの解放闘争として大きく前進させていくことにある。
 アジアの反基地闘争と結合した、国際共同闘争として成功させよう!


 

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