共産主義者同盟(統一委員会)


1423号(2013年9月20日) 政治主張






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  汚染水漏れ事故弾劾! 原発再稼働阻止!

  改憲に突き進む安倍政権打倒

  労働法制改悪阻止!

  10・20三里塚に決起しよう




 安倍右翼反動政権打倒を掲げ、今秋期闘争をたたかおう。
 八月二十六日午後、米西部ネバダ州において、訓練飛行をしていた米海兵隊新型輸送機MV22オスプレイが着陸に失敗し炎上した。機体の損傷情況など詳細はいまだ明らかにされていないが、オスプレイは開発段階から事故が相次いでおり、欠陥機であることがまたもや証明された。
 オスプレイは、沖縄において日米両政府が取り決めた市街地上空や夜間の飛行禁止などを反故にしつづけている。また、岩国基地を拠点に、中国や四国、九州などにおいても訓練を強行し、住民の生活を脅かし続けている。沖縄―「本土」をつらぬき、オスプレイ撤去の反戦・反安保闘争を広範に巻き起こしていかなければならない。
 日帝―安倍政権の成長戦略の柱として原発輸出が位置づけられている。いまだ収束のメドがたたない福島第一原発においては、八月十九日、高濃度汚染水三百トンが漏れ出す事故が発生していることが明らかとなっている。さらに三十一日には別の四カ所のタンクからも最大毎時千八百ミリシーベルトもの高線量が計測されている。東電に事故の責任をとらせ、原発再稼動を阻止するたたかいに全国で決起しなければならない。
 安倍政権による改憲攻撃と徹底的に対決し、戦争のできる国家への再編を断固として阻止せよ。
 三里塚芝山連合空港反対同盟農民のよびかけに応え、今秋10・20三里塚全国総決起集会に全力で結集せよ。
 米帝・オバマ政権は、シリア・アサド政権が化学兵器を使用したことを口実に、シリアに対する軍事攻撃に踏み込もうとしている。シリア側は米帝が断定する化学兵器使用を一貫して「でっち上げだ」と否定している。ブッシュ前政権によるイラク侵略反革命戦争が、実際には存在しない「大量破壊兵器」の保有を大義名分としていたように、アサド政権の化学兵器使用は米帝のねつ造の可能性がある。反米政権打倒をもくろむ米帝のシリアへの軍事介入を許すな。


  ●第1章 反戦―反基地闘争を強化し11月岩国国際集会へ

  ▼1章―1節  戦争のできる国家への再編を許すな

 安倍政権は、九六条改憲から九条改憲をもくろみ、解釈改憲を極限まで進めようとしている。
 安倍政権は、現行憲法九条の下で集団的自衛権行使容認へと内閣法制局見解を改悪する意図をもって、前長官の山本庸幸(つねゆき)を退官させ、集団的自衛権行使容認派の小松一郎を内閣法制局長官に起用した。
 内閣法制局は、内閣が提出する法律案や政令について、国会の承認が必要な条約が、憲法と矛盾していないかをチェックする機能をもっており、歴史的には集団的自衛権の行使については憲法解釈上認められないという見解をとり続けてきた。
 安倍政権は、これを容認派の小松へと首をすげかえることにより、強引に集団的自衛権の行使は可能との憲法解釈変更をしようとしているのだ。小松は第一次安倍内閣時に安倍が集団的自衛権行使容認に向けて設置した有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」のメンバーであり、安倍のブレーンだ。
 安倍政権は参院選での「大勝」をもって、ブルジョア法的枠をも突破する強権的な「解釈改憲」によって、集団的自衛権行使へと一気に突き進もうとしている。
 安倍政権による解釈改憲攻撃を徹底的に弾劾し、全国において九条改憲阻止のたたかいを広範な労働者人民とともに巻き起こしていこう。
 また、日帝―安倍政権は、今秋臨時国会において特定秘密保全法案を提出しようとしている。
 政府は国家安全保障会議(日本版NSC)の年内設置をもくろんでおり、米帝と軍事などの機密情報共有を促進し、日米軍事同盟の実戦的強化へと突き進もうとしている。特定秘密保全法案は、機密情報保護をより厳格化することを目的に制定されようとしている。具体的には政府が指定した「特定秘密」を漏らした場合には最長十年の罰則というように、厳罰化を特徴としている。「特定秘密」の範囲について、政府は「国の安全保障に著しく支障を与える恐れがある」と説明しているが、定義が極めて曖昧であり、「特定秘密」はいくらでも拡大解釈が可能な概念だ。しかも「特定秘密」を決めるのは大臣などの各省庁や行政機関の長とされている。つまり、都合の悪い情報は大臣の判断でいくらでも「特定秘密」と規定して人民に秘匿することが可能となるということであり、極めて反動的な法案だ。臨時国会提出を断固として阻止していかなければならない。
 防衛省は七月二十六日に新防衛大綱の中間報告を公表した。その特徴は第一に中国との釣魚諸島(日本名「尖閣諸島」)をめぐる「軍事的緊張」を名目に「機動展開能力や水陸両用(海兵隊的)機能を確保することが重要」と、自衛隊に海兵隊機能を追加していこうとしていることだ。海兵隊とはアメリカ軍海兵隊が「殴りこみ部隊」と表現されるように、上陸作戦や即応展開などを展開する外征専門部隊のことである。また同時に米軍の無人偵察機「グローバルホーク」などの高高度滞空型無人偵察機の導入を検討するとしている。
 第二に朝鮮人民民主主義共和国による「核・ミサイル開発」を名目にして、発射台などを直接攻撃する「敵基地攻撃能力」保有の検討に入ろうとしている。
 さらに、防衛省は欠陥機オスプレイを二〇一五年度から自衛隊に導入しようとしている。一四年度予算の概算要求では調査費約一億円を計上しているのだ。
 これらは日米軍事同盟強化、米軍―自衛隊が共同演習において日米軍の一体的運用を進めてきたことと合わせ、戦時における日米共同作戦の実践的運用に向けた攻撃である。日米安保をテコとした戦争のできる国家への再編を絶対に許してはならない。

  ▼1章―2節 反戦―反基地、安倍政権打倒

 米軍再編―反基地闘争を全国において高揚させていかなければならない。沖縄、岩国、神奈川をはじめとする全国の軍事基地こそ、日米安保の実体であり、これの再編・強化の攻撃に対して、広範な人民の実力的決起を作り出していかなければならない。
 そして同時にわれわれは日米軍事同盟の実戦部隊としての飛躍的強化を阻止し、反戦・反基地闘争を九条改憲阻止闘争と一体のものとしてたたかいぬかなければならない。現地で粘り強くたたかう労働者・農民と固く結合し、そのたたかいを物心両面において支援しつつ、沖縄―岩国―神奈川など全国において反戦反基地闘争の全人民的な高揚をかちとるべく奮闘しよう。そしてそれらを「岩国行動二〇一三」闘争の大高揚へと結実化させていこう。
 われわれは、今夏、普天間基地撤去、辺野古新基地建設阻止、岩国基地強化阻止、愛宕山米軍住宅建設粉砕、京都府京丹後市へのXバンドレーダー基地建設阻止などにたち上がってきた。このたたかいこそ、日米軍事同盟を一つひとつ突き崩していくたたかいだ。
 七月二十八日「オスプレイ追加配備抗議/沖縄配備・低空飛行訓練反対7・28市民大集会」が、山口県岩国市で記録的大雨のなか、千二百名の大結集によって取り組まれた。われわれも九州・山口・関西からこの取り組みに合流し、ともにたたかいぬいた。
 集会宣言において「岩国基地が日米両政府の軍事政策に加担し、さらにオスプレイが沖縄へ追加配備される役割を担うことを断固拒否します。沖縄をはじめ全国の人たちとよりいっそう連帯を強め、世界一危険な『MV22オスプレイ』の沖縄や岩国への配備を撤回させるまで日米両政府に強く働きかけ、粘り強く取り組んでいくことを確認します」と、岩国基地のオスプレイ出撃拠点化に対して、沖縄をはじめ全国の反基地闘争と結合し断固としてたたかいを継続していく決意が表明された。
 七月三十日にはオスプレイ陸揚げに反対する岩国現地闘争がたたかわれた。早朝七時、輸送船グリーンリッジに積載された十二機のオスプレイが米海兵隊岩国基地へと到着した。
 岩国現地のたたかう住民を先頭として、グリーンリッジに迫る海上抗議デモ、それに呼応した陸上でのデモや弾劾行動がたたかわれ、九州・山口のたたかう仲間もこれに合流してともにたたかいぬいたのである。
 八月三日には、普天間基地へのオスプレイ十二機の追加配備を阻止すべく、基地の主要ゲートを実力封鎖するたたかいが敢行された。このたたかいに恐怖した警察権力は不当逮捕の暴挙にでてきたのである。徹底的に弾劾しなければならない。
 日米両政府は本年十月上旬、陸上自衛隊饗庭野(あいばの)演習場で、オスプレイを使った日米共同訓練を強行しようとしている。断固として反対闘争に決起していかなければならない。
 全国で反戦―反基地闘争を推し進め、十一月岩国国際集会への総決起を実現しよう!


  ●第2章 汚染水事故弾劾、原発再稼動阻止

 八月十九日、東京電力福島第一原発の地上タンクから、セシウム・ストロンチウムなど高濃度放射能汚染水の外洋への大量漏出が起こっていることが明らかとなった。その量は東電推定で三百トンにもおよぶ。
 タンクは原子炉を冷やした後の処理水を貯めておくために使われているものだ。漏出を起こしているものと同型のタンクは全体で約一千基のうち約三百五十基だが、容量が大きいので、高濃度汚染水全体の七割ちかく(二十二万トン)を占めている。また、このタンクの耐用年数は五年しかない。汚染水漏れをチェックするのは一日二回の目視のみと極めてずさんな実態も明らかとなっている。外側から見るだけでは空になっているのかどうか、漏れているのかどうかを判断することなどできない。他のタンクから漏れている可能性も否定できない。さらに地下水が壊れた原子炉建屋へと流れ込み、放射性物質と混ざり合って、現在も一日四百トンもの高濃度汚染水が新たに発生しつづけているのである。
 また、これまでも原子炉冷却水からストロンチウムは除去されてこなかった。約六十種類の放射性物質を除去できるとされている「多核種除去設備」(ALPS)は試運転の段階から水漏れを起こし、稼動のメドはまったくたっていない。
 ストロンチウムは半減期が二十九年であり、体内に取り込まれた場合、骨にたまりやすく体内に残り続けるため、内部被曝を長期化させ、白血病を引き起こす可能性が高い猛毒の放射性物質だ。
 東電は「海への拡散は限定的」などと相変わらずその場逃れのための「過小評価」を繰り返しているが、それを鵜呑みにするものは誰もいない。すでに福島第一原発の専用港内では、場所によって法定濃度の十倍以上のストロンチウムが検出されている。台風や大雨、海流の変化などの影響により港内から外へ汚染が拡大することも十分に考えられる。また、海中の直接汚染のみならず、魚類などに取り込まれた放射性物質が、食物連鎖を通じて濃縮されたうえで人体に取り込まれる可能性も高い。
 八月二十一日、いわき市漁協は、九月から始める予定だった事故後初の試験操業の延期を決定した。また、昨年六月から試験操業を続けていた県北部の相馬双葉漁協も、九月以降の実施を延期せざるをえなくなったのである。
 二〇一一年五月以降、福島第一原発から海に漏れ出た放射性ストロンチウムは最大十兆ベクレル、セシウムは最大二十兆ベクレルと試算されている。これは国が認可した「年間放出管理目標値」の百倍以上に達する。
 八月二十一日、原子力規制委員会はこれらの極めて深刻な事態を前に、ついに国際評価尺度(INES)の暫定評価を「レベル1」(逸脱)から「レベル3」(重大な異常事象)へと引き上げざるをえなくなった(「INES」は原子力施設で発生したトラブルの規模や深刻度を示す世界共通の物差しとして、国際原子力機関(IAEA)が設定)。
 東電は二〇一一年の最大値「レベル7」の原発爆発事故を収束させることもできぬまま、さらなる事故を引き起こしており、この漏出事故の収拾のメドはまったくたっていない。そもそも放射性物質を完全に浄化できる装置は現状において存在していないし、今回の漏水事故を起こしたタンクの耐用年数である五年後(すでに二年が経過している)に毎日四百トン溜まり続ける高濃度汚染水をどう処理していくのかさえ決まってはいないのだ。もはやこれらの事態は東京電力が一企業として対応できる限界を完全に超えていることを示している。
 東京電力は、この期におよんでも、いまだ事故隠しの隠蔽体質を維持し続けている。経営的にも完全に破綻している東京電力を早急に解体し、国家レベルで事故処理に取り組まなければ、これからも新たな原子力事故が誘発されていくに違いない。
このような深刻な情況の中で原発再稼動など絶対に許してはならない。
 福島の人たちの避難と補償、すべての原発停止―再稼動阻止、廃炉を実現すべく、反原発闘争を全国各地で進めていこう。
 北海道、関西、四国、九州の各電力会社は、六原発十二基の再稼動申請を強行した。今秋は再稼働を阻止することができるかどうかの決戦的な情況に突入する。現在稼動中の大飯原発四号機が九月十五日に定期検査で停止すれば再び稼動原発がゼロになるのだ。全国各地において、再稼働を絶対に阻止するたたかいを総力で推し進めねばならない。
 今秋反原発闘争を、原発再稼動・原発輸出・核武装を進める安倍政権と総対決する全人民的政治闘争としてたたかおう。経産省前テントを守り抜き、街頭闘争を連続的に組織しよう。国家権力の不当弾圧激化に抗し、実力闘争でたたかいぬこう。「さようなら原発一〇〇〇万人アクション」が呼びかける10・13集会をはじめ、全国各地で反原発集会・デモに結集しよう。


  ●第3章 10・20三里塚現地へ結集しようスを打ち破れ

銀―黒田の「異次元の金融緩和」をもって始められた安倍政権の経済政策は、円安を誘導し、輸出企業の一部にはメリットがあったかもしれないが、労働者人民の大多数はこれによって生活が楽になった実感など持ってはいない。逆に、賃上げがない中で輸入物価の高騰、電気料金をはじめとした公共料金の値上げが進み、労働者人民の生活苦は進んでいるのだ。
 国内大手三十社がためこんだ内部留保は二〇一三年三月末までに、総額七十七兆円にものぼる。これは前年比で六兆円も増加している。企業が稼いだ利益のほとんどが賃上げに回ることなく、社内へと貯め込まれている実態が明らかだ。
 官房長官・菅は六月の完全失業率が3・9%となり、四年八ヶ月ぶりに4%を切ったことをもって、「アベノミクスによる景気回復の動きが雇用にも波及しはじめている」などと自画自賛しているが、これは景気回復の影響などでは決してなく、労働者の非正規化の進行によるさらなる低賃金化の結果である。非正規労働者の数は前年同月比で百百万人増加し過去最多を更新しつづけている(本年七月の総務省の発表では非正規雇用労働者は全体の38・2%にのぼる。逆に正社員雇用は五十三万人減少しているのだ。また、雇用環境の悪化により就職自体を諦めた人たちは、失業者としてではなく「非労働人口」に組み入れられている。また、調査対象となる期間にたとえ一時間でも働いた人は失業者としてはカウントされないというからくりがあり、実際の失業率はもっと高い。
 また非正規労働者の時給は最低賃金に抑えられるケースが多く、例え正社員になったとしても「ブラック企業」で過酷なサービス残業を強いられているのである。
 また、安倍政権は八月一日、生活保護費申請の厳格化と罰金引き上げ、生活保護費引き下げを強行した。安倍政権はマスコミや在特会などファシスト排外主義集団を最大限利用し、受給者全員をあたかも「不正受給者」であるような陰湿なキャンペーンを張り、弱者切り捨てを強行したのである。生活保護受給者は全国で二百十五万人に達しており、減額の影響は受給世帯の96%と、ほぼ全世帯におよぶ。これまででさえ、生活保護を受けることが出来ず、孤立を強いられ、餓死に追いやられる人々が後をたたない中での暴挙を徹底的に弾劾しなければならない。そして、さらなる大衆収奪攻撃=消費増税実施に突き進もうとする安倍政権に対して、労働者階級人民は階級的団結を強化し、反貧困闘争に決起し、総抵抗闘争を組織していかなければならない。
 安倍政権が進めようとする「成長戦略」とは何なのか。
 安倍政権は、「成長戦略」の一環として労働者派遣法を来年の通常国会で「改定」するとしている。
 厚生労働省の有識者研究会は、「派遣労働の見直し」と称しながら、派遣の業務区分をなくし、あらゆる業務において派遣を可能にすることを提言している。かつ、派遣上限を一律に三年とすることも提言している。
 これらの「改定」は、「派遣労働者保護」を名目にして行われているが、実際には規制緩和路線への回帰であり、資本―経営の側に有利な制度への転換が一層進められようとしているのである。ブルジョアジーは、通常正社員が行っている恒常的な業務までも派遣に置き換え、賃金抑制を図ろうとしているのだ。あらゆる業務で正規雇用から非正規雇用への転換が進められ、一方では、派遣労働者の生活など一切考慮することなく、正社員と同じ労働をしているのに、賃金格差は解消することなく三年で雇い止めされるという事態が合法化されていこうとしているのだ。
 派遣労働法「改定」は、いままで以上に資本による「使い捨て」労働を促進させようとするものであり認めることは出来ない。
 われわれは労働者階級の利害を貫いて、安倍右翼反動政権と徹底的に対決していかなければならない。たたかう労働組合を組織し、労働者階級人民の総抵抗闘争を組織していこうではないか。

 

 

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