共産主義者同盟(統一委員会)


1433号(2014年3月5日) 政治主張






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 労働法制改悪阻止! 14春闘勝利



 
 ●1章 春闘を闘いぬき、安倍政権を打倒しよう

 春闘は始まっている。労働者階級人民は今、全国いたるところで安倍右翼反動政権とたたかいぬいている。沖縄では名護市民への「金権と圧力」をはね退け、辺野古新基地建設に反対する稲嶺市長を再選させた。原発再稼動をもくろむ安倍政権に対して再稼動を阻止する粘り強いたたかいが現地の住民と労働者人民によって繰り広げられている。毎週金曜日には、国会前でのたたかいが取り組まれ、通産省前テントは、権力の弾圧をはね退け、全国の反原発運動の中軸として敢然と存在し続けている。そして、労働者はこうしたたたかいを職場で地域で支えぬきながら、安倍の目論む労働法制改悪に対して寒風吹きすさぶ厚労省前での座り込みや集会・デモなどを繰り広げながらたたかっている。今春闘の課題は明らかだ。改憲と戦争国家化へひた走る安倍政権と対決し、日帝―安倍打倒に向けた巨万の労働者人民の決起を作り出すことだ。

 ●2章 労働法制改悪阻止を闘いとろう

 安倍政権は「世界で一番企業が活動しやすい国」を作ると言いなして労働者階級への攻撃を強めている。その第一は「労働者派遣法」の改悪である
 一月二十九日厚生労働省労働政策審議会は、「労働者派遣制度の改正について」との報告書をとりまとめた。この報告書を受けて、本年の通常国会において、労働者派遣法を改定する予定としている。この報告書は、二〇一三年八月二十日に発表された厚生労働省「今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会」の報告書の考え方を基本的に採用しており、労働者派遣法の根本原則である常用代替防止の考え方を見直し、派遣元で無期雇用されている派遣労働者については、常用代替防止の対象から外すこと、及び、派遣元で有期雇用されている派遣労働者については、①個人レベルで派遣期間を制限することとして、政令指定二十六業務を含めて、派遣労働者個人単位で上限期間(三年)を設定すること、②派遣期間の上限に達した派遣労働者の雇用安定措置として、派遣元が、派遣先への直接雇用の申入れ、新たな派遣就業先の提供、派遣元での無期雇用化等のいずれかの措置を講じなければならないこと、③派遣先において、有期雇用派遣労働者の交代によって派遣の継続的受け入れが上限を超す場合には、過半数組合か過半数代表者の意見聴取を義務付けることとしている。
 この報告書に基づく労働者派遣法が改悪されることになれば、企業が一般的・恒常的業務について派遣労働者を永続的に利用できることになる。一部の管理的労働者を除いて正社員を派遣労働者(無期・有期)に置き換える事態が進み、労働者の不安定雇用と低賃金などの労働条件の悪化がもたらされる。
 また、職場の中に「派遣が行う仕事」が作られ、派遣先・派遣元事業者は有期雇用の派遣労働者を三年経過するごとに入れ替えて継続して使うことが可能となる。「派遣先への直接雇用申入れ」も、「派遣元での無期雇用化」も法的な拘束力がなければ絵に描いた餅にすぎず、労働者の入れ替え時期に多くの派遣労働者が失職することを防止できない。さらに、労働組合等が反対しても使用者は再度説明さえすれば導入できる制度となっており、歯止めになっていないのである。
 二〇〇八年のリーマンショツクの際に「年越し派遣村」が作られ、派遣という働き方がいかに資本にとってのみ使い勝手の良い、労働者を使い捨てるものであることが満天下にさらしだされ、「派遣法改正」は労働者階級の大きなたたかいとなった。しかし、民主党政権は、労働者側の強い要求があった「『登録型派遣』『製造業派遣』の禁止」を二〇一二年の「法改正」時には行わなかった。そして、今回の「報告書」においては「経済活動に大きな影響を与えることから禁止しない」としている。また、違法派遣が明らかになったときは「みなし雇用」を行うという制度は、一二年「改正」時「三年後に実施」とされ、この三年も経ていないのに反故にすることも可能なのである。
 まさに、労働者を使い捨てにするこの「派遣法」改悪を許さずたたかい抜こう。
 さらに、昨年十二月十五日規制改革会議においては「一律の労働時間管理がなじまない労働時間制度創設」の導入を求めている。これは、明らかに残業代ゼロを狙うものである。また、解雇しやすくする地域や職種限定の「限定正社員」を増やそうとする動きもある。今こそ、権利を譲らず、分断を許さず労働者の生存権をかけたたたかいに立ち上がろう。

 ●3章 「国家戦略特区」粉砕、三月特区決定を許すな

 安倍政権の目指す「世界で一番企業が働きやすくする」の第二は、「国家戦略特区」と「TTP」の締結である。
 日帝安倍政権は、昨年十一月五日「国家戦略特別区域法案」を閣議決定し、国会で成立を強行した。この「国家戦略特区」は、「国が定めた国家戦略特別区域において、経済社会の構造改革を重点的に推進することにより、産業の国際競争力を強化するとともに、国際的な経済活動の拠点を形成することが重要であることに鑑み、国家戦略特別区域に関し、規制改革その他の施策を総合的かつ集中的に推進する」としている。そして規制緩和を行う項目として「旅館業法」「医療法」「建築基準法」「道路法」「農地法」「都市計画法」があげられている。そしてこれらの規制緩和が行われた地域において「個別労働関係紛争の未然防止等のための事業主に対する援助」と「地域の特性に応じた多様な教育を実施するに当たり……公立学校の管理を民間に委託することを可能とするため……法律の施行後一年以内を目途としてその具体的な方策について検討を加え、その結果に基づいて必要な処置を講ずる」としている。まさに、特区内においてはあらゆる規制が緩和され、金儲けのためなら何でもありが行われるのである。
 安倍政権は一月三十日、地域を限定して規制緩和を進める「国家戦略特区」の選考基準を定めた基本方針案をまとめた。特定地域を対象とする「広域都市型」と離れた複数の地域を束ねる「バーチャル型」の二種類の特区を選ぶ。三月に第一弾として三~五ヵ所を決めるとした。
 安倍自身が、同日の国家戦略特区諮問会議で「岩盤規制も、私のドリルからは逃れられないとの趣旨を基本方針に盛りこんだ」と強調し、方針案では「平成二十七年度末までを集中取組期間として、岩盤規制全般について突破口を開く」とし、第一弾の決定後も規制緩和を続行する方針を盛り込んでいる。
 この「国家戦略特区」はTPPの締結を前に国内の法と産業構造の再編を行うための実験場として作られるものである。
 TPPの締結に際しては、関税の撤廃のみならず食品の安全基準、医療、雇用、投資などに関する国内の規制や制度を撤廃し、「国際ルール」への統一が条件になる。安倍の言うところの「岩盤規制」を撤廃させるということと、この「国際ルール」への統一は同義なのである。その「岩盤規制」の一つとして上げられているものが労働法による規制である。
 「国家戦略特区」において労働者は、「個別労働関係紛争を防ぐ」ために作られたルールや企業単位で労働法の規制緩和が行われた労働条件の下で働く働くことが強制される(「解雇自由特区」ではあらかじめ契約した事項に違反した場合は解雇されてもしかたがないとする労働契約がまかりと通ろうとしていた)。そして、あえて「個別的労働関係」としている点も注意を払う必要がある。集団的労働関係である労働組合の存在をあらかじめ排除し、労働者を一人ひとりに分断し「労働関係紛争を防ぐ」つまり労働争議を起こさせないノーユニオン地域を作ろうとしている可能性があるということである。また、検討課題として「高度の専門的な知識、技術又は経験が必要な業務に就く労働者については、五年以上の期限を越えて働く場合は期間の定めのない労働者への転換を行わなくてはならないとする労働法の規制を撤廃し、これを全国において実施することを検討する」としている。つまり資本が必要とする間だけ働くことのできる労働者を作ることを、特区以外の全国において行えるようにすることがもくろまれている。
 舛添都知事は、「国家戦略特区」に名乗り上げることを選挙公約として当選した。大阪の橋下は自ら招いた市長選挙という事態の中で「国家戦略特区」に乗り遅れまいと必死になっている。このブルジョアジーの下僕たちを許してはならない。「国家戦略特区」に労働者の未来はないことを徹底して暴露し粉砕に向けて立ち上がろう。

 ●4章 アジア人民との団結強め安倍の解釈改憲を許すな

 安倍は特定秘密保護法の強行採決に続いて、集団的自衛権行使の「合憲化」と「国家安全保障基本法」の成立を今国会でもくろんでいる。政府が憲法の解釈を変えるだけでなんでもできるとする安倍に対して自民党内部からも批判の声が上がっているが、彼らの真の狙いが「改憲」にあることを忘れてはならない。「国家安全基本法」は、自衛隊が「密接な関係のある国」とともに海外で無制限に武力行使ができる道を開き、「先制攻撃」を可能にし、労働者人民を戦争に動員する法律である。また、教育委員会制度を改悪し首長の意のままに働く人を教育委員に任命し、教科書検定制度を改悪しアジア諸国への侵略を行ったという事実すら教科書に載せない、道徳を教科とし資本に歯向かわない、国家に忠誠を尽くす労働者作りを教育を通して行おうとしている。
 こうした安倍政権に対して、労働者は自らの未来をかけてたたかいぬこう。「労働者は再び侵略に向けた武器をもたない」を全労働者の合言葉としよう。沖縄・岩国・神奈川などの全国の反基地・反戦のたたかいと固く連帯し、アジア人民との国際的な団結をもって、春闘のたたかいとして戦争とファシズムを許さず、安倍政権打倒に向けてたたかおう。

 ●5章 原発再稼動阻止・輸出阻止闘おう

 さらに、原発再稼動・原発輸出も絶対に許してはならない。全国各地で労働者人民は原発再稼動阻止のたたかいに取り組んでいる。福島第一原子力発電所の事故の原因すら明らかになっていない中で再稼動や輸出を行うことは、人々の命と生活よりも原発マフィアの儲けのほうが大切だといっているのと同じことだ。原発労働者は、劣悪な労働環境の中で被曝にさらされながら働いている。この原発労働者の怒りに応えるたたかいを作り出そう。原発労働者の命を大切にする態勢の確立を政府・電力会社に迫るたたかいをさらに強化しよう。また、日本からの原発輸入をもくろむ政府に対してたたかう各国の労働者・市民と連帯して原発輸出を阻止しよう。

 ●6章 労働者の生存をかけて団結し、勝利しよう!

 厚生労働省が二月五日発表した二〇一三年の毎月勤労統計調査(速報)によると、非正規労働者比率は29・41%と過去最高に上昇した。安倍は、一部企業に対して賃上げを働きかけるポーズをとることによって、四月からの消費税の値上げに対する労働者人民の怒りをかわそうとしている。しかし、この統計によっても一三年の所定内給与は0・6%減と八年連続で減少していることが明らかになっており、物価の変動を考慮した実質賃金は0・5%減で、二年連続マイナスとなっている。これに消費税の値上げや社会保障制度改悪による医療費の増加などが加われば、労働者人民の生活はますます苦しくなることは明らかだ。また、最後のセーフティーネットである生活保護制度の改悪も行われ、生活保護費の削減、扶養義務者への調査の徹底、働くことができるとされた人に対する就職指導の強化など生活保護を受けさせない動きが広がっている。
 今春闘において全国一律最低賃金千二百円を要求し、全国全ての最賃審議会への傍聴・意見書提出行動を取り組もう。労働基準法を守らず、残業代未払い・不当労働行為を繰り返す悪徳企業に対するたたかいを強めよう。大企業優遇の税制を変えさせ、消費税増税を許さず、全ての人々と連帯してたたかおう。また、外国人労働者に対する差別待遇、無権利状態を許さず連帯したたたかいを繰り広げよう。労働者の生存する権利を要求し、ストライキ闘争を組織し、団結し、勝利しよう。


 

 

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