共産主義者同盟(統一委員会)


1421号(2013年8月5日) 政治主張






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 改憲阻止!安倍政権打倒

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 市東さんの農地強奪絶対阻止


 


 七月二十一日に投開票がおこなわれた参議院選挙は、自民・公明での過半数獲得となった。しかし、自公政権が信任を与えられたわけではない。アベノミクスという景気回復を期待させるイメージ戦略でもって、どうにか参議院選挙まで人民大衆の期待感を誘導したにすぎない。
 投票率の低さは、TPP、原発、改憲、沖縄―安保問題での労働者人民の政治不信の表れであるだろう。
 ますます労働者人民の利益を代表する政党の新たな登場が求められている。
 安倍政権と総対決し、たたかう労働者階級人民の結集をかちとっていこう。

 ●1章 政治不信を増大させる日帝―安倍政権

 参議院選挙の投票率は52・61%で、前回の昨年十二月におこなわれた衆議院選挙に引き続き、最低の状態だ。さらに「一人区」が三十一選挙区もある「小選挙区状況」のもとでの多党乱立となっている。だから定員一名で複数の選択肢がない選挙区のほとんどで自民党が当選してはいるが、定員が複数の都市部の選挙区では自民党は多数を獲得できていない。
 つまり、選挙区の有権者数の一割、二割の得票数でも当選したのである。自民党に多数投票したわけではない。それは、自民党以外の政党でも労働者人民の多くが投票した政党はなかったということでもある。民主党の票が自民党に戻っただけだ。
 選挙運動では、株価の変動や円安による物価高など景気回復の不透明さを払拭するため、自民・公明はアベノミクスを連呼することに終始し、TPP、原発、沖縄基地、憲法という重要政策を後景化させた。
 労働者人民は政治不信を強め安倍政権の危険性への危機感をあらわにした。
 原発問題については、投票行為をした人民大衆には色濃く「原発なくせ」の声が多くあるのも示されている。民主党やみんなの党、公明党ですら「原発ゼロを目指す」ことを公約にして当選したのである。
 また憲法については、自民党案と改憲の動きに危機感を持ち、ネットで使用された政策の用語として一番多かった。
 そして沖縄基地問題についても、糸数慶子氏が三選して沖縄人民は基地強化に立ちはだかった。
 安倍政権は、安倍本人と閣僚は沖縄へ応援にかけつけることで沖縄選挙区を獲得し、オスプレイ配備や辺野古新基地建設反対のオール沖縄のたたかいを切り崩して、容認へと逆転させていこうとしていたのである。
 日本共産党の議席が伸び、山本太郎氏が当選したのは、この自公政権に対する不信と危機感と人民の怒りの受け皿となったからである。
 人々が政治不信、政治への展望を失っていることが決定的である。まさしく、労働者人民の利害に立ちたたかいぬく政党、人々が今こそ求められている。
 安倍はこのままアベノミクスムーブメントに乗っかって政治を進めることしか、その政権維持の道はない。それでも安倍は、この参議院選挙後から改憲への野望をむき出しにしてくるだろう。
 安倍は参院選の大勢が決まった二十一日夜早々、改憲に向けた取り組みについて「私たちとしては、まず九六条と話してきた」と述べ、改憲の発議要件を衆参両院の三分の二から過半数に緩和する九十六条の先行改悪に意欲を示した。その上で、九六条改悪の発議に向けて「三分の二を形成できるか、議論を進めていきたい。日本維新の会も同じ考えだ」と語り、野党にも協力を呼びかける考えを表明している。
 さらにTPP交渉、消費税増税も待ったなしで襲いかかってくる。
 原発のいっせい再稼働策動も強まる。安倍政権との総対決へたたかいをつくりだしていこう。

 ●2章 全原発の再稼働阻止! 原発の海外輸出許すな

 原子力規制委員会の新規制基準が七月八日に施行されたと同時に、電力会社は再稼働に向けて申請をおこなった。北海道電力は泊、関西電力は大飯と高浜、四国電力は伊方、九州電力は玄海と川内だ。
 新規制基準は再稼働するためにつくられた基準である。そもそも、この新規制基準自体、「世界最高レベルの安全を確保する」(田中委員長)の豪語にもかかわらず、「日本の原発の深層防護は現時点で大変不十分だ。世界最高水準の原子力安全対策が整っているとは言えない」(元国会事故調委員・石橋克彦神戸大名誉教授)と真っ向から批判されていたものだ。深層防護とは、多段階で原発防護を実現する規制体系で、国際原子力機関(IAEA)は、第四段階で過酷事故対策を、第五段階で放射性物質が外部環境に放出された際の対策を求めている。つまりPWR(加圧水型軽水炉)へのフィルター付きベント設置と第二制御室・非常用電源・冷却ポンプなどを備えた特定安全施設の建設が義務付けられているのだ。
 しかも、新規制基準では設置を「五年間猶予」するという。「フィルター付きベント」は、緊急時に原子炉格納容器の圧力を下げるために蒸気を外に放出する際に放射性物質を取り除くもの。同じく設置が義務付けられている「恒設ポンプによる格納容器スプレー」は、格納容器の圧力温度が上がったときに冷却するためのもの。いずれも稼働時に設置されていなければならない決定的に重要なものを最大五年間装備してもよいとしているのだ。これらの装置でも放射性物質を完全に除去できないことが明らかとなっている。
 すでに再稼働が強行されている大飯原発は新規制基準に適合できていないにもかかわらず、新規制基準による審査をしないで九月の定期検査までの継続使用を原子力規制委員会が認めたのである。大飯と高浜は活断層の調査を完了していない。
 柏崎苅羽原発の再稼働申請については東電が地元住民への説明ないまま決めたことで、新潟県知事をはじめ地元自治体は猛反発したが、安倍政権をバックに再稼動策動を押し進める電力会社の姿が露呈している。
 そもそも福島第一原発事故の原因が明確にすらなっていない中での再稼働そのものがありえない。デタラメだ。
 それでも安倍は、アベノミクスの三本の矢=成長戦略の一環として、原発再稼働、原発輸出を位置づけている。独占資本の利益のために労働者人民を死に追いやる安倍政権を一刻も早く打倒しなければならない。反原発闘争こそ、安倍政権と正面から対決する政治闘争課題である。安倍政権は、今秋の原発再稼働をめざしている。大飯原発の稼働停止・再稼働阻止をはじめとして、全国で再稼働阻止のたたかいをさらに進めよう。
 侵略反革命と闘う被爆二世の会は、『戦旗』第一四二〇号で次のように「8・6広島青空式典」への結集を呼びかけた。
 「今こそ、日帝―安倍に五十四基の原発を国策として作ってきた責任を取らせなければならない。それには、一刻も早い脱原発日本の実現と原発被曝労働者や原発被曝者に、国家補償に基づく援護を実現することだ。私たち被爆二世も日本の民衆やアジアの民衆と連帯して、原発の輸出も再稼働も新増設も阻止する。われわれは世界中の原発をゼロにするまで闘う」と。
 被爆者―被爆二世の解放運動が切り拓いてきた地平で、「8・6広島青空式典」をはじめ、あらゆる核兵器、核開発を阻止していくたたかいをさらに進めよう。

 ●3章 排外主義煽動し戦争攻撃強める安倍政権打倒せよ

 今年の防衛白書で安倍政権は、昨年以上に中国と朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)の軍事的脅威を強調し、「安全保障環境は一層厳しさを増している」ことを根拠にして、軍事力の強化を主張している。
 オスプレイの「沖縄配備により、在日米軍の抑止力が強化され、この地域の平和と安定に大きく寄与する」とし、その運用実態について「政府としては、米国がMV22に関する合意を遵守し、安全性などに最大限配慮して運用してきていると認識」と明記している。昨年より一節加えて「安全性」を強調しているのだ。そこには住民への配慮など沖縄人民の訴えに応えるものは何もない。
 さらに離島防衛を名目にして「敵基地攻撃能力や海兵隊的な機能」についての安倍の国会答弁を引用し載せているのだ。
 また昨年安倍政権発足直後に閣議決定された「防衛計画の大綱の見直し」の中間報告においても、この「海兵隊的な機能」について、「事態の推移に応じ、部隊を迅速に展開するため、機動展開能力や水陸両用機能(海兵隊的機能)を確保することが重要」とし、上陸専門部隊の充実・強化を方針化しているのだ。
 まさしく自衛隊を戦争突撃=侵略可能な戦闘部隊に変えようとしている。
 その一環として辺野古新基地での自衛隊の共同使用を目論んでいることも付け加えておく。
 軍事基地強化、軍事演習強化と対決し、日帝―安倍の戦争態勢づくりを打ち破っていこう。
 沖縄、岩国、神奈川をはじめとする反基地闘争をもって、安倍政権の根幹―日米安保の根幹を掘り崩していこう。
 沖縄においては、辺野古新基地建設のための埋め立て申請に対して、沖縄「県」への包囲網を強めている。利害関係人による意見書が全国から二千通強寄せられ、知事へ激励の声を届けることも広まってきている。高江ヘリパッド建設に対しては粘り強く座り込みが続けられており、反対住民を起訴したSLAPP訴訟に対しても、住民は上告してたたかうことを明らかにしている。オスプレイ配備阻止―撤回のたたかいにおいても、普天間基地ゲート封鎖をはじめオール沖縄のたたかいが継続している。また、与那国島への自衛隊配備に対しては住民への合意なく強行されている事態に、反対派住民は八月十四日の町長選に自衛隊配備反対の候補者を出してたたかいぬいている。
 沖縄のたたかいに連帯して「本土」各地でも反オスプレイ・反基地闘争がたたかいぬかれている。沖縄への追加配備に向けたオスプレイ搬入を許さないたたかいにおいては、搬入される岩国では七月二十八日に抗議行動がたたかわれた。東京では七月二十九日に、官邸前抗議行動と追加配備を強行した際の防衛省抗議行動が連続してたたかわれた。神奈川でも八月二十四日に厚木基地周辺で集会デモがおこなわれる。
 また、京都府京丹後市の航空自衛隊経ケ岬(きょうがみさき)分屯基地に米軍の弾道ミサイル探知用移動式早期警戒レーダー「Xバンドレーダー」を追加配備しようとしていることに対して、京都では反対運動が開始されている。
 まさしく、沖縄のたたかいと連動した岩国・神奈川をはじめとした現地のたたかいは日米安保体制を根幹から揺り動かしている。この反基地・反安保闘争の拡大・強化こそが、安倍政権を打倒へと追い詰めていくのだ。


 

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