共産主義者同盟(統一委員会)


1438号(2014年5月20日) 政治主張






■政治主張

■各地の闘争

■海外情報

■声明・論評

■主要論文

■綱領・規約

■ENGLISH

■リンク

 

□ホームへ

  集団的自衛権「合憲」化粉砕

 6月アジア共同行動を支持・支援しよう

 Xバンドレーダー基地着工阻止


                 
 

 四月二十三から二十五日、米大統領オバマが来日した。二十四日には東京・元赤坂の迎賓館で一時間四十分にわたって日米首脳会談が行われた。
 首脳会談のテーマは、日米安保の強化、日中関係と釣魚諸島(尖閣諸島)問題への対応、普天間基地の辺野古移設、集団的自衛権「合憲」化問題、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の調整などだった。その後、オバマは韓国、マレーシア、フィリピンを歴訪した。
 安倍政権は、日米首脳会談の共同声明の「成果」をもって集団的自衛権行使を可能とする解釈改憲に突き進もうとしている。
 きたる六月、アジア共同行動(AWC)は韓国の仲間をゲストに招いて国際連帯の取り組みを行う。アジア太平洋地域の民衆運動と具体的につながって、安倍右翼反動政権と対決していく国際共同行動を支持し、支援していこう。

 ●第1章 オバマ来日と日・米の軍事戦略

 四月二十六日に発表された日米共同声明において、釣魚諸島がアメリカの「対日防衛義務」を定めた日米安保条約第五条(「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する」)の適用対象であることが確認された。さらに「威嚇、強制または力による領土や海洋に関する権利を主張しようとするいかなる試みにも反対する」として、「防空識別圏」の設定を念頭に置きながら、中国の「力による現状変更の動き」に反対することで一致した。
 集団的自衛権行使の「合憲」化に関しては「日本が検討を行っていることを歓迎し、支持する」として、安倍政権の解釈改憲方針を追認する姿勢を示した。普天間基地の移設問題については「普天間基地のキャンプ・シュワブへの早期移設および沖縄の基地の統合は、長期的に持続可能な米軍のプレゼンスを確かなものとする」と強調し、辺野古埋め立て―新基地建設強行に向けた安倍政権の「強い意志」を示した。
 安倍政権はこれらを「満額回答」とはしゃぎ、集団的自衛権行使を「合憲」化する解釈改憲や「日米軍事協力の指針(ガイドライン)」の改定など日米安保体制の強化に進もうとしている。
 背景には、アメリカの再均衡戦略(リバランス戦略)と日本の集団的自衛権行使の「合憲」化という日米両帝国主義の「軍事的野望」がある。昨年来のシリア内戦問題やイラン核開発問題、さらに現在のウクライナ問題において、アメリカの政治的・軍事的力量の減退は鮮明になっている。アジア太平洋地域において、政治・経済・軍事全般にわたって力を強めている中国との再均衡を目指すオバマ政権にとって、日本、韓国、フィリピンなどの同盟諸国との関係強化は重要な課題になっている。それゆえに、オバマ政権は安倍政権に配慮をして、釣魚諸島へのアメリカの関与を表明したのだ。中国国防省はこの日米合意に即座に反応し、二十四日の定例会見で「安保条約は冷戦期の産物であり、第三者に向けられたものではないはずだ」「釣魚諸島は中国の領土であり、中国軍はこれを防衛する能力を完全に有している」(揚宇軍報道官)と反論した。
 安倍政権はオバマ政権の「支持」をお墨付きにして集団的自衛権行使の「合憲」化に踏み出そうとしているが、一方で中国にも配慮するオバマ政権は「国際法や規範に違反した国が出てくるたびに米国が戦争しなければならないわけではない」「事態がエスカレートを続けるのは好ましくない。日本と中国は信頼醸成措置を取るべきだ」と付言している。
 昨年末の靖国神社参拝に対してアメリカは「失望」を表明したが、安倍首相は「世界の多くのリーダーに共通する姿勢」と強弁し、靖国神社への参拝と侵略戦争を正当化する歴史観を居直ってみせた。このような日本政府が「中国の脅威」を喧伝し、軍事大国化への道を歩むことには欧米諸国も警戒を強めている。安倍政権が「危険な政権」として国際的に「孤立」していく可能性もある。国内においても、改憲論者の法学者でさえ安倍政権の解釈改憲に反対するなど、集団的自衛権「合憲」化への批判が日増しに強まっている。憲法破壊の暴挙をゆるさない運動を進めていこう。
 オバマ来日―日米首脳会談の警備には、警視庁警察官・職員の三分の一にあたる一万六千名が動員された。来日前から首都中枢や主要駅には武装した機動隊員らが立ち、二十四時間体制の道路検問が実施された。駅のコインロッカーを使用禁止にし、ゴミ箱も封鎖した。こうした警察官を大量動員しての過剰警備や人権侵害は二〇二〇年東京オリンピックに向かって強化されていくだろう。権力者や天皇一族を防衛するための治安管理強化を許さないたたかいに力を入れていこう。

 ●第2章 安倍政権の矛盾が露呈、TPP交渉を巡る対立

 二十四日の日米首脳会談は、会談後の共同記者会見で共同声明を発表できない異例の事態となった。日米会談をめどにしてきたTPP交渉が「大筋合意」に至らなかったためだ。「会談の結果は、TPPで要求をのませたい米国と尖閣諸島が日米安保条約の適用範囲との発言を得たい日本とのバーターだ」(山口大教員・纐纈厚氏)というように、オバマ政権は釣魚諸島問題で安倍政権に配慮し、安倍政権の意に沿う合意を行うことでTPP交渉における譲歩を引き出そうとしたが、それでも合意には至らなかった。
 首脳会談の後も、事務レベルでの協議を続けて二十五日のオバマ離日直前に「一日遅れ」の共同声明が発表された。しかし、そこにおいても「TPPに関する重要な課題について前進する道筋を特定した。妥結にはまだなされるべき作業が残されている」というあいまいな文言しかない。日米間で何を合意したのかわからない状態だ。
 オバマ大統領は「日本の農産品と自動車といった分野の市場は、米国に比べて開放度が制限されている」「日本が二十一世紀に前進したいのであれば、いろいろな改革を実施しなければならない」と共同記者会見で述べて、農産物の重要五項目(米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、砂糖)に関して「関税ゼロ」を主張し、自動車に関しては安全基準など日本の基準をすべて「貿易障壁」として撤廃することを要求した。共同声明でも「TPP協定を達成するために大胆な措置をとることにコミットしている」と声明し、農業分野と自動車分野での「大胆な」市場開放を迫っている。
 これらは国内産業や地域経済を根底から破壊させてしまう危険性をもつ。そのことは自民党議員の支持基盤の瓦解にもつながりかねない。TPPは決して参加国すべての経済成長や民生向上に役立つものではない。その本質はアメリカ帝国主義がアジア太平洋地域の経済権益を握り直すためのものだ。
 首脳会談を前後して、甘利TPP担当相とフロマン米通商代表部代表は「TPP大筋合意」を目指して八時間もの協議を続けていた。両者は首脳会談二週間前から日米両国を行き来して協議を重ねてきた。その時間は合計四十時間にのぼるという。日米間をはじめとしてTPPをめぐる利害対立が鮮明になっている。まさに日米両帝国主義が巨大独占資本の利害をかけて真っ向から対立しているのだ。この争闘は簡単には決着しないだろう。
 そもそも、一昨年十二月の総選挙のマニフェストで自民党は「『聖域なき関税撤廃』を前提とする限り、TPP交渉参加に反対します」と明記し、農村部をはじめ各地に「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない」という政党ポスターを貼った。また、安倍政権は昨年四月の国会決議(衆参農林水産委員会)で「農林水産物の重要品目について……段階的な関税撤廃を含めて認めない」「それが確保できないと判断した場合は、脱退も辞さないものとする」とした。
 TPP交渉をめぐる対立は安倍政権の大きな矛盾を表している。農業関係者や医療関係者をはじめ各界各層の人々がTPPの危険性を指摘し、反対の声をあげている。域内における関税や非関税障壁を撤廃し、巨大独占資本の自由な利潤追求を目指すTPPは各国・各地域の民衆の生活を犠牲にしていく。日本政府をTPP交渉から撤退させよう。

 ●第3章 六月アジア共同行動の全面的な支持・支援を

 日米帝国主義のアジア太平洋地域の民衆支配―新自由主義グローバリゼーションによる搾取・収奪と米軍、自衛隊の新たな軍備増強、日米安保の強化・実戦化と対決する、労働者階級人民の国際的な結合を強力に推進していこう。
 AWCは五月上旬に第十七回キャンペーン調整委員会(CCB)会議をソウルで開催した。日本からも訪韓団が組織された。多くの活動家・人士が訪韓し、国際会議の他に、民主労総のメーデー参加や闘争現場の訪問、在韓日本大使館前での抗議行動、諸団体との交流が行われた。
 CCB会議では、日本、韓国、フィリピン、台湾などの参加者が、アジア太平洋地域での具体的な反帝国主義・国際連帯運動を進めていくための討議を行った。キャンペーン共同決議は後日公表される予定だ。日本側は「歴史を歪曲し、アジア民衆に敵対する安倍政権を弾劾する決議」「京丹後市宇川における米軍基地建設計画の撤回を要求する特別決議」を提起し決議された。AWC日本連はアジア太平洋地域やアメリカ本国の民衆の国際連帯運動を実践的に推進してきている。第十七回CCBの成功をもって、強力な反帝闘争を国際的に展開していこうとしている。
 四月十六日、韓国南西部・珍島付近で旅客船セウォル号が沈没する大事故が起きた。京畿道安山市の檀園高校の修学旅行生ら数百人が犠牲となる大惨事となった。いまだに行方不明の人も多数いる。わたしたちはこの痛ましい事故の犠牲者と関係者のみなさんに心からの哀悼を表する。
 事故は韓国社会を悲しみのどん底に突き落とした。原因究明が進むにつれて、人々の悲しみは怒りに変わってきている。犠牲者・行方不明者の家族たちは政府の無策を糾弾し、警官隊と衝突した。民主労総など労働組合をはじめ韓国の運動圏、野党、知識人らは、深い悲しみのなかから、この事故は歴代政権による規制緩和や雇用の非正規化など新自由主義政策に原因があると批判している。事故の対応をめぐって首相が辞任するなど朴槿恵政権は動揺している。
 アジア共同行動は六月に韓国の仲間をゲストに招いて、全国で国際集会、デモ、交流会などの共同行動を開催する。この六月アジア共同行動では、集団的自衛権行使の「合憲」化に突き進む安倍政権との対決が大きな課題となるだろう。
 韓国では、民営化(私有化)阻止を掲げて昨年末にたたかわれた史上最長の鉄道スト、十二月二十二日の民主労総本部に対する六千名の警察兵力による侵奪事態と年末から年明けにかけてたたかわれた国民ゼネスト、労働者の現場闘争、障害者や貧民のたたかいなど、朴槿恵政権の大反動政策への反撃が続いている。新自由主義に対する労働者の闘い、反戦反基地闘争、いずれも日本と韓国の情況は連動している。どちらかで飛躍的な変革があれば、東アジア地域の平和や公正を求める事業にとって大きなプラスとなる。そうした国際共同闘争の意義が再確認され、若者を含む広範な人々による、六月アジア共同行動が準備されている。この国際共同行動を断固支援していこう。
 集団的自衛権の合憲化阻止! 普天間基地の即時無条件返還―辺野古新基地阻止! 京丹後へのXバンドレーダー基地建設をゆるすな! 岩国基地大強化・愛宕山米軍住宅建設阻止! アジア米軍総撤収をかちとろう。安倍政権の労働法制大改悪に反対しよう。労働者派遣法の全面改悪を阻止しよう。戦争と新自由主義グローバリゼーションとたたかう六月アジア共同行動を全面的に支持・支援しよう。

 

 

当サイト掲載の文章・写真等の無断転載禁止
Copyright (C) 2006-2007, Japan Communist League, All Rights Reserved.